皆さん、どうも。今回はUCLラウンド161st Legのザルツブルク×バイエルンミュンヘンのマッチレビューを行っていきます。
ザルツブルクはハイプレスでドイツの絶対王者に真正面から向かって行きました。そして先制点を奪ってみせました。彼らの命を燃やし尽くすようなフルスロットルなフットボールは絶滅危惧種が生存を賭けて必死に生きているような、熱いものだと僕は感じます。ソレでも非情なのがドイツの絶対王者。彼らは後半からの修正でプレスを受け流し、個人の強さでザルツブルクのゴールを最後の最後で破ってみせました。
この試合はかなりハイテンポでシンプルに見ていて楽しい試合でした。では、早速ですが、この試合のマッチレビューを行っていきましょう!最後まで目を通して頂けると嬉しいです!
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ではここから先のブログでのレビューをお楽しみ下さい!
- スターティングメンバー
- ザルツブルクの過去記事
- 大胆なハイプレス
- 距離の短いバイエルンのプレス
- 自陣からの攻撃は?
- バイエルンの修正とは?
- ノックアウトラウンドでも戦えるぞ!
- 最後までありがとうございます!
スターティングメンバー
ザルツブルクの過去記事
グループリーグのザルツブルクはどのような戦いをしていたのか。これについて気になる方は以下の過去記事をご覧になってもらいたい。
基本的にザルツブルクはどの試合でもフルスロットルで熱量を感じるプレッシングで戦ってきている。そしてグループリーグを突破し、レベルが数段階上がったチームとの一戦、バイエルンに対しても変わらずにハイプレスを行っていた。
では次はザルツブルクのハイプレスについてに触れていこう。
大胆なハイプレス
ザルツブルクはラインを越えてプレスに出ること、レーンを跨いで大胆にボールサイドを圧縮することで、ハイプレスを完結させる。だからこそ、スプリントの回数とそのスピードが必須で、プレー強度を保てる若い選手が中心になっている。当然、この大胆なハイプレスはバイエルンミュンヘンにも通用し、彼らに満足なプレーをさせなかった。
基本形はこんな感じだろうか。ザルツブルクは常にボールホルダーにアタックすることを行う。ここで唯一アタックしないのが、この試合だとCBズーレのところだ。ズーレがボールを離すと、そこからハイプレスのスイッチが入っていく。基本的にボールサイドの選手を捕まえて、ボールホルダーに対して出しところを喪失させる。当然、レシーバーは常に近くに人がいる状態なので、前向きのプレーは難しくなる。
ボールサイドの選手は人を捕まえ、周りの選手は大胆にスライドを行っていた。これで逆サイドは捨てるが、そもそも捨てたところでそこを見せないようになっているので、ボールサイドを圧縮することができていた。
具体的にこのようにボールを回収していた。ひたすらボールホルダーにアタックしていくので、バイエルンの選手はプレーを選択する時間が極端に少なくなり、さらにプレーテンポも意図せず上がっていく。これでザルツブルクは自分たちの土俵に持ち込み、走力と反応速度を中心に、ルーズボールが出る場所、もしくはミスが起こり得る場所に人を送り込むことで、自分たちのボールにしていた。そして奪ったボールをより直線的にゴールに向かっていけるようなパスを送り込むことで、アデイェミやアダム、オカフォー、アーロンソのスピードを生かしてバイエルンゴールまで迫っていた。
ボールを保持して立て直すことを半ば捨て、よりダイレクトな攻撃を仕掛けてくザルツブルクのフットボールは今となっては絶滅危惧種なのではないだろうか。ストーミングの代表格とも言えたリバプールも現在はボールを保持しながら崩しも行うことも可能になっている。当然、他のチームも似たような形になってきている中で、ザルツブルクはかなりハイプレスを貫き通している印象だ。
距離の短いバイエルンのプレス
そうとは言ってもザルツブルクも自陣からの攻撃もきちんと行える。だがあくまでも「よりダイレクトに」というスタンスは変わらない。だからこそ、これを止めるためにバイエルンもハイプレスを以下のように行った。
ブンデスリーガを見ていないので、なんとも言えないが、バイエルンミュンヘンの守備はこの試合を見る限りではこのような感じだった。バイエルンも前プレを行う場合は人を中心に守備に入っていく。この時のスイッチがボールサイドSTだったように僕は見えた。サネ、もしくはミュラーがCBにプレスをかけるとスイッチが入る。こうなるとWGがSB、ボールサイドIHをCHが捕まえて中央に誘導してそこでボールを回収、最終ラインでは常に2トップに対して数的優位を維持している感じだった。そして特徴的だなと思ったのが、あまり人が動かないということ。詳細にいうと、スライドとジャンプの距離が極端に短いということではないだろうか。
ぜひともナーゲルスマンのバイエルンミュンヘンを定期的に見ている人がいるのならば、ご教授して頂きたい。
自陣からの攻撃は?
ではザルツブルクの自陣からの攻撃はどのようになっていたのだろうか。これはグループステージのヴォルフスブルクに向かっていったのと同様に、ザルツブルクは3CBの脇を使っていくことで、中盤を省略して攻撃を仕掛けていく。
CFアデイェミを中心に、プルアウェイでCBの脇のスペースをアタックしていく。前半はとりわけリュカ・エルナンデスのサイドを狙って攻撃していた印象だ。現にザルツブルクのゴールはこのサイドから生まれている。シンプルな攻撃だが、ランニングで相手をひっくり返すことを繰り返すことで、MF–DFを分断することができていた。だからこそ、背走した状態で跳ね返したボールを拾えるのは前向きのザルツブルクの選手になっていた。これは確実に狙って作り出しているものだし、そこに人を送り込む設計とそれを支える走力もまた見事なものだなと感じる。
バイエルンの修正とは?
前半かなり苦しんだ印象だったバイエルン。若き名将はしっかりと修正を加える。その修正というのが起点を作る場所だ。バイエルンはゲームを作る場所をまずはCBズーレに設定。これは前半からあまりここにプレスをかけてなかったからではないだろうか。さらに加えた修正が、2トップ脇のスペースを中心にゲームを作り、ズレを1つずつ生じさせたことだろう。
このように大胆にスライドを行うザルツブルクに対して、空いているスペースを使って攻撃を仕掛けたバイエルン。まず空いたスペースというのがCBズーレのところで彼からの対角のロングパスや縦パスが打ち込んでいくことで、ザルツブルク2トップの守備のタスクを若干変更させる。これがまず相手を動かすための第一修正。
次に外側のCBがCFトップから離れたポジションをとることで、ザルツブルクIHとSBに対して「ジャンプしてSBが出てくるのか」と「IHが内側から外側にプレスを行うのか」の選択を迫ることに成功していた。これを行ったことで、局面で数的優位を作り出すことができるようになり、そこから攻撃を展開できるようになっていた。
これで前半は全く前向きにプレーできていなかったトリッソとキミッヒが起点になることができ、押し込むことに成功。押し込むことができれば、カウンターも未然に封じることもできる。これでバイエルンはザルツブルクを押し込んでほぼワンサイドゲームを演じることができたが、逆転ゴールまで奪い切るには至らなかった。
それでもナーゲルスマンが施した明確で迅速な修正はさすがだ!と感じた。
ノックアウトラウンドでも戦えるぞ!
グループステージからザルツブルクを見ている僕としては、正直バイエルンに蹂躙されると思っていたが、蓋を開けてみれば健闘も健闘。ザルツブルクの早く闘志あふれるフットボールはバイエルンミュンヘンにも十二分に通用することを証明して見せた。若い子のチームが巨大なチームに向かっていく姿は勇気までもらえる試合だった。最後の最後に追いつかれてしまったが、真正面から勝負を仕掛けてここまで戦えるのは、これから先の戦いにも大きな影響を与えることは確実だろう。果たして2ndレグはどのような内容になるのか。ここの対決も見逃せない。
最後までありがとうございます!
今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。
次回の記事もお楽しみに!!!
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