【スペースが見えるがゆえの苦戦】コッパイタリア決勝 ユベントス×インテル

皆さん、どうも。今回はコッパイタリア決勝戦のユベントス×インテル、イタリアダービーについて触れていこうと思います。

この試合もまた、とても熱くて面白い試合になりました。サッカーってやっぱりいいね!

ユベントスはこの決勝で勝たなければ今季無冠に終わってしまう状況、一方のインテルは国内三冠を、そして11年ぶりのコッパイタリアのタイトルを手にするために、両者死力を尽くしてぶつかりました。

超満員の会場も含め、とても熱いスタジアムでの一戦はインテルに軍配が上がりました。立ち上がりの10分、そして逆転ゴールを許すまで、とても苦しみましたが、それでもユベントスが耐える選択をしてからの攻撃の迫力と補完の仕方はさすがだと感じましたし、それを選択することができるシモーネ・インザーギ監督の決断力と選手層もまたインテルが強さを誇っている所以なのではないでしょうか。

では今回は特に前半にインテルが攻守ともに苦しんだ理由を中心に話しを進めていこうと思います!どうぞ最後までお付き合いください!

 

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スターティングメンバー

 

インテルが上手く行っていた時間帯

冒頭でも少し触れましたが、インテルは流れが変わったディバラのシュートから逆転ゴールを許してユベントスが下がる選択肢を取るまでは苦しんでいたと表現しても間違いないと僕は感じました。

逆にそれまではユベントスの迎撃プレッシングを上手く躱して攻撃を仕掛けることができていました。

ではまずはインテルが狙って行った前進についてに触れていきます。

ブロゾビッチがライン間に残る場合

まずはブロゾビッチがライン間に残る場合を考えていきます。

まず行っていたのが、シュクリニアルとデフライとブロゾビッチとハンダノビッチで1stプレッシングプレーヤーのヴラホビッチに対して数的優位を維持するところから始まります。この時にブロゾビッチにはディバラが、シュクリニアルにはクアドラードが出てくるようにユベントスは設定しているように見えました。

この土台を作り出すことで、右CBダンブロージオが1つ前にポジションを取ることでベルナルデスキを止めること、さらにダルミアンでサンドロを止めることができていました。逆ではペリシッチがダニーロを止めています。

これを行った意図はライン間にスペースを作り出すことです。このライン間をジェコもしくはラウラロに使わせることでプレスをひっくり返すことを行います。

だからバレッラがブロゾビッチと並行になってラビオを引っ張り出します。さらにライン間で浮くためにチャノハノールとジェコ(ラウタロ)でキエッリーニとデリフトを止めておきます。

これでライン間で2トップのどちらか、時にダルミアンがレーシーバーになることが可能になります。では肝心のセンダーはどのように作っていたのでしょうか。

これは以下の図をご覧ください。

このように降りてくるバレッラを経由してヴラホビッチの背後、もしくは外側でデフライが受け直すことでフリーな状態を作り出します。ここでフリーになれるのは先ほども触れたようにダンブロージオがベルナルデスキを止めているからです。

だからベルナルデスキに対して以下の3つを突きつけることが可能になります。

  1. 門を閉じる
  2. デフライに出ていく
  3. 門が広がるがダンブロージオを意識する

この3つを突きつけていました。

ベルナルデスキが1を選択すれば外側から、2を選択すれば段差ができるので、彼のプレスの方向を見て縦パスか外側から、3を選択すればライン間へ縦パスを打ち込んでいくことで攻撃を仕掛けていきます。

当然、ライン間でラウタロかジェコがボールを受けることができればザガリアがスライドしてくるかCBが対応に出てくるので、サイドを変えるか、そのまま縦に行くかを選択することが可能になっていきます。

だからこそ、インテルはユベントスの迎撃プレスを回避することが可能になっていました。

さらにブロゾビッチのポジショニングによっては他の方法もありました。

次はブロゾビッチが最終ラインに降りるパターンについてを考えていきましょう。

 

ブロゾビッチが最終ラインに降りる場合

では以下の図をご覧ください。

このようにブロゾビッチが最終ラインに落ちたときにはユベントスは4−4−2の形で守備を行っています。ディバラは「ブロゾビッチがライン間に立つ場合のみ」ブロゾビッチ番を託されているようでした。

インテルはこれを利用してこの試合、ヘルプを行わずにDF–MFのライン間に立つチャノハノールにボールを届けていくことで攻撃を仕掛けていくことも行っていました。そしてここに届ける方法はハンダノビッチからのミドルパスが中心になります。

当然このパスの成功率を上げていくために上の図のような振る舞いを行います。

まず行うのがバレッラのポジショニングです。中心点をとっていくことで2CHを前に意識付けさせます。さらに2トップで2CBを止めておくことで、チャノハノールがフリーでボールを受けることができるようになっていました。

 

このようにしてインテルはボールを前に進めて攻撃を仕掛けていくことができていたのですが、スペースを作ることができ、さらにそのスペースを見える眼が長けているがゆえに苦戦していったように僕には映りました。

 

ではユベントスの守備も含めながら、インテルがなぜ苦戦を強いられてしまったのかについてを考えていきます。

 

なぜ苦戦を強いられたのか

インテルが苦戦を強いられる理由には「スペースを使うために長い距離を縦に出ていく」ことが大きな要因になっていると僕は思いました。

当然これにはユベントスの守備の人の消し方と前に出ていくタイミングが抜群に上手かったこと、そしてキエッリーニとデリフトに対してジェコが苦戦したこと(これはユベントスと対戦した過去の試合でも同様なことが起きていたし、他の試合でも上のパスでジェコが苦戦することがあった。だから頼んだ、ジェコ!でボールを打ち込むのは少しかわいそうだなと感じた)も大きく関係していることも忘れてはいけません。

 

ではなんでインテルは長い距離を縦に出て行ってしまったのでしょうか。

これは攻撃を仕掛けてく中で以下の図の場所にスペースできたからです。

このようにチャノハノールに対してミドルパスを打ち込まれて前進されることを嫌ったユベントスはスペース+人ではなく、人を意識して守備を行っていくようになります。特にCHとCBのその意識は強くなっていきました。これでバランスを取っていたのがSHのクアドラードとベルナルデスキです。彼らが広がるCBにも背後でのWBでの消し方も、そして2トップのカバーもできる絶妙なポジショニングも見事でした。

インテルは人を捕まえたれた分、上の図の白いエリアを使っていこうと考えました。ここを使っていくことで、スペースに走り込むことで相手を動かせることを身を持って知っているインテルの選手たちだからこそ、ここに人を送り込みます。

そしてここに走り込むのがブロゾビッチであり、シュクリニアルでした。

では彼らがそこをを使ってしまうとどうなってしまうのでしょうか。

このように長い距離を走っていくことでボールを引き取ろうと試みるのですが、先ほども触れたようにユベントスのマークを捨てて前に出ていくタイミングが完璧だったため、前向きにここを潰されてしまっていました。

前に出て引き取ることを選択肢たインテルは、弾き返されてしまうと守備の人数を1枚削った状態での対応になってしまいます。だからこそスペースを使われてしまい、ピンチに陥ってしまっていました。

そして徐々に前に人をかけれなくなり、ジェコ頼んだ!のロングパスが多くなってきてしまい、ボールを明け渡すことになってしまっていました。

インテルはスペースを使って動かすことを知っているがために、それが仇となってしまった印象です。何度も触れますが、ユベントスCBの前に出ていくタイミングが抜群だったことも忘れてはいけないことです。

 

外起点から質で叩くユベントス

ボールを保持できるようになったユベントス。迎撃プレスが嵌まらなくて出鼻を挫かれる形になりましたが、徐々に試合の流れを握っていきます。いくら調子が上がらなかった今シーズンとは言えど、ユベントスはユベントス。選手の質は一級品です。

そして起点を作り出す場所はチームとして共有しながら、そこから先は個人の質でなんとかしていた印象を僕は受けました。

まずユベントスはインテル2トップの脇で起点を作り出すことを行います。特に右サイドのダニーロを中心にポイントを作っていた印象です。

ここでIHを釣り出すか、動きを加えながら差し込むかの2択が中心になると思うのですが、ユベントスはCHでIHを止めといてディバラを中心にローリングを行いながらボールを引き取っていきます。

特にディバラがボールを引き取る際のCBとの離れ方や狭い空間でもボールを失わず、さらにその空間でもターンをしてしまう技術はさすがだなと感じましたし、ヴラホビッチの背負ってプレーできる精度の高さやベルナルデスキのドリブルのコース取りも見事だと感じました。ここもインテルが苦戦を強いられた要因の1つだと思います。

 

進み方を変えようとしたインテル

後半に入るとインテルは前進の方法を若干変えていました。常に高い位置でSBを止めることを行っていたペリシッチが下がってくるようになり、SBの背後を取っていくことで、跳ね返されたときのリスクヘッジを取っているように見えました。それが後半立ち上がりに行ったチャノハノールがSBの背後に抜け出していく動きです。

これを行っていくことで、CBを動かしてサイド攻撃を完結させようと考えたのではないでしょうか。

ですが早い段階で同点ゴール、そして逆転ゴールまで奪われてしまい、前に出る他ない状態に追い込まれてしまいます。

ユベントスの逆転ゴールが決まった際のスタジアムの雰囲気は画面越しでも色んなものを感じることのできるものでした。やっぱり満員でサッカーを観戦できるっていいな。

 

下がったユベントスに対するインテル

逆転ゴールを奪ってからのユベントスは下がることを選択肢ます。ユベントスはボヌッチを投入して5−3−2で戦うことを決断します。

これに対してインテルは外側のCBでボールを持てること、それがゆえのにクロスが増えていくことをシモーネ監督は予想していました。だからこそのディマルコとダンフリース、コレアの投入だったのではないでしょうか。ランニングで奥を取れる、そしてクロスの上手なディマルコ、ジェコの代わりに高さを補完するためのダンフリースの投入、相手を縦に動かすための手前で時間を作れ、そしてドリブルで時間を作り出しコレアを投入していくことで、ボックス内の人数を薄くする狙いがあったんだと思います。

僕は後付けで考えることができますが、これを現地でしかもリアルタイムで見極め、決断するフットボールの監督、そしてそれを実行に移す選手たちには脱帽しかありません。これでインテルは猛攻に出て、そしてPKを獲得して同点、延長戦も攻撃を仕掛け続けて逆転まで持っていくことに成功しました。

 

おめでとう!インテル!

前半の戦いを見ているとキツイか?と思っていましたが、勝利まで持っていくのはさすがだなと思いました!今季タイトル2つ目おめでとう!

残るはリーグタイトル。延長戦までもつれ込んだのはキツイかもしれませんが、勢いはさらに増しそうです。週末の試合も楽しみですね!

いやーセリエAもめちゃくちゃ楽しいけん、みんなにも見てほしいです!

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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