【どのように振る舞うか】スーペルコパ準決勝 バルセロナ vs レアル・マドリード

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皆さん、どうも。今回はスーペルコパ準決勝のバルセロナ×レアル・マドリードのエル・クラシコのマッチレビューを行っていきます。最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

YouTubeでも考えてみましたので、こちらもご覧頂けると幸いです!

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ではBlogでのレビューもお楽しみ下さい!!!

 

 

スターティングメンバー

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守備からカウンターを考えるレアル

レアルはバルセロナに対してボールを保持させて、カウンターを狙ってゴールに迫ることを考えた。素早くミドルブロックを形成し、ブスケツ、アラウホ、ピケに『ボールを持たせる』プレーを選択させていた。

ボールを持たせて運ばせることで、レアルはカウンターを行う準備を整えた。ではレアルはどのように守備を行っていたのだろうか。

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レアルの守備の基本形は4-1-4-1。
CBとブスケツにはボールを持たせる。これを行わせるために、モドリッチとクロースはIHをぼかすポジションを取る。
さらにIH–WGの門を狭くするためにヴィニシウスとアセンシオの位置は少し内側。
ここからSBにボールが出ると内⇨外で向かっていく。SBに関してはWGを意識。
そしてCFルークに対してはCBとDMFで囲い込んで封じ込める。
ライン間を幅広くプロテクトするのはカゼミロの役目。

レアルは基本的にCBにボールを持たせることを考える。特にアラウホにボールを保持させることで、ロングパスを選択させてそれを跳ね返して回収という考え方を取っていた。

またCBに対してパスコースを消すことで運び出させる。これを行うことで強制的に背後に広大なスペースを作り出させた。これがレアルの狙いで、カウンターを打ち込む準備となる。

当然、ここで嫌なのはブスケツにフリーでボールを持たれることになる。彼がボールを持つとCBを上げれない状態になるので、できる限りCBにボールを持たせるように仕向けていた。

だからブスケツにパスが入った、もしくは入りそうになった場合は以下のように対応する。

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モドリッチがブスケツに出るパターン。
この場合はWGのアセンシオがIHフレンキーの近くまで絞り込む。
逆WGヴィニシウスもしっかりと2ndラインまで戻って4−4の2ラインを形成。

モドリッチが出ていった場合はアセンシオがしっかりと絞り込みを行ってフレンキーを消せるポジションを取る。こうすることでCBにブスケツとフレンキーへのパスコースを見せずに、アルバにパスを誘導することを行っていた。アルバにパスが出るとアセンシオがしっかりとプレッシングを行って、モドリッチは素早くプレスバックで本来の場所まで戻っていた。これを行うことで、ブスケツに対してはベンゼマが下がって対応できる時間が作れて、再び攻撃を構築させて本来考えている守備に移行する。

またクロースサイドでは以下のように設定されていた。

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クロースがブスケツまで出ていくパターン。
この場合はカゼミロがスライドして場所を埋める。(当然モドリッチとアセンシオもスライド)
この場合のバルセロナSBアウベスは、あまり高い位置を取らなかったので、それに呼応してヴィニシウスは少し高い位置を取る。

クロースがブスケツまで出ていくと、基本的にカゼミロがスライドをして場所を埋めていた。これはバレンシア戦でもヘタフェ戦でも同様のものだった。『クロースが出て行ったときにはしっかりとカゼミロが場所を埋める』という決まり事があるのだろう。

これでモドリッチサイドと同様に、やり直しの時間を稼ぐことで狙いの守備に移行していく。

ではレアルが考えていた守備について触れていく。

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運ばせるとサイドは人をキャッチ。当然、ベンゼマはブスケツを消せるポジションを取る。さらにSBとWGを明確に捕まえてCBの外の選択肢を消す。
そしてIHがCBに向かっていくことでCBに選択を迫らせてミスを誘導。
奪う場所としてIHへの縦パス、ルークへの上のパス、もたついているCBになる。
最も重要なポイントになるのが逆WGのカウンター準備のポジショニング。

このようにレアルはCBに持ち出させて、さらにCBの選択肢を削っていき、そしてプレーの選択を迫ることでミスを誘導していた。ここで選択させるのが主に2択で、IHへの縦パスとルークへの上のパスになる。1つ誤算だったのが、CFルークの収まりが良かったことだろう。ここでもう少し勝率を上げることができれば、もっとカウンターのチャンスを創出することができたはずだ。

反対に前半のバルセロナはルークへの上のパス、特にアウベス⇨ルーク(1つ奥にはフレンキー)のアーリークロスでの攻撃が中心になっていた。これはアラベス戦でも見せていた攻撃で、かなり機能していたと言っても良いのではないだろうか。

 

話を戻すと、レアルはCBに持ち出させてカウンターを打つためにハイプレスを仕掛けずに、ミドルブロックを形成。そしてその背後を使うのがスターダム一直線のヴィニシウスだ。彼のスピードとそれに絡むベンゼマとアセンシオのカウンターは見事なものだった。いつの時代もカウンターがここまで上手いレアルはとんでもねえ。

 

バルサの前プレの誤算

では一方のバルセロナの守備はどうだったのだろうか。シャビ監督が就任してからは、かなり人を意識して前からプレッシングを行う印象だ。IHが1枚前に出て4−4−2でプレスをかけるのが基本形だ。

ではどのようにプレッシングを行っていたのかを考えていこう。

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バルセロナのハイプレス。
ほとんどの場合はIHガビを押し出して4−4−2になる。
この時にWGはSBに向かう、2トップはCBに向かう、ブスケツはIH、フレンキーはDMFを捕まえるようになっていた。
バックラインではベンゼマに対しては数的優位を維持し、WGにはSBと1vs1。
基本的にマークの担当は決まっているが、こうなると逆IHのモドリッチとカルバハルが空いてくる。

このように基本的にマークの担当が決まっていたバルセロナ。だが問題となったのがWGのデンベレだろう。圧倒的な攻撃センスを持つ彼に、守備のタスクを課すのは少し難しい。ましてやポジション取りが上手いカルバハルやモドリッチのマーク、しかも絞り込むことを行えるかというと疑問が残る。

現に他の場所では嵌め込んでいても、レアルの選手は上手いのでそのプレスを剥がすことが可能だ。そしてそのツケは回ってきて、モドリッチやカルバハルでプレスリセットをされてしまっていた。

だからデンベレが慌ててプレスバックを行っていた場面が結構見受けれていた。

では彼が絞り込まないことで何が起きていたのか。

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かなり広がるMF–DFのライン間。
デンベレがモドリッチまではっきり絞ることができれば、前プレが嵌っていた場面は増えたと思う。デンベレの絞らないツケを支払うことになったのがフレンキー・デヨング。

このように人を意識するからこそのズレが生まれてしまう。またCBがモドリッチのところまで出ていくのはリスクが大きすぎる。だからフレンキーがモドリッチを背後で意識しながらカゼミロまで出ていくかなり難しいタスクを担っていたように映った。

これに関連して、カルバハルサイドからの前進はかなり少なかった印象だし、逆に剥がされて展開されることが多かったのはクロースサイドからの前進だ。デンベレサイドで守備をしないという考えがあったのかもしれないが、この試合に関してはそれが裏目に出てしまったのではないだろうか。

 

だが触れておきたいのは守備面での貢献よりも攻撃面での貢献をしていた。シャビ監督がデンベレを変えなかったのはここにあるのではないだろうか。

 

プレスを剥がすレアル

ではレアルはどのようにしてプレスを剥がしたのか。これを考えていこう。

先ほども触れたように、バルセロナの守備の穴はクロースサイドからモドリッチサイドにボールを持っていったとき、もっというとブスケツを釣り出して、MF–DFのライン間を広げたときに、レアルは一気にスピードを上げて攻撃を仕掛けることができる。

ではなぜ、ライン間を取ることができていたのかを考えていこう。

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迷いを持ったフレンキー。
ここを利用してカゼミロとクロースのコンビネーションでレイオフを作り出して前にボールを届けることが可能になっていた。さらに両WGも内側に入って抜け出す動きをすることでバックラインを押し下げることを行った。
これでライン間が広がってモドリッチ、もしくはベンゼマがボールをピックアップ。

このようにレアルはデンベレの守備の穴をついていくことで、ライン間攻略を行った。この試合でクロースたモドリッチがSBの場所に落ちることが皆無だったのは、バルセロナが人を捕まえて場所を狭くすることが容易になってしまう。だから落ちることを行わず、さらに中央を突破して早い攻撃を展開する方が確実に効率が良いので、IHがSBの位置に落ちることがなかったのだろう。

このモドリッチ、クロース、カゼミロの3人は規格外で、彼らだけである程度、いやほとんどのプレスを躱してしまう。そしてライン間でフリーになることでCBを釣り出して一気に背後を取って攻撃を仕掛けていた。

 

圧倒的なぺドリとその効果

後半に入り、バルセロナはぺドリとアブデを投入する。そして圧倒的なプレーをしたのがぺドリ。ぺドリが入ったことで前半よりもクロスよりも下のパスでの打開が多くなった。

これはぺドリとガビの立ち位置とWGが明確に幅を取ることによって下のパスが通るようになっていた。

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ぺドリとガビの立ち位置とWGとSBの幅を作る。
これでWG–SB–IHの中心点をとる。
これでブスケツから斜めのパスを引き取る。

バルセロナはベンゼマのところで数的優位を維持できているので、そこを利用してブスケツが前を向ける状態を作り出した。ここでIHが前に出てくると簡単にぺドリに縦パスを打ち込むことができる。これはぺドリの場所取りとプレービジョンが異次元の域にあるので、簡単にライン間を取ることができるようになっていた。

さらにバルセロナはIHのプレーエリアを広げるためにSBとWGが幅を取って中心点を広げていた。これでクロス中心ではなく、ボール保持中心になったことで、レアルのカウンターを未然いに防ぐことができるようになった。

対峙しているレアルの選手、一緒にプレーしているバルサの選手、そして観ているものにインパクトを与えたのは間違いないだろう。

 

当然、これに対してレアルはブスケツに対してカゼミロを押し出すことで『ぺドリ消し』を行った。度肝を抜かれたレアルだったが、しっかりと修正してカウンターに「持ち込めるあたりは流石だなと感じるものだった。

カウンターを打つための設定と、カウンターを発動させないためのボール保持。かつてのモウ・レアルとペップ・バルサを見てるようで、どこか懐かしい感じもする試合だった。

 

帰ってきたクラシコ

スーペルクラシコ。僕はこのようなクラシコを待っていた。熱く闘い、それぞれのアイデンティティがぶつかり合うクラシコ。正直、最近のクラシコはどこか物足りなかった。それは闘う意志だったのかもしれないし、信念だったのかもしれない。だが、この試合では確実にそれらを感じることができた。だからこの試合は見応え満載だった。確実にこれから先のクラシコも楽しみになる一戦だったので、ぜひ皆さんもディレイ観戦でも良いのでご覧になってみてほしい。

 

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今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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