【縦パスとサポート】プレミアリーグ第8節 ブレントフォード×チェルシー

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皆さん、どうも。

今回はプレミアリーグ第8節のブレントフォード×チェルシーのマッチレビューを行っていきます。

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スターティングメンバー

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Chapter1:能動的なブレントフォードの守備

まずはブレントフォードの守備から触れていこう。最初から低い位置でブロックを作らずに、しっかりと向かっていく守備を行うことで、チェルシーを押し下げることもできていたし、効果的にボールを回収することもできていた。

決して受動的な守備ではなく、能動的に守備を行うことで、ヨーロッパ王者を苦しめるまでに至った。ではどのような守備を行っていたのだろうか。

 

1−1:敵陣での守備

まずは敵陣での守備についてを考えていこう。

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敵陣でのプレッシング

このようにブレントフォードはボールサイドの人を捕まえていくことで、奪いところを明確にしていた。

そのため、ボールサイドIHにはIH、DMF RLCには逆IHが絞り込んで対応を行う。こうすることで、DMFと3CBでチェルシー2トップに対して数的優位を作り出しつつ、DMFがIHのカバーを行うことが可能になる。

これでWBにはWBを当て嵌めて、IH、WB、飛ばしたCFへのパスを回収することでショートカウンターを打ち込むことを考えていた。

しっかりと身体が動き、プレスのスピードと強度、各ポジションのプレッシングの角度が高いレベルにあったので、プレッシングが機能していた印象を受けた。

そして何度か高い位置でボールを回収する、もしくはボールを回収できそうな場面を作り出すことができていた。

 

1−2:ミドルゾーン~自陣での守備

ハイプレスを行うこともあったが、基本的にはミドルゾーンから自陣での守備が主体になる。ハイプレスを行うタイミングはチェルシーを押し戻した時とチェルシーのバランスが崩れた時だ。

ではどのように押し戻していたのだろうか。

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外に誘導する

押し戻すために行うために、チーム全体で共有することが「中央を消してサイドに誘導する」というこということだ。

だから2トップと3センターと3CBで絶対に中央への縦パスを消していく。ここの縦と横のコンパクトさはチェルシーの選手からするとかなり窮屈に感じたのではないだろうか。これで、上の図の青色のエリア、WBの場所にボールを誘導していく。

そして以下のようにボールを奪う準備を整えていく。

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サイドでの数的優位

このようにWBに対しては必ずWBがマークを行っているので、チェルシーWBは仕掛けるまでに少し時間がかかる。この時間を利用して、ブレントフォードIHがヘルプを行って数的優位を作り出す。

こうすることでWBでボールを回収できればベストだ。だが全て回収できるわけではないので、バックパスは許容していた。そのバックパスにも対応できるようにCBにはCF、IHにはIHが出ていけるように設定。これで中央を割られることが少なく、さらに、バックパスをさせて1つ横パスを入れさせることにより、自分たちが陣形を整え直す時間を稼いで再び守備を行っていた。

そしてCBまでボールを下げさせた時点で、ボールホルダーが後ろ向きのプレーを選択した時、多くの場合がハイプレスのスイッチになっていた。

このようにして、ブレントフォードはチェルシーを苦しめていた。

 

対してチェルシーはどのように攻撃を組み立てていたのだろか。

 

Chapter2:縦パスとサポート

この試合、いや、今までに試合でもこの関係性はできていたのかもしれない。悔しいかな、僕はこの試合でチェルシーの縦パスとサポートの関係性、特に今夏復帰したルカクへの縦パスとそのサポートの角度の関係性をなんとなく掴んだ。

ではどのようなサポートを行い、難敵ブレントフォードに対して攻撃を仕掛けていたのだろうか。

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組み立ての土台

チェルシーの組み立ての土台はこのようになっていた。いつもなら3−2の組み立てになるのだが、この試合は3−1の組み立ての土台になる。こうすることで、3−2の土台の時よりも前に人数をかけることが可能になる。

さらにIHはブレントフォードの3センターの外側に立つことが多く、これが後々の展開に大きく響いてくる。またIHが外側に立ち位置を取るので、WBを高い位置に押し出すことが可能に。

こうすることで、以下のようにトライアングルを多く作り出すことができる。

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多くのトライアングル

この図のように多くのトライアングルを作り上げることができるようになっていた。これが土台になり、チェルシーは以下のように攻撃を仕掛けていく。

 

2−1:斜めの侵入

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外側から入り込む

まず1つ目のパターンがブレントフォードDMFをDMF  RLCで釣り出すことができる。これと同時にCFヴェルナーが降りて場所をいつでも使えるようにしていた。

このようにブレントフォードDMFを動かすことができれば、ブレントフォードIHは絞って内側に絞るようになる。そして3センターに立つIH(特にコバチッチ)がボールを持つと、そこから斜めにドリブルで侵入していくことができる。

これはWBでWBをピン止めし、CFルカクがバックスと駆け引きを常に行っているから、IHがスペースを持つことができ、さらにDF-MFのライン間にスペースが生まれている。だからボールを運び出すことの得意なコバチッチが斜めに侵入する場面が何度か見受けることができた。

 

2−2:ルカクへ縦パスと斜めのサポート

さらに、このような立ち位置を取っていることでCFルカクに縦パスが入った時のサポートで優位に立つことができる。

まずは以下の2つの図をみてもらいたい。

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この2つの図は1つの参考でしかない。チェルシーはルカクが加わってから「ルカクへの縦パス」を打ち込むために「斜めのサポート」が多くなっている印象だ。(過去の試合を見る方法がないので、これから先の試合で意識して見てみます)

だからこそ、Ihがライン間に留まるのではなく、斜めに降りてライン間からでてサポートもしくはヘルプを行う。さらに相棒のCF ヴェルナーだ。ヴェルナーはDFを背中で受けてプレーするよりも、前を向いてプレーする方が断然得意な選手。だから相棒にCFルカクがいると、その役割を彼に任せて、列降りを行ってIHのヘルプを行うことができ、前を向いてプレーする機会も多くなっていた。そしてこのプレーも同様で、ライン間に留まることが少なく、どちかと言うと『ライン間を開ける』という意図が見てとれた。

 

これでCBもしくはDMF、時に外側のIHからCFルカクへの縦パスを打ち込む。そしてルカクに対して斜めに降りたIHやCFがサポートを行う。この斜めのサポートというのが肝となっていて、守備者に対して「内側⇨ボール・外側⇨人」の状況を3人目で作り出すことができるので、有利に立つことが可能になっていた。

この試合では、ブレントフォードがかなりコンパクトで極端に中央を固めていたので、多くこのような場面を見受けることはできなかったが、それでもIHの立ち位置やCFヴェルナーの列降りの場所、ボールを持っている人がまず探している場所・人を見た時に、今述べたようなことを行おうとしてるのではないかと感じるものだった。

これはもう少し試合を見て確認していこうと思う。

斜めに降りて場所を開けてサポート。難しいなら、その外側の選手で構築していく。トゥヘル、恐ろしいぜ。

 

2−3:CBが持ち出すタイミング

このCBが持ち出すタイミングも明確になっている印象だ。そのトリガーとなるのがIHとWBが同じ高さにポジションを取った時、もしくはWBが低めの立ち位置を取った時に設定されている印象だ。もちろん、『絶対』というわけではなく、「多くの場合」ということは忘れないでほしい。

ではこれについてを解説していこう。まずはWBとIHが同じ高さの時。

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WBとIHが同じ高さ

このようにIHがWBと同じ高さまで上がることでブレントフォードIHを押し下げることが可能になる。こうするとCBの前にスペースができるので、そに持ち出してIHを釣り出して崩しに入る、もしくはアーリークロスをルカクに打ち込むことを選択する。実際にこれでチャロバー⇨チルウェル⇨ルカク⇨ヴェルナーでチャンスを作り出している場面もあった。

ではWBが下がった時はどのようになるのだろうか。

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WBが下がった時

WBが下がった時はブレントフォードWBを釣り出すことができるので、その背後にIHが流れる。こうすることでIHを動かすことができ、CBが持ち出すスペースをここでも作り出す。仮にここでCBでボールを奪われたとしても、WBが下がっているのでリスク管理はできている。

そしてIHが出て来れば、外側のカバーにブレントフォードCBが出ていくので、CB⇆CBのギャップにスルーパスを流し込むことができる。これもチャロバー⇨ヴェルナーで見受けれた攻撃だ。

このようにして、CBが持ち出すパターンもしっかりと設定されていた。

 

試合全体の感想

ブレントフォードは積極的な選手交代で流れを掴んだ。守備の形を5−2−3にすることで、チェルシーの3CBにも圧力をかけていくことで1つ高い位置でボールを回収することを試みた。さらにトップ下を作ったことでCBクリステンセンを釣り出すことができて、その背後を斜めに2トップが使うことで「3人目」を作り出した。その代わりにトランジションでCHが晒されて、その脇を使われるリスクを負ったが、それをかき消すリターンを得ていた。

それでもバランスを崩さずにしっかりと対応し切ったチェルシー。そして最後の砦のGKメンディ。彼の超絶反応によってチェルシーは何度救われているのか。守備のバランスとGKメンディのビッグセーブの連発。見慣れた景色だったが、改めてこの試合でその凄さを感じることができた。ヴェルナーの復活の兆しも感じれたし、何よりも連勝を取り戻すことができてよかった。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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