Football Base 〜サッカー戦術分析〜

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ラ・リーガ レアル vs アトレティコ 〜マドリード・ダービーの行方〜

 

はじめに

サウジアラビアで行われたスーペルコパから約2週間。又してもライバルとのビッグゲームを行うことになった。これが公式戦、3試合目の対戦だ。ジダン率いる白い巨人はこのダービーの勝利でマジョルカに敗戦してから21戦負け無しとなり、その内訳は15勝6分け。脅威的な数字だ。さらにはバルセロナを抜いてリーグテーブル首位に立つ。その差は1ポイントなので、首位の座を死守するためにもなんとしてでも勝利をあげたい所だ。一方のシメオネ率いるアトレティコ。「試合から試合へ」の信念の元に戦い続けるチームは、圧倒的な決定力不足に悩まされて、シメオネ政権一の不調に陥っている。だが失点数はリーグ2番目に少なく、守備の硬さは健在。コパデルレイでの劇的な敗戦を受け、そこから立ち直るためにもこのダービーに勝利し、威厳を取り戻したい所だ。そしてこの結果は1-0でレアルの勝利。試合内容はとても「堅く」、レアルの修正が上回ったと言ったところだろう。では今回はいかにしてレアルはマドリード・ダーボーに勝利したのか。これを紹介していこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

 

レアルはサイドプレーヤーを起用しない、中盤の構成でこの試合に臨む。これはスーペルコパで見せたものと同様だ。一方のアトレティコジョアンフェリックスを欠くなか、ビトロが先発出場。攻守のリンクマンを果たす役割を担った。では早速、レアルが勝てた理由を紹介していこう。

 

中盤5枚時の攻撃について

まず紹介したいのが中盤5枚時の攻撃について。幸か不幸か、アトレティコを苦しめ、そして自分たちも苦しめた。

自分たちを苦しめた現象

(黒⇨アトレティコ 白⇨レアル)

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まず触れるべきなのが、レアルの主な攻撃時のポジションの取り方。右サイドではCHのポジションい位置するバルデルデが幅を作ることが多く、IHのモドリッチがライン間で浮いたポジションを取ることでバランスを保つ。左サイドではIHのイスコがハーフスペースに位置し、SBのメンディが上がるスペースを作ることで、幅を持たせる。バックラインはSBとCBの3枚で、このボール回しを手助けするのがDMFとCHのクロースだった。ここで気になったのはDMFとCHの距離が近いこと。これでCF一枚でCHとDMFを捕まえ荒れる形になっていた。ではここからどのように攻め込んでいたのか。

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このように幅を持ったCHがボールを受けるとIHがサイドに流れボールを引き出す。ここでボールを受けることが多かったのだが、上の図のようにSBとSHに挟まれてしまい、孤立し、ボールを失うことが多かった。ではなぜ、このような攻撃を仕掛けていたのか、それには明らかな狙いがあった。

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このようにIHがサイドに流れるのことで上の図の四角のエリアに人を集める、または一瞬、視線を集めることで黒丸のエリアにボールを差し込む意図があったのではないだろうか。そのために中盤が5枚、しかも中央でプレーすることを好む選手を配置し、ライン間でボールを受けることで中央突破を試みた。だが、圧倒的な守備力を誇るアトレティコ。そう簡単に崩せるはずもなく、結局はサイドにボールを出さされて、ボールを失うことが多かった。そして中盤を飛ばされてカウンターを受けて、決定機をアトレティコに多く作られた。これが自分たちを苦しめる事となった現象。

 

アトレティコを苦しめた現象

ではどのような場面でアトレティコを苦しめたのか。それはビルドアップとサイドチェンジ。ビルドアップに関してはレアルが人数を割くので、アトレティコハーフウェイラインまで簡単に突破された。(だがこれがカウンターを狙うアトレティコの準備だった)そしてもう1つ。サイドチェンジをする事で、アトレティコを苦しめた。ではどのようにサイドを変えて、アトレティコの目線を変え、ズレを生じさせたのか。

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このようにレアルはIH、CHが中央に集まるので、もともと中央が硬いアトレティコをより中央に集める事ととなる。だがこうする事で、ブロックの外にいるCH(またはDMF)から逆のSBへのサイドチェンジのボールを多用することができた。これでズレを作り、IH(特にイスコ)がハーフスペースでボールを引き出す事を狙っていたが、アトレティコのスライドとスペースの埋め方が上手かったので、ボールを引き出すまでには至らず。だがこのサイドチェンジこそ、アトレティコを苦しめ、そしてゴールをこじ開ける布石となる。

 

ハーフタイムでの2枚替え

ジダン監督は前半の戦い方に満足していなかったのだろう。そしてこのままだと、ゴールを奪うことができないと踏み、WGプレイヤーを後半頭から投入。これがレアルが勝利を手繰り寄せるものとなった。ではなぜこの交代がアトレティコを混乱に陥れたのか。

4-3-3への変更

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後半から4-3-3に変更したレアル。これの何が良かったのか。まず1つ目に、バックラインでの数的優位の作り方、距離感が良くなったこと。さらにCFの脇のスペースにSBがポジションを取ることで、WGへのパスコースの創出にSHの守備時の位置どりの難しさを付随させた。さらに、IHがCHとSHの間にポジションを取ることで、CBからの縦パスを引き出す動きをつけることに成功。これで前半にあまりなかったCFベンゼマの動けるスペースができ、より流動的な攻撃を仕掛けることができるようになる。

補足:アトレティコのプレッシング

ここで補足を付けておきたい。それはアトレティコのプレッシングについて。前半は自陣に引いき、ブロックを形成してレアルを迎え撃ったが、後半から高い位置でのプレスを行うようになっていた。これにより、SBとIHがライン間でボールを受けることが可能になった。これがもしも前半と同様、自陣に引いて守備をしていたらジダン監督の交代策の効果は半減していただろう。

両SBの攻撃参加とWGの仕掛け

そして両SBの攻撃参加とWGの仕掛け。これこそがアトレティコのゴールをこじ開ける事となったきっかけだ。ではどのようにして攻撃を仕掛けたのか。

1stライン2ndラインの間延びによるサイドチェンジ

まず攻撃を仕掛けるにあたっての準備がレアルにはある。それが1stラインと2ndラインのライン間のスペースを使ったサイドチェンジ。これが生まれたからこそ、オープンスペースで時間を持ってWGがボールを受けることができた。

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このようにDMFがbkクラインに参加するとCFがプレスをかけることが多かった。そしてこのプレスに連動して2ndラインが連動して付いて来れば良いのだが、ここで2ndラインはリトリートすることを選択する。そうすると赤丸のエリアにスペースが生まれる。ここでWGに一度ボールを預け、その落としをIH(SB)がライン間(赤丸のスペース)で受ける事で逆のSB、またはWGへボールを届けることに成功。これでWGがどrブルで仕掛ける事ができるようになる。

WGとSBの関係

そしてWGがオープンペースでボールを受けると、初めてここでSBが攻撃に参加する。実際にこの攻撃でこの試合の決勝点を生み出した。

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このようにWGが中に仕掛ける事で、SBとSHを引き連れる。その間にSBがインナーラップまたはオーバーラップを行う事でアトレティコSBの背後を突く。サイドチェンジを行なって間もないので、アトレティコDF陣は目線が変わり、一瞬、マークを見失う。レアルはこの間にクロスを上げる事でチャンスを創出する。実際にこの方法でゴールを奪っている。(決勝点はCBからWGへの広げるパス)

この方法を中心に攻撃を仕掛け、アトレティコの守備陣に風穴を開けることに成功した。

 

まとめ

ジダン監督の英断により、勝利を手繰り寄せることに成功したレアル。ハーフタイムに2枚替えと、なかなかできる事ではないが、それを実行できる決断力とゲームの流れを読む目。まさにレアルの監督にふさわしい人材ではないだろうか。終わってみれば、このレアルの勝利は「勝つべくして勝った」というものだった。これで21戦負けなし、リーガで首位と勢いに乗るレアル。夏に鳴り物入りで加入したアザールの復帰でその勢いはますだろう。果たしてこのままCL、リーガの奪還を果たすのだろうか。その勢い、実力ともに可能性があるチームだ。一方のアトレティコ。前半のチャンスをどれか1つでも決めきることができれば、徹底して守備に回ることができたであろうが、そうはいかなかった。グリーズマンの退団、D・コスタの負傷離脱、ジョアンフェリックスの不調、カバーニ獲得失敗、ここまで厳しいものになるとは誰も予想していなかっただろう。守備力は健在なだけに、これからの復調に期待したい。

 

終わりに

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