【確固たる信念の下に】J1第21節 柏レイソル vs 横浜F・マリノス

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前節、劇的な勝利をおさあめたチームのホームに乗り込んだマリノス。より難しい試合になることは予想していた。

不運にもこの予想は当たってしまい、マルコスの退場で60分近く、数的不利な状態で闘うことになったマリノス。

それでもポステコグルー監督が残した『確固たる信念』の下に、マリノスは数的不利ということを感じさせないフットボールを展開し、勝利を手にした。

では今回、マリノスがどのように戦い、勝利を手にしたのか。これを中心にマッチレビューを行っていこう。

 

 

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退場するまでの展開

まずこの試合は大きく2つの試合内容に分けられる。それが「マルコス退場前と後」の展開だ。

今回「マルコス退場前」の展開をYouTubeの方で喋らせて頂いた。

レイソルの守備とマリノスの前進についてを解説している。ご覧頂けると幸いだ。

 

 

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退場後の残りの前半

では退場してからの残る前半の展開について少し触れておきたい。マリノスは4-4-1の守備ブロックを敷いて、前半を無失点で折り返すという狙いに切り替え、試合の時間を進めた。

だからこそ、退場者が出てしまってからの前半はミドルブロックを作り出してコンパクトに守備を行った。

そして狙い通り、無失点でハーフタイムを迎える。

 

ここからの試合展開が驚くべきもので、本当に数的不利に陥ったチームなのか?と思わせるほどのハイパフォーマンスだった。

 

信念の下に戦った後半

まず触れていきたいのがレイソルの守備だ。数的優位に立った彼らも、もちろんのことながら戦い方を変更していた。ではどのように戦い方を変更していたのだろうか。

 

レイソルの修正

レイソルが大きく修正してきたのは守備の局面だ。数的優位とはいえ、ボールも持つことができなかった(できないと踏んでいた?)レイソルは、守備の圧力を強めることで、より高い位置でボールを回収し、ショートカウンターを狙った。

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前に出るレイソルの守備

このように、レイソルは明確に『人を意識』して守備を行うようになっていた。2トップはCB、SBにはWB、3CHになった中盤には、DMFとIHで明確に人を捕まえた。

こうすることで、最終ラインでは人数を余らせた状態で守備を行うことができ、前に圧力を掛けてもリスクをそれほど負わずに守備を行うことができるようになっていた。

 

ではこれに対してマリノスはどのように試合を進めて行ったのだろうか。

 

信念を貫くために

マリノスは前に出て攻撃を仕掛けるために、まずは交代カードを切る。その交代がエウベル⇄喜田の交代だ。

この交代をしたことで配置的には4-3-2になった。

そしてこれが前に圧力をかけてきたレイソルのプレスを止めるきっかけになり、そして先制点を奪う大きな手助けとなった。

ではなぜこれが効いていたのだろうか。

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逃げ道と展開元を得れたマリノス

まず大きな要因が『逃げ道』と『展開元』を早い段階で確保できたことだ。レイソルの守備は先ほど触れたように、CBまでは捕まえるが、GKまでプレスを行うことは皆無だった。だからこそ上の図にあるように、CB+GKで2トップに対して数的優位を作り出すことが可能に。

これが大きく次の展開に響いていた。

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釣り出してスペースアタック

このように、中央に立ち位置を取る喜田とGK高丘(CBと喜田もある)のパス交換で、レイソルDMFを釣り出す。これでDMFの背後にスペースを作ることができる。そしてここに入ってくるのが外のCHの扇原であり、岩田だ。

さらにここにスペースを残せるのはオナイウと前田という快速のアタッカーを2枚最前線に残しているからだ。

 

そして展開元となったGK高丘からスペースに落とすパスで一気に1stプレスないしは2ndプレスを超えていく。

 

この展開に持ち込んだからこそ、マリノスは強気の選手交代をさらに行うことができた。その交代は扇原⇄天野と高野⇄ティーラトンという交代だ。

ではなぜこのような交代を行ったのか。

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起点を2つ持ちたい

このようにマリノスは天野とティーラトンを投入することで「起点を2つ持つ」ことを狙った。

これは先ほども述べたように、GKの展開元とDMFの背後のスペースを得ることができたので、よりライン間でプレーをすることの得意な天野を投入したのだろう。

これで中央、トップ下のような立ち位置をとることの多くなった天野のところで1つ起点を作ることができるようになっていた。

 

さらにこの天野の起点ができることで、マーカーのIHを押し下げることができる。これで中に入るスペースができるので、SBティーラトンがそこにポジションをとることが多くなっていく。

これで3列目でも起点を作り出すことができるように。これはWBとSBの距離を伸ばすことができるので、可能になったことだ。

 

現に中に入り込んだSBティーラトンから一気に最前線にボールを供給することで先制点を奪っているのだから末恐ろしい。

 

変わらぬマリノス

数的不利になろうがお構いなし。戦い方を決して変えず、主導権を握り、圧倒していく。もちろん、守備時のプレス開始時の位置は低くなれども、仕掛けていく守備という根っこの部分は全く変わっていない。

そして数的不利でも選手が動き、入れ替わり、パスを回し、スペースを作り出すことで、そこをアタックして攻撃を完結させていく。

まさに確固たるものがないとできない芸当だ。

ここまでまとまり、闘うことができるマリノス。監督交代で少し心配したことが要らぬ心配だった。

これから先もこの信念を下に魅力的なフットボールを展開していきそうだ。

ぜひ皆さんもマリノスの試合もチェックしていただきたい。

 

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