【持ち込んだ得意な展開】Premier League 11節 チェルシー vs リーズ

 

 【Premier League 11節 】

チェルシー vs リーズ

 

スタジアム

スタンフォード・ブリッジ

 

結果:3−1

【チェルシー】

27’ ジルー 61’ ズマ 90+3’ プリシッチ

 

【リーズ】

4’ バンフォード

 

 

 

 

スターティングメンバー

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今節対戦したのは狂人ビエルサ率いるリーズ。彼らに早い時間帯に先制点を奪われる出鼻を挫かれた展開になった。だが、圧倒的な攻撃力を誇るチームに生まれ変わったチェルシーはそのビハインドを跳ね返し、久々の「サポーターの前」で逆転勝利を掴み取った。では今回はどのようにしてチェルシーが攻撃を仕掛け、守備を行っていたのか。

これを解説していこう。

成長させる優位性

試合の立ち上がりから見えた攻撃戦術。まずはこれを解説していく前に、リーズのマンマークの担当から触れていこう。

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上の図のように、リーズは位置も通り、最前線で数的不利、最後列で数的優位の状況を作り出す。これで、SB→SH、IH→CH、DMF→ST、WG→SB、2CB→CF、CF→2CBの各々の担当でマンマークを行った。

これに対してチェルシーは次のように攻撃を仕掛けていく。

ますチェルシーが簡単に取れる優位性。それが言わずもがな、CBの所だ。ここを上手く使い、攻撃を組み立てていた。

立ち上がりから数本見られた、CBからSBへのスイッチプレー(サイドチェンジ)を織り交ぜながら、以下のような組み立てを行っていた。

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上の図のように、数的優位に立つことができているCB。ここで持ち運ぶことで、STまたはSHを釣り出すことを狙う。

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これを行うことで、DMFのマークを行っていたSTを釣り出すことができれば、DMFbのマーカーがいなくなると同時にスペースが生まれる。そしてここへCBがパスを出すことで、マンマークを1枚剥がすことができる。

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またこのように、SHを釣り出した場合はIH経由でSHの背後、CBからのダイレクトなパスでSBがフリーでボールを受けることで、プレスを回避していた。

もちろん、ここでリーズの選手を誘き出せない場合は、CBが自ら運び続けるか、先ほども少し触れた、スイッチプレーで大きく展開を変えることで、攻撃を組み立てていった。

さらにバックラインでボールを回すことでリーズのプレスを呼び込み、ライン間にスペースを作り出して攻撃を仕掛ける場面も見られた。

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このようにバックラインでボールを回すことでCF、ST、SHのプレスを呼び込む。この展開に持ち込むことができると、IHとDMFで中央に残るCHに対して数的優位を作り出すことが可能になる。さらにこの時に、WGが幅を作り出すことでバランスを保つ。

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これで数的優位になったIH、DMFを使い、幅を作ったWGにボールを届ける。これで純粋な1vs1の状況を作り出し、ドリブルを仕掛けさせる。これを行うことで、リーズSHのヘルプを呼び込んで引きつけることができ、オーバーラップするSBがフリーでクロスを供給することが可能になる。現にこのような形でジルーの同点弾は生まれていた。

 

これらのようにマーカーを外してスペースでボールを受けると、よりダイレクトにゴールに迫ることを選択していた。獲得した優位性をどんどん成長させていく攻撃を仕掛けることで、リーズの守備戦術に大きな損害を与えるように意識していた。

 

高リスク高リターンの守備

では次に守備について触れていこう。専ら個人的な感想だが、この試合、特に前半のチェルシーの守備は昨季のような危うさがあったように感じた。

ではチェルシーはどのように守備を行っていたのだろうか。

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まずこれがチェルシーの基本的な守備の立ち位置。リーズと似て、ほぼ人を捕まえる守備を行っていた。SBにはWG、CHにはIH、STにはDMF、SHにはSB、CFにはCBという形のように。そして以下のようにボールを回収することを試みる。

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リーズはロングボールを簡単にけるようなチームではなく、しっかりと繋いでくるチーム。だからこそ、チェルシーは上の図のようにプレスをかけていく。そのプレスのスイッチが入るのが、GK→CBのパスが出た時。ここにパスが出ると、CFがプレスをかけ、同時にWGでSB、IHでCH、DMFでSTを消す。このようにすることで、CBにバックパスまたはロングパス以外の選択肢をなくさせる。

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そしてGKにバックパスが出ると、ここにもプレスをかけるCFジルー。CLから中2日という日程でもかなり元気だった。なんせ4ゴールをとっていて、調子が良く、乗っているのだろう。そしてそんなジルーの2度追いにより、圧を強めるチェルシー。

近くのCBにはWGがSBを切りながらプレスを行い、CHにはIHがマークしながらプレスを行う。これで白のエリアでボールを奪うことを狙った。

ではここでSBにパスが出た時にはどのようにプレスをかけていたのかに触れていこう。

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このようにSBにパスを送られる場合は、上のパスになるのでSBまで届くのに時間がかかる。そのボールの移動中にIHがプレスをかけることで制限をかけて、回収を行うか次のプレーで奪うことを狙っていた。

特にこの守備はチェルシー左サイドで行われていた。その理由は純粋に左WGヴェルナーと左IHマウントにスピードがあり、プレスの強度が右サイドの選手よりも高いからだろう。

このようにしてボールを回収しようと試みていた。

もちろん、何度か狙った通りの奪い方を実践でき、ビッグチャンスを得ることができていた。だが、これにはハイリスクな部分も潜んでいた。

  • 潜んでいたハイリスク

ではリーズがどのようにチェルシーの守備を剥がして行ったのか。

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まず1つ目のプレスを剥がさせるパターンはチェルシー右サイドで起こっていた。

上の図のようにGK→CB→SBで繋がれた場合、リーズSHが降りてくる。これに対してSBが着いていき、SBの背後にSTが抜け出すことでDMFを中央からどかされてしまう。もちろんDMFのカバーを行うためにIHが下がったポジションをとる。これでリーズCHがフリーになれる。

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これでCHにレイオフされ、IHが釣り出されてしまう。そしてリーズの特徴でもあるどんどんスペースに入ってくる攻撃。このIHが釣り出された背後にSBが入ることで前進されてしまっていた。

さらにこのように前進されてしまうこともある。

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上の図のようにWGがCBにプレスをかけ、CH経由でWGの背後に立つSBを使われてしまう。ここでSBがプレスにいくのではなく、IHがプレスを行う。その理由はSBの近くにSHがいるため、プレスに出ることができなくなっているからだ。

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そしてSBがボールを持つと、SHでチェルシーSBが外に釣り出され、そのハーフスペースにCHが抜け出す。これでSBはCHへのスルーパス、またはSBが中に寄った場合にSHへのパスを選択することができるようになっていた。

このように、チェルシーはハイプレスを掻い潜られることがあり、そのリスク管理も若干甘くなっていたように感じた。だからこそ、リスクが潜んでいたのではないだろうか。

 

完全に流れを掴んだ修正

そして後半に入り、チェルシーは守備の修正を行うことで、トランジションを利用してリーズの守備をほぼ崩壊まで持ち込んだ。

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まず行った修正というのが予めWGがSBを消す立ち位置をとることでCBにボールを持たせるということだ。これを行ったことでCFがCBに対して牽制を仕掛け、ロングパスを蹴らせる。これでそのロングパスを回収する守備にチェルシーは後半から変更した。

だからこそ、簡単に剥がされる場面が少なくなっていたし、明らかに前半よりも安定して守備を行うことができるようになっていた。

 

さらにこれを行ったことで、縦に早い、よりダイレクトな攻撃を仕掛けることができるように。

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その理由は上記の図のように、ロングパスを跳ね返した時にIHで2ndボールを回収することができるから。これができるのも、リーズの攻撃時の並びが4-1-4-1の形になり、CHとSTがライン間に立つことが多くなっていたので、このような現象が起きた。そしてCBはボールを跳ね返すことにも長けた選手なので、IHまでボールを届けることができる。そしてここから早い攻撃に移ることで、リーズのマンマーク守備を無力化し、攻撃を完結させていた。

だからこの試合はコバチッチのボールの持ち出しが、いつもより効いていたし、ヴェルナーのスピードを生かす攻撃も多く見受けることができた。

 

休む間もない試合!

この試合の感想、いや、リーズの試合は休む暇もない、とてもエキサイティングな試合になることが多い。さらにそれを助長するかのようにチェルシーもよりダイレクトなサッカーを展開。おかげでとても見応えのある、スリリングな一戦となった。

マンマークに対して動き動かし、そして運んで剥がしていくチェルシー。とても見応えのある面白い試合だったので、ぜひ見直して見て欲しい。

 

 

終わりに

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