2022ー23 プレミアリーグ 第23節 レスターvsトッテナム 備忘録記事

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レスター4-1トッテナム

得点者(TOT)
14' 30ロドリゴ ベンタンクール

得点者(LEI)
23' 24ナンパリス メンディ
25' 10ジェームズ マディソン
45+4' 14ケレチ イヘアナチョ
81' 7ハーヴィー バーンズ

両チームのフォーメーション

 

 

ハイライト

 前節、マンチェスターシティに勝利を収めたトッテナムはレスターのホーム、キング・パワー・スタジアムに乗り込んでの一戦となった。

 トッテナムは前節から3人のスタメン変更。シティ戦で退場処分を受けたロメロに代わりタンガンガ。負傷したロリスの代わりにフォースター。そして、この冬に加入したペドロ・ポロが初スタメンを飾った。

 対するレスターは前節のヴィラ戦から1人のスタメン変更。ティーレマンスではなく、メンディがスタメン出場となった。また、この冬に獲得したサウター、クリスチャンセン、テテは2試合連続のスタメンとなっている。

 まず最初にチャンスを作ったのはアウェイのトッテナム。高い位置からのハイプレスでボールを奪ってからゴール前でチャンスを作ると、最後はベンタンクールのシュートを放っている。

 前節の勢いそのままという感じであったが、試合は徐々にレスターのペースに引き込まれる。この試合のレスターは5-4-1のブロックを組んで守るシーンが多め。トッテナムの保持が3-2-5であることから、全体的に噛合う形である。

 5バックっぽく守るかどうかは、ポロのポジション取りに合わせるバーンズの匙加減で決まる。そのためレスターの左SBと2CBがトッテナムの1トップ2シャドーを対応をすることになる。

 この、トッテナムの1トップ2シャドーを監視したクリスチャンセン、ファエス、サウターはとても対人が強いためトッテナムが前線で時間を作れるシーンが少なかった。

 特にクリスチャンセンの加入はレスターにとって大きいはず。これまで左SBを務めていたルーク・トーマスよりも対人が強いし、彼と同じように前へ出て行く推進力を持っている。このクリスチャンセンの活躍によって、クルゼフスキを封じ込めていた。

 一方でレスターの攻撃に対しトッテナムは後手に回ることが多め。レスターは保持の際にメンディをアンカーに添えて、マディソンとデューズバリー=ホールをIHにした2-3-2-3の保持を試みていた。

 そんな中で同サイドでのユニットによる旋回がとても良かったように感じる。SBーIHーWGがレーンを入れ替えながらボールを回す形で突破を狙っていたし、トッテナムのWBが釣れた裏を何度も狙っていた。

 また厄介だったのはメンディの存在。ボールサイドに流れることで+1を生み出し、詰まった時の逃げ道として躍動をしていた。トッテナムとしては、メンディを捕まえに行けば、IHがフリーなってしまうためHVが出て行って対応する形を取っていた。

 そこで割を食ったのは、この日プレミアデビューとなったポロである。お世辞にも守備が上手い選手では無いため、対面するバーンズに突破を許すことが多かった。また、カバーに来るはずのタンガンガがハーフスペースでウロつくマディソンに着いて行くため、剥がされた後のカバーが居ないシーンが多々見られた。

 正直これに関してはこういう守備の約束事になっているため、タンガンガがロメロでも大外を経由されたらあまり変わらないと感じた。

 それでも先制点を奪ったのはアウェイのトッテナム。コーナーキックからクリスチャンセンのクリアボールの先にいたベンタンクールが押し込みゴールが生まれた。

 それでも直ぐにレスターも追いつく。CHの間で浮いていたマディソンのターンから運んだ先でコーナーキックを獲得すると、クリアボールに走り込んだメンディが強烈なシュートを決めてネットを揺らす。

 更にその2分後。デイビスの楔を受けようとしたケインに対しファエスがボールカット。そのボールが前線に立つイヘアナチョに渡ると、最後はフリーになっていたマディソンがネットを揺らして逆転となる。

 ダイアーの立ち位置によってイヘアナチョが中央でフリーになってしまったこの場面。真ん中だけが高いと一番ゴールに近い場所でオフサイドが取れない。つまり、守備面において絶対にやってはいけないことが起ってしまった。

 一気に逆転を許したトッテナムは苦しい時間帯が続く。理由は上記で書いた部分が続いていたからだ。レスターのDFラインに対してトッテナムの前線が収められないし、非保持も相手を捕まえることが出来無かった。

 そんな中でも右サイドのポロの抜けだしからチャンスを作ったり、ケインが背負えればペリシッチを活かせるなど、起点を作れればなんとか攻められるという感じであった。

 しかし、前半アディショナルタイム。サウターのクリアボールに抜け出したイヘアナチョにゴール前への侵入を許すと、寄せないダイアーを嘲笑うかのようなシュートを決めて3点目を献上してしまう。

 前半の最後に大きな失点を許したトッテナム。後半への対応として前からプレッシングをかけてボールを奪いに行くような入りを見せる。しかし、60分。そのメンディに対して高い位置まで捕まえに行ったベンタンクールが負傷。左膝の前十字靱帯断裂となり、今季絶望となってしまった。

 攻守に渡っての舵取り役が居なくなったトッテナムに対しレスターは攻撃の手を緩めない。70分にはメンディに代わって入ったばかりのエンディディのボール奪取からショートカウンターを発動し、最後はバーンズがネットを揺らすがVARの介入によりオフサイドと判定されノーゴール。

 トッテナムも前線のメンバーを入れ替えフォーメーションを4-2-3-1にするが、前半の最後に喫した3失点目が重くのしかかった。

 すると迎えた81分に下がったデューズバリー=ホールがサールを動かされ、バイタルで受けたマディソンのターンからゴール前に侵入されると、最後はバーンズに決められて4失点目。

 試合はこのまま終了。トッテナムは最後までレスターの術中にハマってしまし、不安を残したままサン・シーロでのミランとのCLベスト16に臨むこととなった。

雑感

 後ろで貯金を作れない以上こういう展開になるし、ハイプレスが定まらない以上はこういう守備になってしまうなという試合だった。

 レスターのトッテナムのウィークポイントを突いた策も敵ながら素晴らしかったと思う。ケインがプレスバックに来ないことを理解しつつ、メンディを逃げ道として置いたり、対人の強い選手を並べてケイン、ソン、クルゼフスキを抑えこむなど、しっかり研究してきたなという印象である。

 一方でトッテナムにとっては不安なのは怪我人が増えていること。ロリス、ビスマの怪我に続いてベンタンクールがシーズンアウトなのは痛手すぎる。冬の移籍市場も終わったため、ビスマが戻って来るまではホイビュア、スキップ、サールで回すしかない。

 また、ポロにとっても苦いデビューとなってしまった。守備の整備をしないと、この試合の二の舞に成りかねないので、ポロのサポートはしっかり用意した方が良さそうだ。攻撃面に改善は期待出来るが、守備面へ不安すぎるためトレードオフの関係になってしまっている。この収支マイナスをどうにかして埋めたいところだ。

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(編集者:川崎人)

 

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