(分析レビューはスターティングメンバーから始まります。目次をクリックして頂くとそこまで飛べます。)
はじめに(自己紹介とサロンについて)
皆さん、ご機嫌よう。
一番初めに自己紹介から。
noteにまとめたので、読んでいただくと嬉しいです!
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ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
では早速、分析レビューを行っていきましょう!
スターティングメンバー
横浜FC戦を受けてのビルドアップ
まずこの試合、ハイプレスを受けて苦しんだ前節の横浜FCを受けて、ビルドアップを変更していた。
ちなみにこちらが前節のレビューとなっている。気になる方はこちらも読んでいただきたい。
ではこの試合を受け、アントラーズはどのようにビルドアップを変更していたのか。
まず触れていきたいのがサガン鳥栖の守備だ。まず2トップのタスクが中央のCHを消し、CBに牽制をかけることでハイプレスの準備を行う。さらにボールSHがSBを牽制するために前に出る立ち位置をとる。
これでハイプレスを行い、横浜FCと同様にショートカウンターを完結させてアントラーズから先制点を奪うことを狙っていた。
これに対してアントラーズはこのようにビルドアップを行っていく。
アントラーズはまずCB間のパス交換でサガン鳥栖のハイプレスを呼び込む。こうすることで2つのミドルパスでハイプレスを回避していく。
まずこのようにボールサイドに人を集めることで、逆サイドのSBへのパスでハイプレスの逃げ道を作り出す。
そしてもう一つ。それがCFエヴェラウドへのミドルパスだ。これが打ち込めるの場合は、サガン鳥栖SHとCHを釣り出すことを行うことで、その背後にスペースを作り出す。そして対角のCBから斜めにミドルパスをエヴェラウドへ打ち込むことでハイプレスを回避していた。
このようにして横浜FC戦から修正を行うことで、サガン鳥栖のハイプレスを回避し続け、彼らのプレスの足を止めることに成功する。
鳥栖のプレスを止めてからの攻撃
ではアントラーズはサガン鳥栖のプレスを止めてからどのように攻撃を仕掛けて行ったのか。これを解説していこう。
まずサガン鳥栖のプレスを止めたことでCBで時間を持つことができ、いつも通り、SBを押し上げ、SHを中に立たせることができる。そして一度SBで幅を作ることで攻撃を仕掛けていく。
そしてここから中に入ったSHが外に流れることでサガン鳥栖SBを外に動かす。こうすることで、ハーフスペースにスペースができる。ここをCFが使うことで、ハーフスペースを攻略する。この時にCH永戸がサポートのポジションをとり、失った時にすぐ回収に迎える立ち位置とバックパスを貰える立ち位置をとる。
ハーフスペースで受けたCFは仕掛けれればそのまま勝負し、それが難しいようだと、サポートに来ているCHへのバックパスを選択。そしてハーフスペースからクロスを供給することで攻撃を完結させていた。
このようにサガン鳥栖のプレスを止めたことで、全体を押し込むことができ、そしてハーフスペースを攻略しつつ、クロスからの攻撃でゴールに迫っていた。
実際に先制点はこの辺りからのクロスから生まれたし、追加点もコーナーキックからではあったが、ハーフスペースからのクロスから生まれたものだった。いかにこの場所からのクロスが重要か、十分に理解できるアントラーズの攻撃だったのではないだろうか。
対応に追われ続けた守備
攻撃を完結させるまでは上手くいっていたアントラーズ。だがサガン鳥栖のゴールキック、またはGKからの組み立てに苦戦し、思った場所でボールを回収できない状況が続いた。ではなぜこのような状況に陥ってしまったのか。
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鳥栖の最初のビルドアップ
まずこの試合でサガン鳥栖が行ったビルドアップの方法。それが上の図のように主にSB内田が3バックの立ち位置をとる。これに対してアントラーズは2トップでCBを捕まえつつ、SHをSBに当てることで人数を揃える。
そうすると、サガン鳥栖のCHのところで数的不利、さらに中央に残るCH三竿の周辺で数的不利に陥ってしまう。
さらにSH和泉はSBとCHが気になるので立ち位置が曖昧になる。またSB永戸もSB森下への距離が遠いのでプレスにいけない状況に陥る。
これでCH三竿の周辺を使われて前進されてしまっていた。
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三竿の周辺の修正
だがアントラーズは先制点を決めてから修正を加える。
このように2トップがCHを消す立ち位置をとることで、前に出てCHを捕まえていた永木を中央に残すことができる。だからCH三竿の周辺を使われていた選手を捕まえることができる。だからCBに持たれるのは許容する。
こうしたことでサガン鳥栖はバックスに3バックにする必要がなくなるので、SBが幅を作るようになる。だからこれに対してSHが中からプレスにかけることができる。
だからサガン鳥栖SBはSHへのパスが空いているように見えるので、そこにパスを出すことが多くなる。
これを狙っていたアントラーズ。SHにパスが出るとSBがプレスを行い、その背後に流れる選手に対してはCHがしっかりとついていく。さらにCFに入った白崎が中央へのパスを埋めることでボールホルダーの選択肢をなくしてボールを回収する。
このようにしてアントラーズは守備の修正を加える。
だがサガン鳥栖もすぐに他の方法でビルドアップを試みる。
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SBで起点を作られる
このようにサガン鳥栖はCH松岡がバックラインに入ることで活路を見出す。
アントラーズはCH松岡が前を向いてボールを持つと、極端に2トップがCH原川を消し、さらにCH永木が彼を捕まえるポジションをとり、中央を徹底的に消しにかかる。
こうなると空いてくるのが2トップの脇のスペースだ。
ここをCBに持ち上がられるので、SHが対応にいくことになる。そうすると、幅を作っているSBがフリーでボールを持てる状況が出来上がる。ここでSBにプレスにいけないのは、バックラインはSHとCFで数的同数になり、さらにSHはCBにプレスを行っているので、SBにプレスを行うにしても背走している状態になる。
だからサガン鳥栖SBで起点を作られることが多くなっていた。
そしてSBに持ち上がれると、SBと中に絞るSHに対して数的不利の状況に陥ってしまう。ここからサガン鳥栖SH(またはCF)にSBの背後を突かれることでサイドを攻略され、クロスからの攻撃を仕掛けられていた。
この方法は前半40分あたりで見受けられ、そして後半になって明確にSBで起点を作られるようになった。
だからアントラーズは後半になり、かなり押し込まれる展開になってしまっていた。だがなんとか持ち堪えることができたのは、個人能力の高さがあったからではないだろうか。
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SB起点の対応
そして最後にアントラーズは5バックにすることでSBへの対応を行う。
このように5バックにしたことでサガン鳥栖SBへのプレスのタスクを明確化する。これができたのは、中央に位置する2トップに対して数的優位を保てるから永戸と小泉はSBに対して迷いなくプレスにいくことができるようになっていた。
さらにSHに入る和泉と松村がサガン鳥栖SHを捕まえれるポジションを取れるようになり、さらにCHがそれぞれ鳥栖のCHを捕まえれるので、一気に守備が安定するようになる。
これでロングカウンターを狙いながら、しっかりと無失点で試合を締めることに成功した。
まとめ
試合を支配しているように見えたアントラーズだが、実際はかなり苦しんでいたのではないだろうか。この苦しむことになる兆しは前半から見えていたし、実際に後半、SBで起点を作られることでかなり苦しんだ。だがそれでも守れたのは個人能力の高さと、そしてその時々にしっかりと修正していく力が選手、監督共にあったからだろう。サガン鳥栖に追いつかれてもおかしくない展開で、セットプレーの流れからとどめを刺すあたり、実に鹿島アントラーズらしい試合の締め括り方だった。
この守備の対応とハーフスペースからのクロスの供給の仕方はかなり面白い試合だった。皆さんもぜひもう一度この試合を見返してみて欲しい。
終わりに
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