【後ろ向きとぼかす関係】セリエA第25節 ミラン×サンプドリア

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皆さんどうも。今回はセリエA第25節のミラン×サンプドリアのマッチレビューを行っていきます。この試合で勝利したミランはとうとう暫定ですが、首位に返り咲くことに成功しました。試合開始から攻撃はもちろんのことながら、守備でも積極的に仕掛けていました。ミランの「後ろ向き」の作り方とそれに付随した「ぼかす関係性」は積極的に守備を行う上で、とても重要なことだと思います。

では今回は、ミランの守備を中心にマッチレビューを行っていきますので、最後まで目を通して頂けると嬉しいです!!!

 

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スターティングメンバー

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サプドリアの守備 vs ミランの回避

ミランの守備から触れていく前に、まずはサンプドリアの守備から触れていこう。彼らはミランとは違い、上手く「後ろ向きの選手」を作り出すまでには至らなかった。

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サンプドリアの基本の守備担当。
5−3−2で構え、CHは3−2のブロックで消す。3−2ブロックの背後のOMFは同サイドのCBが出ていって潰す。
ここからCFがCB、IHはSBに向かっていくことを選択。これで奪いたかったのがSHのところ。だから試合開始から28:09の守備修正まではIHがSbに出ていく。それ以降はWBがSBまで出て行く形が基本。失点シーンは例外ぽく、だからこそ失点したのかもしれない。

サンプドリアはこのような守備を行う。だが、ここで問題となったのが、SBの所だ。ここにIHが内側から外側にプレスをかけるのだが、絞り過ぎているせいでIH⇆SBの距離が遠く、SBに制限がかかりきっていない状態が続いていた。だからこそ、ミランは以下のように展開することができていた。

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SBを起点に展開を広げる。この時にポイントになっていたのがSHの所。
本来、サンプドリアはここでボールを回収したいので、CBとWBでSHに対応するのだが、ミランはそれを逆手に取ってSHで2枚をピン止め。(特にCB)
これでディアスがライン間でレーン移動してボールをピックアップ。
これに付随してCHがレイオフ、逆SHが背後へランニング。

ミランはこのように、サンプドリアのIHの遅れを利用して攻撃を仕掛けていく。他の記事でも触れていることなのだが、ミランも他のチームと同様にベクトルとは違う方向の動きとパスを加えていくことで、優位に立つことができていた。

これはミランがそれぞれ、立ち位置によってと選手個々人の「選択すべきプレー」が明確になっているからできていたことだ。

特にディアスのライン間のピックアップのプレーとトナーリのレイオフの作り方は一級品だろう。まだまだ彼らが若いのが末恐ろしい。

 

サンプドリアの修正とミランのゴール

当然、サンプドリアは修正を加える。これは時系列は逆だが、WBがSBに出てきた場合は、ゴールを奪ったような展開でプレッシングを回避していく。

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サンプドリアの修正。
IHがSBに出て行かずにCHを捕まえる形を取る。こうなると、先のレイオフを潰すことが可能になる。これでSBに対してWBが出て行く形を取る。

サンプドリアがこのような修正を加えたことで、ミランはSBの所であまり時間を作れることが難しくなっていく。だが、ミランはメニャンからのミドルパスで回避していく。

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ミランはミドルパスを多く選択。
これを繰り返していくことで、WBの迷いを生じさせて手前のSBも使えるように。
ミドルパスとWBの距離を作り出してSBで時間を作り出す。

このようにミランはWBの背後、CBの脇のスペースを使って行くことで、手前の選択肢を増やしていく。これはWBとSBの距離を広げれることができるので、再びSBの

でポイントを作ることが可能になっていた。

背後に落とせるGKメニャンの存在はかなり大きいのではないだろうか。

 

後ろ向きとぼかす関係

なんと言ってもミランのハイプレスだろう。彼らは後ろ向きの選手を作り出し、さらに後ろ向きの選手⇨レイオフの選択肢も消していた。ではどのようにしてこれを完結させていたのだろうか。

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ハイプレスはCFがワンサイドカット。
この時の中盤はマンツーマンを行う。ここで降りてくるセンシはぼかす。
当然、センシに入ってくる場合はCBが対応して行く。

ミランの守備のポイントはCFのワンサイドカットになる。ここの牽制がしっかりと決まれば一気に追い込むことが可能になる。そしてジルーもイブラヒモビッチもそのカットの仕方が存外に上手いのは言うまでもない。

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スライドと閉じ込め

ミランは外側に誘導した時に、一気に圧縮していく。ここでもしっかりと中盤はマンツーマンで対応することで、ボールホルダーに選択肢をなくさせる。ここでロングパスを蹴らせればバックラインで回収が可能で、近くの選手に付けるとそこを狙って潰すにかかる。さらに受ける選手は後ろ向きになっているので、かなり不利な状態になっている。また受けた選手が前向きの選手にボールをセットしようとしても、そこにはマークがいるので、落とすことは困難になっている。

この状況を作り出すことで、ミランは中盤のブロック背後の選手にマークを付けなくても対応できるようになっている。だからこそ、上手くぼかせるのではないだろうか。

 

修正後のタスク過少とぼかせない状況

サンプドリアは52分の交代で明確に立ち位置を変える。これがミランを苦しめた大きな理由になる。

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サンプドリアは4−4−2のダイヤモンド型にポジションを修正。これを行うことで、ミランに対して以下のような課題を突きつける。

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タスク過少とぼかせない状況
センシとカンドレーヴァが2OMFのような立ち位置を取るので中央で数的不利な状況。さらにSBが一瞬マークの選手がいなくなるので、タスク過少で守備で浮く。

このように中盤は前で捕まえれるのだが、その背後に2枚ぼかさなければならない選手が生まれている状況下になる。これで視界の外側から降りられた時に、局面で数的不利になるので、だんだんと勢いを持って行かれてしまう。

だがそれでもミランはタスク過少だったSBの立ち位置を内側に修正したことで、対応を適切に行っていく。これで前に出てきたサンプドリアに対してカウンターを中心に攻撃を返して行くことで、盛り返し、見事にウノゼロで勝利を収めてみせた。

 

激化するスクデット争い

とうとう首位に返り咲いたミラン。ミラノダービでの勝利はとんでもなく大きなものだった。この勢いを保ったまま、難敵とも言えるサンプドリアを見事に乗り越えてみせた。気付けばミランのシュート数はサンプドリアの約3倍。問題は追加点を奪えなかったことだろうが、積極的な守備からの攻撃は魅力の1つだろう。

昨季はミラノのライバルが優勝を決めた。今季こそは!と覚悟を決めているに違いないミラン。やはりミラノ勢が優勝争いを繰り広げるとセリエAが帰ってきたなと個人的には感じる。今、セリエAが熱いぞ!!!

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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