【広がりと門とスペース】プレミアリーグ第10節 レスター vs アーセナル

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皆さん、どうも。今回はレスター×アーセナルのマッチレビューを行なっていきます。

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スターティングメンバー

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Chapter1:アーセナルが取れるスペース

まずはアーセナルの攻撃についてを考えてみたい。彼らは空いているスペースを使い、攻撃を仕掛けていた。ではどこにスペースを作り、どのように前進していたのだろうか。

1−1:レスターの守備

アーセナルの攻撃に触れて行く前に、レスターの守備についてを少し触れておきたい。

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レスターの守備

レスターは上の図のように、まずは2トップでCHを消しつつ、CBにプレスをかける形を選択。この時にCHスレマは列降りするラカゼットのマンマークの担当を行う。さらにOMFマディソンはSB冨安の前に立つ役割を託され、WBはSHのマークを行なっていた。

これで残ったCHティーレマンスは2トップがプレスに出ると縦スライドを行なってアーセナルCHを捕まえるようになっていた。

この守備の方法がレスターが中央にスペースを生んでしまう大きな原因になっていた。

 

1−2:中央のスペースの作り方と使い方

ではここからアーセナルの攻撃についてを考えていこう。

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中央のスペースの使い方

このようにアーセナルはSTラカゼットがサイドに流れながら列降りをすることで中央からCHスレマをどかすことが可能になる。これと同時にSHサカが列上げを行いWBとCBの間にポジションを取ることでピン止め。

これでCB⇨SBとボールを動かした時に、OMFマディソンをサイドに釣り出して中央に大きくスペースを作り出すことができていた。そしてSB⇨CF⇨SBのワンツーで中央のスペースに進出することで、一気に攻撃のスピードを上げることが可能に。

 

さらに以下のような方法もある。

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中央CHの持ち出し

このようにレスターCHを外側に動かすことで、アーセナルは中央のスペースを使うことが可能になる。これは条件があり、CFがGKまでプレスをかけたときに行える方法だ。

特にCFヴァーディーがGKに対して外切りのプレスを行った時にこれが行える。これでSTラカゼットが外側に広がってCHスレマを外に引きずり出して、中央をCHが持ち出せるようにポジションを移していた。

 

これらの方法でアーセナルはレスターのプレスを剥がして行くことで、レスターにミドルブロックを構えさせるように強制していた。

それでもアーセナルは空いたスペースを使っていく。では次にどこのスペースを使っていたのだろうか。

1−3:『3』の横を使うSB

レスターはミドルブロックを構えたときは5−3−2の形をとる。この形はマディソンが左側に降りて、どちらかというと左偏重の形になっていた印象だ。

こうなると空いてくるのがアーセナルサイドからすると左側、いわゆるSBタヴァレスの場所。

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SBが脇を使う

このようにアーセナルは2トップの間にCH(主にトーマス)がポジションを取って3枚の土台を形成。さらにロコンガとラカゼットでレスターCHをピン止め。当然、SHがWBとCBの間に立つことで2枚をピン止め。

これでSBタヴァレスが「3」の脇でボールをフリーで受けることが多くなり、さらにその推進力を生かしてボールを持ち出すことで攻撃の幅を広げていた。

 

このようにしてアーセナルはしっかりと空いた場所を取りながら攻撃を仕掛けていくことで、チャンスを広げていた印象だ。

 

Chapter2:許容するアーセナルの守備

アーセナルはある場所を許容することで、守備から攻撃の移行をスムーズにして、カウンターを打ち込む準備をする。実際に、この日の2点目はカウンターからのものだ。

ではどこを許容して、どのように守備を行っていたのだろうか。

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許容するCBの持ち出し

アーセナルが許容するのはCBの持ち出しだ。これは4−4−2で守備を行うので、当然のように2トップの脇を持ち出すことをレスターは行なっていた。

ここから先、アーセナルは持ち出されたCBに対して2ndラインの選手が出ないように設定されていて、引き込むことを選択していた。

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引き込む守備

このようにCBに持ち出させたときに、SHはWBの場所まで落ちて、SBは1つ内側の選手をマークしていた。これでCHも横スライドを行なって、場所を狭くして行く。これでCBの選択肢を削り、時間をかけさせる。そしてその掛かっている時間の分だけ、CFのプレスバックが効いてくる。ここでボールを奪うことができれば、サカやスミスロウ、オーバメヤンの推進力やラカゼットが時間を作ってカウンターの起点を作り出すことができる。

これができるのも自分たちで引き込み、さらにCBに持ち出させることで守備の人数を1枚削っているからカウンターへスムーズに移行することができていた。

アーセナルはこのように守備を行い。中央を固めて外でボールを奪うように設定してた。

 

Chapter3:広がりと門の修正を施したレスター

後半に入り、レスターは一気に試合のペースを掴む。その方法が「広がりと門」の修正だ。そしてこの修正を行ったことで、マディソンの列降りとライン間のプレー、そしてバーンズやヴァーディーのスピードを生かすことができていた。

これを行うために、レスターは4−2−3−1に変更。

ではどのように修正を行ったのだろうか。

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広がりと門と列降り

このようにレスターは土台を3枚に変更。CBもかなり広がり、SBが1つ高い位置で幅を作り出すように修正。こうなるとアーセナル2トップのプレス距離が長くなるので、その分、プレーする時間ができる。これに対してアーセナル2トップはCBにプレスをかけずにCHをマークすることを優先。

レスターはこの対応に対してCHも広がりを持つことで2トップの門を広げる。これで2トップの門を通過する縦パスを打ち込む。そしてその先にいるのがOMFマディソン。ここで前を向くことができれば、一気にバーンズやヴァーディーのスピードを生かすことが可能になる。またアーセナルCHが対応にくれば、CHへのレイオフを行うことができる。

これが可能になるのは、2トップの門を通すことで、2トップの視線を内側に誘導し、広がったCHを視野外に置くことができる。だからこそ、CHへのレイオフが可能になる。

このプレーを繰り返すことで、アーセナルは門を狭くしていく。これに対してレスターは外側から前進していく。

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中がダメなら外!

 

このようにアーセナルが門を狭くしていくのならば、シンプルにSBが外側で起点を作ることで、攻撃の幅を広げていく。

 

これでレスターはアーセナルSHの立ち位置をどんどん低くして行くことで、押し込んで攻撃を仕掛け続けることが可能になっていた。

後半からこの修正を加えたことで、広がりと門を作り出し、中と外の選択肢を持つことができ、攻撃を仕掛けることができていた。

だがそれでもゴールが奪えなかったのは少しの運とラムズデールのスーパーセーブがあったからだろう。

 

まとめ

この試合でもスーパーショットストップをし続けたラムズデール。アーセナルの最後の砦として君臨している。GKのスーパーショットストップはチームの士気を爆上げすることは間違いない。そして特にラムズデールのショットストップは他のGKと違い、何か熱くなるものがある。彼の熱さが確実にアーセナルというチームに好影響を与えているのは間違いない。

そしてもう一人。それがラカゼットだ。彼もまたアーセナルの復調に欠かせない男だ。彼がいることで、オーバメヤンが左に流れてプレスの出口になった時に、中央にストライカーがいないという状況を打破。さらに彼の列降りと組み立ての能力の高さは唯一無二のものだろう。この『ストライカー+組み立て』を高次元で行える選手がいるアーセナル。

レスターが見せた修正もかなり高次元のものだった。ここからいかにして上位に食い込んでいくのか。両チームともとても楽しみだ。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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