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【サイドにあった勝負の肝】Premier League 19節 フラム vs チェルシー

 

Premier League 19節

フラム vs チェルシー

クレイヴン・コテージ

結果:0−1

【フラム】

なし

【チェルシー】

78’ マウント

 

失速したチェルシーと調子を上げてきているフラム。ロンドンに拠点をおく対照的な両チーム。だが、フラムは離脱者が多く、ミッドウィークにトッテンマとのビッグゲームを終わらせたばかり。苦しい台所事情で、ホームにチェルシーを迎えた。

そして満身創痍の中で迎えた一戦。チェルシー相手に善戦するが、退場者も出て万事休す。チェルシーは勝ち点3をもぎ取った。ではどのようにして、フラムはチェルシーを苦しめたのか、そしていかにしてチェルシーは勝利をもぎ取ったのか。早速この試合のレビューを行っていこう!

スターティングメンバー

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フラムはトッテナム戦同様に5-3-2の形で試合に臨むと思われたが、蓋を開けてみると3-4-3の形で試合に望んでいた。これがチェルシーに対抗し得るプランとなっていた。

 

一方のチェルシーはカンテの怪我もあり、DMFにジョルジーニョが入る。さらに左右IHの立ち位置を変えていた。さしてフロントスリーは初めての組み合わせとなった。

 

フラムのプランに苦しんだチェルシー

前半終了間際のロビンソン退場まで、明らかにフラムが『上手』に戦い、チェルシーは明確に苦しんだ。その守備プランが2つあり、そしてそれが明確になっていたので、選手も自信を持ってそれに取り組むことができていた。ではどのようなプランを用意していたのだろうか。

  • ハイプレスとショートカウンター

まずはハイプレスから触れていこう。多くの場合、ハイプレスを敢行する時はチェルシーのゴールキックの時だった。

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このように、1発でSBへパスされることを防ぐためにSTがそのコースを切りながら、CBのへのプレスの準備を行う。またCFはDMFをマンマークする。この時にフラムが特徴的だったのが、最初にWBがIHを捕まえれる立ち位置を取って、SBをあえて開けておくということだ。

これで2CHと3CBでCFを囲い込み、中央で仕事をさせないようにする。また外側のCBがWGを気にすることで、フラムはチェルシーCBにパスを出させるように仕向ける。

もちろん、チェルシーGKがCFへロングパスを供給するようであれば、それを確実に跳潰すことで回収する。

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そしてCBにパスを出させるとSTがプレスを行う。これに呼応してSBにはWB、IHにはCH、降りるWGにはCBがマンマークを遂行し、サイドを圧縮していく。これでCBの選択肢を消し、判断を遅らせてミスを誘う。またCFに対してスライドを行ってCBと中央に残るCHで囲い込むことで必ず3vs1の形を作っておく。

これでロングパスにも対応でき、そのパスを回収することで守備を行っていた。

特にCBリュディガーにボールを持たせるように仕向けることで、守備の成功率を上げているように映った。

そして敵陣で奪いきれば、ショートカウンターを発動し、チェルシーゴールへ迫った。

ではブロックを形成する時がどのようになるのだろうか。

 

  • ブロック形成とカウンター

ハイプレスの場合は、奪ってショートカウンターが主になる。だがこれは先述したように、ゴールキックの時に発動する「条件付き」のハイプレスになる。

この以外の場合は、ブロックを作り出してロングカウンターを発動するプランになっていた。

だからフラムはブロックを形成する時は5-4-1の形になり、以下のような担当になっていた。

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低い位置でブロックを作り出すので、もちろん「捨てる場所」はCBになる。この場合はCBにボールを持たせて良いように設定されていた。

またSBに対してはSTが、WGに対してはWBがマークの担当を行う。さらに、CFが必ずDMFのマンマークを行っていた。これが、ロングカウンターの肝となる。そしてIHに対しては2ndライン付近のみ、CHhがマークを行う。

だから以下のような場合はCHはIHに着いていかなかった。

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このように、IHについて行かないことで、「降りることで段差が作れない」ことをIHに刷り込み、高い位置を取らせるように仕向ける。

これがカウンターの布石となる。

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このようにIHに高いポジションを取らせることで、DMFの周辺にスペースを作り出す。ここで肝となるのがCF vs DMFの形を作り出すことだ。だからDMFのマンマークを行うことで、CBとの勝負ではなく、DMFの勝負に持ち込んだ。これで、IHの背後、DMFの周辺でCFが起点を作り、カウンターを発動していた。

 

フラムはこれら2つの方法を使い分けることで上手に戦い、チェルシーを苦しめた。だがこのプランは退場により崩れ去ってしまった。

 

紙一重のチェルシーの守備

フラムの守備により、ボールを奪われてしまうチェルシー。すぐに回収しにかかるためにチェルシーはハイプレスを行う。

だがこれは「紙一重」のリスク満載の守備になっていた。

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このようにフラムはロングパスを回収した場合は、まずバックパスを選択してビルドアップを行っていく。これに対してチェルシーは上の図のようにプレスを嵌めていく。

チェルシーは開くCBに対してWGがプレスをかけ、CHに対してはIHが捕まえることで中の選択肢をなくす。これでCBにWBへパスを出させることを選ばせる。もちろん、サイドに蓋をするためにDMFがスライドしてSTを捕まえることを行う。

そして『WBへのパス』こそがこの試合の『勝負の肝』となっていた。

  • WBで奪えた場合

ここでボールを奪えることができれば、チェルシーはショートカウンターを発動することが可能に。

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このように、ボールを奪うことができればビルドアップ時に広がっているCBの間をCFが使うことで縦パスを引き出す。これでバイタルエリアにセットパスを送ることでIHまたはWGが入り込み、シュートまで持っていけるシーンを見受けることができた。

 

  • 奪えなかった場合

問題はここで奪えない場合だ。ここで奪えないとロングカウンターを打たれてしまう。

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このように、ボールを奪えないとSTへのフリック気味のパスで展開させる。この時にDMFジョルジーニョが潰せれば良いのだが、ここで潰せないので、逆サイドに展開されてしまう。上の図のように、サイドのエリアをWBに使われてカウンターを受けてしまう。

この試合でアスピリクエタのスピードの衰えとジョルジーニョの守備の弱さが露呈してしまった。良さは多くあるのだが、この試合に関してはカウンターの起点とされてしまっていた。だからSBとDMFのチョイスがスピードのあるジェームズとサイドを圧縮できるカンテが起用されるのではないだろうか。

 

サイドから入り込む攻撃

前半終了間際。フラムに退場者が出てからチェルシーのワンサイドゲームが始まる。

そして入り込む方法をチェルシーは変える。それがサイドから入り込む方法だ。

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この方法が使えたのはフラムの守備ブロックが5-3-1になったことが関係している。上の図のように、3CHの脇にIHが立つことで外のSBを開けてWBに対して数的優位を作り出し、クロスからの攻撃を中心に仕掛けて行った。

だからこそ、65分のエイブラハム投入で4-4-2に変更する。

 

4-4-2に変更してから

サイドを攻略できるようになってから、クロス攻撃の威力を増すためにターゲットを増やしたチェルシー。

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このようにコバチッチとマウントで3CHを止めることでサイドで数的優位を作り出す。これでジルーとエイブラハムをターゲットにその奥からプリシッチが入ってくることでクロスから攻撃を仕掛けた。

そしてこの攻撃が実り、二次攻撃からマウントがこぼれを押し込んでゴールを奪うことに成功した。

 

圧縮の重要性

この試合で重要になったのがサイドの圧縮。フラムもチェルシーもハイプレスを仕掛ける場合、必ずとサイドを圧縮していた。フラムはここが上手くできていたが、チェルシーはSTのところで蓋をかけ切れず、サイドに展開されることが多くなっていた。だからこそ、一気にゴール前まで迫られてしまっていた。

チェルシーが失速した理由の1つに少なからずサイドを圧縮し切れないことがある。ランパード監督がここを修正仕切った時、もう一度勢いに乗ることができるのではないだろうか。巨大な戦力を有するチェルシー。この順位に満足する訳がないオーナー・アブラモビッチ。果たしてランパード監督は上位に食い込むことができるのか。これからどうなるのか、彼らにも注目だ。

 

 

 

 

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