【前向きの捉え方】Premier League第28節 バーンリー vs チェルシー

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皆さん、どうも。今回がプレミアリーグ第28節のバーンリー×チェルシーのマッチレビューを行っていきます!

優勝戦線に生き残るために、CL圏内確保を確実なものにしてくために、チェルシーはポイントを落とすことは許されません。カラバオ杯の鬱憤を晴らすためにもなんとしても勝利が必要でした。

そして結果は4−0の圧勝。プレミアリーグにも慣れ、いよいよ本格的に本領を発揮し始めたハヴァーツと怪我から戻ってきたジェームズの活躍でバーンリーを粉砕して見せました。シーズン当初のあの安定感を取り戻しつつあるチェルシー。ここからさらなる勝利を積み重ねていけそうです。

前置きはこの辺りにして、早速マッチレビューを行っていきましょう!最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

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ではここから先のブログでのレビューをお楽しみ下さい!

 

 

 

スターティングメンバー

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3人目の前向きの回避

バーンリーはプレスをかける時はリュディガーに対してレノンを押し出して、ベグホルストとロドリゲスでチャロバーとシウバを抑えにかかるように設定をしていた。さらにジェームズに対してはマクニールに意識させることで、ビルドアップの制限をかけよう試みている印象を受けた。これで奥側にロングパスを蹴らせることで、跳ね返すことを狙っていた。

このプレスに対してチェルシーは基本的に3人目の前向きを作り出すことで、プレス回避を行っていく。

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SHの背後で数的優位を作り出して回避

まずはレノンの背後にボールを送り込むことで回避することを考えていく。ここでの前向きの選手はGKのメンディが主となる。ここからサウールにボールを届けることで、SBロバーツに対してプリシッチと数的優位を作り出してプレスを回避していた。

ここでプリシッチがボールを受けた時に時間ができるのあジョルジーニョとカンテでウェストウッドとブラウンヒルを中央に寄せているから。だからこそ、プリシッチが前向きでボールを受けて持ち出すことができるようになっていた。

この方法をまずはバーンリーに提示していくことで、彼らのプレスの方法を少し変更させる。

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レノンは背後が気になり出してリュディガーまで出にくくなる

このようにレノンの背後を上手く使っていくことで、レノンのプレスをまずは止めることに成功する。こうなると次に前向きになれる選手がリュディガーになる。ジョルジーニョ経由、もしくはシウバ⇨メンディ⇨リュディガーでボールを届けると、リュディガーが外側でフリーになれる。

ここでの前線の選手のアクションは上の図が主にになっていた。基本的に右も左もSTが手前でボールを受ける動き、WBでSBを釣り出す役目、それに呼応してCFが背後を狙っていくことで、手前と背後と斜めから横の選択を作り出す。当然、最優先は背後なので手前が生きてくる。

このようにしてチェルシーはバーンリーのプレスを回避していくことで、ハイプレスを強制終了させることに成功。これで1つ前のエリア、ミドルゾーンでボールを保持できるようになっていく。

基本的にチェルシーのプレス回避の局面は外側のCBが前向きでプレーできるように設定されている。そしてそこから3つの選択肢を用意し、より良いものを選択することで1つ1つ丁寧に剥がしていく。その過程で、相手を剥がしてスペースを作り出す方法と誰にスペースを与えていくかの精度がとても高いので、安定して試合を運ぶことができるのではないだろうか。

 

その段階でチェルシーは前向きをどのように捉えているのだろうか。

 

前向きの捉え方は?

僕の印象にしか過ぎないが、シーズン当初と現在のチェルシーの前向きの捉え方が変化したように感じる。

安定感抜群だったシーズン当初のチェルシーの前向きの捉え方は3人目が主流だった。CFがサイドに流れてSTで前向きを作り出す、STがヘルプを行ってCHで前向きを作り出す、CBで前向きを作り出す(これは変わらない)、ST経由でWBを前向きにするなど、基本形は『3人目で前向き』だった印象だ。レイオフを使うことで、狭いエリアでも前向きの選手を作り出せるようになっていた。狭いエリアを抜けて広い方に対角のパスで展開する。このパターンはよく見受けることができ、かなりの効力を放っていた。

だがこれにはデメリットもあり3人目で前向きを作るということは、基本的に「①縦パス⇨②落とし(バックパス)⇨③前向き」の手順を踏む必要がある。①の選手はスペースと時間を得ているが、②のプレーをする選手は捕まっている、もしくは後ろ向きのプレーを迫られる状況下がほとんどだ。

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ここのところで仮に奪われてしまうと、相手は前向きに奪ったパワーを利用してそのままカウンターに出れる。当然ここのリスク管理のために③の選手がいるのだが、パワーを持って向かってくる選手に対しての対応を難しい。さらに③の選手(ジョルジーニョやカンテ)にマークを付けているチームだと、向かってくる選手+マーカーで数的不利な状況下での対応になる。

チェルシーと対戦するチームはここを狙って潰しにかかるようになってくる。その対策としてWB(ジェームズやチルウェル)を内側に絞らせてマークのズレを生み出し、さらに奪われた際の守備の強度とCHを残すことでダイレクトにゴールに向かわれずに一度外へ追い出すように適応していく。

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WBを内側に絞らせる狙い

このような役割をWBに担わせたことでマークのズレを生み出し、さらにネガトラの強度も上げることにも成功していたチェルシー。CHが対応に出なくて良くなっているので。常時3−2のブロックを形成することができ、外側に押し出すこともできるようになっていた。これで全体を押し戻す時間も確保できるようになっていた。

だがジェームズとチルウェルの負傷離脱により、これが難しくなっていき、最初に触れたような展開になっていく。

憶測の域を出ることはできないが、トゥヘルはこの辺りから前向きの捉え方を変えたのではないだろうか。その移行期間が年末の不安定感に繋がり、そして徐々に安定感を取り戻しているのではいだろうか。

ではチェルシーはどのように前向きの捉え方を変えたのだろうか。それは個人にスペースを与えて、そこでターンしてもらう方法だ。

こうすることで、2人で前向きの選手を作り出すまでに至り、さらに「後ろ向きの選手」と「落としのパス」を省くことが可能になる。これで相手が前向きで対応できる状況を実質消すことができ、カウンターを未然に防ぐことができるようになっていた。

この試合では以下のようにスペースを与えていた。特にプリシッチがボールを引き取ってドリブルで運んでいくシーンは多く見受けることができた。

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引き伸ばす+狭くさせる

このように3CBで引き伸ばすことを考えながら、ジョルジーニョで狭くさせるように対応させる。さらに3CBで数的優位を作り出せているので、カンテが1つ前のライン間に進出することが多く、サウールが高い位置で幅を作ることでレノンを押し下げるようにプレーをしていた。

これでバーンリーが狭くしている状態だと以下のようにボールを引き取る。

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ブロック脇で引き取る

このようにCBからSTで前向きを簡単に作り出すことができる。これでプリシッチやマウント、時にカンテがターンしてドリブルで持ち出すことで攻撃を仕掛けていく。

また引き伸ばした場合は以下のようになる。

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逆STが入ってきてライン間で引き取る

カンテが一列前にいることで、マウントがフリーマンのような振る舞いをすることが可能になる。これでプリシッチが降りて捕まった場合、CH間の門を広げてそこの門の先でマウントがボールを引き取ることで前向きを作り出す。チェルシーの3CBのパス供給能力の高さがあるからこそできる芸当だろう。

 

このように3人ではなく2人で前向きを作り出して、向かっていくドリブルを選択することで、後ろ向きと落としを省き、さらに前向きな人を作るために割く人数を減らすことに成功。こうすることでより攻撃に人数をかけることができるようになっていた。

だからプリシッチやマウントがDF(斜めにゴールに)に向かっていくことで、WBが外側でフリーな状態になれることも多くなっていた。

ここに絡んでくるのがハヴァーツで、その絡むタイミングと絡んだ時のクオリティの高さは言うまでもないだろう。

当然、3人目で前向きを作り出すことが全くなくなったわけではなく、前向きの作り方の主流が変わったように僕は感じた。もう少し試合を見てみないとわからないので、ここを意識しながら観戦していこうと思う。

 

新皇帝・ハヴァーツ!!!

とうとう本領を発揮し始めたハヴァーツ。プレミアのスピード感と強度にも慣れた感じがして、躍動し始めた。背中でDFを受ける安定性、動きながらボールを受ける技術、ハイボールの処理能力、スムーズすぎるターン、走る場所とタイミング、起点、ワンタッチプレー、動き直し、クロスに入っていく感覚、シュートセンス。さらには攻守に渡って機動力も兼ね備えている。それに加えてかっこいい。

ハイレベルで万能なチェルシーの新皇帝のハヴァーツが躍動し始めると、チェルシーはさらに勝利を積み重ねることができるだろう。

そしてこの試合のような戦い方が主流になってくるのならば、プリシッチの重要性も上がってきそうだ。持ち出せてボールを受ける場所のセンスもある。そして彼もクロスに入っていく感覚を持ち合わせている。ここはランパード監督が叩き込んだことだと僕は思う。

シーズン当初とは違った方法で安定感を取り戻しつつあるチェルシー。シーズン佳境の過密日程を乗り切り、さらなる勝利とタイトルを期待したい。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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