【閉じ込めて単調に!】J1第7節 サンフレッチェ広島×横浜F・マリノス

f:id:football-analyst:20220407154159j:plain

皆さん、どうも。

久しぶりのブログでのマッチレビューはJ1第7節のサンフレチェ広島×横浜F・マリノスについてを考えていこうと思います。

サンフレはスキッベ監督が就任して、ハイプレスを志向しながらよりダイレクトにゴールに向かっていくサッカーを行っています。当然、マリノスも似たように、アタッキングフットボールを展開して結果を残し続けています。

この両者がぶつかるとなれば、とてもスリリングな試合展開になることは間違いないだろうと試合前には思っていました。

ですが、いざ蓋を開けてみればサンフレがマリノスを自陣に閉じ込めることで勝利を掴んでみせました。「完勝」と表現しても良いのではないでしょうか。(サポーターの贔屓が入っているかも)

では今回はサンフレがどのようにしてマリノスを閉じ込めたのかを考えていきましょう!最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

YouTubeでも解説してますので、こちらもご覧頂けると嬉しいです。

youtu.be

YouTubeでは主にライブ配信で質問に答えながら試合を見たり、レビュー配信をしたり、雑談をしたりしております。もちろん、試合のレビューを更新しています!

ぜひチャンネル登録もよろしくお願いします!

ではブログでのレビューもお楽しみください!

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20220407155337p:plain

 

閉じ込めて攻撃を単調にさせるプレス

サンフレが行っているのはハイプレスです。シーズンを通してゲーゲンプレスを落とし込むのかと思っていましたが、スキッベ監督が落とし込めているのはハイプレスです。

このハイプレスがマリノスを自陣に閉じ込めることに成功しました。ではどのようにハイプレスを行っているのでしょうか。

f:id:football-analyst:20220407155617p:plain

ハイプレスの担当。かなり人を意識する。

サンフレのハイプレスはかなり人を意識しているものとなっています。そしてアンカーを置くチーム(この試合のマリノスはアンカーを置いていた。普段は2CH。)に対してはCF永井がアンカー番を行います。これはベルマーレ戦、フロンターレ戦、FC東京戦でもCFがアンカーを見る形を取っていました。これは約束事になっていると思います。

こうすることでCBに対してはSTが真っ直ぐ出ていけるようになります。この真っ直ぐ出て行くことが1つのポイントで、真っ直ぐ出ていくことで「縦パスを消す」ことができ、外側に誘導することが可能になっていました。

そして外側のSBに誘導した時に出てくるのがWBです。サンフレは躊躇なくWBをSBに押し出すことを選択します。これができるのはCHより背後の選手が完全にマーカーを捕まえていて、さらに対人能力が存外に高いからです。(特に3CB)

WBとSTの走る距離とスプリントの回数は長く・多くなりますが、しっかりとこのプレスを遂行できる選手が今のチームにはしっかりと揃っています。

そして外側に誘導すると、次の局面でボールを回収することを試みます。

f:id:football-analyst:20220407160738p:plain

サイドを圧縮。縦を見せ続けることで攻撃を単調にさせる。

このようにサイドに誘導した時に一気に圧縮をかけていきます。ここでSBに対してWBを押し出しているので、SBの判断の時間と視野を奪っていくことで、内側の選択肢を削っていきます。こうすることで、SB vs WBの場所でボールを回収できればベストとなっており、ここで奪えなくてもSBからの次のパスでボールを回収できる確率がかなり上がっています。

ここでWGにはCB、ヘルプを行うIHにはしっかりとCHが連動して着いているので、「敵陣」でボールを回収することが可能です。

「SBから蹴らせて3CBで回収」と表現すると低い位置でボールを回収しているように見えてしまうかもしれませんが、決してそうではなくて「WGがヘルプを行うために下がる」ようになり、そこに出ていくので「敵陣での対人対応」になっているのがほとんどです。

このようにしてボールの出どころをハイプレスで押し込んでいくことで、前の選手に下がってヘルプを行わせるように仕向けることに成功したので、マリノスを敵陣に押し込むことができました。

 

ボールを奪ってから

サンフレはボールを回収するとそのままゴールに向かっていくことを考えています。最もわかりやすいのは森島の2ゴール目でしょうか。ハイプレスをかけていく中で、CBの佐々木が敵陣でボールを回収し、そのままゴール方向へプレーをしていきます。ここでSTもCFもWBもプレスで前に出ているので、前に攻撃を行う人数が十分に揃っています。このハイプレス⇨ショートカウンターは今季のサンフレの十八番になっていきそうです。

 

サイド奥を取る下からの持ち出し

マリノスを押し込むことで、ハイプレスからのショートカウンターを中心に試合を進めることができていたサンフレ。当然、これだけで試合を終わらすことができるほどサッカーというスポーツは簡単ではありません。

そこでスキッベ監督は下から持ち出していく方法もしっかりと落とし込んでいます。スキッベ監督が来日するまでは、ロングボール⇨ゲーゲンプレスが中心になりそうな戦い方でしたが、彼が来日して指揮を執り始めると、そうでなくて下から持ち出しながらサイド奥を取っていく攻撃を行っています。

だからこそ、以下のような持ち出しの素地と立ち位置になることが多く見られます。

f:id:football-analyst:20220407165831p:plain

このように基本的にビルドアップの土台は3CBと2CHになります。(GKを含むこともあり)

この試合ではあまり行いませんでしたが、CHが降りて4−1の形で組み立てを行うこともあります。その場合はSTのどちらかがヘルプをします。先ほども触れましたが、この試合では4−1のビルドアップは行わずに3−2の形で前進を考えていました。

これはマリノスの守備に大きく起因していて、3CBには3トップ、CHにはそのままIHを当て嵌める形を取っていたからです。こうなるとやはり空いてくるスペースはDMFの脇のスペースになってきます。ここのスペースを上手く使っていくことで攻撃を仕掛けていきます。

もっと触れるのならば、マリノスのセカンドラインを越えてSTにボールが入ると一気にスピードが上がっていました。

そこでSTにスペースを作るべく、CFは常に背後を狙う動きをしています。最近の試合でCFに永井が起用されるようになったのは背後へ動き出しがより秀逸だからではないでしょうか。彼は常にSBとCBに影響を与えれるような動き出しをしていたので、STの選手がボールを引き取る時間とスペースを作り出していました。

これでWBとSTのワンツーで背後を取っていくこと、さらにより直線的に中央への背後を加えていくことで、クロスからの攻撃を考えている印象です。

特に右サイドのWB藤井の突破力とそれを支える走力とスピードは目を見張るものがありますね!ここからさらに飛躍して、広島の矢として大成してもらいたいです。

 

クロスを狙う場所は?

ではクロスを狙う場所はどこだったのでしょうか。その前にサンフレはクロスを上げるためにペナ角の奥を取っていきます。そしてそこから3つのパターンのクロスを選択します。

f:id:football-analyst:20220407173747p:plain

クロスのパターン

このように奥側を取る方法は主にWBの突破かCB(CH)が絡んだコンビネーションです。どちらにせよ、クロスを供給する選手はWBが常になっていました。

そしてここを取ると3つのクロスを選択します。

  1. ファー(逆サイド)へのクロス
  2. マイナスのクロス
  3. ニアの速いピンポイントクロス

この3つのクロスを使い分けることでサンフレは攻撃を完結まで持っていきます。だからサンフレはショートカウンターとクロス攻撃がゴールを奪うための方法となっています。

最も選択することが多いのがファーサイドへのクロスです。当然、ニアサイドとマイナスに人を用意しているからこそ、逆サイドから入ってくるWBがフリーもしくは有利な状態からクロスに合わせることができるようになっています。さらに奥を取ってクロスを上げるので、守備者の身体の向きはどうしてもボール方向になります。だからこそ、背後の選手を完全に捕まえることが難しくなるわけです。ここを利用してサンフレは逆サイドWBへクロスを供給することが多印象です。

ここに打ち込めないときにマイナスのクロスを選択します。ここも同様で奥をとることで、DFラインをかなり押し下げることができます。背後に下がるベクトルの反対のマイナスのクロスを送り込むことで、シュートチャンスを作り出します。だからこそここにはボールサイドのSTが入ってくることが多いです。

そして最後はニアのピンポイントクロスです。ここにはかなりのスピードクロスを送り込みます。ロークロス、ハイクロスの縛りは特にはなく、あるのはひたすら速いクロスです。誰か触れば入るというようなボールですね。

ここに入るのは基本的にCFになっている印象です。速いクロスなので、流れる可能性も考慮して逆のSTはセンターに残っていました。

このようにして3つのクロスを送り込みながらサンフレは攻撃を完結させていきます。そしてセンターへのクロスは極端に少なく、これは高さがないことも関係していると思いますが、先述したクロス攻撃を完結させるために、最も人が集まるセンターエリアには意図的にクロスを送り込まないようになっていると感じました。

 

いい感じだぞ、サンフレ!

ハイプレスからのショートカウンター。クロスからの攻撃。守備の強度と迫力もあり、かなり良いものになっていると思います。「内容は良いけど勝てない」はもう終わり、確実に自信も着いてきているはずです。マリノス相手にほとんど何もさせずに、苦しめ、そして勝利を手にしたことには大きな、大きな価値があると思います。かなりの強度と走力が必要なサッカーだとは思いますが、見ていてとても楽しいです。もっとクロスからの入り方などの詳細を詰めていければもっとゴールは生まれてくるのではないでしょうか。とにかく、これで2連勝。ここから勝利を積み重ね、上位戦線に食い込むと僕は思っています。ぜひとも今季のサンフレの試合もチェックしてみてください!とても面白いですよ!

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

チャンネル登録も宜しくお願いします!

YouTubeもしているのでチャンネル登録もお願いします!

www.youtube.com

 

Twitterのフォローもお願いします!

twitter.com

 

ではまた次の記事で!