【常に先手を!】プレミアリーグ第25節 ノリッジ・シティ vs マンチェスター・シティ

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皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第25節のノリッジ・シティ vs マンチェスター・シティのマッチレビューを行っていきます!

洗練され続けるペップ・シティの強さがこの試合でも見ることができ、ノリッジを寄せ付けることなく、圧勝してみせました。彼らの先手を取り続け、そして常に判断を迫らせる戦い方は末恐ろしいと感じるものでした。

今回はマンチェスター・シティがいかにしてノリッジを粉砕したのかを考えていきますので、最後まで目を通して頂けると嬉しいです!!!

 

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スターティングメンバー

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組織に風穴を!

まずマンチェスターシティが動かした場所、いや守備組織から引き摺り出した場所というのが主に2列目となっていた。

彼らはノリッジの2列目に風穴を開ける事で、能動的に、そして常に先制攻撃を仕掛ける事ができていた。以下の図を見てもらいたい。

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まずマンチェスターシティがノリッジのSHを引き摺り出した時の状況から考えていこう。

基本的にマンチェスターシティは CBとアンカーで数的優位を維持する事ができていた。だからこそ、CBアケやディアスがボールを持ち出すプレーを多く選択していた。

こうなるとノリッジはSHが対応に出るか、IHが対応に出るか、それともステイするかの3択になる。ここで最後のステイを選択するチームは少なく、前半はSHが対応に出る事が多くなる。これで CB⇨SBのシンプルなパスでスペースを取る事ができる。

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CBでSHを釣り出すと、そこの背後に必ずIHが入って行く。これでノリッジIHをピン止め、さらにWGが1つ内側に入って、SBを内側で止めておく。

これをCBの持ち出しとCB⇨SBのボール移動中にIHとWGはポジションを取り直していた。特に左サイドのギュンドアンとスターリングはこれをかなりのスピードと精度で行なっていたのが印象的だった。

これを行った事で生まれるのがSBが持ち出すスペースだ。ここでポイントとなるのは、『ノリッジSHを斜めに押し戻させる』事だろう。

これを強制する事で、ノリッジの全体を下げることができるし、SBが高い位置を取れば取るほどSHの位置を下げる事ができるので、カウンターのリスクを下げることにも繋がっていた。だからマンチェスターシティは全体をコンパクトにして、ネガトラの局面で一気に圧縮する事が可能になっているのではないだろうか。

さらに以下のような方法もある。

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主に後半から多かったのだが、ノリッジIHが出てきた場合には、トライアングルを中心にライン間を攻略していく。この時にCBが選択するパスは、1つ飛ばしたパスが多かった印象だ。いわゆるCB⇨WGへの飛ばしたパスが多かった。

これが打ち込めるのには理由があり、ノリッジはIHが出て行くと、一発でのライン間への縦パスを消すために、SHが絞り込むようになる。こうなると幅を作り出すWGへのパスコースが出来上がる。

これで上の図のように横からライン間へ侵入する事で、攻撃を仕掛けていく。

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そしてライン間で受けると、視線を集める事ができるので、サポートを行うSBやWGが容易にボールを引き取る事が可能に。

当然、WGとIHのワンツーで背後を取ることもできる。これはマンチェスターシティの基礎技術が異常に高く、パススピードがノリッジSBが WGまで出て行くスピードをかなり上回っていたので、その遅れを作り出す事ができ、上の図のようなプレーを頻繁に行えた。

そしてもう1つ。対角のパスと『中盤脇』を使ってノリッジに追い討ちをかけていく。

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ここでも起点となるのは持ち出すCB。この時にCFフォーデンが中盤のヘルプを行って、ノリッジIHをピン止め。当然、ストライカーの位置に人がいなくなるので、ギュンドアンとスターリングがそれぞれ1つ内側に入る。(入らない場合もある。この場合はギュンドアンがハーフスペースでSBをピン止めして、スターリングが幅を作り出す。その時のジンチェンコは1つ内側でスターリングの後ろ側のサポートとネガトラ要員となる。)

これで幅を作り出すSBジンチェンコがドフリーでボールを引き取ることが可能に。

さらに、フォーデンがノリッジIHを、マフレズがノリッジSBを止めているので、ウォーカー、もしくは中盤脇を取るシウバがフリーになっていて、必ずと言っていいほど、ここで前向きの選手を作り出す事ができていた。この試合の先制点なんかを見ると、とても分かりやすいのではないだろうか。

 

十八番のハーフスペース奥

前進することにほとんどストレスが無かったマンチェスターシティ。だからこそ簡単に崩しの局面に移行する事ができていたし、全体を押し上げる事ができるので、ネガティブトランジションでもかなり優位に立てた。唯一危険な場面になるのは単独でドリブル突破されてしまう事だろうか。それでも人の集め方が上手いので、早めに止めてしまうのだが。

では、どうやってこの試合も十八番のハーフスペース奥を取っていたのだろうか。

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この方法はノリッジの自陣深くの守備に大きく関係する。ノリッジのフルバックはほぼペナ幅まで絞り込む事で、ゴール方向から外に守備を行った。これがマンチェスターシティに取っては『おいしい』状況になっていた。

彼らは基本WGが幅を作り出す。ここにパスが入ると、ノリッジのリアクションはSBが内側から外側に対応に出ていくというもの。先ほども触れたが、マンチェスターシティの基礎技術がめちゃくちゃ高いので、ここの遅れはどうしても生じる。そうなってくると、残っておきたいSHが斜めに降りてプレスバックを行っていく。

ここの斜めの戻しもまたマンチェスターシティに取っては格好の的になる。(全体を押し上げてコンパクトネスを維持し、ネガトラを完結でき、カウンターを防げるから)

これでSBが出ていくタイミングとほぼ同時に、IHがハーフスペース奥をアタック。フォーデンのゴールなんかはこの形で生まれたものだ。そして最も厄介なのが、幅・アタック・サポートの選手が入れ替り続ける事だろう。ノリッジもまた、この攻撃の餌食となった。

 

奥のフィニッシュワーク

マンチェスターシティはハーフスペース奥のアタックだけでなく、もう1つの攻撃を備えている。ハーフスペース奥を『手前の崩し』とすると、もう1つの方法は『奥のフィニッシュワーク』だ。それがハーフスペースからの逆サイドへのクロスだ。ここからファーサイドへのクロスがかなり多くなっている印象だ。ジェズスがサイドで起用されるのも、逆サイドから上がってくるボールを叩き込むためでもあるのではないだろうか。

これで折り返しやフィニッシュを選択していく事で、マンチェスターシティはファイナルサードでも手前と奥を常に突き付けている状態を作り出すことに成功している。

マンチェスターシティの守備対応したくねえ…

絶対遅れ出て、そっから崩されるもん…

 

スペースと前向きを!

洗練され続けるペップシティ。基本に忠実で、そしてそれを高水準でこなしていく。背後・手前・幅。ライン間の取り方とタイミング。選手個々人の基礎技術。そりゃあ強い。そして何よりもゴールを奪うために、スペースを作り出し、前向きの選手を作り続ける。それも1人ではなくて2人。だから常に相手に遅れを作り出した状態で選択を迫る事ができているのではないだろうか。

今季のペップシティの強さも異常だ。果たしてリーグタイトル、そして今季こそ悲願のCL制覇は叶うのだろうか。その力は十二分に備わっている。今週から始まるCL決勝トーナメントも存外に楽しみだ!!!

 

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今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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