【意地を見せる中の駆け引き】CL グループリーグ ザルツブルク vs アトレティコ・マドリード

 

【UEFA チャンピオンズリーグ グループA】

ザルツブルク vs アトレティコ・マドリード

 

スタジアム

レッドブル・アレーナ

 

結果:0−2

【ザルツブルク】

なし

 

【アトレティコ】

39’ エルモソ

86’ カラスコ

 

スターティングメンバー

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逆転滑り込みでのグループ突破を果たすために、ホームのザルツブルクは何としてでも勝利を掴まなければならなかった。そしてその相手がラ・リーガで首位を独走しているアトレティコ・マドリードだ。彼らは今季、さらなる進化を遂げ、偉業を成し遂げようとしている。

そんな両チームが激突したグループリーグ最終節。ではどのような試合内容だったのか。これを解説していこう。

 

見所の攻守の駆け引き

この試合の見所。それが攻守の駆け引きだろう。

ザルツブルクはゴールを奪うために、試合開始から、アグレッシブに、そしてリスクを背負って攻撃に出た。それに相対したのが、堅守を誇るアウェイのアトレティコ。彼らのソリッドな守備を崩すために、まず、ザルツブルクはこのように攻撃を仕掛けていた。

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 まず、ザルツブルクが行ったこと。それがIHがバックライン付近に降りることだ。これを行うことで、アトレティコの442のソリッドな守備にズレと段差を作ることを試みた。これで半ば3バックのような形を取るザルツブルクは、IHとCBで、2トップの脇を取れるようになる。

さらに、3バックになた形になったことにより、SBを高い位置に押しやることで、ブロックの外にポジションを取ることが可能になる。これで、DMF、IH(ショボスライ)、OMF、2CFで中央を流動的に動いて、スペースを取っていき、攻撃を仕掛ける準備を行った。

ではアトレティコはどのように、ザルツブルクの攻撃を止めようとしていたのか。

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このようにアトレティコは下がるIHに対してはCHが対応、牽制を行う。これを行うと同時に、SHが幅を作るSBを捕まえるために下がったポジションを取り、逆サイドCHとSHは横スライドで中央を埋める。さらに逆CFが縦スライドでDMFを捕まえるポジションを取ることで中央に差し込ませないように対応を行う。

これで、ロングパスを蹴らせて跳ね返すことでボールを回収、または、サイドに追い込み、場所を狭くして回収、焦らしてミスを誘うことで、守備を行っていた。

 

だがザルツブルクはこの守備の空く場所をしっかりと把握し、攻撃を仕掛けていく。だからこそ、先にいくつかのビッグチャンスを作ったのもザルツブルクだったし、際どいチャンス、チャンス一歩手前まで、多く作っていたのもホームチームだった。

だからこそ、ザルツブルクに精通する人は、「これは行けるかもしれない!」と確信に近い希望を抱いていたのではないだろうか。

ではどこにスペースができていたのかを紹介していこう。

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スペースができる場所はこのように、白のエリアとなる。ザルツブルクはここを効果的に使う事で、攻撃を仕掛けていた。そしてここを使う場合の決まり事、特にボールサイドのスペースの場合は以下のように、『中央4枚』の選手が動くことでアトレティコの守備を破る事を試みた。

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このように、OMFとIH(ショボスライ)、そして2トップで四角形を形成しながらポジションを移す。この時に、2トップはSBとCBの間、CBの間にそれぞれ立つ事で一気に3枚のバックスを惑わせる。これでライン間に立つ、IHとOMFに対してプレスに行けない、行きにくい状況を作り出す。これこそが、ザルツブルクが中央を突破できる場面を見受けれた理由で、アトレティコバックスに2つの選択肢を与える事で、攻撃を仕掛けていた。

 

もちろん、アトレティコのスライドとスペースの埋め方が早いので、この場合には広い方へ展開する事で、視線を変える。これで再びスライドを強要し、ズレを作り出す事で優位性を成長させて行った。そしてクロスからの、またはカットインから展開を広げて、フィニッシュまで持ち込む場面を見受ける事ができた。

 

だがアトレティコは、オブラクを中心にこの猛攻を凌ぎ切り、カウンターを中心に対抗していく。カウンターの場合は、主にCFが開く事で起点を作り、中央にスペースを作り出す事でCHとSHの駆け上がるスペースを創出した。

さらに、遅攻ではこのように攻撃を仕掛けていた。

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主に左サイドではカラスコが幅を作り出し、ジョアンフェリックスとのコンビネーションで攻撃を仕掛け、右サイドではジョレンテは中に絞る事でIH化し、中から外に抜け出す事で、クロスからの攻撃を完結させる。左はコンビネーション、右はシンプルな背後の使い分けで攻撃を仕掛けていた。

 

さらに後半から、アトレティコはこのように守備の修正を加える。

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守備時に5-3-2の形にすることにより、最初から場所を埋めることを選択。これで、ザルツブルクの攻撃を受け止めながら、得意の形に持っていき、チャンスがあればカウンターで仕留める試合運びを披露した。

 

これでアトレティコは難敵と称されるにふさわしい、ザルツブルクをアウェイで勝利を収めた。

 

レッドブルグループの脅威

レッドブルグループがとてつもない勢いで力をつけている。もっと大きく括るならば、「ストーミング派」と呼ばれるチームの台頭。ザルツブルクやライプツィヒ、リバプールなど、印象的なチームが多く出てきた。まさに流行だ。数年前までは、ポジショナルプレーを高いレベルで行うチームが時代を築きあげた。まさに、時代の分かれ目の数シーズン。ここの時代の狭間に、立ち会えたことを素直に喜びたい。そして、新たな時代を築き上げるであろう、ストーミング派の代表格のザルツブルク。オーストリアの雄は、アトレティコ相手に、決して臆さない試合を演じて見せた。それに対抗した、アトレティコ。しっかりと、早く、激しい展開の中でもクリーンシートを達成して見せた。このハイレベルな試合を見れたことに純粋に感謝したい。さすがはCL。とても楽しませてもらえた。

 

 

 

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