【距離とベクトル】コッパイタリア準々決勝 インテル vs ローマ

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皆さん、どうも。今回はコッパイタリア準々決勝のインテル×ローマのマッチレビューを行っていきます。ミラノダービーで悔しい敗戦を喫したインテルでしたが、しっかりと良いリアクションを見せ、見事にクリーンシートでの勝利を飾り、再び準決勝でミランとの激闘を迎えることになりました。

ではコッパイタリアを獲得するために、インテルがどのようにして勝利を追い求めたのか。今回はこちらについてを考えていきましょう!

 

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では早速、ブログでのレビューも行っていきましょう!

 

 

スターティングメンバー

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ローマの守備

まずはローマの守備についてを考えていこう。彼らは人を中心にプレッシングを行うことで、インテルのビルドアップを食い止めようと試みていた。この方法は多くのチームが行うことで、モウリーニョ率いるローマも同様の方法を採用した。

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ローマの守備
ザニオーロはバストーニをかなり意識したポジションを取る。
一方のエイブラハムはシュクリニアルとダンブロージオに対応。ここの数的不利は許容。
ブロゾビッチ番はムヒタリアンが行い、IHにはCHを当てはめる。
これでバックライン5枚でインテル4枚のアタッカー陣に数的優位を維持する。
狙うのはWBのところで前向きに奪うか中盤でミスを誘導して回収。

ローマの試合を継続してみているわけではないので、なんとも言えないのだが、少なくとも僕が見た試合では継続して前から圧力を加えていくことを行っている。そしてこの試合でも同様だ。だが、少し色合いが違ったのが2トップのタスク。これは特にザニオーロはバストーニの左足を消すような守備の立ち位置と向かって行き方をしていたので、モウリーニョからの指示があったに違いない。これの狙いはペリシッチへの縦方向へのパスを消したいこと、そしてインテル左からの前進を食い止めで右に誘導させたかったのではないだろうか。

だからジェノア戦から左WBをメイトランド=ナイルズではなく、ビニャにしたのだろう。さらにエイブラハムのところで数的不利を許容したのも、インテル右サイドにあえて逃げ道を作っておくことで、自分たちの誘導したい場所に上手く誘い込むことを考えていたように見えた。

これで中盤を捕まえて受け手のプレーエリアと出し手の選択肢を削ることでインテル陣内でボールを回収し、ショートカウンターに出て行くことを考えていたように僕は思う。

だが相対するのはインテル。彼らは広げといて距離を作り、さらにはベクトルを上手くいなすことが存外に上手いチーム。どの試合でも同様にインテルはこの作業を行い、ローマとの一戦も例外無くそれを行った。

では次はインテルがどのようにして距離とベクトルを利用していたのかについてを考えていこう。

 

利用するのは距離とベクトル

インテルが広がりを持ちながら、スペースを作り出し、さらに門を広げて作り出したスペースに縦パスを打ち込む方法はこれまでレビューでも触れてきた。

当然、この試合でも同様の方法を行う。そしてこの試合でキーマンとなっていたのが、バストーニとダンブロージオ、ハンダノビッチだ。

CFの斜め後ろ、WBの手前のスペースを上手く使っていくことでローマのプレッシングを回避していた。

ではどのようにしてその状況を作り出したのだろうか。

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スペースを作り出す場所
ダンブロージオとシュクリニアルのところで数的優位なので、広がることでその優位性をさらに広げる。またバストーニのところでは、幅を作ることでザニオーロを外側に引っ張る。
これでIHビダルが降りてくるスペースができる。この試合は特にビダルとブロゾビッチが横に並ぶ回数が多かった印象。
これでローマCHを釣り出しつつ、WBが高い位置で幅を作ることでいつものようにバックランを止めることに成功していた。

このようにインテルはバストーニとダンブロージオが幅を作ることでWBを押し上げること、外側で起点を作り出す準備を行う。これはローマの守備陣形が5−2−3のようになっていたので、WBが高い位置でWBを止めることができれば、必然的に外側に広大なスペースを作り出せるのは考えやすい。問題は「どのようにしてそのスペースにボールと人を送り込むか」だ。

当然、その方法を持ち合わせているのがインテル。そしてその発射台となっていたのがハンダノビッチだ。ではどのようにして人とボールを送り込んでいたのかについて触れていこう。

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動かしてベクトルをバラバラにする
さらにCFの目線を誘導することで幅を作るCBを視界から消す
これでCFとOMF、もしくはCFとCHの門を広げること、段差を作り出すことに成功していた。

この試合のポイントはローマのベクトルをバラバラにしたことではないだろうか。それもよりリンクの必要な隣のプレッシングプレーヤーとのベクトルをバラバラにしたことでインテルは優位に立った。

さらに追い討ちをかけるように、CFの目線をハンダノビッチとシュクリニアルで引きつける、もっと言うと外側のCBのマークを捨てさせてプレスを呼び込ませることで、CFと中央の選手の門を広げることができていた。だからこそ、ハンダノビッチ⇨バストーニかダンブロージオへのパスが多くなっていた。これでバストーニが負傷交代するまでは、左から右への展開がスムーズで、負傷交代してからは、右から左の展開が多くなっていた。

これがスムーズに行えたのも、プレッシングプレーヤーのベクトルを上手く利用し、いなす方向を選択し続けることができていたからだろう。

もちろん、門を広げれずに外側のCBに届けれない場合もある。

その場合は降りてくるジェコへのミドルパスで回避を行う。

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CBとCHを引き剥がしているので、ミドルパスが通りやすい

このように上のパスでジェコに届けることで、ローマのプレスラインを突破する。またジェコの身体の強さを生かしてポイントを作る、もしくは手前に2ndボールを作り出すことで、整理された強引さを利用して前進を行う。この方法はお馴染みのものになっているのは間違いないし、インテルが自陣深くでボールを回して相手を呼び込む大きな理由の1つになっている。

さらに、ローマの最終ラインでもベクトルも変更することも可能になっていた。

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開けたスペースにWBが降りてくることでローマWBを引っ張り出す。

このようにWBでWBを釣り出すことで、ローマのバックラインをスライドを強要させる。こうなると矢印を横にすることが可能になる。それに呼応してサンチェスが横に対して縦に動くことで、斜めのボールを引き取ることが可能になっていた。

この方法もかなり多くみられたパターンだ。左右に振ることができない場合にこの方法を使うことを選択していた印象だ。

 

この方法でインテルはローマのプレッシングを回避することができていた。スペースを作り出し、ベクトルをいなす。そしてそれを行うためにインテルはスライドの距離を作り出すことができていたので、各場所でプレーの時間を確保することができていた。

さすがというしか他ないのではないだろうか。

 

良いリアクション!

ミラノダービーの敗戦から再びビッグマッチを行ったインテル。かつての英雄が率いる名称率いるローマに対して容赦ないフットボールで試合を支配した。各場所で優位に立てるような設定ができていた。スペース、距離、ベクトルを上手く利用し、そこに人とボールを送り込むことができていた。これがかなりを整理されているのがインテルだ。そして準決勝でミランと激突する。ここでリーグ戦のリベンジを果たせるのか。コッパイタリアも楽しみだ。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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