【試合支配】クラシコ(LaLiga第9節)レアル・マドリード×バルセロナ

皆さん、どうも。今回は世界でも最も熱い試合の1つでもあるエルクラシコについてを考えていきます。

この試合を一言で表すならば、レアル・マドリードの支配でしょうか。バルセロナにボールを持たせることで、試合を支配し、中央から人を流して、管理するエリアを広げるかタスクを過少にしていくことで、サイドからカウンターを刺していくことでバルセロナを圧倒していました。

ではクラシコのレビューを行っていきましょう!最後までお付き合い頂けると嬉しいです!

 

 

YouTubeもしているのでチャンネル登録よろしくお願いします!

www.youtube.com

 

ではレビューをお楽しみください!

スターティングメンバー

 

持たせるレアルと持たされたバルセロナ

試合を支配したのはレアルマドリードでした。その方法はミドルブロックを形成し、「CBに対して出す場所を無くす」というものでした。ではどのようにしてレアルはボールを持たせるために守備を形成していたのでしょうか。

以下の図をご覧下さい。

レアルのミドルブロック

レアルのミドルブロックはかなり人を意識しながら守備を行います。クラシコに合わせてきたのはモドリッチのところでしょうか。普段のレアルはモドリッチとベンゼマが前に出て4−4−2の形でプレスを行うことが多いです。

ですがこの試合は上の図のようにブスケツのところにモドリッチを当てる守備を採用していました。それに伴ってペドリとフレンキーにはそれぞれチュアメニとクロースが意識してマークを担当していました。

当然、幅を作り出すデンベレとハフィーニャにはSBが対応を行っていました。少し形が崩れる場所はヴィニシウスのところとバルデルデのところです。基本的にバルセロナSBの立ち位置を意識してポジションをとるのですが、それでもミドルブロックの時点で影響されないのはヴィニシウスの守備位置です。確実にここはバルデルデよりもヴィニシウスを残すという選択肢を取っています。これはカウンターの脅威を残すため、さらにバルデルデの圧倒的な走力を考慮してのものでしょう。改めて化け物だ、バルデルデ。

そしてベンゼマのところはある程度の持ち出しの許容はありました。ベンゼマは割とクンデを消すような立ち位置を取ることが多かった印象です。

だからガルシアがボールを持ち出せることが多かったのですが、この先がレアルの考えた守備。ガルシアに持ち出されたときのレアルの振る舞いは「持ち出したところで、パス出すないやろ?」のスタンスに僕は見えました。

バルセロナの受け手を消すことを意識しながらライン間をコンパクトにすることで、バルセロナをブロックの外に追い出していきます。

だからこそ、バルセロナはボールをライン間に差し込むことができずに、ペドリやフレンキーがブロックの手前に降りたり、ライン間で待ったとしてもボールを受けれない、もしくは引っ掛かるので、外回りのパスを選択することが多くなっていた印象です。

バルセロナが迂闊に縦パスを差し込めないのは、レアルが縦パスを引っ掛ければヴィニシウスやバルデルデのカウンターを受けてしまうからです。

常に脅威をチラ見せしておくのは、ボールを保持するチームに取ってとてもストレスの溜まるものだと思います。

このようにしてレアルはバルセロナにボールを保持させてノッキングを起こさせ、焦らしてミスを誘発させてボールを回収することが多くなっていました。もちろん、対面で1vs1になったときの上手さと強さもあるので、守備で相手をコントロールしながら試合を支配していた印象を強く受けました。

 

レヴァンドフスキでの前進

前進に苦しみ、崩しの入り口を見つけることが難しくなっていたバルセロナ。しかし前進する糸口をレヴァンドフスキで見出します。その見受けられた方法が以下になります。

中央の花道を開ける

この方法はレアルの「人意識」の守備を利用した形になります。さらにレアルが時折ハイプレスを行うときにこの方法を使うことができるようになっていました。

上の図のように、IHが外側に広がりながらチュアメニとクロースを外側に引き摺り出します。これでテアシュテーゲンからレヴァンドフスキへのロングパスで前進を行っていました。

ここでCBから離れながらなおかつ遅れてくるCBを背負いながら収めてしまうレヴァンドフスキは流石だなと思いましたし、そこからWGへのパスもしくはペドリやフレンキーの3人目で崩しに入っていくことも見受けることができました。

それでも中盤を締められること、もしくはミドルブロックに移行されてしまうと、この方法は難しいものとなっていた印象です。

 

管理エリアを広げる or タスク過少

そして攻撃を仕掛ける際に、レアルは最前線、もしくは1.5列目にあえて人を配置しない、もしくは人をいなくさせることを意識しながらフィニッシュを考えます。

だから手数をかけずに、サイド奥を取れるようになっていますし、相手を押し込んでマイナスのクロスでフィニッシュを多く作り出すことが可能になっています。

そして押し込んだ中で、フィニッシュを作れないと判断する場合は遅攻を選択できます。

ではどのように攻撃を仕掛けていたのか考えてみましょう。以下の図をご覧下さい。

まず行うことがあります。それがGKとCBで時間を作ることです。この時間を使ってSBがかなり高い位置を取っていきます。これでデンベレとラフィーニャを押し下げてCBとGKに時間を与えて安定してボールを保持することができるようになっています。相互関係。

この時にバルセロナはペドリを押し出してレヴァンドフスキと2トップの形をとりながら4−4−2で守備を行っていました。当然、アンカーのチュアメニを2人で消しながらプレスに出ることを行います。

しかしレアルはこの2枚のプレスを無力化できます。以下の図をご覧下さい。

無力化できるのはSBが高い位置を取ってWGを押し下げているからです。だから上の図の白のエリアにかなりのスペースができるようになっています。いわゆる2トップ脇を上手く使いながらポイントを作っていきます。仮にここへWGがCBに外切りのプレスを行うのならば、チュアメニがズレて縦パスのコースを作り出すか、モドリッチ・クロースが縦パスを引き取ります。内側を切りながらプレスを仕掛ける場合はSBがそのまま引き取ることも可能です。

そしてここからレアルは人を回しながら崩しに入っていきます。

まずはヴィニシウスサイドから。こちらのサイドはクロースが降りてメンディと入れ替わりながら攻撃を組み立てていきます。これはよく見るパターンで、下地でサイドにスペースと動ける時間を作り出すことができているから行えることです。

この入れ替わりでまずはバルセロナのマーカーの混乱を引き起こします。そしてヴィニシウスは最終ラインを止めるために駆け引きを行っています。

さらにここにベンゼマが加わることで菱形を形成します。ベンゼマは割と右サイドの絡みが多くなっている印象です。こうなると中央に人がいなくなる状態になりまずが、これが「管理のエリアを広げる」もしくは「タスク過少にさせる」の状態になります。

このままクンデが対応すれば、当然背後のスペースも気にしながらベンゼマの対応を行わなければならず、逆にその場に止まればタスク過少になります。

他の選手に目を向けてみましょう。クンデが対応に出ないと、フレンキーの管理のエリアとタスクは多くなり(寄ってくるモドリッチとメンディとベンゼマ)、当然セルジロベルとの管理のエリアとタスクも多くなります。(ヴィニシウスと寄ってくるベンゼマ)

またクンデが対応に出るとセルジロベルトとガルシアの管理のエリアが広くなります。これはクンデの背後を気にすることになるからです。ここにラインと駆け引きしているヴィニシウスが抜け出していくことで先制点は生まれています。

ここの管理の人は違いましたが、このゴールが生まれるまでのボールの動かしとクロースの粘りはさすがでしたし、あの泥臭さからあのパスを出せるクロースはすごい。

さらにボールと同サイドで前進が難しそうな場合は、チュアメニやモドリッチを景趣しながら逆のトライアングルにボールを届けて攻撃を仕切り直します。

このようにして攻撃を組み立てて崩しに入っていきます。

 

もちろん、中央から人をいなくさせて攻撃を仕掛けていく中でサイドを変えていく攻撃もありました。以下の図をご覧下さい。

このように中央にブロックを作り出すブスケツ–フレンキー-ガルシア-クンデを動かし他ときにモドリッチかベンゼマで時間を作り出すことができます。

ここから一気にサイドを変えていくことで攻撃をスピードを上げて攻撃を仕掛けていきます。この方法はベンゼマよりもモドリッチからのものが多かった印象です。

そしてここからサイド奥を取るとクロスから攻撃を仕掛けていきます。

このように逆で作っていたベンゼマとヴィニシウスが入っていくとマイナスが空いてきます。(メンディが入っていくこともあります)ここのクロスの3人目が入っていくのは人を見て決めている印象です。

これでマイナスのクロスを打ち込んでフィニッシュまで持っていくことが多いです。バルデルデもモドリッチもクロースも、ミドルがとても上手いのでこの攻撃の効力は最大限に生かされています。

 

そしてクロスに対して人を揃えれないときは遅攻に切り替えます。サイドの奥を取ったときに、レアルの選手は1人でも時間を作ることができるので、サポートを待つことが可能になります。だからこそ、全体をレアルは押し上げること、そしてサイド奥を取っているので、バルセロナを押し下げることができるようになっていました。

 

基本的にこの3つで攻撃を考えながら、最も効果があり、そして効率的な攻撃でゴールまで迫っていた印象です。ここの選択にほとんど間違いがないのが恐ろしいです。

 

優雅で余裕、そして泥臭く

レアルの試合を見るといつも余裕があって、優雅でそして泥臭く勝ちにいくなと感じます。試合の支配の仕方も多くの選択肢があるように見えますし、何よりも王者のメンタリティを感じました。スタッツ、スコア以上にバルセロナを圧倒しているように感じました。若手とベテランの融合もそうですし、レアルマドリードというチームに魅了されました。

ぜひみなさんも、クラシコを見てみてください!

 

ではまた次回の記事もお楽しみに!