【孤立が相次いだ理由を考える】コパデルレイ ラウンド16 エルチェ vs レアル・マドリード

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皆さん、どうも。今回はコパデルレイ ラウンド16のエルチェ×レアル・マドリードのマッチレビューを行なっていきます。

今回の試合を受けて考えていくことは『孤立が相次いだ理由』です。こちらを考察していきますので、最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

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スターティングメンバー

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なぜ孤立が相次いだのか?

この試合でレアルが行えなかったことが2つある。それが『斜めの前進』と『バイタルエリアからの完結』だ。これが行えなかったのは、『斜めの前進』の時点で空いている場所を使うことができていなかったからだろう。

ではなぜ、それができなかったかを考えていこう。

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クロースがサイドに落ちて起点作り。
マルセロを前に上げて門を広げることを考える。
ヴィニシウスは幅を作ってSBをピン止め。
さらにカマヴィンガが中心点を取ることで内側の逃げ道も作り出す。
こうすることでエルチェCHとSHとSBを広げてライン間のプレーエリアを広げる。

このようにレアルは基本的にIHがSBの場所に降りて、SBが一列前に出てSHとCHの門を広げることを考える。この時にカマヴィンガがCFとCHの中心点で逃げ道と中央にエルチェを誘き寄せる役割を担う。

これでSHとCHの門も広げ、そこを通ってその先のライン間のプレーエリアを広げることを考える。

この前進を行なっていくことで相手のスライドを強要させて、ボールサイドに寄せていく。これで逆IHがライン間に潜っていることで、クロースから一気にサイドを変えるか、IH経由で斜めに前進するルートを作り出す。

この精度が抜群に高いのがカゼミロ、クロース、モドリッチだ。そしてそこに加わるのベンゼマで、ベンゼマがベンゼマしないと、この方法は行えないと感じてしまうものだった。

ではこの試合CFに入ったヨビッチと何が違うのだろうか。

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ヨビッチのプレーエリア

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ベンゼマのプレーエリア

シンプルに違うのは2人のプレーエリアの広さの違いだ。ベンゼマはより広範囲で組み立てに参加し、ヨビッチは中央で基準点を作り出すようなポストプレーのスタイルを取る。ここの差がベンゼマと大きく違い、現段階のレアルとは少し相性は良くないのではないかと僕は感じた。

当然、ヨビッチの背後の抜け出しや中央で『待てる』プレー、そしてそこで起点を作れるポストプレーの精度は一級品だ。一級だからこそ、白い巨人のメンバーになれる訳で、決してヨビッチのプレーが悪いと指摘しているのではないことは理解してもらいたい。

 

しかし、レアルの良さが消えてしまうのが事実だった。

これは広げたライン間でボールをピックアップするプレーがヨビッチには皆無だったので、孤立が相次いだ。

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起点を作ってもそこから先が…
SH–CHを広げてライン間のプレーエリアを広げるが、門の先でボールを受ける人がいない。
WGヴィニシウスがボールを受けても並行のサポートがないので、孤立した状態。
後ろ向きでボールを受けることになるので、選択肢は後ろになってしまう。

このようにヨビッチが中央でどっしり構えるプレーを選択するので、広げたライン間でボールをピックアップする人がいなくなる。さらにヴィニシウスがボールを受けた時に並行のサポートがない(距離が遠い)ので、孤立する状況が多くなっていた。

 

先程も触れたように、ライン間のプレーエリアを広げたときにボールをピックアップすることができれば、相手を寄せることが可能になる。だからサイドチェンジを加えたときに効果が絶大になってくる。

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サイドチェンジをしても捕まって場所を埋められる

だがこのようにサイドを変えたとしてもロドリゴが孤立し、さらにCBのスライドの距離が短くなっているので、IHのポケットランもカバーされてしまう。だからこそ、孤立した状態が多くなってしまっていた。

それでもある程度攻撃を仕掛けられていたのは、レアルの個人能力が高く、単体で剥がしてしまうことができていたからだ。

そして剥がした時点で、早めに1つ奥のヨビッチにアーリークロスを送ることができれば、チャンスは広がっただろうが、『相手が楽になるやり方』を簡単に選択しないのがレアルマドリード。だからボール保持の局面を増やして相手を走らせることを選択し、さらにボールを保持することで全体のポジショニングを整えることで、守備の局面も整えることを行なっていた。

 

さらにファイナルサードでも孤立した状態が続き、『バイタルエリアで完結させること』ができない状況下に陥ってしまう。

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WGとCFの距離が遠い。
だからWGがドリブルで内か縦のドリブルでの仕掛けになる。
ヨビッチは中央で構えることでよりフィニッシュに特化する。

このようにヨビッチがペナルティエリア内で待つことで、よりフィニッシュに特化したポジションを取る。だがこうするとレアルがフィニッシュの中心と考えているであろう『バイタルエリアからのフィニッシュ』。もっというとバイタルエリアへのマイナスのパスと、ハーフスペース付近への折り返しからのフィニッシュ。これを行うことが難しくなる。

それはここでもDFを動かすことができずに、ズレを生み出すことができないからだ。さらに斜めの前進を行えないので、IHやDMFがバイタルエリアまで入ってくる時間を稼ぐことが難しい。当然、同サイドからの攻撃でもWGが『仕掛ける』か『バックパス』の選択肢しか残っていないため、IHがバイタルエリアまで入っていくことが困難になる。

だからこそ、単調ななエリア内へのクロスが続き、中々フィニッシュまで持ち込むことが難しくなっていたのだろう。

 

この試合で感じるのはベンゼマの存在感とサポートの上手さ。リンクマンとしてもプレーすることもでき、他のプレーヤーにスペースを提供することも厭わない。

このようにチームプレーに徹することで、最後にボールが回ってくる。これはストライカーとして嬉しいことで、良い循環ができているのではないだろうか。

 

何度も触れるが、ヨビッチは良い選手で、彼の裏抜けの上手さやポイント作りは一級品だ。だがレアルで生きていくには、プレーの幅を広げなければいけないのではないだろうか。

ベンゼマという最高のチームプレーヤーかつストライカーから多くを学び、さらなる成長を遂げてもらいたい。

 

レアルはレアルで勝ってしまう。

やはりレアルはレアル。マルセロの退場とその直後の失点。これは流石に万事休すと思われたが、それでも勝利を攫っていくのがレアルマドリード。しかもゴールを決めるのが普段は出番の少ない選手たち。腐らず、出れば結果を残していくその姿勢は凄まじい。

これがタイトルの取り方をしるチームで、結果至上主義のチームのあるべき姿なのだろう。これが常勝軍団なのだろう。

全てのタイトル獲得の可能性を残すレアル・マドリード。ここからいくつのタイトルをとるのか、とても楽しみだ。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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