【コンテの策】プレミアリーグ第36節 リバプール×トッテナム

皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第36節のリバプール×トッテナムについてを考えていこうと思います。

リバプールは前人未到の4冠のために、トッテナムは来季のCL出場圏内確保のために、お互いに是が非でも勝ち点3をもぎ取る必要がありました。このような状況下で熱い試合にならないはずがなく、蓋を開ければめちゃくちゃ面白い試合でした。

コンテ監督がしっかりとリバプールに対して準備してきたものを当てたことで、リバプールはかなり苦しみ、そしてトッテナムは試合を通して確かな手応えを感じていたはずです。

では今回はリバプールに当てたコンテの策を中心にマッチレビューを行っていきますので最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

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スターティングメンバー

 

コンテの策とは?

ではコンテが用意していた策についてを考えていきます。結論から述べると、トッテナムはロングカウンターで試合を決定付けようと考えていました。

そのために、トッテナムは一度自陣に下がり切るか、もしくはミドルブロックを形成していました。

この時にボールを持たれる場所をCBにし、さらに門をしっかりとと閉じて外循環にさせていくことで、背後のスペースを埋めてスピードを殺すことに成功していました。

ボールを持たせる場所

基本的にトッテナムは5−4−1で守備ブロックを形成することで、MF–DFのライン間を見せず、さらに一番奥のスペースも見えないようにしていました。さらに選手間の距離も近くしたことで、リバプールの選手に縦パスを打ち込ませないようにしていたました。

だから上の図のようにリバプールは最終ラインでボールを保持できるようになっていましたし、逆に言うとトッテナムはリバプールに最終ラインでボールを持たせることに成功していました。

ですが、このままボールを持たれ続けたら当然勝てる訳ではありません、CL出場のために勝利が必要なので、効果的にボールを回収してカウンターに出れるように設定していました。

ではトッテナムはどこでボールを奪うことを考えていたのでしょうか。

最も奪いたい場所はやはりSBの所になります。ここでボールを奪うことができれば、「越えるべき相手」が最も少ない状況で攻撃に移ることが可能になるからです。そしてここに出ていく選手は基本的にSTになっていました。とくにクルゼフスキサイドにボールを誘導していくことで、ボールを回収(出し手)⇨起点(ケインが受け手)⇨背後(ソン)のカウンターを狙っているように見えました。

ソンとケインのプレーポジションを見てみても、ソンの方が最前線に近く、クルゼフスキの方がよりロバートソンの近くに寄っているようなポジションになっているので、

これは狙っていたことなのではないでしょうか。

(以下のリンクを参考)

https://www.whoscored.com/Matches/1549891/MatchReport/England-Premier-League-2021-2022-Liverpool-Tottenham

 

当然、SBの所でボールを回収できることは難しいです。なぜなら距離が少しできていること、さらに背後にレシーバーが多くいるので、プレスをかける時に消すべきものがたくさんあるからです。

だからSBで奪うのではなく、次のプレー、もしくはその次のプレーでボールを回収することを考えます。それがSB⇨WGのパスです。ここにはしっかりとWBを当て嵌めにいくことで、制限を与えます。

当然、この時に一番やられてはいけないのが「4」のラインの手前でボールを受けてリズムを作る、相手を動かそうとしていたチアゴから縦パスを打ち込まれることです。だからこそ、ここにはCHベンタンクールが牽制をかけることで外循環に仕向けるようにしていました。

これでホイビュアがしっかりとスライドを行うことで、WGに対しての選択肢を削ってボールを回収、仮に斜めに打ち込まれてもホイビュアのスライドとロメロの前向きの対応によってボールと人にアタックすることが可能になっていました。

だからこそボールを前向きに奪うことができ、さらにはセンダーに対しても制限をかけれている+背後のスペースを消しているので裏を取られる回数も少なかったのではないでしょうか。

そしてボールを奪ってからは基本的にケインを探します。

まずは先ほども述べたように、サイドで局所的な数的優位を作り出してのボール回収を試みます。ここで奪えない場合は大体、クロスからの攻撃を仕掛けられることが多くなっていました。いや、動かされていないのでクロスからの攻撃を仕向けるようにしていたのかもしれません。それでもロバートソンとアーノルドからのクロスを許容するのは少しリスクがあることな気がしますが。

とりあえず、入ってくるクロスをしっかりと跳ね返していくことで、2ndボールを回収していきます。

この回収したボール、もしくはサイドで奪ったボールをまずは縦に持ち出すことを考えていました。ここで背後ではなく、手前のケインを探すことを行います。ここでケインがポイントを作り出すことができれば、ソンのランニング、厚みを加えるセセニョンとエメルソンのランニングも促すことができます。だからこそ、トッテナムの選手は背後ではなく、ケインを探していました。

受け手となるケインは常にファンダイク、ファビーニョ、コナテから離れた場所で起点を作ろうと努力します。なぜなら彼らを背負って、または動かさずしてボールをキープすることはかなり困難なことだからです。

彼らの対応も最高峰のものなので、試合のポイントの1つはここで潰し切れるか、それともキープして時間を作れるか否かになっているように僕には映りました。

ここでボールをキープすることができるのであれば、ケインとソンの阿吽の呼吸でカウンターを発動することもできますし、逆にリバプールはここで潰し切れれば再び攻撃を仕掛けることができます。

1つ、ここの攻防を見ていてもかなり楽しめる試合だったのではないでしょうか。ケインもファビーニョもずるいのは確かです。笑

 

このようにしてトッテナムはリバプールに対して向かっていくことで、蜂の一刺しを狙い、要塞アンフィールドから勝ち点3を持ち帰ろうと試みていました。コンテ監督も選手も試合を通して、かなりの手応えはあったのではないでしょうか。

 

コンテの策の補足

少し補足です。

守備の部分でプレスに出る明確なタイミングもありました。それがWGが幅を作った所から列を飛び越えて降りてくる場合です。この場合にはWBがそのままついていくことによって、全体が前向きに出ていく、もしくはプッシュアップするための合図になっていた印象です。全部が全部、リトリートしながらカウンターの機を伺うのではなく、時には制限をかけていく中で、ボールを回収しようと試みていました。

 

そしてもう1つの補足が保持の局面です。トッテナムはボールを奪うとケインを探すことを最優先としていましたが、やはり潰されている、消されていることもあります。むしろビッグプレーヤーなので、マークされていることは当然です。背負った状態でもボールを扱える選手ではありますが、それだけではかなりの負担がかかります。それこそブラック企業並みに。

だからこそ、彼らは保持の局面も作り出すことを行っていました。リバプールの3トップに対してしっかりとロリスを含めた4枚で広がりを持ちながらプレスを呼び込み、WBで時間を作る、もしくはその1つ奥のWBにボールを届けるようにプレーする場面を見受けることができました。

トッテナムの先制点はセットプレーからの流れではありますが、しっかりとエメルソンが空間で受けれるようにポジションを取り直した所から生まれた攻撃です。

他にもデイビスやロメロがサラーとディアスから距離を作り出しながら、ボールを引き取り、WG–IHの門を広げる作業も行っていましたし、WBでSBを釣り出すことでその背後でSTが受けれるような設定もありました。これを行っていく中で、ファビーニョを中央から退かすこともでき、初めてここでケインや逆STがボールを割と自由にピックアップできる場面もありました。

この保持の局面を恐れずに行ったことで、リバプールを引き込み、相手を動かし、カウンターを完結させるためのスペースを作り出すことができていました。

このような振る舞いもあったことを補足として触れさせて下さい。

 

チャンスはトランジション

コンテの策によってリバプールが全く攻め込めなかったかと言うとそうではありません。現にこの強固な守備をこじ開けて見せました。さらには際どいチャンスも幾つか作り出しています。

ではどこにそのチャンスがあったのでしょうか。

それは彼らがここまで上り詰めた理由の1つ、トランジションの局面になりました。先述したように、トッテナムはリバプールの速さをまずは消すことを行ったため、外循環かつ背後を消すことを考えていました。

だからこそ、無理やり差し込もうとすると奪われてカウンターを受け手しまいます。ですが、今のリバプールにはチアゴがいて、そして保持の局面で相手を動かすことを行います。だからヘンダーソンが外側に流れてローリングしてみたり、ディアスがベンタンクールとクルゼフスキの門の先に立ってみたり、差し込む方法を探っていました。そしてボールを失った瞬間に、まずは縦方向を消すことを行います。これはケインを消すと同時に、センダーに対して制限をかけれる距離と強度を保っているので横パスを選択させることができます。これがともて重要で、この時間で一気に圧縮してボールを回収、もしくは斜めで受けるSTやケインに対して2〜3人の人数をかけることで、ネガティブトランジションを完結させることができていました。

そてネガトラを制することにより、前に出てこようとしていたトッテナムの何人かのベクトルをひっくり返すことができます。これがこの試合のトッテナムの隙であり、リバプールがチャンスを生み出せる時間になっているように僕には感じました。

もちろん個人の力で打開していく場面もありましたが、狙ってチャンスを生み出せていたのはトランジションからが多いと僕は感じました。

 

当然クロップ監督はハーフタイムでも修正を加えています。

その修正というのがマネの中盤のヘルプです。主にCHベンタンクールとホイビュアの門の先に立つようになっていました。これがトッテナムの中盤4枚を横の引き伸ばすことができる要因になっていたと思います。

これがあったからこそ、前半は内側に立つことが多かったアーノルドが外側で起点を作る回数が多くなったり、ロバートソンもさらに攻撃に出られるようになっていました。だからこそ、ヘンダーソンに変えてジョタを投入して4−4−2にして攻撃の迫力を強化していました。その結果が同点ゴールに繋がったと思いますが、にしてもディアスの個人技がやばかったのもありますね。

 

22本のシュートを打ちましたが、反撃もここまで。逆転ゴールをこじ開けるまでにはいきませんでした。

 

雑感

お互いに喉から手が出るほど欲しかった勝利。特にリバプールはマンチェスター・Cに引き離される形になってしまいました。リーグ優勝するためには引き続き残りの試合の全勝は必須です。あとはウルブス、ウェストハム、アストン・ヴィラに託す他ありません。果たして未踏の境地へ辿り着くことができるのか、欧州サッカーもクライマックスもクライマックス。引き続き目が離せませんね!

一方のトッテナム。彼らもまた勝利が必要でしたが、それは叶いませんでした。ですがライバルチームのアーセナルとのダービーが残されています。本当の勝負はここでしょう。ここでライバルを叩いたチームが欧州最高峰の戦いに臨めるのではないでしょうか。

いやー、面白い試合だった!みなさんもぜひ見返してみてね!!!

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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