【ブロックの内・外・辺上の関係】セリエA 第23節 インテル vs ヴェネツィア

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皆さん、どうも。今回はセリエA 23節のインテル×ヴェネツィアについてを考えていきます!

この試合では、インテルのブロック内に人を配置するせず、『辺上』に人を配置することが多い試合でした。これが攻撃を仕掛けていく上でとても大切なことになっていたと僕は感じましたので、今回はここについてを考えていこうと思います!

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スターティングメンバー

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ベタ引きのヴェネツィアの守備

まずはヴェネツィアの守備から考えていこう。アウェイチームはかなり5−3−2のブロックをかなり低めに設定し、コンパクトな陣形を維持することでゴールから遠ざけていく、もしくはゴールに近付けさせない守備を考えた。

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ベネツィアの守備。
2トップも自陣深くまで下がって守備に参加。
この時に3−2のブロックを作り、外側誘導を考える。

このようにヴェネツィアはCFも下げることで、守備に人数を割いてでもゴールに近づけさせないことを考える。3−2のブロックで中央を締め上げて、外側に誘導していくことで、WBのところで1vs1を作り出すことを狙っていた印象だ。そしてそこで時間をかけさせることで、ヘルプを行なって数的優位を作り出すことで回収を考えた。

また、外側からのクロスを供給させることで「人数が揃っている」場所で跳ね返して攻撃を食い止めていた。我慢して、インテルを焦らして、焦らしてミスを誘発させてカウンター。これがヴェネツィアの狙いだっただろう。

だからこそ、カウンターまでも捨てたような守備をすることができたのではないだろうか。仮にシュートを打たれても、ゴールキックにすれば自分たちのボールにできる。この良い状態でシュートを打たせないという割り切りからくる守備だった。

そして現にゴールキックのリスタートから、手数をかけずに攻撃を完結させて見事に先制点を奪って見せた。

観戦していた僕もかなり驚きの先制点だったのは言うまでもない。

 

ではここからインテルはどのようにして逆転勝利まで持ち込むことができたのだろうか。これは確実にブロックの内側と外側の関係を利用して攻撃を組み立てたことが関係している。

次の項目ではそれについてを考えていこう。

 

ブロックの外・内・辺上の関係

インテルは保持率71%、シュート数24本、枠内12本、パス成功率87%と、スタッツから見てもボールを握り続け、試合を支配し、ほとんどの時間を攻撃に割いていたことは明らかだ。

現に試合を見た印象からもインテルは攻撃を仕掛け続け、さらにビルドアップの局面も飛ばして、すぐに崩しの局面からフィニッシュワークの局面へ移行することができていた。

ビルドアップの局面が省略できたのはヴェネツィアの守備が大きく関係していて、先ほども述べたようにヴェネツィアは「まずは撤退」を考えながら守備をしていたので、インテルは簡単に押し上げができていた。

問題はここから先で『5−3−2のブロックをどのように崩していくか』がこの試合のキーファクターになっていた。

ではインテルはどのようにしてヴェネツィアの守備を攻略していたのかを考えていこう。

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ブロック内には人を置かないインテル。
その代わりにブロックの「辺上」にポジションをとる。
さらにブロゾビッチはバックラインに下がってブロックと距離を取り
CBに幅を作り出させる。それに伴い、WBを押し上げる。

まずインテルが行なったことがブロック内に人を配置しないということだ。そのためDMFブロゾビッチがバックラインに降りてCBに幅を作り出させるようにしていた。これはブロックの外側でボールを持ち出させる意図があってのことだろう。

さらに『ブロックを止めておく』ためにIHがブロックの「辺上」にポジションを取ることが多くなっていた。これでボールホルダーとIHで数的優位の状態+守備者の間に立つので、対応の迷いを生じさせることに成功。

だからインテルはブロック内を一度経由せずとも、外側で起点を作り出すことが可能になっていた。

ではここからどのようにして攻撃を仕掛けたのだろうか。

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CBの持ち出させることで起点を作る。
これに対してヴェネツィアはIHがスライドで対応。
この時にIHがハーフスペースをランニングすることでヴェネツィアCBに対応させる。
これで中央では2CF vs 2CB +WBの構図を作り出せ、大外のWBがフリーになれる。

このようにCBに持ち出させることでヴェネツィアIHをスライドで対応させる。これと同時にインテルIHがハーフスペースをランニングしてCBに対応させる。これがとても重要で、クロス対応に割く人数を1枚減らすことが可能に。これでクロスを上げた際に、2CFを3枚で対応させる状況下を生み出すことができるように。

だからこそ、大外の逆WBがフリーな状態が多く見受けれた。

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クロスからの攻撃とこぼれ球ができる場所

このようにCBが持ち出した時点で、サイド奥深くでは数的優位、もしくは数的同数を作り出すことができる。ここで崩しを行いながら、クロスを供給。この時にターゲットはもちろんのことながらジェコになる。彼が競り合えば、手前もしくは大外にこぼれ球を作り出すことができる。手前にこぼれ球ができるのならば、IHや上がっているCBが対応し、大外に流れるのならば、逆WBがそのこぼれ球をフリーで受けることができる。

現にインテルの同点弾はクロスが逆サイドまで流れて、そのこぼれ球をペリシッチが打ち、弾いたところにバレッラが詰めた形で同点弾が生まれている。

これは確実に狙って行なっていたことだし、それが実を結んだ形だった。

 

当然、ブロックの外側からの攻撃だけではない。ブロックの内側を通っていく攻撃も見受けられた。

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ブロックの内側を通る攻撃。この場合はブロゾビッチはバックラインに落ちない。
CFの間で一度受けることで、CBに時間を与える。さらにIH、特にバレッラが広がりを持つ動きを加えることで、ブロック組織からヴェネツィアIHを引き摺り出す。
これでジェコがボールを引き取ることが可能になっていた。

このように『寄せて広がりを作り出すこと』を行なって、ジェコが縦パスを引き取ることが多くなっていた。ブロック内を通り、なおかつ中盤を飛ばして縦パスをCFに当てれるので、ブロック内でチャノハノールやブロゾビッチがレイオフができるようになっていた。これでブロックをさらに中央に寄せといて、外側から侵入していく方法も見受けることができた。

 

これらの攻撃を仕掛け続けることで、ベネツィアを押し込んで絶え間なく攻撃を仕掛けることができていた。とりわけジェコの質的優位性を生かし続けたのは、かなり良かったと感じている。

 

後半のインテルの微調整

前半のうちに同点に追いついたインテル。当然、逆転勝利を掴むために攻撃に出ることは分かっていた。そしてインテルは攻撃の厚みとテンポを変えるために『CBを動かせる』ような修正を加えていた印象だ。

ではどのような微調整を加えたのだろうか。

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CFが外に流れる攻撃が増える。
さらにブロゾビッチが流れて起点を作る回数を増加。
こうすることでIHが外側ではなく内側でプレーし、CBが動けばチャンネルランを実行できる。ここに高精度のパスを供給するためにブロゾビッチがサイドに流れる回数が増えていた。

このようにCFがサイドに流れるプレーが増え、さらにブロゾビッチもサイドで起点・サポートを行う回数も増えていた。左右上下に動き回るブロゾビッチの稼働率は理解不能だ。ほんまに走り過ぎ。

だからこそサイドで起点を作ることができ、WBでWBを釣り出した瞬間にCFが流れることでハーフスペースからCBをどかすことができる。これでIH特にバレッラがチャンネルランを行う回数も増えていた。当然、逆サイドでも行うのだが、逆サイドではCBディマルコが1つ奥でチャンネルランを行なっていた。

これはバストーニのカードトラブルを防ぐ交替もあるだろうが、チャンネルランを促すための交替だったかもしれない。

だからこそ後半のインテルはハイクロスだけでなく、ロークロス(崩しの意識を持ったパス)も使う回数が増えていた。

 

前半に行なっていた攻撃に上乗せをしたことで、インテルはさらにヴェネツィアを追い込んでいった。それでもゴールを奪えずに同点で終わるかなぁと思った矢先のジェコの劇的ゴール。まさにタイトルを勝ち取るチームの勝ち方だった。

 

理論とゴリ押し

今のインテルには理論を組み立て、そしてそれをゴリ押しできるだけの強さがある。ヴェネツィアにあそこまでゴール前を固められても、無理矢理ゴールをこじ開けるための力強さと理論立てて攻撃を組み立てれる選手がいる。そしてその策を授けれる監督もいる。コンテ、ルカク、ハキミが去りどうなるかと思ったが、要らぬ心配だったようだ。まさにこの試合の勝ち方はタイトルを勝ち取るチームの勝ち方だった。粘り強さと強引さ。今節で一度リーグ戦は中断に入るが、代表リーグ開けには大切な試合が多く残っている。

代表リーグ開けもこの調子を維持することができるのか。そしてそこを乗り越えた先に、リーグタイトルというご褒美が待っている。これから先のインテルの戦いにも注目だ。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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