【守備の美学。守備のDNA。】UCL Group H ユベントス×チェルシー

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こちらも時間が随分と経ってしまいましたが、この記事では『対チェルシーのユベントスの守備』についてを考えてみようと思います。

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スターティングメンバー

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対チェルシーのユベントスの守備について

今回、触れてい久野がユベントスの守備についてだ。今季ここまでクリーンシートの試合がほぼないという「らしくない」ユベントス。だがこの試合では、守備の楽しさを思い出した、いや、ユベントスのDNAが守備の誇りを思い出させた。そして見事にウノゼロで勝利を収めて見せた。

 

1vs1の対応の強さ、ゴール前での捨て身の守備、読み、粘り強さ。全てに置いて強い時のユベントスだった。

全てを個人能力と『伝統』で守れるのなら戦術など必要ない。それができないからこそ、実行すべきプランがあり、準備がある。

 

ではアッレグリ監督はどのようなプランを準備していていたのだろか。

 

まずは4−4−2に変更するまでの守備から触れていこう。

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4−3−3で圧をかけていく

立ち上がりのユベントスは4−3−3の形で守備をスタート。こうすることでチェルシーのバックスとCHに圧力を掛けてプレー精度を落としてミスを誘発させてカウンターを狙った。当然、今のチェルシーにはCFルカクへの「アバウトなパスの逃げ方」があるので、ここはDMFとCBの3枚で対応を行っていた。

 

これでCHに対してIHを押し出し、SHが1つ内側かつ斜め後ろに立つ。ここから外側のCBに対してプレッシングを行う。このようなポジションを取ることで一発でDMFロカテッリの脇に立つSTへの縦パスを封じることができる。

これで外側に誘導したときにボールを回収することを考えていたのだろが、上手く嵌まらなかった。

ではなぜ嵌まらなかったのか。

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問題は距離と近くの人

問題は『距離』と『人』になる。サイドで奪うために、WBに対して押し出すのはSBになる。だがここで問題となるのが先にも触れた距離と人だ。

まずSBとWBの距離が若干遠くなっていることで、割と早い段階でWBまで出なければならなくなる。だがそうすると、近くにいるSTジエクに一発で背後を取られることになる。

だからユベントスはWBに対してIHが横スライドで対応を行わせる。だがここでも距離と人の問題が発生する。距離はSBよりも近いのだが、本来マークして消しているCHに逃げられる可能性が上がってしまう。こうなると、せっかくサイドに誘導したのに、逃げられるので、撤退を強いられてしまうことになる。

こうなると「走らされるプレスバック(受動的なランニング)」が必要になるので、体力の消耗に繋がってしまう。

だからこそ、ユベントスはすぐにそれぞれのタスクを変更して守備を安定させていく。

 

ではどのような修正を行なったのだろうか。

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4−4−2とミドルプレス

まず行なった修正が4−4−2への変更とプレス開始時の高さだ。4−4−2に移行してミドルプレスに変更したことでユベントスの守備はだんだんと安定していく。さらに、攻撃でもし本来狙ったであろう『カウンター』が発動できるようになる。

 

ではなぜそれが叶ったのだろうか。

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左サイドでの守備

まずは左サイドでの守備を考えていこう。2トップに入るキエーザとベルナルデスキのタスクはCHのマークとなる。これを行うことで3バックにはボールを持たれることになるが、ミドルブロックにシフトしたことで、背後のスペースはある程度ケアすることが可能になる。

さらにWBには左ではラビオ、右ではクアドラードがマークを行う。特にWBアロンソに対してはSHクアドラードが徹底したマンマークを行っていた。これを行うことで、チェルシーはWBへのサイドを変える対角のパスを出さない状況に陥っていた。

ここから以下のように追い込んでいく。

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明確になったサイドの守備

このように外側のCB(クリステンセン)にボールが出ると、そこにはCFキエーザがプレスを掛けて行く。この時にリターンパスを出させないように、内切りを行いながらプレスに出る。

このCBシウバ⇨CBクリステンセンのボールの移動中にSBサンドロはWBアスピリクエタまで出ていき、SHラビオは内側に絞ってCHを捕まえる。これができるのはやることが明確になったこと、そしてSTはヴァーツにはCBデリフトがマンマークで対応を行うようになっていたから。

さらにその奥ではCFルカクvs CBボヌッチの構図に。これはユベントスのCBの能力が高いからできる芸当だろう。

これでサイドでボールを回収するか、STのところで潰すか、バックパスをさせて攻撃のテンポを遅らせる。

 

では右サイドの守備はどうなっていたのだろうか。

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右サイドの守備

このように右サイドにボールがある場合は4−1−2−2のような形になる。2トップの一角、ベルナルデスキがCBシウバ⇨リュディガーへの2度追いになる。

これでCBリュディガーにボールを持ち運ばせることを選択させる。これを許容できるのは、WBに対してSHがマンマークをしていて、3トップに対しては4バックとCHロカテッリの5枚で対応を行う。

こうすることでCHコバチッチとジョルジーニョのミスを誘発してカウンターを打ち込むことを狙う。だからCFキエーザが前に残るようになっており、CBリュディガーに運ばせて守備の人数を減らそうと試みていたのではないだろうか。

このようにしてユベントスはミドルブロック・ミドルプレスの局面を展開していた。ここが安定することでローブロックも安定していた。

ではローブロックはどうだったのだろうか。

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ローブロックの守備

このようにWBの高さによってSHクアドラードが下がるので、基本的に5−3−1−1のような形になる。この5−3のブロックはもちろん、SHのクアドラードの高さによって4−4のブロックになることもある。

そしてこの守備で大切なのは、場所を埋め続けることだ。クロッサーにも対応にいくことで、そのクロスの精度も下げさせる。そうすることで、CFルカクのフィジカルを生かしたヘディングを封じることも可能になる。

 

この守備を続けることで、チェルシーの攻撃をやり直させる。そして以下の場所でボールを回収することが多かった。

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CHでボールを回収

このように、中央のCH(ジョルジーニョとコバチッチ)にボールが入った時に一気に圧縮していく。ここで重要な役割を担っていたのが、1.5列目に下がっていたCFベルナルデスキが挟み込む役割を果たす。

これで中央でボールを回収して一気にカウンターを仕掛けることが可能になっていた。

このようにして一度やり直させてから入ってくるボールを圧縮して回収、そのために場所を埋め続けるという作業を行っていた。

 

これが全て全て嵌り切れば良いのだが、そうは行かないのがサッカーというスポーツだ。中央突破は人を集めているので、ドリブルで突破されることは少なかったが、サイドを突破されることが何度かあった。その時は以下のように対応を行う。

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サイドを突破された時

このように、サイドを突破された時は1つ内側の選手がカバーを行って対応する。この時にCBがスライドをしてハーフスペースを埋め、CHロカテッリがバックライン中央に降りる。それに呼応してCFベルナルデスキが2列目に落ちる。これで空いた場所を1つ1つ埋めていくことで、常に場所を埋めている状態を保っていた。

そして再び、やり直させる、もしくはセーフティーにクリアをすることで、リセットして守備を行っていた。

 

このようなチームとしての守備があり、その土台には個人守備があった。この個人とチーム戦術の相互関係、相互の支え合いががっちりと嵌まり込んで、このような強靭な守備を作り出すことができていた。

特にCBデリフトとボヌッチのCFルカクへの対応は目を見張るものがあったし、試合を締めるために入ってきたキエッリーニの安定感にも改めて度肝を抜かれた。

 

リーグ戦とは打って変わって、強靭な守備を披露したユベントス。これだからサッカーは堪らない。守備の美学を見せつけたユベントス。ここから守備の美学の下に、悲願のビッグイヤーを手にすることができるのか。とても興味深い一戦だった。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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