【矢印をいなす】FA杯3回戦 チェルシー vs チェスター・フィールド

f:id:football-analyst:20220109142431j:plain

皆さん、どうも。今回はFAカップ3回戦のチェルシー×チェスター・フィールドについてのマッチレビューを行います!最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

こちらはYouTubeでも解説してます!こちらもご覧ください!

www.youtube.com

 

ではブログでのレビューもどうぞお楽しみください!

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20220109120226p:plain

 

プレスをいなしたチェルシー

チェルシーがボールを保持し、チェスター・フィールドの守備の時間が長くなる。これは誰もが予想できた試合展開で、そして予想通りの試合の運びとなった。

だがチェスターフィールドはブロックを作り出すのではなく、しっかりと「ボールをハントする」守備を考えていた。

f:id:football-analyst:20220109122353p:plain

チェスターフィールドの守備。
基本的に5−2−3で構えて3トップは3バックに向かっていく。
この時に3トップの背後(FW–MFのライン間)の選手にはCHがマンツーマンでキャッチ。最終ラインには5枚揃えて、きちんと場所を埋めることを考えた。
これで外誘導を行ってゴールから遠ざける守備を行い、サイドで回収を狙う。

チェスターフィールドはチェルシーの持ち出しに対してしっかりとプレッシャーを与えることで、満足に持ち出させないこと、さらにその段階で外誘導を行ってゴールから遠ざけつつ、サイドでの回収を狙った。

この時にCFは「中央に残るサウールを消しながら」という意識があったので、チェルシーCBサールは割と時間を持てるようになっていた。

「サールで時間を持てた」という状況にあったので、チェルシーは簡単にプレスをいなすことに成功する。

 

ではどのようにしてプレスを剥がしていたのだろうか。

f:id:football-analyst:20220109123131p:plain

コバチッチの外流れとサウールの中心点の関係。
この関係を作り出すことではっきり降りるコバチッチまで着いていくか否かの判断を迫る。

サールで時間が持てたので安定してボールを回すことが可能になり、チェスターフィールドの3トップのプレスを呼び込むことができる。さらに中心点にサウールがいるので、実質4vs3の数的優位を維持することが可能になっていた。

そして上の図のようにホールがパスを受けると、コバチッチが3トップの斜め背後、もっと細かくいうならばSTの斜め後ろに降りてくる。ここでボールをピックアップして前向きなプレーを行うことで、前進していく。

さらに顕著だったのが、チェスターフィールドCHを釣り出したときだ。

チェスターフィールドは選手個人のレベルの差を痛感せざるを得なかっただろう。コバチッチのターンの速さとドリブルでの剥がし方。ここの上手さは世界屈指だ。チェルシーは局所でここの優位性を生かすことで、プレスをいなしていた。

 

さらにシンプルにオドイにパスを届けることで、ここでもドリブル突破でプレスを回避することができていた。ここはチェスターフィールドWBのプレスがかかり切らないので、オドイが簡単に前を向くことが可能になっていたから、このような状況を作り出すことができたいた。だから逆サイドではジエクが前向きで仕掛けることはオドイサイドと比べるとかなり少なかった。

 

門を広げて出入り可能に!

プレスをいなしてく段階で、コバチッチが降りることを先ほど触れた。そしてこのコバチッチが降りることに対して+@でプリシッチがCHの近くに立つことで、チェスターフィールドのCHを引き剥がして門を広げていた。

f:id:football-analyst:20220109130021p:plain

門を広げる方法。
コバチッチの斜め降りとプリシッチのピン止めによりCHを引き剥がす。
この時に降りてくるのがSTのヴェルナー。
そしてそこのパスコースを創出するために3CBでボールを動かしながらズレを作り出す。
サウールもその手助けをしつつ、レイオフを受ける準備をしていた。

このようにピン止めと降りる動きを同時に行ったことで、CHを引き剥がすことに成功。さらにサウールが中心点になっていたことでコバチッチが1列前に出たことを受け、チェルシーの陣形は表すのならば3−1−4−2のようになっていた。

これで「2」の位置に入ってCFの振る舞いをしていたヴェルナーが門を通過するパスを受けることで一気にスピードを上げて攻撃を仕掛ける。

f:id:football-analyst:20220109131617p:plain

ヴェルナーが降りるとCBが着いてくる。そこを狙うのが斜めに抜けれるプリシッチ。
この関係性がGOOD!

このように門を通過するパスを受ける動きをするヴェルナー。この時にチェスターフィールドのリアクションとして、CBが縦スライドを行って対応に出ることを取る。こうなると穴ができるのは最終ラインだ。ここのスペースを前向きに斜めに入っていけるプリシッチが使うことで、攻撃のスピードを上げていく。

さらにプリシッチがランニングを行うことで、CHを引き連れてサウールがレイオフを受けた後のスペースを確保していた。

このようにしてチェルシーは門を広げることで出入りが簡単に行える状況を作り出していた。

個人的にはこれを早い段階で行って、そこを的確に突けた時点で勝負あったと感じた。

 

ルカクも生かそう!のミドルパス

当然、前線にはフィジカルモンスターがいる。それがルカクだ。プレスを呼び込んだとき、もしくは組み立ての時点で苦しくなった時(この試合ではなかったけど)にルカクを生かす術もしっかりと落とし込まれている。

これはカラバオ杯のトッテナム戦でも当然行われていたことだ。気になる方は以下のブログをご覧になってもらいたい。

 

www.soccer-bunseki.com

 

ではこの試合ではどのように行っていたのだろうか。

f:id:football-analyst:20220109132423p:plain

ルカクを生かすミドルパス

この前進方法は乱発されない。だからこそ効果が絶大だ。チェルシーは後ろから安定感を維持しながら前進をしていく。例えるのならば1つ1つズラして空いている場所を使って前進していく方法が基盤だろう。

だが今季はルカクが加わったことにより、ミドルパスを打ち込んだ時のその精度が全くもって変わっている。この試合でもジエクが降りて、その背後にルカクが流れることで起点を作り出す。(これを行うことが多いのは2トップのような立ち位置になった時)

これで、手前にセカンドボールを作った時にプリシッチとジエクが前向きにボールに対してアタックできるし、サポートも前向きに行うことができる。

トゥヘル監督は時折、ルカクを目掛けてのミドルパスを打ち込めるような状況を意図的に作り出すことで、一気にカウンター気味の攻撃方法も残すことに成功している。

さすが過ぎる。ほんとに。

 

個人の差は圧倒的

やはりプレミアリーグのチームとノンプロ。ここの個人の差は仕方ない。組織で戦うことでチェスターフィールドはジャイアントキリングを起こそうと試みたが、組織に昇華する前に個人で打開されてしまう。特にコバチッチ、オドイ、ルカクの場所で。

特にオドイvs キングの場所では完全にキングは腰が引けてしまっていた。だから簡単にオドイが前を向くことができていたし、遅れて出ていくWBの背後をヴェルナーがランニングで使うことも可能になっていた。そして生まれたのはオドイのゴールであり、これは時間の問題だっただろう。なぜなら常にオドイは前向きで、しかも常に複数の選択肢を持つことができていたからだ。

組織に昇華される前に個人で叩く。それをハイレベルで行っていたのがチェルシーだ。個人の差は間違いなく圧倒的だったし、理不尽にも感じる試合だった。

 

またアカデミーの選手、特に先発のCBホールのプレーっぷりだ。本当に17歳か?と思う落ち着きと正確性。持ち出しもできていたし、攻撃参加もグッド。パスの選択の判断とその精度をミスることもあったが、試合を通し高評価のパフォーマンスだった。

彼のこれからの成長も楽しみだ。

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

チャンネル登録も宜しくお願いします!

YouTubeもしているのでチャンネル登録もお願いします!

www.youtube.com

 

Twitterのフォローもお願いします!

twitter.com

 

ではまた次の記事で!