【駆け引きの行方】UCL 2nd leg ドルトムント vs マンチェスター・シティ

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これぞ最高の舞台。次のラウンドに進むため、最高峰の選手達が凌ぎを削る。そして次のラウンドへの切符を勝ち取ったのはペップ率いるシティだった。鬼門のラウンド8を切り抜け、悲願のUCLのタイトルへ邁進していく。では今回はそんなトップレベルの戦いで何が起きていたのか。マッチレビューを行っていこう。

 

 

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ドルトムントの守備

まずは先制点を奪い、突破に向けて大きく前進していたドルトムントについて触れていこう。

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基本スタンスは外回り

ドルトムントの基本スタンスはライン間へのパスを徹底して消すことで、ボールの周りを外にさせることだ。だからこそ4-5-1で守備を行う。(後に触れるがもう1つ理由がある)

これでCBにボールを持たせて、外にボールを出させる。(主にSBにパスを出させる)そしてここのボールが出るとSHがSBへ、SBがWGを捕まえる。

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このエリアで奪えればベスト

そして人を当て嵌めることでサイドでボールを奪いにかかる。ドルトムントとしてはここでボールを回収することができればベストといったところだろうか。

もちろん、ここでボールを回収できない場合もある。だからこそ、以下のように設定されていた。

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深くに進入された場合

このようにハーフスペース深くを取られてしまう場合はCBが必ず対応を行う。ここのカバーの遅れが出ると一気に形成が不利になるので、そこのメンタルのケアも兼ねて、DMFジャンが中央に降りてCBの役割を果たす。だからこそ4-5-1で並ぶことで、ジャンがバックラインに降りる距離を短くし、さらにIHが下がってハーフスペースのケアを行う回数を極端に減らした。(だから次に説明するCBへの牽制が行える)

さらに、CBもこなすことのできるジャンだからこそ、カバーを行うCBは思い切ってプレーができていた。

後半のPKを与えてしまったシーンは少し不幸だったが、きちんとカバーを行っていたことがわかる1つのシーンではないだろうか。

ではもう1つのパターン。CBに持ち出された時はどのように振る舞っていたのだろうか。

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CBに持ち出された時

このように、シティCBが持ち出すと基本的にIHが牽制を行う。これで縦パスを消して外にパスを出させる。もちろん、後ろの選手はきちんと連動してタスクを実行。IHが出た時点で、SBはIHをマークできる立ち位置を取り、SHは低い位置を取りWGを消す。これで外でボールを持ったSBにスペースを見せないことでIHが戻る時間を作り出す。そして再び守備に移っていた。

このようにしてドルトムントは守備を行っていた。

 

ドルトムントの持ち運び

次にドルトムントのビルドアップだ。これでドルトムントはこの試合をより面白くする先制点を生み出した。ではどのように持ち出していたのだろうか。

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配置とシティの守備

まずはシティの守備と配置について。基本的にシティはWG外切りのプレスを行う。この時のマフレズはゲレイロを消すことが基本タスクになったようになっていた。

これに対してドルトムントはCBとGKとDMFで菱形を作って前進を試みる。さらにWGが高い位置を取ることでSBをピン止めする。また右SBモリーはフォーデンの背後に立つことが多くなっていた。

そして以下の方法でプレスを回避する。

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出口となるジャン

まず1つ目の出口となっていたのがDMFジャンだ。菱形の頂点に立つジャンへのパスでドルトムントは1stプレスを回避していた。この時のデブライネのプレスの強度により、フンメルスから入れ込むのか、逆CBアカンジから打ち込むのか、の選択を行っていた。そして中央の空間でジャンが前を向いて展開する場面を多く作り出すことができていた。

さらにもう1つ。それが対角のパスだ。

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対角のパスで回避

このようにデブライネのプレスの時点でDMFジャンへのコースをキレイに消された場合はCBまたはGKからSBへの対角のパスでプレスを回避。ここにスペースを作り出すために、SB(主にモリー)がWGの背後にたち、WGがSBをピン止めするように設定されていた。

この方法でドルトムントはジャンが起点になり、ハーランドへの背後のパスから先制点を決め切って見せた。さすがはここまで残っているチームだ。ビルドアップのレベルも存外に高かった。

 

シティのプレス修正

先制点を取られたシティ。まずペップが変更したのがプレスのシステムだ。

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シティのプレス修正

行った修正がみられたのは失点直後。この直後からIHベルナルドが前に出てプレスを行うようになる。これでデブライネ(プレスをかけない選手)がDMFを捕まえるタスクに。さらにWGに関しては一列低い位置に立ち、SBのスペースを埋める。さらに中央でもDMFとIHでドルトムントIHと人数を合わせることができるようになっていた。これでシティはドルトムントの前進を止め、ボールを回収できるようになっていた。

 

見出した攻撃の糸口

先制点を奪ったドルトムント。もちろん彼らは1−0で勝ち抜けできる。だからこそ、ブロックを作り出し、スペースを消して守備を行い、そして怪物ハーランド中心のカウンターであわよくば追加点というプランに変更。

シティはブロックを作られることに慣れているとはいえ、トップオブトップのプレーヤーが集中して守備を行うと崩すのは至難の技だ。だがシティの選手はしっかりと活路を見出した。

ではどのように攻撃を仕掛けていったのだろうか。

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段差を作り出す

このようにIHが降りてくることでドルトムントIHを釣り出す。これでIH⇆CBのパス交換を入れた上でSBに広げる。ここで重要なのがCBが持ち運んでIHを釣り出すのではなく、IHがドルトムントIHを釣り出すことが重要になる。

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段差からの縦パス

このようにSBが広げた時点で、下がったIHがサポートを行う。このIHがサポートを行うことで、ドルトムントIHを下げさせない。(また下がったとしても遅れが出る)これでIHからライン間に降りてくるデブライネのパスで中央を突破していく。

このようにしてシティは攻撃を仕掛けていった。さらにSBが幅を作り出すことで、SHとIHのギャップを広げてWGへの縦パスを入れれる場面が前半に何度か見受けることができた。

そして後半になり、攻撃の方法を少し変更。両SBが幅を作り出すことでさらにSBとIHのギャップを広げて中央を突破できるようになっていた。だからこそ、サイドで深い場所を取れるようになっていたし、そこからのクロスも入るようになっていた。

 

鬼門を突破したシティ

鬼門となっていたラウンド8。ここを突破し、いよいよタイトルが見えてきた。次は難敵中の難敵PSGとの一戦になる。だが彼らも十分に打ち負かすだけの力量はあるはずだ。ここまでくると本当に些細なことが大きく結果に反映してくる。果たしてPSGとの一戦はどのようなものになるのか。とても楽しみだ。

 

 

 

 

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