【個人を組織で上回る】プレミアリーグ第21節 ワトフォード vs トッテナム

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皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第21節のワトフォード×トッテナムについてを考えていきます。最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

時間がない方のためにショートレビューを用意しました!

ポイントをまとめましたので、こちらもご覧ください!

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ではレビューを楽しんでください!

 

 

スターティングメンバー

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個人を組織で上回るために

まずはワトフォードの守備から触れていこう。彼らはトッテナムの速い攻撃を止めるために、かなりローブックを作り出して守備を行う。

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ワトフォードの守備。
SHはWBまで下がって対応を行う。この時にソンとモウラを閉じ込める。
さらに中央ではケインをCBとCHで閉じ込める。
2トップは前線に残るだけではなく、CHに意識内に入る立ち位置を取る。(視野内の牽制)
これでローブロックを作り出して、2トップのロングカウンターで仕留めることを考えた。

このようにワトフォードはトッテナムの3トップを閉じ込めることで、『個人を組織で上回る』ように設定する。さらに人を限りなく近くすることで「ゾーンの切れ目」をなくして、そもそもの「マークの受け渡し」を無くすことを考えた。その代償として、SHがWBの位置まで下がる必要があった。だから場合によっては6バックのような形になっていたが、それは割り切っていて『後ろに重たくなっても良い。まずは失点を防ぐ』考でプレーしていた印象だ。

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WBにボールが入るとSHが対応を行う。この時にSBはカバー+STのマーク。
さらにCHと逆SHのスライドを加えることでボールサイドSTを閉じ込める。
ここでボールを回収できればベスト。またバックパスとサイドを変えられることは許容。

基本的には中央をガン固めしているので、トッテナムに対して外回りのパスを選択させることができていた。そうすると当然、ボールを受ける回数が多くなるのはWBとなる。先ほども触れたように、ここにSHを当てることで時間を稼いで、スライドを促してボールを回収する。この時に2トップは単独ロングカウンターに備えて、サイドに流れることが多くなっていた。

キングとデニス、後半頭から入ったペドロのスピードとドリブルでの推進力を生かすための守備だと、2トップの立ち位置から伺うことができた。特に後半から入ったペドロのドリブルでゴールに向かっていく姿勢とプレーはかなりの好印象だ。

 

当然、サイドを変えられたときの対応もしっかりとある。

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サイドを変えられた時の対応。
この場合は幅を作り出すWBに対してSBが対応に出ていく。そうすることでフリーでクロスを上げさせることを防ぐ。
さらに中盤のスライドを戻す時間を稼ぐこと、SHの縦スライドの時間を稼ぐことを助ける。
こうすることでSHが縦スライドでポケットを埋める。

サイドを変えられた場合は決まってWBに対してSBが出て行くように設定され、配置を戻す(中盤のスライド)時間を稼ぐようなプレー選択になっていた。当然、ボールを奪えれば良いのだが、WBはフリーでボールを受けているので、ボールを奪い切ることは至難の業だ。だから「配置を戻すための時間を稼ぐための守備」というプレー選択になる。組織のために、個人が動く良い例だ。

これで時間を稼いでもらっている間に、CHは場所を戻してSHは縦スライドでSB–CBの広がった門を埋める。これで再び前進を阻み、ミスを誘発させる、もしくは入ってくるクロスを跳ね返してそのボールを前線に届けることで守備を完結させていた。

 

スライドのベクトルの反対を取る

ゴールに前にバスを置く選択をされたトッテナム。しかもそのバスは1台ではなく2台だ。当然、ボールは握れるがゴールになかなか向かうことができない。だが、トッテナムはそのバスの隙間を縫うように攻撃を仕掛けた。

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スライドのベクトルの反対を取ることでトッテナムは攻撃を組み立てる。
特にサイドを変えた段階で、SHの縦スライドと反対の動きでモウラが下がって横パスを受けていた。
そしてここからクロスを供給。

トッテナムが特に前半行ったのがこれだ。SHが縦スライドで下がるのならば、閉じ込められる前にベクトルと反対の動きで手前に下がってボールをフリーで受けようというもの。これを行って、モウラからクロスを供給する回数が多かった。特にファーサイドにとどまるケインへのクロスでそれなりの怖さを見せたが、やはり「待ち構える」ところのクロス攻撃は難しい。

だからこそ、後半から早めの空間へ落とすパスとブロック手前からの少し強引なフィニッシュが多くなっていく。

これでゴールの匂いがしてきたが、反対にバイタルから空間へ落とすパスも増えたため、ネガトラで封じ込めることが前半よりも難しくなってワトフォードにロングカウンターを許す局面が何度かあった。

だが、確実に前任者のときよりもネガトラの反応と連動性、どこからどのように攻めていくかという整理がなされている。

 

ビッグクラブのそれ

それでもなかなかゴールが割れなかったトッテナム。このままドローゲームに終わると思ったが、アディショナルタイムでセットプレーからゴールを奪ってみせた。勝ち点1の試合を勝ち点3に持っていけるメンタリティ。そしてそれをセットプレーで成し遂げるあたり、まさに『ビッグクラブのそれ』だ。就任するクラブで結果を残し続けてきたコンテ監督のメンタリティがしっかりと植え付けられていることが分かる試合だった。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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