【リスクの駆け引き】CL Round 16 1st Leg チェルシー vs リール

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はじめに

皆さん、どうも。今回はチャンピオンズリーグラウンド16の1stレグ、チェルシー×リールについてを考えていきます。

フランス王者vs欧州王者というなんともチャンピオンズリーグらしい対戦となり、いよいよ欧州サッカーも佳境に差し掛かったなと感じる対戦カードです。チェルシーはシーズン当初と比べるとチームが重く、本調子とは言えない状態、一方のリールは主力を冬の移籍マーケットで引き抜かれてしまいました。

お互いに苦しい状態での一戦となったので、手堅い試合になると思われましたが、リールのハイプレスによってかなりスリリングな展開になりました。

そしてそのプレスを剥がすことでチェルシーはホームでまずは勝利を手にすることに成功しました。では今回はリールのプレッシングとチェルシーのプレス回避を中心にマッチレビューを行っていきます!

最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

 

 

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スターティングメンバー

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ハイリターンのプレス

リールはハイプレスを行っていくことで、チェルシーの組み立てに制限をかけてショートカウンターを考えていた。特にSTを低い位置でヘルプを行わせることで、リールはチェルシー陣内奥深くで引っ掛けて攻撃に出ていた印象だ。当然、ひっくり返されるとピンチを招くことになるのだが、リールはそのリスクよりも「ハイリターン」でリスクを覆い隠すことを考えた。

試合の立ち上がりこそピンチを招いて失点もしてしまったが、そのプレスはかなりの効力を得ていた。

ではリールはどのようにしてプレスを行っていたのだろうか。

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プレスの基本担当
CFはシウバとGkに向かっていき、ボールサイドSHがCB、逆SHはCHまで絞り込む。
だからSHがCBにもCHにも対応できる立ち位置をまずは取っていた。
さらにSBはWBまで出ていくことでWBも押し下げる目的があるように映った。
CHはヘルプを行うSTをマンツーマン。

このように中盤のところでまずは数的優位、STのところはCHでマンツーマンを行うことでボールを引き取ったSTに満足なプレー時間を与えないように守備を行っていた。だからまず誘導する場所は外側のCBになる。

ここに誘導する途中ですでにSBはWBまで出ていたので、かなり前から嵌め込んでいく意識は強かったと思う。これで以下の場所でボールを回収していく。

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チェルシー陣内で場所を狭くする

このように、チェルシー陣内で後ろ向きの選手を作り出すことでミスを誘発させて回収していく。後ろ向きの選手⇨前向きの選手を作り出すことが上手なチェルシーに対して、前向きな選手のところにもマーカーをしっかりと付けているので、ボールを回収は安定していた印象だ。さらにミドルパスに対してはバックスがしっかりと素早くスライドしていたので、構えた場所から前向きに対応できるようになっていた。ボールサイドの選手が守備でアタックする速さも当然ながら、スライドの速さも見事だったと僕は感じた。

 

この守備に対してチェルシーはどのようにプレスを回避していたのだろうか。

 

レイオフ中心の回避

まずは前半の回避方法から考えていこう。チェルシーはレイオフ中心の回避を行っていくのだが、前半と後半のレイオフの場所と意味合いが少し変わっていた。

ではまずは前半の回避方法から考えていこう。

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STの個人能力で回避

まずはST vs CHのところで勝負を行い、ここで個人でプレスを回避する方法。この方法が前半は多く、だからこそ引っ掛けられるリスクが高いものとなっていた。だが、個人で回避するとかなり広大なスペースを得れるので、一気にスピードを上げて攻撃を仕掛けることができる。

そのポイントになっていたのがこの日CFに入ったハヴァーツだ。彼の動きを加えながらボールを引き取る動きは見事なもので、ルカクとはまた違ったポストプレーの方法だ。僕が思うに、今のチェルシーにはうご買いながらポイントを作る、もしくは引き取ることのできるCFの方が合っているのではないかと考えている。

この試合の6:28〜や14:35〜、35:34〜などはまさにそれで、ハヴァーツが浮いたポジションでボールを引き取ることで、いうまく速攻に移行することができていた。

STで回避してCFで時間を作る。この方法は主にアロンソ、プリシッチサイドで行われていて、リュディガー⇨プリシッチのパターンとリュディガー⇨アロンソ⇨プリシッチのパターンで、プリシッチがアンドレを剥がしてプレスを回避する方法が目立っていた。ではジエクサイドでは主にどのような方法で回避していたのだろうか。

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レイオフ中心の回避。

こちらのサイドはレイオフ中心の回避となる。このように左から右にボールを持っていたときにこの組み立てを行うことができていた。

左右に振った時に、リールのプレスの遅れを生じさせ、CBクリステンセンが持ち出す。こうすることで、WBアスピリクエタが高い位置に押し出される。それと同時にSTジエクが降りてきてボールをピックアップ。ここのWBの前方向のベクトルとSTの後ろのベクトルという逆のベクトルを利用することで、「プレスを単発」で終わらせる。そしてレイオフ先はカンテとなり、だから彼が前向きでボールを受けてそのままボールを持ち出す場面が多く見受けられた。

だがこれは、STジエクのところで潰されてしまうと、ひっくり返されてしまう選手が多く、少なからずリスクを孕んでいた。

そしてそのリスクとリターンの駆け引きに勝ったのが前半のリールで、だからチェルシーは後半から形を変えてレイオフの場所と意味合いを変えていく。

 

意味合いを変えた後半

前半はリスクを孕みながらも、そこを回避していくことでチャンスを生み出していこうと考えていたように見えたチェルシー。当然、常時リスクを取るという戦いはしないのだが、ある局面で「ここ!」というときには積極的にリスクを取ってその先の優位性を獲得・拡大していた印象だ。

ただ先ほども触れたように、前半はその駆け引きでリールに屈してしまった。だから後半から3−5−2に変えてレイオフの場所を変えた。これが上手く機能して安定感をもたらすことになる。

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中盤が嵌った状態からの回避
だが前半と違うのがWBに対して斜めを用意できていたことと横がなくなる代わりにライン手前に降りてヘルプを行うプレーが極端に減っていた。
これで押し込まれるポイントを隠すことに成功していた。

このようにチェルシーは3−5−2に変えたことで、プレッシングによって押し込まれることをまずは回避する。前半のようにSTを廃止することでライン手前まで降りてヘルプを行うプレーを隠すことに成功。

その代わりにリールの中盤とガッチリ当て嵌まることになるのだが、ここでチェルシーが考えたことは「1つ前での回避による安定感」だ。だから大外のWBにボールを届けたときに、斜めのサポートを作り出すために2トップに変更。これで動きは少なくなるが、安定してトライアングルを作り出すことが可能に。そしてそこからCF⇨IHでレイオフをすることで、IHがボールを持ち出して速攻に移行することができていた。

さらにIHが持ち出した時点で2トップが外側に広がりながらDFラインと駆け引きをできるようにもなっていたので、速攻の厚みと迫力も増した印象だ。

 

後半からは局面でのリスクの駆け引きを制した先のリターンではなく、低い位置で奪われるリスクを回避しながら、より安定感を得れる戦い方にシフトした印象だ。

だからこそレイオフが行われる場所が変わって、IHの持ち出しからの速攻が多く見受けれたのだろう。

 

フリーダムなレナトサンチェス

この試合で最も輝きを放っていたのはレナトサンチェスなのではないだろうか。少なくとも僕には彼のプレーに惹かれた。リールの攻撃を牽引し、チェルシーに対して問題を常に突きつけた。フリーダムに組み立てに絡みながら、テンポを変えるスルーパス。ときにドリブルで剥がして味方にスペースを与えていた。時間の作り方とその時間軸の変え方はロマンを感じるし、それを一人でやってしまうレナトサンチェスのプレーには感動を覚えた。若くしてバイエルンに引き抜かれ、ポルトガル代表でもユーロを制するゴールを決めた若き才能。彼はまだ24歳だ。末恐ろしい。癖の強い選手なのは間違いないが、再びキャリアを作りステップアップして、その才能を世界に轟かす日はそう遠くないのではないだろうか。

彼のプレーを見るだけでもこの試合を振り返る価値があると思わせてくれる試合だった。ぜひ皆さんも、この試合を振り返ってみてほしい。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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