サッカー戦術分析ブログ〜Verbalizing Football〜

Jリーグ・プレミアリーグ・セリエAを中心に解説をしていきます。

PL リバプール vs マンU 〜リバプール、漫画の世界へ〜

 

 

はじめに

リーグ戦、無敗。その内訳は22試合21勝1分け。圧倒的な数字を残し、首位を快走しているリバプール。そして今節、ホーム、アンフィールドに迎えるのはリーグ戦で唯一ドローゲームを演じた宿敵、マンチェスター・ユナイテッド。前回のもどかしい試合内容を払拭すべく、欧州王者はホームで圧倒的なパフォーマンスを披露。マンUを前にしても何も恐れることなく戦っていた。そして2-0の勝利を納め、無敗記録を伸ばしている。では今回はこの伝統の一戦を振り返っていこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

リバプールは定石の布陣。怪我をしていたファビーニョがベンチに戻ってきたのが大きな朗報だろう。南野もこの試合のベンチマンバーに入ったが、出場はなかった。

一方のマンU。ビッグクラブ、ビッグ6と試合を行うときはほぼ決まって3バックの形。ここに、この試合のマンUの狙い、スールシャール監督の狙いが詰まっていた。

では早速、試合内容に触れていこう。

 

マンUの狙いとは?

まずはじめに触れたいのが、マンUの狙い。3バックで挑むのには大きな理由があり、立ち上がりは流れを掴みつつあった。ではその狙いを紹介していこう。

(黒⇨リバプール 白⇨マンU

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平たくいうと、マンUは徹底的に人を捕まえ、捨て球を蹴らせる、またはSBでボールを奪うことを狙っていた。CBに対しては2トップ、DMFに対してはOMF、高い位置で幅をとるSBに対してはWB、IHに対してはCH、3トップに対しては3バックがマンマークを実施。そしてSBにボールが入ると、上の図のような形になる。割と高い位置からプレスをかけるマンU。その時に完全に5バックになるのではなく、WBがCHと同じ高さにいることで、SBにボールが入った時にすぐにアプローチに行くことができていた。そしてボールサイドのWBがプレスに行くと、逆のWBはバックラインに入ることで、4バックの形、全体で見ると4-3-3の守備ブロックを形成。これで高い位置でボールを奪い、徹底して背後にボールを送り、CFのジェームズとマルシャルを走らせること、彼らのドリブル突破で勝利を目指した。

 

それでも起点はSB

マンUの策で若干苦しんだリバプール。それでも起点を作り出すのはSBだった。10分あたりから方法が変わり、一気にマンUを押し込んでいく。

ではどのような方法でSBで起点を作り直したのか。

SBに時間を作る方法

SBで起点を作るためにはSBに時間を与えなければならない。そのために、どのように時間を作っていたのか。

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このようにDMFがバックラインに入ってサポートをする事が多いリバプール。だが、マンUのプレスに出方を見て、バックラインに降りずに、中央でボールを引き出そうとすることに変更。こうするとIHが斜めに降りることができ、さらにDMFがバックラインに入った時よりも、SBが低い位置で幅をとることができる。こうすると、WGも幅をとる選択ができるようになる。こうすることで、SBにプレスをかけていたWBと距離ができるのと、WBの背後にWGがいるので、WBは思い切ってSBにプレスに行けなくなる。

この方法でWBとの「距離」を作り、「時間」を生むことでSBに良い状態でボールを持たせることに成功した。

 

SBからの縦パス

そして時間ができたことで、SBからの縦パスが入るようになる。これで一気にマンUの懐を抉り、一気にスピードがあり、厚みのある攻撃を仕掛けていった。

ではどのように縦パスを入れていたのか。

左サイドの場合

左サイドの場合はこのように縦パスを入れ込むことで攻撃を仕掛けていった。

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このようにIHが斜めに降りることで、CHを釣り出し、CFへの縦パスのコースを確保。ここからCFがしっかりとボールを引き出し、一つ前で起点を作る。その時に逆のIHがCFが開けたスペースにフリーラン、さらにWGもハーフスペースに入ることで、中央に人を集める。こうすることで、逆のSBが上がることができ、サイドチェンジをして局面を打開する選択肢も持てるようになる。これが左サイドで縦パスを入れた時のパターン。

右サイドの場合

右サイドの場合はこのようになる。

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まずCBがボールを持った時にIHが前にフリーランでCHを引っ張る。こうすることでDFラインを下げる目的が一つある。ここでもちろんCBからIH、またはWGにボールを配球するパターンもある。ここのロングキックの精度が高いからこそ、SBが活きてくる。そしてCBがロングキックを選択しなかったら、SBへパスを供給。このタイミングでIHが引っ張ったので、入れ替わるようにCFが降りてくる。左サイドと同じようにWGが幅をとることでWBをピン留め。これで時間ができたSBはCFに縦パス、またはIHに縦パスを送ることでスピードを上げる。さらにリバプールの十八番である、SBからSBへのサイドチェンジ。これも時間ができているので可能だ。

 

このように左右ともにやり方は違うが、IHとWG、そしてCFが絡むことでSBに時間とスペースを与え、そしてSBからのパスを引き出すことで攻撃を仕掛けている。

リバプールを止めるためにはここを潰さないといけない」というマンUスールシャールの考えは大いに理にかなっていると思ったが、それの遥か上を行くだけの能力を元リバプールは持っている。

 

プレスを回復するための高精度ロングキック

これはリバプールに与えられた特権。押し込まれる、またはハイプレスを仕掛けられてうまく時間を作り出すことができない時に発動する。それがバックラインからの高精度のロングキック。CB、SB、またはGKから相手DFの背後へのロングパスを出すことで、プレスを回復する。これは前線にマネとサラーという、シンプルに走力のある選手が揃っているからできることだ。背後にボールを落とすことで、敵陣に押し込み、クロップ監督の十八番、ゲーゲンプレッシングを発動させる。

この試合は特に

 

ロングキック⇨背走させる⇨カオスを作り出す or 嵌め込む⇨ゲーゲンプレス

 

のこれらの形がよく見られた。さらにそこからぷrすが嵌っていくという、リバプール側、クロップ監督からすると、とても痛快な試合内容だったのではないだろうか。

 

まとめ

まさにSBが司令塔となり得るチーム、リバプール。サイドで起点を作られるとこんなにも試合内容、はたまたサッカーの内容が変わるので、相変わらず、とても興味深いチームだ。まさにサッカー漫画、『アオアシ』の世界線だ。さらにこの現実のチームはSBだけでなく、CB、CF、DMF、IHとほとんどのポジションの選手が司令塔になれる。そして大外からトドメを刺すようにスピードスターが切れ込んでくる。ここまで戦術的にも、メンバー的にも、そしてメンタル的にも完成されたチームを止めることはできるのだろうか。今シーズン、リーグ戦で唯一のドローゲームを演じた、古豪となりつつあるレッドデビルズでも止めることはできなかった。もう優勝は決まったも同然だろう。あとは、『いつ』、『どのように』優勝するかが問題だ。まだ早いかもしれないが、もはや悲願のプレミアリーグ制覇を手中に収めたリバプール。残りのコンペティションでどれだけのタイトルを獲得することができるのか。これからの戦い、そして南野がどのように絡んでいくのか、とても興味深く、楽しみだ。

 

終わりに

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PL アーセナル vs シェフィールド・U 〜試しに試すアルテタ監督〜

 

 

はじめに

アルテタ監督が就任し、1ヶ月が経った。この間の試合数はこの試合を合わせて6試合。その内訳が2勝1敗3分。怪我人が続出する中、そして色々なことを試す中で、まずまずの結果ではないだろうか。そしてこの試合もまた新たな試みを実行していた。では今回は試合の内容に触れつつ、アーセナルの新たな試みを紹介していこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

アーセナルは前節退場したオーバメヤンの代わりに、期待の新星、マルティネッリが先発出場。さらにソクラテスの代わりにムスタフィ、コラシナツの代わりにサカが先発出場。他はいつも通りのメンバーとなった。一方のシェフィールド・Uは前節と同じスターティングメンバーでアウェイのビッグクラブ戦に臨む。

では早速、アルテタ監督が試していたことについて紹介していこう。

 

アルテタ監督が試していた事

CFが下がってWGが飛び出す

 まずはこれだ。12分50秒からの攻撃がこの形の完成形だろう。数試合前から、CFが降りてボールを受けることが多くなっていた。これはシンプルに中盤のヘルプを行なっているだけかと思っていたが、WGを飛び出させる目的があった。ではどのようなメカニズムでこの攻撃を仕掛けるのか。

(黒⇨アーセナル 白⇨シェフィールド・U)

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まず、この試合のシェフィールド・Uの守備戦術は5-3-2のゾーンディフェンス。アーセナルはシェフィールドの2トップに対して、CHのジャカがバックラインに加わり、3バックの形で数的優位に立つ。CHのジャカがバックラインに入ることはアーセナルの明らかな決まり事だ。そしてこうすることでSBが高い位置を取る。ここでも決まり事がある。この「CFが降りてボールを引き出す形」は両SBが幅をとった時にしか実行されない。SBがはbを取ることで、WGが中に入れる。そうするとCFが降りても中央に誰もいないという状況は解消される。そしてCFがOMFと同じラインまで下がり、ボールを引き出すことで、黒丸のエリアにスペースができる。ここに中に入っていたWGが抜け出すことで一気にスピードを上げて攻撃を完結させる。このようにCFが降りる形は数試合前から見られていたが、綺麗な攻撃の完結の形はこの試合で初めてではないだろうか。

「SBがは幅を取り、WGが中に入る」という条件の下、行われる攻撃だ。

 

OMFエジルの左サイドへの参加

次に紹介したいのは、OMFエジルの左サイドへのサポート。この試合以外は、右サイドのサポートに行くことが多かった。だがこの試合は主に左サイドのサポートを行なっていた。ではこれにはどのような意図があったのか。

ゾーンディフェンスを崩すCHからの縦パス

まず一つ目に考えられるのがバックラインに入ったCH、またはCB(主にD・ルイス)からの縦パスを引き出すためにこの試合は左よりにポジションをとった。こうすることで何が良いのか。

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何が良いのかをまず述べると、四角のエリア、ライン間でボールを受けることができること。ここでOMFのエジルがボールを良い状態で保つことができれば、攻撃のバリエーション、アイデアが広がる。自分の印象だと、左サイドの方がこの組み立てがうまくいっているように感じた。バックラインに入ったCHがボールを持つと、中央にいるCHが寄ってサポートを行う。そうするとシェフィールドのCHがバックラインのCHか、近くにきたCHにプレスに行くか迷う。ここのズレを利用し、CHからOMFへの縦パス、またはSBへのパスを選択。SBにパスを選択した場合でも、赤線のように自然とひし形が形成されるので、良い形で攻撃を組み立てることができる。そして忘れてはならないのが右SBのポジションニング。CHがボールサイドに寄ったので、バランスを取るために中央に位置する。だからWGが幅を取ることができる。このWGが幅をとる事も意味があったのではないだろうか(のちに解説)これがこの試合、OMFが左サイドに流れた一つ目の意図だろう。

 

右WGぺぺのアイソレーション

もう一つの意図が逆のWG、右サイドに位置するぺぺのドリブルを最大限に生かすためにこの試合は左にポジションを取ることが多かったのではないだろうか。

ではどのようにぺぺを生かそうとしたのか。

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先述したようにエジルが左サイドによることで、左サイドでのビルドアップを活性化させる。これでシェフィールド・Uを全体的に左に寄せる。そうすることで赤の四角のエリアでぺぺはスペースを得ることができる。ここからCHのジャカがサイドを変える、またはCB(D・ルイス)からサイドを変えることでぺぺを生かす意図があった。またSBが内側に入ってサポートを行い、さらにはCFもサポートを行うことで、トライアングルを形成。これで優位に立とうとした。だが、シェフィールド・Uのスライドが思ったよりも早く、さらにはCFのサポートも間に合わないことが多かったので、この攻撃が機能したとは言い難かった。

 

ポゼッションを失う理由

次はアーセナルが試合を進めるにつれてポゼッションを失う理由について軽く触れていきたい。

まず一つ目の原因が「人を捕まえられる守備」をされた時。実際にC・パレス戦、リーズ戦ともに、マンマークで守備をされてポゼッションを失っている。だからこの試合、シェフィールド・Uがゾーンディフェンスだったので、ポゼッションを失うことがなかった。だが76分の交代で人を捕まえる守備までにはいかなかったが、人を意識する守備に変わったので、若干ポゼッションを失った。そして失点してしまい、ドローで試合は終わっている。

 

二つ目が「間延び」だ。後半になると、間延びすることが多いのだが、アーセナルに至ってはそれが顕著に現れる。ではなぜそれが現れるのか。この原因はビルドアップ時に相手を引き込みすぎることに原因がある。

先制している試合が多いアーセナル。相手は前に出てボールを奪わないといけないので、前に出てくる。そこでアーセナルは自陣から丁寧にボールをつなぐ。そして苦しくなってロングボールを蹴る。ここでCF、またはWGに収まってしまい、彼らがゴールに向かうが、人数が足りないのでフィニッシュまで持ち込むことができない。これで間延びしてしまうという訳だ。

 

これら二つがアーセナルがポゼッションを失ってしまう理由ではないだろうか。

 

まとめ

チェルシー戦が控えるアーセナル。ここで勝利を手にし、勢いをつけたかったが、追いつかれてドローに終わってしまった。だが内容は徐々に良くなっているので、ビッグロンドンダービー、さらにその先に希望は持てるのではないだろうか。そしてアルテタ監督はなんとかして「ポゼッションを失うこと」と「それらの原因」を改善しなければ、これからも勝ち点を落とし続けるだろう。(確実にアルテタは分かっているだろう。だからこの試合の後半の入り方はインテンシティが高く、前半の内容を維持していた)

すぐにアウェイ、スタンフォードブリッジでのビッグゲームがある。果たしてリベンジを果たすことができるのか。とても見ごたえのある試合になるだろう。とても楽しみだ。

 

終わりに

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PL クリスタル・パレス vs アーセナル 〜ボール保持を失ったアーセナル〜

 

 

はじめに

アルテタ監督の下でするべきプレーがはっきりして、モチベーションと共に自身も取り戻したアーセナル。前節はマンUを下し、FAカップではビエルサ率いるリーズにも苦しみながらだったが勝利。そして迎えた今節は同じロンドンのクラブ、クリスタルパレスとのロンドンダービー。どんな形であれ、2連勝と勢いに乗るアーセナルはここでクリスタルパレスを下し、3連勝を狙う。3連勝をつかめば一気に浮上のきっかけにもなるだろう。だが結果は1-1のドローゲーム。幸先良く、先制点を奪い、ゴールを重ねるかと思われたが、クリスタルパレスに試合のペースを持って行かれ、更にはオーバメヤンの退場で苦しい状況に陥る。そんな状況で勝ち点1をもぎ取れたことは大きいだろう。では今回はこの試合でなぜアーセナルはボール保持を失ったのか。これを中心に試合について触れていこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

クリスタルパレスはサコーの怪我でベテランのケイヒルが先発。他はいつもと同じ顔ぶれに。一方のアーセナルFAカップで休養していたメンバーが戻り、現状で一番良いメンバーで挑む。では早速この試合の失速の理由を紹介していこう。

 

D・ルイスの配球と先制点

アーセナルは先制点を挙げるまで、満点の試合運びだった。ボール握り、奪われたらすぐにぼるを回収と、試合をコントロールして幸先良く先制点を奪った。アーセナルの先制点はこの試合を象徴するものだった。このD・ルイスからの配球と先制点にこの試合、特に前半の良かった点が詰まっている。

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順を追って解説していこう。アーセナルはいつものようにCHが少し下がる事でSBのコラシナツを高い位置に押し出す。これでWGが中に入る事ができる。そしてこの試合、WGが中に入った事で、パレスのSBはWGをマンマーク気味の守備を行う。これで幅を取っているSBがフリーになる事が多くなった。

次にバックライン。クリスタルパレスは4-1-4-1で守備を行っていた。これでバックラインはCF1枚に対して2CB、状況に応じてCB +CH(ジャカ)で数的優位に立つ。

そして次がこの試合の特筆すべき点。上の図のようにCFが1枚でプレスにくるので、アーセナルCBは余地多くの時間とスペースを確保した状態でボールを持てる。ここで中央にいるCHがボールサイド、またはボールから離れる事で赤丸のエリアにスペースを作る。ここへCBが持ち運ぶ事で中盤を引き出し、ライン間のOMFにボールを差し込む。このような組み立てからの攻撃で生まれたのが、アーセナルの先制点。さらに良く見受ける事ができたのは、CBからのロングパス。大外のSBへのパス、クリスタルパレスが出てきたら背後へのロングパス。(青の点線)CBのD・ルイスを中心に、この試合は「CBからのロングパス」が多かった。しっかりとペースを握って、先制点を奪ったアーセナル。ここからが問題となる。

 

前に出るクリスタルパレス

クリスタルパレスは失点を喫してから、徐々に前からプレスを仕掛けるようになる。前に出て、そして人を捕まえられる守備をされて、徐々にポゼッションを失っていく。

ではクリスタルパレスはどのような守備を行なったのか。

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このようにクリスタルパレスは失点から徐々に「人を捕まえる」守備に切り替えた。そしてこの守備が完成したのは30分あたり。CBに対してCFとIH(主に8番)が牽制。降りるCHに対してはWGがマークを行い、中央のCHはIHがマーク。OMFがライン間でうろつき、顔を出すので、ここをDMFがマーク。縦パスを引き出そうとするCFに対してはCBがマークを行う。これで中央の人を捕まえる。SBはフリーだが、プレスを行う時にここにパスを出させないようにプレスをかけるので、アーセナルはここを使う事ができなかった。そして牽制を行いながら徐々にアーセナルを押し込み、バックパスがプレッシング開始のスイッチとなっていた。

アーセナルは「人を捕まえる」いわゆる「マンマーク」に滅法弱く、FAカップのリーズにもマンマークの守備で苦しめられていた。リーズ戦が気になる方はこちらをご覧になってもらいたい。

www.soccer-bunseki.com

この試合は「SBがフリー」の状態だったが、ここを使う事ができなかった。例えばマンCにはエデルソンが、リバプールにはアリソンが、バルセロナにはテアシュテーゲンがいる。FAカップで戦ったリーズにも良いGKがいた。彼らに共通するのは「ミドルパス」の精度の高さ。彼らがいる事でこのようなチームは逃げ道を作り出し、プレスを剥がす。アーセナルGKのレノのキック精度が悪いとは言わないが、ミドルパスでSBに逃げる事ができたならこの試合はもっと楽なものになっていたのかもしれない。

 このようにアルテタ監督は「マンマーク」の守備に対する解決法をこれから考えて行かないといけないだろう。

 

トレイラが下がった理由とは?

トレイラが下がった事に疑問を抱く人は多かったのではないだろうか。自分も実際にライブで見ていて疑問に思った1人だ。だが試合を見返すとその理由がわかってくる。

ではその理由を解説していこう。

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アーセナルの右サイド、クリスタルパレスからすると左サイド。ここには突破力のあるWGのザハがいる。ここを消すためにアーセナルはSBとWGのプレスバックで対応をしていた。だがこれが裏目に出てしまう場面が何度かあった。例えば上の図のようにSB(もしくはDMF、IH)がボールを持った時にアーセナルWGが最初に消すのはクリスタルパレスのWGへのパス。そうするとSBの前にスペースができる。(黒丸のエリア)このエリアに簡単にボールを通されてしまうので、アーセナルの守備が嵌らなかった。そこでアルテタ監督はWGの立ち位置を修正しつつ(それでもWGぺぺは守備が苦手なので完全な修正はできない)CHのゲンドゥージを投入する事で対応を図った。彼はトレイラよりも「動く」事ができ、さらに「対人も強い」。これで上の図の赤の四角のエリアをカバーするというタスクで投入された。実際にここで何度か奪う事ができたが、ビルドアップの部分ではやはり、少し引っかかる事が多かった。アルテタ監督は守備を安定させる事で、流れを引き寄せようとしたのではないだろうか。もちろん、トレイラがどこかを痛めた、または他の意図があったかもしれない。だが自分はこのような意図があったのではないかと考える。

 

まとめ

アーセナルオーバメヤンの退場で万事休すかと思われたが、アルテタ監督はすぐにエジルに変えてマルティネッリを投入。機動力を生かしての守備と、カウンター時に単独でもゴールに迫れる彼を入れた事で、何度か決勝点を奪える手前まで迫る事ができた。10人という状況、かつアウェイということを考えても勝ち点1は良い結果だろう。クリスタルパレスのプレスに対応しきる前に退場となったが、なんとか耐えきる事ができた。ここはポジティブに捉えても良いのではないだろうか。懸念点はオーバメヤンの出場停止。ここから順位を上げていきたいアーセナルにとっては大きな痛手だろう。シェフィールドユナイテッド、チェルシーボーンマスと難しい試合が続く中、 果たして得点源であるオーバメヤンがいない状況でアルテタ監督はどのように戦うのか。そこの対応力に注目してみたい。

 

終わりに

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PL トッテナム vs リバプール 〜インビンシブルズへの挑戦〜

 

 

はじめに

インビンシブルズへの挑戦。それは03-04シーズンにアーセナルが成し遂げた無敗優勝。さらにはそこから「49戦負けなし」とまさに「無敵」のチームだった。そして今シーズン。そのチームに匹敵する強さを兼ね備えているだろうチーム。それがクロップ監督のリバプール。今シーズン、ここまで20勝1分けとリーグで負け知らず、そして昨シーズンから数えて37試合無敗に。この独走体制を止めるべく、立ち上がったのは「スペシャル・ワン」ジョゼ・モウリーニョグアルディオラのマンCが止められないのなら、モウリーニョが止めるしかない。だが、エースのケイン、守護神のロリスを欠き、ホームゲームとはいえ、厳しいものとなることは確実だった。モウリーニョらしい戦術でしっかりと戦ったのだが、それでも現在のリバプールを止めることはできなかった。では今回はこのビッグゲームの解説をしていこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

トッテナムのラインアップは「モウリーニョの狙い」が現れた人選。スピードと突破力のあるルーカスモウラとソンフンミンを前線に置き、カウンターを狙うことを目的としていた。さらにSHにSBが本職のオーリエを配置することで守備力を強化。これがこの試合のリバプール対策として打って出た策だ。一方のリバプールは引き続き、ファビーニョの怪我、さらにミルナーの怪我もあり、チェンバレンが先発に名の連ねる。ここ以外はベストのメンバーだった。

 

モウリーニョの対策

流石のモウリーニョ。奇策までとは言わないが、しっかりとリバプール対策を立てて試合に望んだ。ではまずはその対策について紹介していこう。

(黒⇨リバプール 白⇨トッテナム

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このようにモウリーニョトッテナムはハーフラインあたりまで引き込み、CF2枚で中央を消しながら外回りにパスを回させる。ここでSHにSBが本職のオーリエがいる事で右サイド、リバプール側からすると左サイドのマネとロバートソンにプレーをさせないように試みた。リバプールSBが上がってくると、SHがマンマークを実行し、実質5バックの形になる。リバプールSBが幅をとるので、至極当然、WGが中にポジションをとる。中に入ったWGをSBがマンマーク。これで前進させないように試みた。これが右サイドの守備。左サイドは幅をとるリバプールSBに対してはSBとSHが対応。SHのソンフンミンとSBのダニーローズにスピードがあるため、サイドチェンジをされても追いつく事ができる。右サイドと同じく、中に入るWGに対してはCBのサンチェスがマンマーク。スピードがあり、さらに対人の強い彼だからこそ、リバプールのエース、サラーをある程度、抑える事ができた。このような守備戦術で「ボールを捨てて守りに徹する」ことで0-0で前半を折り返す事がゲームプランとしてあっただろうし、理解できた。

 

それでもこじ開けるリバプール

前半はトッテナムにこのような守備をされ、攻めあぐねるかと思ったが、いとも簡単にゴールをこじ開けて見せた。焦ることなく、一つ一つ対応していくことで徐々に優位に立っていく。だからこそ現在のリバプールは負ける事がない。ではどのように対応をしていったのか。

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まずはトッテナムの前線2枚に対しての対応。ここはDMFのヘンダーソン(もしくはIHのワイナルドゥム)がバックラインに入る事で数的優位を作り出す。これでバックラインで時間とスペースを持ってボールを保持する事ができる。次に中央に降りるIHと、もう1人のIHがサイドに流れる事で牽制を行うCHを釣り出す。もしここでCHがついてこないならばIHがボールを受けて新たにトッテナムを動かす。トッテナムのCHがついてくる事が多かったので、リバプールでよく見る、CFフィルミーノの中盤へ降りてのサポート。IHが開けたスペースにCFが入り、縦パスを引き出す。このスペースで前を向けるので、一気にリバプールはスピードを上げて攻撃を仕掛ける事ができる。

さらにCFが中盤に降りるので中央にスペースが空く。ここに両WGが入り込む事でクロスに対する人数、バイタルエリアでの良い距離感をしっかりと保ったまま攻撃に移る事ができる。これで主に左サイド、CHの脇のスペースで優位に立ち、効果的な攻撃を仕掛けていった。このように少しずつ、一つ一つトッテナムの守備陣形をずらしていく事ができるので、リバプールは「負けない」のだろう。

 

後半のトッテナムのプラン

後半に入り、明確に前に出てきて、プレスを行い、ゴールを奪い、勝利を目指しにきたトッテナム。では前半となにが違ったのか。

守備面

まずは守備面に関して。前半は『Park the bus』、いわゆる「バスを置く」戦術で耐えきろうとしていたトッテナム。これの狙いは「リバプールの攻め疲れ」と「ロングカウンター」で仕留めるためのものだった。そして後半。ゲームプランとしては失点してしまったので、少し崩れたかもしれないが、セカンドハーフから「高い位置から奪いにいく」というものだったのではないだろうか。そしてその方法がこちら。

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このようにトッテナムは前線2枚がCBとDMFにプレス。その時に逆のSHが逆のCBを牽制。こうすることによりサイドを変えさせず、徐々にサイドに追い込んでいく。プレスをかけることで中央が開き、ここを使われるリスクがあるので CH(主にエリクセン)がここを牽制する。そしてこのようにプレッシングを行うのでリバプールSBはボールを受けるために前半よりも高い位置を取る事が難しくなる。これでトッテナムSHが一列前にポジションとる。こうする事でIHに対してプレスが行けるようになり、さらにバックラインも押し上げれるので、リバプールSBに対してはSBが対応。これで上の黒丸の部分でボールを奪う、または背後にボールを蹴らせる事でトッテナムは自分たちのボールにしていき、徐々にボールを持ち始めた。

68分の交代

そしてこれを加速するべく、トッテナムSB3番のローズに変えて11番のラメラ、CH23番のエリクセンに変えて18番のロチェルソを投入。これでさらに前に出るぞというモウリーニョの意思表示。もしかしたら、これはそもそものゲームプランに組み込まれていたかもしれない。そしてボールを奪うパターンを確立した。

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このように積極的にプレスをかけるのはリバプールのDMFがバックラインに入らない時。これがトッテナムのボールを奪うパターン。これで上の図の四角のエリアでボールを奪いきり、ショートカウンターを発動。幾度となく、これでチャンスを作り出したが、ゴールを奪い切る事ができなかった。もしもになってしまうが、ここに大エース、ハリー・ケインがいたら結果は変わっていたかもしれない。

 

攻撃面

攻撃面もかなり前半と変わったものになっていた。ボールを能動的に奪いにいくようになったので、ボールを持てる時間が前半よりも後半の方が圧倒的に長かった。そのため、このような攻撃、特に68分の攻撃からこのような攻撃を仕掛ける場面が多かった。

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前半はロングボール一本で27番と7番(絡めて20番)で攻撃を完結させようと試みていた。だが後半に入り、高い位置でボールを奪う事ができるようになっていたので、攻撃に厚みが増す。2トップの裏抜け⇨クロスというパターン、2トップが裏抜けで引っ張ってSHのランニングを使うパターン、という風にこの二つを使い分けて攻撃を仕掛ける。

あと一歩のところまで迫ったのだが、ゴールを奪うことはできなかった。

 

リバプールがボール保持を失った理由

ではなぜリバプールはボール保持を失ってしまったのか。それは先述しトッテナムの守備も関係しているが、もっと深い要因はCB(DMF)から縦パスが入りにくくなった事。ライン間でボールを受けるためにCFが降りてくるのだが、プレスで自陣に押し込まれていくので、なかなかそこにパスを入れる事ができない。そして自陣深い位置からのロングボールが多くなるので、ボールをトッテナムDFラインの背後におよす事ができなくなっていったから。このような状況に陥ったのでDMFがバックラインに入らずに、セカンドボールの回収と、前に出てくるトッテナムの攻撃陣を潰す役割を担う。だがこれでCBとトッテナムの前線2枚が同数になるので、トッテナムの守備網に嵌ってしまう。そこでライン間でボールを受けることの得意な20番のララーナを投入したがそれほど効果はなかった。

 

トッテナムのハイプレス

それに起因しての自陣深くからのロングボール

これらに関係してのDMFのバックライン不参加

 

この3つがリバプールがボール保持を失った理由だ。

 

まとめ

モウリーニョはしっかりと対策を練り、リバプールに泥をつけることを本気で試みた。この試合に対する準備とはっきりとしたゲームプラン、そしてそれを実行させるマネジメント。敗戦してしまったがさすがだった。だがこの欧州王者はモウリーニョの一枚上をいくチーム。後半のように、劣勢に立たされても失点しない。さらに前半のように守備を固められてもこじ開ける術を持っている。試合巧者で、多くの試合のパターンを知っている。そしてそれを実行できるだけの技術とメンタルがある。果たしてこのままアーセナルが保持する無敗優勝、そして無敗記録を更新するのか。選手、監督ともに気を抜いていない雰囲気が漂うのでもしかしたら達成するかもしれない。そう思わせるほど今のリバプールは強い。果たしてどうなるのか。これからもリバプールに注目だ。

 

終わりに

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FA カップ アーセナル vs リーズ 〜リーズの対策とアーセナルの対応〜

 

 

はじめに

チャンピオンシップで現在首位に立つリーズ。彼らを率いるのは名将かつ知将のビエルサ監督。アーセナルにとって、そしてアルテタ監督にとって難しい試合になる事は明らかだった。試合が始まると、前半はやはりリーズが圧倒し、この勢い、この流れでリーズがこのラウンドを突破するかと感じた。だが、アルテタ監督はハーフタイムでしっかりと修正し、一気に流れを引き寄せて勝利を掴んだ。では今回はアーセナル対策を打ってきたビエルサ監督の狙い、リーズの戦い方と後半に流れを引き寄せた、アルテタ監督の対応策、アーセナルの戦い方を紹介していこう。

 

スターティングメンバー 

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引用:https://www.whoscored.com

 アーセナルもリーズもほとんどメンバーを落とさずにほぼフルメンバーの先発。このメンバーでお互いが難しい試合になると予想している事がわかる。では早速、この試合の解説をしていこう。

前半を支配したリーズ

『前半はリーズの試合』といっても異論を唱える方は少ないのではないだろうか。それぐらい、リーズはアーセナルを圧倒した。ではどのようにアーセナル対策を立てていたのか。

守備の局面

まずは守備の局面。リーズの守備戦術が確実にアーセナルの前進を塞き止めていた。

ではどのように守備を行なっていたのか。

アタッキングサード

(黒⇨アーセナル 白⇨リーズ)

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まずはアタッキングサードアーセナルの後ろからの組み立てに対しての守備。4-1-4-1の布陣を敷いてきたリーズ。アーセナルの2枚のCBに対してはCFとIH。ここでCF(IH)がボールを保持しているCBに対してワンサイドカットでプレスを行う。これが全体の守備のスイッチ。これで上の図のように全体が動き出す。SBに対してSHが、WGに対してSBが、中央でボールを引き出そうとするCHに対してはIHが、もう片方のCHに対しては中央にスライドしたSHがマーク。さらにボールを引き出す事に長けているOMFのエジルに対してはDMFがマンマーク気味で守備を行う事でアーセナルCBにより良質な選択肢を与えず、さらに受け手にも良い状態でボールを持たせなかった。

ミドルサード

ミドルサードではまた違った守備を行なっていた。

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アタッキングサードではCF(IH)が中を切りながら守備を行なっていたが、ミドルサードでブロックを作って守備を行う場合はこのようにCFが外を切りながらプレスを行う。こうする事で2枚のCBに距離を縮め、数的不利をいう状況を作らせなかった。これで上の図のように中央に誘導していく。アーセナルのCBは外を切られるので、パスの選択肢は主にこの4つ。このパスコースに絞る事で、それぞれがインターセプトを狙ってショートカウンターを仕掛けることに成功。

 

これらの守備戦術でリーズはほとんどゴール前まで攻め込まれる場面を作り出させず、そしてシュートを3本しか打たれないという、ほぼ完璧な守備を行ない、アーセナルを苦しめることに成功した。

 

攻撃の局面

では攻撃の局面ではどのようにアーセナルを苦しめ、そして試合を支配したのか。

この試合を観て、リーズの攻撃の印象は

  1. ボールが動く
  2. スペースに人が必ずランニング
  3. 追い越す動き
  4. 3人目、もしくは4人目の動き

この4つが大きく印象に残った。そしてアーセナルを苦しめ、試合を支配できたのは「ビルドアップ⇨早い攻撃」だろう。

ビルドアップ⇨早い攻撃

まずはビルドアップ。これはどのチームも攻撃を組み立てるにあたって必要なプレー。リーズのこのビルドアップはかなり整理され、そしれレベルの高いものだった。

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このようにいくつかパターンがある。アーセナルの守備時の陣形が4-4-2になるので、CBとGKで数的優位を作る。ここでしっかりとボールを回し、OMFがプレスをかけてきたところでDMFが背後、ライン間でボールを受けてフリーになる事が多かった。ここでDMFがボールを受けると、アーセナルは全体を押し下げ、守備ブロックを再形成しなければならなくなる。ここの数的優位の作り方、ボールの動かし方で優位に立った。

 

次にGKからのミドルパス。これがこの試合で個人的に一番驚いたプレーだ。先ほどの述べたが、CBとGKで数的優位を作り出すことに成功していたリーズ。だがここでGKのパス精度が高くないと、数的優位に立っていても、その効力は半減する。だからこそ、現代サッカーにおけるGKの足元の技術が必要なのだ。その技術の詳しくいうと『ミドルパス』。マンCのエデルソン、バルセロナテア・シュテーゲンリバプールのアリソンなど、キックの精度が高い。そして彼らと比肩するぐらい、リーズのGKもキック精度が高かった。これでGKから逆のSBにパスを送ることで、SBが運出せる。そうすると先ほどと同じようにアーセナルは後退を余儀なくされる。

 

最後はSBからのCFへのロングパス。大切にボールを繋いでいると思いきや、時たまCFへのロングパス。これの意図として、「全体を早く押し上げる」、「アーセナルを後退させる」、「中盤の数的優位を生かしてセカンドボールを回収する」ことに意図があっただろう。この方法でもリーズはしっかりと前進していた。この方法にもアーセナルは苦しめられていた。

 

この「早い攻撃」に関しては守備からのショートカウンターとこのビルドアップからの長いパス(ミドルパス / ロングパス)⇨セカンド回収 or トライアングル形成⇨スペースに出る動き・追い越す動きの繰り返しでアーセナルゴールを脅かした。特にこの攻撃が現れたのが10'30~と14'30~の攻撃だ。これでアーセナルゴールまで迫ったが、あと一歩足りなかった。もしも一点でも奪っていれば確実に違ったゲーム内容になっていただろう。

 

アーセナルの対応

なんとか『耐え切った』アーセナル。耐えれたことにより、アルテタ監督はリーズに対する対応を考える事ができたのではないだろうか。現に前半と後半では全くもって違う展開になっていた。ではどのような対応を施したのか。

 

ビルドアップに対する守備の改善

まずはこれだ。これを施したからこそ、アーセナルは「前に出る」事ができた。もちろん「出足が早くなった」、「インテンシティが上がった」のもある。だがこれらで片ずけていいものではない。ではどのような守備の改善をしたのか。

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結論からいうと「サイドを圧縮」。これで対応をした。だがこの方法がとても興味ふかいものだった。変わらないのはOMFとCFの2枚でCBとGKにプレスをかける事。ここは変わらなかった。では変わったところを解説しよう。まずはWG。WGがSBにプレスをかける事が少なくなり、上の図のようなポジションに立つ事でIHへの縦パスを牽制。(もちろんSBにプレスに行くこともある)これでSBにパスを出させる。ここでロングボールを蹴られてしまうと前半と一緒だが、ここにCHが出てくる事でプレスを完結させる。そのために中央のCHと逆のWGがスライドで中を埋め、SHに対してはきちんとSBが前で対応。さらにSBからGKへのバックパスを防ぐためにCFが牽制のポジショニングを取る。このようにしてサイドを圧縮してボールを奪う、前進させない、捨て球を深い位置から蹴らせることで、リーズのリズムを崩していった。

守備の改善で何が良かったのか

守備を改善したことで何が良かったのか。前半にアーセナルが攻め込まれた理由は「後退せざるを得ない」状況に陥ってしまっていたこと。これはライン間で受けられる、サイドを変えられる、良い状態でロングボールを蹴られる、といった事が原因で後退してしまっていた。だが上記のような守備にしたことにより、相手陣内で守備を行えるようになり、全体を押し上げることに成功し、コンパクトに保てるようになった。これで距離感がよくなり、ネガティヴトランジションでボールをすぐに奪い返す回数が圧倒的に増えた。これが守備の改善で良かった点だ。

 

CFの起点とWGの位置

攻撃に関しても若干の修正があった。それは主にCFがボールを引き出した時のWGの位置。これに若干の修正が入った。

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前半は幅をとる事が多かったが、後半に入り、STの位置にポジションをとる事が多くなった。これはこの前の試合、マンU戦で見せた新しいビルドアップ、CFが降りてくるパターンでをより効果的にしたものだ。だから上の図のようにフリックで抜け出すこともできるし、この試合の決勝点のように、WGがハーフスペースでターンをして、CFがサイドに抜け出し、WGがフィニッシャーの位置をとる事ができる。後半の頭からこのような修正が入ったので、一気に攻勢に出る事ができ、シュートの本数も後半だけ見るとリーズを上回った。

 

まとめ

さすがはビエルサ監督。とても良いチームを作っていて、さらには良い選手も揃っている。なんだかんだで曲者が揃うチャンピオンシップで首位に立っているだけはあるという、とても面白く、興味ふかいチームだった。そしてそのチームにしっかりと対応するアルテタ監督。さすがはグアルディオラ監督の信頼を勝ち得ていただけはある。挑戦的な方法で修正を加え、次のラウンドへ駒を進めることに成功した。共に意図が見える面白い試合だった。来季にリーズがプレミアリーグに上がってくるとますます面白いリーグになると感じた試合だった。

 

終わりに

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FA カップ 南野拓実のフィルミーノ・ロールの可能性 〜エバートン戦のプレー解析と評価〜

 

 

はじめに

ザルツブルクに加入してはや5年。24歳の青年はとうとうビッグクラブに辿り着いた。CL、アンフィールドでの一戦で1ゴール1アシストと自身の能力、実力をリバプールの選手、監督、サポーター、はたまた世界に知らしめ、そして確かな実力でつかんだこのステップアップ。「日本人選手がリバプールに移籍した」という事実だけでリバプールの試合を見る人は増えるのではないだろうか。そして迎えたデビュー戦。世界最古のカップ戦とされるFAカップで先発出場。しかもマージーサイドダービーでのデビューとなった。では今回はこの一戦で見せた南野拓実のプレー解析、「フィルミーノ・ロール」の可能性を探っていこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

まずはスターティングメンバーから。リバプールは過密日程ということもあって、若手主体のメンバーに。一方のエバートンはほぼフルメンバー。対照的とも言えるこのメンバー選考でマージーサイドダービーが始まった。

 

可能性を秘めたフィルミーノ・ロール

この試合で南野は3トップの一角、CFに入ってプレー。前目のポジションならどこでもハイレベルで行える南野だが、CFで起用されたのはクロップ監督が『フィルミーノの代役、もしくはもう一つのオプション』として選択肢が持てるかどうかを観たかったのではないだろうか。(もちろん、まだ1試合、しかもチームに合流して数日しかたってないので判断を下すには早すぎる)そこで、南野はフィルミーノ・ロールを行える、数少ない選手なのか。早速、解説していこう。

 

フィルミーノと南野のプレーエリアの比較

まずはわかりやすく、プレーエリアの比較をヒートマップで確認してもらおう。

フィルミーノのヒートマップ

vs レスター タッチ数:51

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引用:https://www.whoscored.com

vsウルブズ タッチ数:50

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引用:https://www.whoscored.com

vs シェフィールド・ユナイテッド タッチ数:66

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引用:https://www.whoscored.com

 

このようにフィルミーノはピッチ全体でプレーすることが多く、同じエリアに「留まる」ことがない。これは中盤のサポートを行ったり、リンクマンになったり、サイドに流れて起点になったりと様々な役割をハイレベルで行なっているからだ。だからこそリバプールにおいて、フィルミーノの存在は円滑油として必要不可欠なのだ。

仮にだが、もしもフィルミーノが他クラブへ移籍したとする。そこでフィルミーノがリバプールで見せたこの活躍ができるか問われると、もちろん活躍はするだろうが、ここまで「必要不可欠」の選手にはならないだろう。リバプールだからこそ、ここまでの活躍ができるのではないだろうか。

 

南野のヒートマップ

vs エバートン タッチ数:33

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引用:https://www.whoscored.com

 

70分までのプレー、若手主体、合流して数日、というこれらの事象を考慮してもタッチ数33は悪い数字ではないだろう。そして何よりも南野のプレーエリアも「留まる」のではなく、様々なエリアに顔を出し、サポート、リンクマン、起点、というプレーを行なっている。安直かもしれないが、このデータを見る限り、南野はフィルミーノ・ロールを行える裏付けができる。ではさらにこの可能性を探っていこう。

 

ポジショニングと動き直しと確認の精度

これが彼の最大の武器であり、そして評価を高めた要因だ。この試合もその強みをしっかりと見せた。だが若手主体で他の選手もアピールをしたいが為にパスが回ってこなかったという印象を受けた。(若干、贔屓)

それでも南野はパスが来なくてもポジションを取り直し、何度もパスを要求。このポジショニングがかなり秀逸だ。ではこれを紹介していこう。

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まずはこの場面から。南野はこのように『観る』ことに優れている。この『観る』とはただ観るのではなく、きちんと『認識』する事だ。これが土台にあるので、南野のポジショニングが光る。ここで南野がスペースに抜け出すことで手前の選手が時間を持ってボールを受けることができる。これが南野のフィルミーノ・ロールの可能性があるプレー。そして次の場面。

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このようにスペースに抜け出したことで、南野は赤線のようなイメージを 持っていたのではないだろうか。ここにポジションを取ることでCBを一枚引きつけて、味方をフリーにすることができる。この絶妙なポジショニングができるのが南野の強みだ。ここもフィルミーノと似ている部分。だが現実は厳しく、ボールを受けることができず、黒線のようにボールが動く。

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そしてボールが動いている間に周りを確認することで動き直しの質を高める。

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トラップのタイミングでボールを要求することで出し手とのタイミングを合わせる。さらにワンプレー前に確認を行なっていたので、DFとの距離をとれ、狭いスペースでフリーになれる。このDFとの距離感が上手く、そして絶妙だ。だがここでもボールが出てこない。

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そしてここでもこのようにボールの移動中に確認を行う。この確認で次のプレーの予測を行い、ポジションを決める。そして次のポジショニング。

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確認を行なったことでここのスペースでボールを受けることができる。これはよく、フィルミーノとサラーが行うコンビネーションプレーと似ているものだ。

他にも多くのこのような場面があった。

例えば23分12秒の場面。

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このようにまずはスペースに抜け出す。これは先程、紹介したパターンと似ている。この動きを何度も繰り返すことで南野は味方に時間とスペースを与えれる。

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これで時間を得た選手はここから新たに攻撃を構築。南野はすぐさまポジションを取り直す。

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そしてここでも確認を行う。どこにスペースがあり、そしてどこのスペースを空けるのか。さらにはポジションを取り直した場所もよく、DFの間に立つことで「浮いた」

ポジションをとる。中村憲剛の言葉を借りると「DFの間に立つ選手は、パサーからすると浮いて見える」。まさにそのポジショニングだ。

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このようにボールを受けにスペースに降りたことで、上の図の①と②の選手が数メートル前に上がる。ここでライン間にスペースが生まれる。

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どこに誰がいるのか、そしてどこにスペースがあるのかを再び確認。これでまたポジションを取り直す。

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次に確認するのがボールと味方の動き、DFの動き。この三つを確認した上で次のポジションをとる。

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これでスペースでフリーになれる。

もちろん他にも20分25秒からの場面や32分10秒から、33分11秒のヘディングの場面、48分18秒から、50分28秒など、多くの確認、動き直し、ポジション取りを行なっていた。この一連の流れを絶えず行うことで味方をフリーにし、そして自分もフリーになる。ここに南野の武器が詰まっており、そして数少ない、とても希少な選手となり得た。これがフィルミーノ・ロールに可能性を見い出せるプレーの一つ。

 

リンクマンとしての役割

次に紹介したいのはこの「リンクマン」。これもザルツブルク時代から得意としているプレー。その象徴的なプレーがこのプレーだ。

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まずはこのように中盤に降りるところから始まる。ここに降りることで、WGが中にランニングするスペースとSBが上がるスペースと時間を作り出すことができる。フィルミーノもここに降りることで時間とスペースを作り出している。

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そしてここでボールを受けれるのが南野。先程も述べたがここでボールを受けることによってWGが中へランニング、SBが一列前にポジションを取ることができる。これで全体を押し上げることができる。

 

この試合で南野はこのような動きをしていたが、ボールを受けれる回数が少なかった。これから信頼を得ることでボールを引き出す回数も増えるだろう。

そしてこの「リンクマン」としての役割も南野がこれからリバプールで生き残る道ではないだろうか。

 

プレッシング

このプレッシングに関してはリバプールに必ずフィットすると多くの人が感じていたのではないだろうか。ザルツブルクリバプールはプレッシングカウンターという戦術を取り、その中で南野は揉まれてきた。だからこそリバプールでもプレッシングに苦労することはなかった。実際にこの試合もしっかりとプレッシングを行えており、エバートンCBにビルドアップの時間を与えていなかった。この守備時の動きに関して、この1試合で大きな評価を得れたのではないだろうか。

 

まとめ

70分までの個人的な評価として、「かなりよかった」までは行かないが、「よかった」というのが個人的な意見だ。これはまだ合流して間もない、そして若手主体のメンバーだったのを含めた評価だ。これからフルメンバーとの掛け合いが増えてくるだろう。本当の勝負はそこからで、まだスタートラインに立ったばかり。フルメンバーとどのような掛け合いをし、そしてその速さについていくことができるのか。はたまた「プレミアリーグの水」に適応できるのか。とても楽しみで、興奮する。

何と言っても、この試合で好印象を残せ、そして南野がリバプールで生き残るための道を見出せたのではないだろうか。これからの南野に期待したい。

 

終わりに

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PL アーセナル vs マンU 〜アルテタ監督の初勝利〜

 

 

はじめに

アーセナルマンU。どちらも現状に苦しみ、そして全盛期と比べると牙を失った猛獣のように「恐さ」がなくなった。だがそうは言ってもビッグクラブ同士の一戦。見逃すわけにはいかない。アーセナルはアルテタ監督の下、初勝利をかけて。マンUは3連勝を、そして威厳を取り戻す為の勝利をかけて。そんなビッグマッチだったが、この試合の内容は圧倒的にアーセナルが良かった。この2試合で見せた積み上げてきていることに、さらに上乗せをし、志しているサッカーを体現し始めた。そして何よりもホームでビッグ6相手に勝利を挙げることができた。一方のマンUはずっと課題であるボール保持時の攻撃が一向に改善されず、不甲斐ない結果に終わってしまったのではないだろうか。では今回はこのビッグマッチについて紹介していこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

 

アーセナルは前節のチェルシー戦から29番ゲンドゥージに変えて34番のジャカ、怪我をしたという情報のあったSB77番のサカに変えて31番のコラシナツ、CB5番のソクラテスが戦列に復帰。ジャカが先発に戻ってきたのはアーセナルにとって大きかった。

一方のマンU。両SBが入れ替わり、マンチェスターダービーで、印象的な働きをした2人が先発。さらにOMFにアンドレアス。ペレイラではなく、リンガードが先発に。明らかに戦い方は『カウンター』だっただろう。では早速この試合のトピックスを紹介していこう。

 

アーセナルの新しいビルドアップ

まずはアーセナルのビルドアップについて触れてたい。アーセナルのは試合を重ねるに連れてどんどん前進の方法が改善、整理され、効果的に、能動的にボールを動かすことができるようになっている。そしてこれが基本的なビルドアップの方法。

 

www.soccer-bunseki.com

 新パターン①

そして今回はこれに加えて、新しい方法でビルドアップし、そしてそれを起点に先制点を奪って見せた。では早速、どのように前進したのかを解説していこう。

(黒⇨アーセナル 白⇨マンU

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CHがバックラインまで入るところまではこれまでの試合でなんども観られてきた。(特にボーンマス戦 後半)そしてここからの前進の仕方が新しいものになっていた。C今までだとWGがハーフスペースに入り、縦パスを受けていたのだが、この試合の多くはCFが降りてきて縦パスを引き出し、そして受ける。これでマンUのCBを誘き出し、スペースを作る。そして縦パスを引き出したCFがフリックをすることでWGが抜け出すというものだ。マンUSBが絞れば対応が可能だが、CHがバックラインに入ったことにより、SBが高い位置で幅を取っているので絞ればSBに絞らなかったらWGに抜け出されるという難しい状況に追い込まれていた。この方法がアーセナルがこの試合で試した新しい方法だ。さらにこのようなパターンも見受けることができた。

新パターン②

このパターンはCHがバックラインに入らない、左サイドでの前進のパターン。

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このように逆のSBがバックラインに入り、CB(特に23番のダビド・ルイス)で幅を作る。彼のフィードのうまさを生かして、CF(状況によってはWG。この試合はCFが異常に多かった)に縦パスを入れる。CBからCFに縦パスが入ることで一気にボールサイドに目線を集めることができ、さらにCHが落としのボールを前向きにもらう事ができる。これでSBが下がる事でできたスペースにOMFが入り、ボールを受ける事で一気に攻撃のスピードを上げることができていた。

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そしてこのようにOMFがボールを運びながら時間を作ることでWGが斜めに、ゴールに向かう時間、そしてSBがオーバーラップをする時間を作り出す。この前進方法も何度か観られたものだった。やはりするべきプレー、ビルドアップの方法がはっきりするとダビド・ルイスは一気にワールドクラスのCBになるなと改めて感じる試合だった。

パターン③

パターン②と若干似ているのだが、これはSBにコラシナツが入っていたからこその前進方法だったかもしれない。次の試合で確認しようと思うが参考までに。

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SBに入ったコラシナツは割と高いポジションを取りたがる傾向があった。CBのパス精度の高さも相まってWGの背後でボールを受けれることが多かった。そしてここからWGが内から外に抜け出す事でボールを引き出し、SBがインナーラップ。またはCFがボールを受けに降り、できたスペースにドリブルで進出。このような方法も見受けることができた。

 

これらの新しいパターンをこの試合で試していたので、SBが中に入ることが少なくなっていた。ヒートマップもこのようになっていた。

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引用:https://www.whoscored.com

 

これがSB、メイトランドナイルズ、コラシナツ、サカのヒートマップ。もちろんここ2試合で試したビルドアップももちろん使っていた。だがこのように新しいことにも挑戦している。これだけでは語れないものもあるが、この新しいビルドアップの方法を裏付けるには良い資料ではないだろうか。

 

アーセナルの守備

嘘のように良くなったアーセナルの守備。特にネガティブトランジションの反応がかなり良くなったのではないだろうか。そしてこの試合の守備についても少し触れておきたい。ではこの試合はどのように守っていたのか。

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まずアーセナルの守備陣形は4-4-2。これでCBにプレスをかけていく。その時にマンUのCBのマグワイアにプレスにかける場合はこのようにOMFが中央を消し、WGがSBを消す事で隣のCB、リンデロフにパスを出させる。そしてリンデロフにボールが入るとスイッチが入る。

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このようにしてCBのリンデロフにロングボールを蹴らせる事でCBのダビド・ルイスソクラテスでボールを弾き、守備をしていた。これが主にこの試合で狙っていた守備戦術ではないだろうか。(基本的な守備戦術はもう少し試合を見てから後々更新予定)

 

持たされたマンU

後半に入り、マンUはボールを持たされた、いやボールを持たなくてはいけない状況に陥っていた。ボールを持ってしまうと勝てなくなってしまうマンU。その要因が以前紹介したように、工夫がなく、そして動きがないから。この現象は全くもってエバートン戦と同じものだった。どのような現象かきになる方はこちらをご覧になってもらいたい。

www.soccer-bunseki.com

 

そしてこの試合は特に選手が孤立状態で、まさに個人技頼みの攻撃になっていた。マルシャル、ラッシュフォードにボールを集めるが、サポートがないので為す術がなく、ボールを奪われ、守備に回る。マンUは負けるべくして負けた試合だったのではないだろうか。

まとめ

対照的な内容となったこのビッグゲーム。アーセナルはアルテタ監督になり、難しいゲームが続いて苦しんだが初勝利を掴むことができた。しかも内容もよく勝てたこと、ジャカも帰ってきた事、新しいビルドアップが機能した事、そして何よりもマンUというビッグクラブを叩けた事は大きな自信につながるのではないだろうか。懸念材料としてはSBだろう。重点的にこのポジションにけが人が続出しているので冬のマーケットで補強は必須だろう。アルテタ監督になり、嘘のようにアーセナルの試合が面白くなった。これからどのようにチームを組み立てていくのかより楽しみになる試合だった。

一方のマンU。ビッグ6相手に善戦を繰り返していたが、ここにきて敗戦。内容も負けパターンのもので、ポジティブな面は少なかった、あるいはなかったと言っていいのではないだろうか。冬にザルツブルクのハーランド獲得の噂が出ていたが、彼はドルトムントへ移籍。クラブの格も徐々に落ちてきている感じが否めない。果たしてこのまま「ボールを持つと勝てない」というチームになってしまうのか。それともポグバ復帰+スールシャール監督の修正を見る事ができるのか。どうなるのか、これからも注視していきたい。

 

終わりに

 

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では次回もお楽しみに!バイバイ!