皆さんどうも。今回はチャンピオンズリーグラウンド16のセカンドレグ、リール×チェルシーのマッチレビューを行っていきます。
欧州王者のチェルシーは1stレグできっちり2−0の勝利を収め、この試合にはある程度の余裕がありました。しかし、1stレグでリールのプレッシングに多少なりとも苦しめられていたことには間違いありません。そしてリールのホームに乗り込んだこの試合。リールは突破のために勝利はおろか、3ゴールが必要なのでかなり前から圧力を加えていました。
このプレッシングを受け1stレグ同様に苦しむようになりましたが、それでも選手と監督の修正力と対応力で見事に逆転勝利を収めて、トータルで4−1で次のラウンドに進んでみせました。難しい相手、そして難しい状況にもかかわらず、しっかりとラウンド16を突破してみせたチェルシー。
今回は彼らがプレスを回避し、そして守備の修正を行っていたのかを中心に考えていきます。最後まで目を通していただけると嬉しいです!
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1stレグのマッチレビュー
スターティングメンバー
リールのプレスについて
まず触れていきたいのはリールのハイプレスについてだ。彼らがこのラウンドを突破するには3ゴールが必要なので、ハイプレスを仕掛けてボールをなるべく早く、できるなら敵陣ゴール近くで回収することを考えていた。これは必然の選択だろう。
だからこそ、以下のようにプレッシングを仕掛けて何度か際どいショートカウンターを生み出すことに成功していた。
リールは基本的に4−4−2でプレッシングを開始し、CBに対してSHを押し出すことで逆SHをスライドさせて圧縮していくことを行う。だがこの試合では、右SHのバンバがリュディガーの対応に出て、SBのチェリクが早めにWBアロンソまで出ていけるように設定されていた印象だ。だからこs、左SHに本来守備的なグドムンドソンを起用して守備の強度を上げていた。こう考えると、奪いたいサイドはバンバとチェリクがいるサイドで、こっちのサイドでボールを回収することができれば、バンバもチェリクも攻撃力が高いので、ショートカウンターの完結が期待できる。
だから左サイドではWBアスピリクエタにはグドムンドソンがマークを行い、ユルマズとデイビットはそれぞれシウバとクリステンセン(負傷交代でチャロバー)の担当になっていた。
個人での担当を明確にしつつ、チームとして上手くアンカーのジョルジーニョをぼかす・消すことを行う。これで以下の場所でボールを回収してショートカウンターに出たい算段が見えた。
リールが誘導して最も奪いたい場所というのが中央に差し込んでくるパスだ。カンテ、ジョルジーニョ、コバチッチの場所でボールを奪い切るために、ここにはCHを当て嵌めていた。だからこそ、ここで奪って良い形でショートカウンターに何度か出ることができていた。
当然、全てを中央に誘導することが難しいので外側に逃げられた時には対WBでボールを回収。できる限り近くに立つことでプレーに制限をかけてボールを回収、もしくは次のプレーで潰し切ることを考えていた。これを右サイドでできれば御の字と考えていたのではないだろうか。
だがこれはすぐにチェルシーに対応されてしまい、プレスを回避されてしまう。
ではチェルシーはどのようにプレスを回避していたのだろうか。
対応して剥がしたチェルシー
ハイプレスに少し出鼻を挫かれた感じのあったチェルシー。だがすぐに対応していくことで徐々にリールの門を広げてズレと遅れを作り出すことに成功していた。ではどのようにプレスを回避していたのだろうか。
まずはハヴァーツがサイドに流れてポイントになるパターンだ。動きながら収めることもできてしまうハヴァーツならではの方法で、しかも今季で強さも手にした若き皇帝は、前に出てくるリールをひっくり返すための基準点になることができていた。さらにここで収まらなくても、手前にセカンドボールを作り出すことでIHとWBの2ndボールにアタックする準備の時間を作り出すこともできる。これでチェルシーはミドルパスでリールをひっくり返すことができていた。
さらに上のプレス回避だけではなく、下からの出口も作り出していた。
このようにリールCHの門を広げることで出口を作り出す方法だ。これはリールのCHがかなり人を意識して守備を行っていることを利用している。
ここの門を広げるために、ジョルジーニョが中央から少し移動して、IHコバチッチとカンテを「CHに捕まえさせる」ように仕向ける。これでIHのカンテとコバチッチはお互いに距離を作ることでリールCHの門を広げる。そしてその広げた門の先にハヴァーツが降りてきてボールをピックアップすることで、プレスを回避して攻撃に移っていく。
このようにしてチェルシーは中央を広げる、もしくは上のパスでシンプルにひっくり返していくことでプレッシングを回避していた。
この方法をすぐに見出して対応していくのだから末恐ろしい。
ミドルプレスと2つの修正
では守備はどうだったのだろうか。この試合のチェルシーはミドルプレスを選択することが多く、プレー速度を落とさせるような守備を行っていた。ハイプレスを行ってプレー速度を上げて消耗するよりも、2点持っていること、アウェイでの試合、そしてこれからの過密日程のことを考えれば当然の選択と言えるのではないだろうか。
だがこのミドルプレスは上手く嵌まり切らなかった。
基本的にミドルプレスはこのような担当になる。2トップは門を通されないようにCBに牽制をかけ、中盤3枚は中央を消しながら外側に誘導する。この時にWBがSHまで下がっているので、プレー速度を落とさせることを選択しているんだなと僕は思った。
これを行っていくことで、お椀型にボールを回させることを選択させたかったのではないだろうか。
これを完結させるためにSBの前向きのプレーを防がなければならない。だからSBに対してはIHが内側から外側にプレッシングを行うように設定されていた。だがこれが守備が嵌まらない大きな要因になっていた。
このようにSB⇆IHの距離が遠いため、少しの遅れが生じてしまう。この時間を利用されてCHがトライアングルに参加できるポジション移動。ここにジョルジーニョがスライドして対応すれば良いのだが、CFユルマズがジョルジーニョの近くに降りてくるため、出ていくことが難しくなる。さらにデイビットがリュディガーとシウバの間もランニングするので、背後に引っ張られて前に出ていくことが難しくなっていた。
だからここのトライアングルを利用されてミドルブロックを引き剥がされることが増えていく。
これを防ぐためにチェルシーはすぐに修正を加える。
1つ目の修正
まず1つ目の修正が左サイドはWBを早く押し出すことでSBのプレー時間を奪うこと修正を行った。(右サイドはカンテがいるのでIHをSBに押し出すことを継続。カンテは間に合ってしまうのでカンテは化け物)
このようにお椀型でボールを回させている間にアロンソが早めに前に出てSBとの距離を潰しておく。これでSBに誘導したときにコバチッチではなく、アロンソが対応することで、トライアングル形成に参加するCHをコバチッチが捕まえることが可能になっていた。当然アロンソはSHバンバを捨てて出てきているので、ここにはリュディガーがスライドして対応。これでレシーバーを潰して前進を食い止めていた。ここから強引に入ってくるパスを潰すことでボールを回収して攻撃へ移っていた。
2つ目の修正
2つ目の修正はハーフタイムで行われた。コバチッチに変えてマウントを投入して配置を明確に3−4−2−1にすることで、以下のように守備が完結するようになる。
このようにSTができたことで、STが横スライドでSBに向かって行けるようになり、さらにCHにはCHを押し出すことも簡単になっていた。チャンスと見るとWBはSBまで出ていくようになっており、より守備のタスクをシンプルにしたことでよりシンプルにユニットを形成できるようになって、そのユニットごと向かっていけるようになっていた。これでチェルシーはボールを奪うとそのままそのユニットで攻撃を仕掛けることができていた。
このようにすぐさま修正を加えて適応していく。監督も選手もさすがとしか言いようがないと僕は感じたし、凄い!とひしひしと思った。
全てをこなすハヴァーツ
フィジカルが向上したハヴァーツ。プレミアの水にも慣れ、チームにも慣れ、待ちに待った本領を発揮している。本来ならルカクに託したかったポイントを作るプレーも彼は難なくこなす。さらにクロスのターゲットにもなり、よりプレッシングで動くこともできる。組み立て、崩し、ドリブル、ラストパス、そしてフィニッシャー。さらにはプレッシングでもチームを牽引することができる。何もかもをハイレベルでこなす万能なプレーヤーとして最前線に君臨しているハヴァーツ。ここから先の試合も彼が必須だ。残りのシーズンで覚醒しもっと上の選手に進化を遂げることに心を踊らせながらこれからもチェルシーを応援していこうと思う。
最後までありがとうございます!
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