【内容の改善の攻守】Jリーグ 11節 鹿島アントラーズ vs ヴィッセル神戸

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相馬監督に代わり、公式戦3戦目。今節対戦した相手はビッグネームをかき集め、そして今季こそ上位進出、リーグタイトルの獲得を目指すヴィッセル神戸。この難敵相手に、アントラーズは良い内容で戦うも、勝利を掴めなかった悔しい結果に。では今回はこの試合の内容についてレビューをしていこう。

 

 

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ビルドアップについて

まずはビルドアップについて。この試合でアントラーズは『SBを押し上げて幅を作ること』、『三竿が降りること』、『SHが中に入りOMF化すること』を行っているように見えた。

ビルドアップについてはYouTubeでも解説しているので、こちらもご覧になってもらいたい。

 

www.youtube.com

 

 

ではこれについて解説していこう。

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基本的な配置

まずこちらがこの試合でのアントラーズの基本的なビルドアップの配置となっていた。

上の図のように三竿が「CBの外側」に降りることが多くなっている印象で、そうすることでSBが高い位置で幅を作り出すことが多くなっていた。こうすることで、最終ラインでヴィッセル2トップに対して数的優位を作り出すことができていた。さらに、SBを押し上げたことでSHが中に入ることが多くなる。これがこの先の前進に大きく有利に働く要因になっていた。

ではどのようにプレスラインを越えていたのだろうか。

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荒木のヘルプ

基本的に2CBと2CHでプレスラインを越えようと試みるのだが、ヴィッセルも中央経由で前進させないように、3列目中央に残るCHを消す立ち位置をとるようになる。このようになったときに、OMFの荒木が下がってヘルプを行う。これが相馬監督になってかなり整理された局面ではないだろうか。これがあるからこそ、特に三竿が「迷ってボールを持ちすぎる」ことが少なくなり、シンプルにプレーがしやすくなっている。

さらに、これはあまり見られなかったが、ヘルプを行った荒木が消された場合にはSHが追加でヘルプを行うことで前進の手助けを行っていた。だからこそ、土居や白崎が下がってボールを引き出す動きを見受けることができた。

 

そして相手のプレスを見て、以下のようにライン突破を行っていく。

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CHが出てきた場合

このように荒木がヘルプを行った時にCHが捕まえにくれば中に絞ったSHに縦パスを打ち込むことで前進する。

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SHが捕まえにきた場合

またSHが中に絞って捕まえにきた場合はシンプルに幅を作るSBで時間を作ることが簡単になる。

 

このようにしてアントラーズは前進することができていた印象だ。もちろん、三竿や町田が2トップの脇を持ち上がって縦パスを入れる場面もあった。だからこそ、特に町田からのパスも多くなっていた。この設定ならば、町田のポテンシャル(もちろん犬飼も)を存分に活かすことができるのではないだろうか。

(YouTubeではビルドアップについて詳しく話しています。ぜひご覧下さい!)

 

攻撃の局面

ではビルドアップでプレスラインを越え、攻撃の局面に入るとアントラーズはどのように攻撃を仕掛けていたのだろうか。この試合で見せた攻撃の設計は前節の徳島戦とは少し色合いが違った印象を受けた。

では攻撃について解説していこう。

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攻撃時の大体の配置

この試合のアントラーズはSH、OMF、CFmp4枚がかなり近い距離でプレーをしていた。これは確実に徳島戦と変わっていたことだ。かしまわりさんが『白崎をフィニッシャーに設定したいのかも』触れていたが、まさにそのように見えた。特に前半はそのように設計されているように映る。

もっというと、CFの背後にSHを配置することでクロスに対して浮いた位置でフィニッシュに持ち込めるように設計されていた。

だからこそ、上の図のように前線4枚が近い位置でプレーしてヴィッセル全体を中央に寄せて、SBを大外でフリーにするように設定。さらに、これを行うことでCBも時間とスペースを持てるようになっていた。

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CBの持ち上がりとパスコースの確保

そしてCBの持ち上がりから相手を動かして攻撃を仕掛けていく。特に町田の持ち上がりと縦パスがかなり効いていた。この時に外側と内側のパスコースを確保していることで、彼から有効なパスを供給できていた。さらにCHの三竿もCBと入れ替わりで下がり、サポートを行うことで町田の逃げ道を作っていた印象だ。

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クロスからの攻撃

そして上の図のように、SBからのクロスから攻撃を完結させる。この時にSBで時間が持てるのは、SHが中に入ることでヴィッセルSBをピン止めしているから。だからこそ、その遅れの分だけSBが外で時間とスペースを得ることができる。(CB→SH→SBの経路で時間を作ることもある)

これでクロスを供給する場所が先ほども少し触れたように、CF上田の背後のSH、もしくはCHまたはOMFへのマイナスのクロスで攻撃を完結させる。このクロスの質、特に永戸からのパスはかなり質の高いものだった。だからこそ、簡単にシュートで終えることができていたのではないだろうか。

もちろん、SBからの攻撃が厳しい時はリセットすることも可能になっている。

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リセットと逃げ道

このように、SBの攻撃が行き詰まった時にCBのサポートを使うことで一度攻撃をリセットする。そしてCBから逆サイドへの対角のパス、またはシンプルなクロスを供給、縦パスで展開を変えて攻撃を仕掛けていた。

 

このようにしてアントラーズは攻撃を仕掛けていた。徳島戦とは違った攻撃を見せたことは良い感触なのではないだろうか。

 

ヴィッセルの前進とアントラーズのプレス

ではアントラーズのプレスはどうだったのだろうか。個人的にはこの試合も嵌っていたと感じるものだった。その狙いが完璧に出て、わかりやすかったのが立ち上がりの1:00~からと15:30~のシーンだ。

これは前節の徳島戦と同様に、サイドで奪うことを狙っていた。

 (以下が前節の徳島戦のレビュー)

www.soccer-bunseki.com

 

ではこの試合のプレスの掛け方について触れていく前にヴィッセルの可変するビルドアップについてを解説していこう。

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ヴィッセルの可変

この図のようにヴィッセル神戸はサンペールがCBの間に降りることで3バックの立ち位置をとる。こうすることでSBがWBの役割、SH井上がCHの立ち位置へ、CF郷家がSTの立ち位置を取るようになっていた。唯一立ち位置がはっきりしていなかったのがSHのマシカだ。だから彼が機能することがなかったのではないだろうか。だがゴールシーンでも見せたように、彼のポテンシャルはかなり高いので、これからチームに馴染んでくると、これまた厄介な選手になりそうだ。

ではアントラーズはこのビルドアップに対してどのようにプレスを当て嵌めに行ったのだろうか。

 

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プレスの当て嵌め方

このようにアントラーズは「SHのプレス」が スイッチとなっていた。(外側のCBに出るとSHがプレスを行う)

この時にOMF荒木の立ち位置で、中央へのパスコースを消す。こうすることで幅を作り出す選手へのパスを選択させる。もちろん、ここを潰しに行くのがSBだ。ここでボールを奪うことで一気にショートカウンターに持っていく。当然、背後ではスライドを行ってリスク管理。SBの近くに立っているSHをCBがスライドして捕まえ、さらにCHを近くに立つことで2枚で対応。こうすることで徳島戦で行われていた、「中央→落とし→サイドチェンジ」のプレーを根元から消しにかかっていた。だからこそ、この試合はサイドチェンジを打たれる回数が前節より圧倒的に少なかった。

このようにして、アントラーズはプレスを当て嵌めることで守備を行い、攻撃に繋げていた印象を受けた。

 

ストライカー、上田

そして最後に触れたいのが上田だ。この試合の同点ゴールを挙げた上田。身体の向きの作り方、そしてボールを受けるタイミングと場所。トラップのボールの置き所。身体の強さはもちろんのことながら、繊細さも持ち得る。1プレーでゴールを仕留め切る。まさにストライカーだ。確実に上田は日本を代表するストライカーになるだろう。ここからゴールを量産して、規格外のストライカーへ成ってもらいたい。

 

 

 

 

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