【スペースをどのように管理させるか】プレミアリーグ 第29節 アーセナル×レスター

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皆さんどうも。今回はプレミアリーグ第29節のアーセナル×レスターのマッチレビューを行っていきます。

絶好調のアーセナルはこの試合でもしっかりとプレス回避を行っていくことで、見事にレスターをひっくり返しながら、ゴールに迫ることができていました。手前と背後をうまく使いながら、斜めに前進することで効果抜群の攻撃を仕掛けていた印象です。彼らはレスターに対して「どのようにスペースを管理させるか」を突きつけ、その対応を見て自分たちがどこを使って攻撃を組み立てていくかを瞬時に選択しているように見えました。後の先を常に取りながらプレーすることで、遅れとずれを作り続けることができているので、現在のアーセナルは安定しているのではないでしょうか。

では今回はアーセナルがどこのスペースを管理させて、対応を行われるとどのように攻撃を選択していたかについてを考えていきますので、最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

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スターティングメンバー

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レスターの守備

アーセナルのプレス回避についてを触れていく前に、まずはレスターの守備についてを考えていこう。彼らは4−4−2で守備を行うことが基本形になる。これはハイプレスもミドルプレスも同様だ。

では彼らはどのようなことを考えながらプレスを行っていたのだろうか。

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レスターの守備

彼らはこのようにマディソンとイヘアナチョでアンカーポジションに立つトーマスを消しにかかる。これで中央を経由されて展開されることを防ぎ、外側に誘導を行う。さらに外側の誘導をより確実なものにするために、中盤4枚は台形のような形になって中央を消して外側に出ていく立ち位置をとる。この時にSHが背後でIHを消しながら、2トップ脇を運び出すCBに対しても牽制をかけれるようなポジションを取るため、このような形になっていたのだろう。これでSBに誘導するとSHは外側に向かってプレッシングを行う。これがレスターの全体のプレスのスイッチになる。

ではここからどのようにプレスを完結させることを狙っていたのだろうか。

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圧縮できればOK。
狙うのはSBから出てくるパス。

このようにSBにSHがプレスをかけることで、ボールホルダーに圧力をかけつつ、CHもしっかりとスライドを行うことでレシーバー潰しもしっかりと行って圧縮をかける。ここのSBでボールを回収できればベストだが、距離が少しあるのでここでボールを回収できる確率は少し低く、だからこそSBから出てくるパスを回収することを考えていた印象だ。

だからバックスの準備が不可欠で、とくにWG vs SBとCBの背後のケアはかなり大切なタスクとなっていた制限をかけつつ、準備を怠らないことでボールを回収することはある程度かなっていたが、それでも前進されてしまったのはアーセナルに「スペースの管理」を強制させられていたからだ。

ではアーセナルはレスターに対してどこのスペースを管理させて、どのように攻撃を仕掛けていたのだろうか。

 

スペース管理の強制と後の先

アーセナルはウーデゴールとジャカにスペースを与えることで、前進を行って攻撃を組み立てていくことが基本形となっている印象を受ける。だからトーマスで2トップを止めて、SBでSHを釣り出して段差を作り、WGでSBを止めるプレーをする。

もっとわかりやすく、アーセナルがレスターに対して以下のスペースを管理させることを考えていた印象だ。

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スペースを管理させる場所

アーセナルはレスターに対してSH–CH–SB–CBを結んだスペースを管理させることを突き付ける。そこでここのスペースを確保するために、以下のように各ポジションの選手はプレーを行っていく。

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スペースを確保するために

まずアーセナルが一貫して行っているのが中央での2つの菱形だ。まず1つ目の菱形がラムズデールを含んだ、ガブリエウ、ホワイト、トーマスの菱形だ。これが土台となる。そして2つ目がラカゼットを含んだ、トーマス、ウーデゴール、ジャカの菱形。この菱形を作ることで、ボールの出どころを作り出し、IH周辺にスペースを作り出すに至る。

さらにSBはSHとかなり距離を取るポジショニングをすることで、SHをブロックから引き摺り出す、もしくはユニットのスライドの距離を長くさせる。そして極め付けがWGだ。サカとマルティネッリはレスターSBがアーセナルSBまでジャンプして対応ができないようにピン止めを行う。これで先ほど触れたスペースを作り出す。

そしてここに動きを加え、人とボールを送り込むことでレスターに対してスペースと人の守備を強制させる。これが相手を動かす大きな手段となっている。

ではどのようにして攻撃を仕掛けていたのだろうか。

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最もシンプルなパターン。

まずは最もシンプルなパターンだ。このパターンはSBとSHの距離を作り出していることで、SBから背後を選択する。この時に抜け出すのがWGになっていて、WGの抜け出し方は基本的にマーカーの内側で、ボールは外側になっている。これでマーカーに対してWGとボールを同一視野に収めることを困難にさせて、優位に背後のランニングを仕掛けることが可能になる。ここの背後を選択できるようになったので、アーセナルは手前の組み立てが活きてくるようになっているのではないだろうか。これに付随してラカゼットの中盤のヘルプも生きるようになっている。

では背後を選択できない、もしくは選択しない場合はどのようになっているのだろうか。

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IHが流れて三角形形成

このようにIHがSBとWGの間に流れることで三角形を形成する。ここでラカゼットの存在がかなり重要になる。彼がIHの横のサポートとSBの斜めのサポートを作り出すことで、出口となることができる。ここも最初に触れたスペースを使っていくことで、レスターの守備を動かすまでに至っていた。

これでSBはIHに対してCHの遅れが出ていればIHをシンプルに使って、そこから遅れから得れる優位性をどんどん大きくしていく。またCHのスライドが間に合うようだったらラカゼットへ逃げることで、ラカゼット⇨トーマスのレイオフで逆へ逃げることも可能になっていた。

当然、IHが斜めを作ってトーマスとCBを含めた菱形も作り出すこと、IhとWGを含めた三角形を作り出すこともある。この場合の出口はIhとWGになり、特に右サイドのサカのところで個人で打開していく場面も見受けることもできていた。今のサカのプレーっぷりはとんでもないものだと思う。

 

この場合はレスターのスライドが間に合わなかった場合になる。ではスライドが間に合ってレシーバーを完全に潰された場合はどのようになるのだろうか。

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レシーバーが捕まったときはサイドを変える

このようにレシーバーが捕まった場合は無理せずにCBとGK経由でサイドを変えていく。このシンプルなサイドを変えるプレーがかなり効いていた。上の図のように、レスターはレシーバーを潰すためにかなりの距離をスライドしている。だからこそ、アーセナルはボールサイドのユニットでレスター全体を引きつけることができている。これで逆サイドにボールを持っていったときに逆IHがフリーでボールを引き取ることができていた。もちろん、レイオフでトーマス経由の持っていき方もあったし、スライドが間に合う場合はCHーCHの門が広がっているので、ラカゼットがボールを引き取ることもあった。

このようにしてアーセナルはレスターにスペースを管理させていくことで、後の先をとることに成功し、うまくプレスを回避することができていた。

 

CL圏内に生き残れるか

消化試合も少ない中で現在4位。そしてチームの雰囲気も試合の内容も上々だ。このままま順調にいけば、来季のCL出場も確実だろう。今のアーセナルには鹿kりとした土台とプレービジョンがある。このまま突っ切ることも可能な感じはするが、サカ、トーマス、ラカゼットが怪我で離脱したときにどのようになるのかの不安材料はまだ拭えない。ここが唯一の懸念点だろうか。

トッテナム、マンチェスター・ユナイテッド、ウェストハム、アーセナル。このグループの中で頭1つ抜け出しているのは確実にアーセナルだ。シーズンも佳境に差し掛かり、ここがアーセナルにとっても正念場だろう。ここからの戦いにもしっかりと注目していきたい。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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