はじめに
皆さん、どうも。今回はPremier League第26節のマンチェスターシティ×トッテナムのマッチレビューを行っていきます。チームの練度がどんどん上がっているシティ。彼らは今、最高の状態にあると言っても過言ではないと思います。そんなチームに立ち向かったコンテ・スパーズ。彼らは持ち合わせる最大の武器を手に、この試合も劇的な勝利を収めて見せました。コンテが就任してから劇的な試合が多過ぎな、トッテナム。
コンテが考えたのが確実にソンとケインという両刀を最大限に生かし切るロングカウンター。だからこそ、守備から試合に入り、保持されることを極端に許容しました。だからいくら押し込まれようと、トッテナムは能動的に守備をしているように僕には見えました。
それも関係して、シティの最終ラインはかなり高い位置まで上がっていました。これが多分狙いで、だからこそ、ロングカウンターを発動しそして完結まで持っていけたのではないでしょうか。
では今回はトッテナムがこの試合でどのようにしてプランを遂行していたのかを中心に考えていきます!最後まで目を通して頂けると嬉しいです!
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スターティングメンバー
侵入を徹底的に潰す
まずはトッテナムの守備から考えていこう。この試合でトッテナムが徹底して潰していた侵入がある。それが「下のパス」と「ドリブル」での侵入だ。これを消したのは確実に内⇨外の展開で動かされることを嫌ったからだろう。僕の印象だが、コンテが就任してから、トッテナムは横のスライドの回数が減り、さらにその距離も短くなっている印象を受ける。特にCHのその回数と距離だ。その代わりに縦の行き来はかなり増えていると思う。
だからこそ、この試合でもCHの縦の出入りが多かった。これがまず中央に下のパスとドリブルで侵入されることを防ぐ大きなポイントになっていた。
こちらがトッテナムの守備の陣形と基本タスクになる。特徴的だったのがSTのタスクで、まずはかなりIHを意識して内側、そしてしっかりと下がってポジションを取るようになっていた。(これは後に説明することにつながってくる)
STが内側に絞ってさらに下がるので、中盤4枚の距離はかなり近かった。ここからもわかるように、トッテナムはまず中央への下のパスを消していた。
だがこれだけでは不十分で、シティのCBは持ち出して相手を動かすプレーを頻繁に選択し、その質は驚愕の高さだ。当然、トッテナムはここも潰さなければならない。
だからトッテナムはCBの持ち出しに対しては以下のように対応する。
このように持ち出すCBに対してはCHが前に出て対応を行うように設定されていた。これもかなり特徴的で、このプレーを選択することで内側を消せていた。さらにSTがIHの近くまで下がっていることで、CH–STの門もかなり狭くなっているので、これも内側を消せた大きな理由だろう。
ここのCHを縦に押し出すという守備はコンテが来てから変わったところの1つだと僕は思っている。これを行うことで、STが斜めに出る、剥がされて斜めに戻ることを防ぎ、さらにSTの背後をCHが距離のある横スライドで対応するということを防ぐことが可能になっている。だからこそ、STとCHの縦スライドの距離と回数は増えるが、横のズレは極端に減っているのではないだろうか。
このようにしてトッテナムはまず外側に誘導する。そして外側に誘導した時点で奪いにいくのではなく、まずは時間を稼ぎながら、ブロックを下げていくことを選択していた。
サイドに誘導するとSTが内側から外側に対応することで時間を稼ぐ。この時間の間にCHがしっかりと素早くポジションに戻ることで、ローブロックを形成。そしてサイドのST−CH–WB−CBのユニットでボールを回収するか、もしくは入ってくるパスを回収することでロングカウンターに出る。この時に起点となるのがケインで、カウンターのフィニッシュ担当がソンになる。ここのホットラインとクオリティの高さはいうまでもないだろう。
11:43〜や22:03〜の守備の仕方はとても分かりやすいのではないだろうか。
ひたすらにトッテナムは下のパスとドリブルでの侵入を防ぎ続けることで、『待ち構えた状態』でクロス跳ね返し続けていた。仮にシティに上から叩けるCFがいたのならまた話は別だと思うが、現実はシティにそのような選手はいない。だからこそ、コンテはこのような方法を選択したのだろう。
だからこそ、トッテナムは常にゴール方向から前向きに守備を行うことができてた。
異質なカンセロ
シティはトッテナムの守備にかなり苦戦していた。押し込むことはできても、その先の崩しをどうするかという問題に陥っていた感じだ。これはいくらシティとも言えど、トッププレーヤーにあれほど場所を埋められてしまうと難しくなるのは必然だろう。
だがそれでも徐々にゴールに近づくことができていたのは、カンセロの存在だろう。彼の圧倒的なボールセンスで強引にDFを1枚剥がして崩しにかかっていた。だからこそ他の選手が空いて、優位性を作り出すことができるようになっていた。あんなにDFを剥がして、あれだけボールが扱えためちゃくちゃ楽しいだろうな。
速攻に移るための用意
防戦一方になること、いやボールを保持させて守備の時間を長くすることを考えたトッテナム。だが時間帯によっては「ボールを保持できる」局面もある。コンテ監督はペップ・シティのハイプレスをひっくり返して速攻に出れるプランも用意していた。それがクルゼフスキの先制点に繋がった。
ではトッテナムは速攻に出るためにどのような用意をしていたのだろうか。
これは3:56〜や12:35〜、16:36〜などを見るととても分かりやすいと思う。
まずは先制点のシーンのようにケインがボールを引き取ってカウンターの起点になるパターン。トッテナムが特に動かしたかったのはロドリとSB。ここを動かすためにCHが囮になったり、WBがSBの近くまで上がったりしていた。これがカウンターに出るための素地になる。さらに3バックなので、広がりを持つこと(WGの背後を取ること)ができれば、割と時間を持つことが可能になる。ここでSBがWBを捨ててジャンプしてくれば、そのままSBの背後を使えば良い。これで斜めにケインに差し込むことで、STのソンもしくはクルゼフスキが背後にランニングして一気にカウンターに移行する。
先制点はこのような形で生まれている。
そして速攻の移るパターンはもう1つある。それがSTがカウンターの起点になるパターンだ。
このように素地は変わらずCBから斜めに差し込むことを基本としていた。変わるのはレシーバーで、ここで受け取るのがSTになる。STが受け取ることができたのはここでもロドリを動かすことができていたこと、さらにロドリの視野外からボールを引き取る動きをしたから。これで一瞬の遅れを作りつつ、出てくるSBに対して数的優位を作る出せる。
このパターンだとWBが背後をアタックする役割になる。SBが出てきているので、その背後をWbがアタックしていた印象だ。仮にそこをケアされるとケイン経由で逆サイドまで持っていくことで、広がりを持って攻撃を仕掛けることができる。
試合はボールを持てないことがほとんどだったが、そえでもボールを持てた時にもしっかりと、攻撃に出れる準備を怠っていなかった。その結果が最初のチャンスを創出し、それを決め切った先制点に繋がったのだろう。これは偶然ではないと僕は思う。
皮肉にも…
トッテナムは2点目を決めてから、かなりローブロックを作り出していた。ボックス内の人数は異常で、そこを崩していくのは至難の業になっていた。だから必然的にクロスが多くなったシティ。こうなるとトッテナムはゴール方向から前向きに跳ね返すことができる。単調になっていく中で、一発を決めれる選手がシティにはいない。いわゆる生粋のストライカーだ。仮にストライカーがいれば、このような展開になった時でもなんとかしてくれる感じはある。それがクラブのレジェンド、アグエロだった。彼がいなくなってから、上手く攻撃を分散させ、ゴールを量産してきたシティ。だがこの試合のように、守り切る意志を明確に迫られた時、さらに割り切ってゴール前にバスを置かれた時に苦しむことは予想できていたから、シティはケイン獲得を本気で考えたのだろう。
当然、ボックス内に人をかけると事故が起きやすく、そしてそれを見事に誘発したシティ。これでドローで試合が終えると思った矢先、ケインが皮肉にもクロスを上から叩いて劇的な決勝弾を奪ってみせた。
トッテナムはこれで王者に対しシーズンダブル。さらにはコンテが就任してからまたしても劇的な展開で勝利をもぎ取った。コンテの勝者のメンタリティが植え付けられつつあるのか、劇的な展開が増えたのはコンテ就任と大きく関係していそうだ。
ひたすら守り切り、勝利を手にしたトッテナム。見事だった。おかげさまでプレミアリーグの激闘がさらに激化した。シーズンの佳境に向かう中、どのチームが生き残り、脱落していくのか。「魔境」プレミアリーグも目が離せないのは確実だ!
最後までありがとうございます!
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