【後の先を取る】Premier League 第12節 レスター vs チェルシー

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皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第12節、レスター×チェルシーのレビューを行なってきます。最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

 

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スターティングメンバー

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Chapter1:タイマンとカウンターの狙い

まずはレスターの守備から考えていこう。レスターはチェルシーに対して「タイマン守備」を選択。各場所で人を捕まえて、カウンターを打ち込むことを考えた。しかも引いて守るのではなく、前に出て殴りにかかった。ではレスターはどのように守備を行っていたのか、その詳細についてを考えていこう。

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各場所で人を捕まえる

このように3CBにもレスターは人を当て嵌めにいき、特にチェルシーCHジョルジーニョへのパスを狙って奪うように設定。このようにすることで、ボールを回収することを考える。だから、3CBに対して満足なボールプレーをさせないように3トップで圧力をかけていくことを行なった。

この時にレスターは外側のWBにもパスを出させないように守備を行っていた。レスターはあくまでも「中央誘導」にこだわる。

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奪ってカウンター

このようにジョルジーニョにボールが入ったところでCHを押し出しボールを回収することができれば、チェルシーCBに対して数的優位を作り出し、カウンターを繰り出すことが可能になる。これをスピード感持って打ち込むために、CFヴァーディー、STにルックマンとバーンズを起用したのではないだろうか。

だがこの守備はチェルシーの対応の速さと動かしによって嵌まらなかった。

ではどのようにチェルシーは対応していたのだろうか。

 

Chapter2:チェルシーの対応と前進

ではここからはチェルシーの対応と前進方法についてに触れていこう。チェルシーが行なったことは3CB+ジョルジーニョとCHのところで数的優位を作り出すことを行なった。

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まずチェルシーはレスターCHを止めるために、CHカンテとSTマウントがCHの近くに立つことを行う。こうすることで、レスターCHに対してマウント、カンテ、ジョルジーニョで数的優位を作り出す。この時にマウントが1つ下に降りるので、CFハヴァーツが右のハーフスペースに流れてオドイとハヴァーツで2トップのような形になる。

これで何が起きたのかというと、FW–CHのライン間でジョルジーニョがフリーで前を向ける状態を作り出すことができるようになったことだ。レスターは当然、ジョルジーニョを潰したいのだが、CHが前に出るとその背後で起点を作られてしまうので、それを行えない。

このようにしてまずは3CBとCHジョルジーニョの土台で安定してレスターの1stプレスを掻い潜っていく。そしてジョルジーニョで前を向くことができると、以下のように攻撃を仕掛ける。

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このようにジョルジーニョが前を向けば、そこにレスターはCHを押し出す。これと同時にマウントがその段差の背後に入ることで、CB–CHのライン間を取る動きを加える。ここでCFハヴァーツが中央から外に流れる動きを加えていたことが効いてくる。

まずCFハヴァーツのマークの受け渡しがCBエヴァンス⇨ソユンクになっているので、エヴァンスは『マーカーがいない』と言う状態に。ここから自分の目の前のスペースを使うためにマウントが入ってくるので、そこに食いつくことが多くなる。こうなると中央にスペースができるので、オドイもしくはハヴァーツが斜めのランニングで背後を取ることが簡単になる。

仮にここでエヴァンスが出てこなければ、マウントがライン間で前を向けるというわけだ。

このようにして、チェルシーはときに背後、時に手前を使うことで、効果的、効率良くレスターの守備を掻い潜って攻撃を完結させていた。

 

Chapter3:CB前のスペースを使うために

さらに顕著だったのが組み立てに入るWBの動きだ。これを行なったことで、CBの前のスペースを使い、WBとSTで優位に立つことができていた。

ではなぜこれを行うことができたのだろうか。

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レスターはジョルニーニョで起点を作られることを嫌うので、上の図のようにCHを予め当て嵌めるようになっていく。こうなると、3CBとジョルジーニョのところで数的優位を保つことができなくなるが、その背後のスペースで優位に立つことができる。そしてチェルシーは優位に立てるスペースをWBに使わせる。

上の図のように、CHがジョルジーニョに対して出ていくと、マウントは1列前に出て、オドイが外に流れる。これに連動してWBチルウェルが内側を取ることで、CBからのパスを引き取り、前進する。ここの入れ替わりを行うことで、レスターWBに迷いと混乱を生じさせて、対応に遅れを生み出す。だからこそ、この試合はWBチルウェルやジェームズがビルドアップの出口になることが多かったし、崩しのピースになり得ることも多くあった。ここの入れ替わりと立ち位置の互換性、そして相手の出かたを見ての判断の正確性と速さは超一流だろう。

これを再現性高く、そして高精度で行い、さらには『後の先』で行われるのだから、相手からするとたまったものじゃないだろう。

 

Chapter4:レスターの修正とチェルシーの対応

もちろん、レスターは守備の修正を行う。中央で奪えないので、奪いところを1つ低く再設定。だからこそ、3−5−2に変更し、CHに対して人を当て嵌めれる形を取った。

そして誘導するサイドはレスター左サイド、チェルシー側からすると右CBのチャロバーになる。ここから出てくるボールをレスターは迎え撃つことを考えた。

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このようにマディソンとスマレでカンテとジョルジーニョのマークを行い、エンディディがバランスを取る形の守備に変更。さらにヴァーディとイヘアナチョでシウバとリュディガーを牽制。このようにすることで、CBチャロバーにボールを持たせるのだが、いかんせん、チャロバーもボールを持ち出すことができ、パスを捌くことができる選手だ。だからチェルシーはCBチャロバーで起点を作りつつ、攻撃を完成させていく。実際にプリシッチのゴールがチャロバーの持ち出しからのスルーパスから生まれたもので、幾度となく後半はチャロバーが起点になっていた。

レスターもしっかりと対応を行っていたのだが、それ以上にチェルシーの対応の速さと精度が異常だったので、嵌り切るまでに至らなかった。

 

まとめ

安定して強い。能動的だが受動的。相手を動かすための術を知り尽くし、プレス回避の方法と引き込み方が芸術の域にまで達しているのではないだろうか。選手個々人の特徴を殺すことなく、しっかりとチームに還元するチームを作り上げているトゥヘル監督。この試合でもその手腕を見事に発揮し、チームを3−0という完勝に導いて見せた。モチベーターかつ戦術家のトゥヘル。彼とチェルシーがどこまで高みに登っていくのか。とても楽しみで仕方ない。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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