【入口と出口と進展と停滞と。】J1第22節 柏レイソル vs 鹿島アントラーズ

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痛すぎる敗戦。マッチプレビューでも触れたように、正直、アントラーズは快勝すると思っていた。だが蓋を開けてみれば敗戦。内容もレイソルが圧倒的に良く、いよいよアントラーズは『長いトンネル』、いわば暗闇へ入り込んでしまった。

 

一方のレイソルだ。彼らは逆に長い、長い暗闇から抜け出そうともがき、そしてその出口がいよいよ見えてきた。明確になりつつある戦い方と、この試合でも見せた守備プランは見事だったと感じた。

 

 

では早速、この試合で起きていたことについてを解説していこう。

 

 

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レイソルの狙いとは?

まずこの試合を読み解いていくには、レイソルの守備と攻撃の狙いについてを考えなければならない。

では彼らはどのように守備を行い、どのように攻撃に移っていたのだろうか。

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レイソルの守備の狙い

まずはレイソルの守備の狙いから。この図のように、レイソルのもまた5-2-3で守備を行う。このような配置を取ることで、中央を完全に消して外にボールを誘導することが可能になっていた。

 

余談だが、この5-2-3という守備はレッズ戦の大分トリニータ、ユーロでのベルギー、ユーロ決勝イタリア×イングランドでイングランドが行った守備の方法だ。

これはもしかすると、流行ってくる守備戦術・守備配置になってくるのかもしれない。この守備方法について、もっと考察する必要がありそうだ。

 

ではレイソルはここからどのようにして、守備を行いボールを回収していたのか。

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サイドに追い込むための守備

さらにサイドに誘導するために、個々人が行っていたことについて触れていこう。まずはCHだ。彼らはアントラーズCHを意識する立ち位置をとることで、中央をさらに消すことができていた。

そして称賛すべきはSTの立ち位置だろう。STの立ち位置はSHへの縦パスを消しつつ、SBへプレスを行える絶妙な立ち位置になっていた。(クリスティアーノはよりSB永戸を意識しているように見えた)

これら個々のタスクを完遂することができていたので、レイソルはサイドにボールを誘導することができる。

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サイドに誘導してボールを回収

このようにSBにボールを誘導すると、そこへプレスをかけるのがSTとWBだ。特にWBが真っ直ぐプレスをかけることで、「WBの背後のスペース」を副次的に消していた。

これでSBが奪いところ①となる。

もちろんWBのプレスが間に合わずに、ここで奪えない場合も多いので、次の奪いところが必要となる。その奪いところというのが中に入ったSHだ。

これは先ほど「副次的にWBがWBの背後のスペースを消している」と触れた。これを行っていることで、SHがWBの背後に抜け出すことができず、「縦パスを待つ」ようになる。

こうなると狙いやすいのがCBだ。この縦パスを狙うことで、レイソルはアントラーズからボールを奪取することが容易になっていた。

 

そして奪ってからの設定も見事にアントラーズの弱点を突けるように設定されていた。

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クリスティアーノサイドの攻撃

特に多く見られたのがクリスティアーノサイドの攻撃だ。ここでポイントだったのが、クリスティアーノはより近くでSB永戸についていたことだ。これを行っていたので、永戸はプレッシャーを感じ、早めにSHへの縦パスを打つことが多くなっていた。

これでCBがボールを奪うと、SBの背後へクリスティアーノが真っ直ぐ出ていくことで、レイソルはアントラーズの『SBの背後』を使えるように設定されていた。

 

このようにしてレイソルはアントラーズの弱点を突いていくための設定をしっかりしていたので、この試合、特にクリスティアーノが躍動したのだろう。

 

アントラーズがまず試したこと

ではこの守備に対しいてアントラーズがまず試したことを考えていこう。

アントラーズがまず試したことというのが、「2トップの一角がサイドに流れる」ことだ。

だがこれは全く持って上手くいかなかった。ではなぜ上手くいかなかったのだろうか。

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嵌っている状態のサイド

その理由は明明白白で、シンプルにサイドが当て嵌まっている状態だからだ。仮にCFが流れてWBをピン止めすることが目的ならばそれは成功だ。だがそれだけで終わってしまう。その先がない。だからこそ、アントラーズはここから先の展開を促すことができなかった。

 

そしてこの状態から救いの一手を打ち出すのが、やはり土居だった。

 

土居のヘルプで中央経由

中盤への土居のヘルプ。これがアントラーズ、いや土居が行ったことだ。果たしてこれは「チームとして」はたまた「相馬監督が」行ったことかどうかはわからない。だが土居が中盤を助けることで、中央を経由することができるようになっていたことは確かだ。

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土居のヘルプ

このようにCF土居がサイドに流れることを止め、中盤のヘルプを行う。こうすることで、レイソルCHに対して数的優位を保てるようになり、中央への縦パスが入るようになっていく。

 

そしてこの展開を続けていくことで、前半は攻撃の起点の位置が徐々に高くなっていった。

これはFW-MFのライン間を使っていくので、だんだんと1stプレスが下がっていくことが大きく関係している。

だからこそ、手前のCBが高い位置でボールを持てるようになっていき、レオとCB2枚でレイソルCFに対してトライアングルを作り、さらに土居とピトゥカがIHのような立ち位置をとっていくことで、さらにその先のライン間を使えるようになっていた。

 

これで中を使えば、外が空いてくる。これを行い続けたことでSB永戸が深い位置からクロスを供給できるようになっていく。

 

前半にこの修正を行って、攻撃に転じたことでアントラーズは後半に先制点を奪えると僕は思っていた。だが、現実は甘くなく、いや、自分で自分達の首を締めてしまった。

 

土居のヘルプの深堀解説

こちらはYouTubeで解説をさせてもらった。

ぜひこちらもご覧になってみて欲しい。

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無下にしてしまった前半の展開

そして後半。始まってみるとなぜかレオに変わって三竿が投入された。まずこの交代の意図は僕には全く分からなかった。わかる方や多分こんな意図があったのでは?という方がいればぜひとも教えて欲しい。

 

ではなぜ、この交代が前半の展開を無下にしてしまう結果になってしまったのだろうか。

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人数過多になった影響

このように三竿はレオとは違い、バックラインに入ってボールを受けることが多い印象だ。中盤で待てる選手ではないのかもしれない。(ザーゴさんの時はできていた気がするけどな…)

だから、上の図に示したようにCFに対してCHと2CBで明らかな数的過多に陥る。これでその先の中盤で問題が浮上する。それが降りてきたCF土居とCHピトゥカがレイソルCHに捕まってしまうという問題だ。

これでレイソルは前半立ち上がりと同様の守備を行うことができるようになり、試合を進めやすくなる。

 

さらに、この先の交代策にも個人的には?がたくさん浮かんだ。カイキや松村という選手はスペースがあってこその選手だと僕は思っている。だがこの試合ではそのスペースがなかったし、ライン間で受けて外を使うという攻撃がうまくいっていたのに、それを捨ててしまった。彼らの交代でライン間プレーヤーを交代させてしまったからだ。

こればっかりは選手が悪いとは全く思わない。この交代の選択がこの試合で僕が一番ストレスを感じたところでもある。

 

僕は中の人間ではないので、その意図やましてやこの試合のピッチ上での空気感というものは全く分からない。だからこれは本当に僕の一意見として聞き流して欲しい。

 

欲しいタイプは…

ここで考えたいのが、今のアントラーズに欲しいタイプの選手だ。この試合、YouTubeでライブ配信をしながら観戦したのだが、そこでも触れたように、「向かっていくドリブラー」がいれば展開は大きく変わったのではないだろうか。今の所属するドリブラーはスペースありきのドリブラーだと思っている。そうでないとしても、スペースがあってより特徴が生きる選手が揃っている。

だからこそ、向かっていくドリブラーが欲しい。このタイプがいれば、無理やり1枚剥がして優位性を獲得することが可能になる。例えばチェルシーの時のアザールやメッシ、ネイマールなど、DFに向かっていくことで無理やり剥がしてチャンスを広げていく。Jに絞るならば、ミトマ(移籍したけど)や優勝した時の仲川、斎藤学などだ。

彼らのようなタイプがいれば、詰まった時に大きく展開を変えることが可能だろう。

 

きっと長いトンネルに入ってしまったアントラーズ。果たして停滞気味の今の現状に打つ手はあるのだろうか。そしてレイソルのように、出口に近くことができるのだろうか。

とりあえず、リーグ戦は再来週だ。そこまでにどのような修正を行っていくのか。次のガンバ戦に期待したい。

 

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