皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第18節のリーズ×アーセナルについてを考えていきます。最後まで目を通して頂けると嬉しいです!
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スターティングメンバー
ベクトルをひっくり返すアーセナル
この試合で触れていきたいのはリーズのマンツーマンに対してアーセナルのベクトルのひっくり返し方だ。アーセナルはベクトルをひっくり返すことで、リーズの守備を剥がして行った。
では彼らはどのようにして守備を掻い潜っていたのだろうか。
まず作り出すスペースはフォーショーの脇になっている。ここにスペースを作り出すために、両SHのサカとマルティネッリがかなり引っ張ることを行う。これは前からプレスを行うチームに対してアーセナルはよくやる方法で、この試合でも例外なくこの方法を選択。
さらにリーズの守備によって数的優位になる場所、それがCBのところだ。アーセナルはここを利用して、前進を行なっていく。ここでCBに運ばせるために、2CHはピン止めを行なっていた。これでアーセナルは以下のように前進していく。
このようにCBが運ぶことで迷わせることできるのがリーズSHだ。ここでSHを迷わせることができるのは、SBティアニーが高い位置に移動しているので、マンツーマンの距離を広げていく。
これでCBが持ち出すと同時に、CFラカゼットやOMFウーデゴールが最初に触れた作り出したスペースを使ってボールをピックアップすることを考える。特にここでボールを受けていたのがCFラカゼットで、ここまで下がることでリーズCBを釣り出して背後にスペースを作り出していた。
さらにSHティアニーが高い位置を取ったこと、SHマルティネッリがラカゼットが作ったスペースをアタックする動きを加えることで、リーズSBの対応をかなり難しくしていた。そして以下の場所を中心に攻撃を仕掛けていく。
まず最も使ったスペースがラカゼットが下がって作り出したスペースだ。ここにマルティネッリやウーデゴールが背後をアタックすることで、チャンスを作り出していく。また手数をかける場合は、高い場所を取っているSBティアニー経由の攻撃を仕掛けていく。この試合、アーセナル左サイドの攻撃が多くなっていた。これはリーズSHハフィーニャがCBへプレスを行うこと、そしてマルティネッリが背後をアタックすることが得意なことが大きく関係していたので、左サイドからの攻撃が多くなっていた。
さらに、以下のような攻撃もある。
このようにジャカが左落ちを行うことで、マーカーを引き連れてスペースを作り出す。ここでのリーズSHハフィーニャはSBティアニーまで着いていくようになっていた。これで創出するスペースが、上の図の場所になる。まず最優先で作るのがジャカが開けた場所だ。ここにラカゼットが降りることで一番後ろにスペースを作り出す。そして逆サイドにもスペースを作り出していた。ここのスペース③へ展開をすることで、サカが1vs1を仕掛けるようになっていた。リーズは基本的にマンツーマンを行なっているので、広い方へ展開したときに、チャンスを生みやすい状況になっている。
このようにしてアーセナルはスペースを創出し、リーズの前のベクトルをひっくり返す、もしくはいなすことで、リーズを粉砕に持ち込むことに成功した。このスペースの作り方はマンチェスター・Cも行なっていた「CBのボールの持ち出しによる先手」と同様のものだと僕は感じた。
苦しむリーズ
リーズが苦しむのも無理はない。まずは怪我人の多さ。これは切っても切り離せないことだし、フルスロットオールコートマンツーマンで戦うのでなおさらだ。キーマンが怪我をして、苦しくなっているのは言うまでもないだろう。そしてそのキーマンの不在こそが、ベクトルをひっくり返されてしまう大きな要因になっているのではないだろうか。
そのキーマンというのがフィリップスだ。彼の展開能力と「へそ」で起点となれるセンスはリーズには必要不可欠だ。だからリーズの攻撃は同じサイドのものが多くなり、さらに彼らはより前に人をかけるために、ボールホルダーを追い越していく攻撃を仕掛け続ける。これを繰り返し行うことで、相手を同サイドに寄せて、一気に広い方へ展開する。この『展開のパス』を出せる選手がいないので、どんどん狭くなり、そしてパスが引っかかってカウンターを受けるようになってしまう。
これが大量失点につながる大きな理由になっているのではないだろうか。実際にこの試合でも狭くなってしまい、パスが引っ掛かって、もしくはミスをしてしまい、カウンターを受けていた。そして段々と自信を失い、負の循環に嵌ってしまっているのではないだろうか。
いかに展開能力の高い選手が必要不可欠なのかが理解できる試合だった。
これから復活し、再びプレミア舞台を驚かすのか。焼け野原のリーズ。この流れでのビエルサ監督解任だけは避けて欲しい。
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