皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ延期分の27節、アーセナル×リバプールのマッチレビューを行っていきます。
アーセナルは調子を上げた状態で強敵リバプールに臨んだこの一戦。シーズン当初だったならばきっと蹂躙されていたであろう対決は、完成度を上げていきているアーセナルがリバプールにしっかりと立ち向かい、とても好ゲームとなりました。
リバプールに対して明確なプレッシングを用意し、そしてそれがかなり嵌っていた印象です。それでもリバプールはそのプレスを回避するための修正と対応の高さは見事の一言でした。
では今回はお互いのプレスと動きによってのプレス回避についてに触れていきますので、最後まで目を通して頂けると嬉しいです!
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スターティングメンバー
左誘導と大胆なスライド
まずはホームチームのプレッシングから考えていこう。アーセナルは一貫してハイプレスときは人を意識しながら、プレーエリアとプレー時間を削っていくことを考えている。そしてこの試合も根本は変わらずに、対リバプールのプレスを用意していた。とくにリバプールの左サイドに誘導することを狙い、SBから出てくるパスを潰し切るために大胆にスライドして守備を完結させていた。
アーセナルがこのようにSBロバートソンにボールを誘導していくことを考える。チームとしてここに誘導していくために、選手個々人は以下のように振る舞う。
アーセナルはアンカーのファビーニョに対してウーデゴールを着け、ラカゼットはマティプを意識する。こうなるとファンダイクが空いてくるのだが、ここは外側からサカがマークを行うようになっていた。
これを見てリバプールはマティプが広がって幅を作ることが多くなり、ラカゼットとの距離を作り、アーノルドを押し出してポイントを作ろうと試みていたのだが、アーセナルはアーノルドに対してしっかりとマルティネッリに対応させるようにタスクを課していた。
だからこそ、リバプールは右サイドから前進しようとしても捕まっている状態になっているので窮屈になっていた。これでリバプール右サイドから左サイドにボールを誘導することができるようになっていた。
そしてボールの移動の間にセドリックがあらかじめ高いポジションに移動することで、ロバートソンとの距離を詰める。当然、これに関与してフルバックはしっかりとスライドを行う。
ここが1つ、この試合のポイントになっていたことは間違いない。だからセドリックが高い位置までプレスに出れるようになっていたし、これが特に前半、リバプールを苦しめるに相当する守備にまで至っていた。
アーセナルはサカを1つ絞らせてファンダイクまで対応させることで、外側に逃げられることは許容していた。というよりも、SBに誘導するためにサカに絞らせてファンダイクの対応を行わせた。(これにはIHチアゴを背中で消すタスクがあった)
これでロバートソンにボールが入ると、あらかじめ高い位置を取っているセドリックが圧力をかけていく。ここでは奪い切ることはあまり考えずに「遠くにボールを蹴らせること」を行わせなければOKというプレスの立ち振る舞いに僕には見えた。だからこそ、大胆にスライドを行うことができ、ホワイトがディアス、ガブリエウがジョタに対応できるようになっていた。供給源に遠くを見せずに、レシーバーを潰す。そのために大胆なスライドを行うこと、あらかじめ人を出すために高い位置を取らせることをしっかりとアルテタ監督は準備していた。
これはかなり嵌まっていたと思うが、リバプールのオフザボールの上手さ、特にマネのフリーランの上手さによって回避されてしまった。これについては後述していく。
では次はリバプールのプレスについてを考えていこう。
外誘導とジャンプ
リバプールがハイプレスを行うことは周知の事実だろう。だがこの試合のリバプールは「よりアーセナルを意識して」プレッシングを行った印象だ。特にトーマスとウーデゴールをかなり意識しながらプレスを行っていた。
だからこそ以下のような守備担当になっていた。
基本的に外切りでプレスを行うことが多いリバプールだが、この試合はSBに誘導することが基本となっていた。だからWGがCBに真っ直ぐ向かっていく形を選択し、ジョタが背後でトーマスを意識する。さらに背後で消せきれないので、IHもトーマスを意識しながらプレーを行っていた。ボールがティアニー側にあるのならばチアゴが、セドリック側にあるのならばヘンダーソンがそれぞれトーマスを意識するような形だ。とりわけ、チアゴのタスクは複雑で、ボールの位置とプレスのかかり具合、ウーデゴールとトーマスのポジショニングによって細かにポジショニングを修正していた。
一方のヘンダーソンはジャカを意識していくのだが、ジャカがトーマスのヘルプを行うことが多かったので、手前に据えれる状態が多かったのでチアゴよりは守備をし易かったはずだ。この試合のチアゴの守備時の細かなポジショニングの修正を見ていくだけでもかなり面白いと思う。
これでリバプールは2つの方法でボールを回収していく。その2つの状況がIHがサイドに流れる場合と流れない場合だ。
ではまずはIHがサイドに流れない状況下についてに触れていこう。
このように外側に誘導していく中で、SBにボールが出るとそこにはWGのマークを捨ててSBが対応を行っていく。当然アーセナルSBがリバプールSBに出ていく時との振る舞いは違っていて、リバプールSBが出ていくときは明確にボールを奪い切る意志を感じるものだ。だからこそ、プレスをかけられたSBはリバプールSBの背後にボールを落とすか、近くの選手にパスを付けることが多くなる。当然近くにつけるパスは確実に潰し切れるポジションを取っている。
問題はプレスに出ていくSBの背後なのだが、ここはCBファンダイクとマティプが出ていって対応することで守備を完結させる。CBが釣り出されることを許容していて、これができるのは良い状態でボールを蹴らせていないこと、そしてCBの守備能力が格段に高いので完結させることができる芸当だ。
この試合のアーセナルはSBの背後にボールを落とし込んで攻撃を仕掛けていく意識があったが、ファンダイクやマティプの壁を越えることは難しくなっていた。だがSB vs WGの構図に持ち込むことができれば、かなり優位に立てていた。特にアーノルドvsマルティネッリの1vs1を作り出せれば、高確率で勝負に勝っていた。この構図をより多く作り出すことができれば、アーセナルはもう少しチャンスが増えていたかもしれない。
話しを戻してアーセナルIHがサイドに流れた時の守備方法に触れていこう。
IHが流れるとここにはIHがついて行かずに、ここでもSBがジャンプしてIHに対応を行うようになっていた。ここで重要になってくるのがWGの2度追いになるのだが、それを行う献身生と強度と迫力がディアスとマネには備わっている。だからこそSBがジャンプする時間を稼ぐことができるし、ここでもSB背後をCBがカバーすることを許容しているので、思い切ってプレスに出ることが可能になっていた。これで場所を狭くしながら、出てくるパスの精度を落としてボールを回収することができていた。
だから特に前半は「中盤の強度」が確実に試合の分かれ目になっていたし、いかにしてトーマスを経由して外を開けるかといかにしてトーマスを経由させないかの駆け引きになっていた。
ここの駆け引きを見ていくとこの試合はより楽しめるのではないだろうか。
フリーランの重要性
この試合の決め手は「中盤の強度」と思っていたが、蓋を開けてみれば分かれ目となったのは「フリーラン」だった。マネとディアスを入れ替えることで、フリーランを生かした攻撃を仕掛けてゴールに迫ることを選択したリバプール。
これは人を意識するアーセナルにとってかなり厄介なものになった。足下でボールを受ける分には近くに人を立たせているので優位な状態から守備に入ることができる、というよりもそのようになるようにチームとしてプレーしている。
だがフリーランが上手い選手がいるとちょっとしたズレが生まれてくる。例えばオフサイドになったマネのゴールやジョタのゴールが生まれるときのマネの動き。彼のフリーランにより引っ張られる選手とそれに伴って受け渡しを行う選手が出てきてギャップとズレが生まれてしまう。
これでスペースが生まれてリバプールは前進がかなり楽になっていた。さらにマネは一回の動きで終わらずに、動き直しを何度も行うことでより錯乱させることができる。これでアーセナルの守備のズレを作り出して攻撃を助けていた。これを誘導される左サイドで行うことで、誘導される場所となっていたロバートソンや入れ替わりでボールを受けれていたチアゴからのパスを呼び込む、もしくはジョタにボールを出せるように仕向けていた。
この修正を前半の半ばに行い、さらにハーフタイムで明確なものにする。ここまでクロップ・リバプールが勝てている理由が理解できるような試合だったのではないだろうか。
これでリバプールは首位ペップ・シティとの差は1となった。まだ4冠の可能性を秘めるリバプールがどこまで進んでいくのかも見届けた。一方のアーセナルはまだビッグクラブとの試合が残る中で、いかにして彼らと渡り合い、4位以内を確保するのか。ここにもしっかりと注目していこうと思う。
最後までありがとうございます!
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