FAカップ4回戦
マンチェスター・ユナイテッド vs リバプール
オールド・トラフォード
結果:3−2
【マン・ユナイテッド】
26’ グリーンウッド
48’ ラッシュフォード
78’ B・フェルナンデス
【リバプール】
18’ 58' サラー
伝統の一戦。1週間前のリーグ戦は手堅い試合だった。そして伝統の大会の戦いで再び相見えた両者。リーグ戦と同様に緊迫した空気だったが、試合内容は3−2の開かれた展開になった。この試合に勝利したユナイテッドはリーグ戦とは違った戦い方を選択することで、次のラウンドの切符を手に入れた。
では今回はユナイテッドのこの試合の戦い方について解説していこう。
スターティングメンバー
19節の戦い方
まずはユナイテッドの前節の戦い方と内容について見返してみて欲しい。
ユナイテッドはアウェイということもあり、守備を固めて戦っていた。
今回行われた試合でも、守備を固めてカウンターを狙う戦いを選択したが、どちらかというとよりリスクを取るものとなっていた。だからこそ、ゴールが多く生まれる試合になっていた。
では本題に入っていこう。ユナイテッドはどのようなゲームプランを立てていたのだろうか。
カウンターのための守り方
この試合で見せたユナイテッドの立ち振る舞いは、基本的に守備ブロックを作ることで「カウンターを打つため」の守備を行っていた。
だがらこそまずは『背後を消す』ことを優先していた。そしてブロックを作り出して守備を行う。このブロックはこのようになっていた。
カウンターを発動するために、基本的にユナイテッドの守備の追い込むサイドは左サイドになっていた。この時にLSHに入ったラッシュフォードがハーフスペースへの縦パスを消す立ち位置を取ることで、幅を作り出す選手にパスを出させる選択させる。
さらに、OMFのファンデベークはボールサイドのIHを牽制し、CFカバーニがDMFを牽制するという条件がある。CFカバーニの献身性と気の利く立ち位置により、この方法を採用することができていた。
そしてサイドにボールを出させると、以下のように守備のデザインしていた。
例えば上の図のように、SBアーノルドがボールを持つ(幅を作った選手がボールを持つ)と、必ずSBショーが対応を行う。こうなると、空いてくるのがハーフスペースだ。ここのカバーを行わないと、現代サッカーでは致命的な穴となっている。だから、ユナイテッドはCBがスライドを行ってWGを捕まえる。こうすることで、中央が空いてしまうが、CBとSBがスライド、さらに逆CH(マクトミネイ)がバックライン付近に降りて場所を埋める。ボールサイドのCHは横を塞ぐことで、場所を狭くすることに徹する。
もちろん、CHマクトミネイが2列目の場所を開けてしまうので、そのカバーとしてOMFが縦スライドで中央を埋める。これで以下の場所でボールを奪うように設定していた。
まずベストの奪い所はSBルークショーの場所だ。戸田さんも言及していたが、ユナイテッドのSBの対人が強いからこそ、ここでボールを奪うことができ、設定することができていた。
それでも、SBで奪うことが難しいことがある。この場合は縦に突破させずに、中に誘い込む。ここが2つ目の奪い所だ。ここで奪えたら『ベター』だ。ここでボールを奪えるのは、中央に人を集めているからだ。こと、ポグバの対人の強さが際立っていた。彼の能力の高さを改めて確認できた。
そしてサイド、中央で奪えない場合は、入ってくるクロスを跳ね返すことで守備を行う。これはリーグ戦でも同様で、構えている所にクロスを上げさせるので、簡単にボールを跳ね返すことが可能になっていた。
これがカウンターを打つための守備になっている。
ではここからどこを経由してカウンターを発動させていたのだろうか。
カウンターについて
カウンターを発動させる条件として「ベストな場所」「ベターな場所」でボールを奪えた場合、そしてSBアーノルドを釣り出さていることが条件となる。
このようにカウンターを打つ時はSBアーノルドの背後をSHラッシュフォードが使うことで、起点を作り出す。だからこの試合、SBの背後を使うために、ラッシュフォードは下がって守備を行うことが少なかった。(逆SHグリーンウッドは下がって守備を行っていた)
そしてラッシュフォードがボールを持ち運び、CBウィリアムズを釣り出す。(リバプールの守り方。CBが広大なスペースをカバーする)
ここでラッシュフォードvsウィリアムズの状況を作り出せる。これでラッシュフォードは質的優位に立てるので、時間を稼ぐドリブルまたは仕掛けることで攻撃を仕掛けていく。
この時に、CBファビーニョはボールサイドに視野を取られ、さらにウィリアムズのカバーの懸念があるので、広大な背後のスペースをカバーすることができない。ここに逆SHグリーンウッドが抜け出すことで、カウンターを完結させる。
現にこのような攻撃で、同点ゴール、2点目、他にも際どい攻撃を仕掛けていた。
そして、見事に勝利を収めることに成功した。
困っていたのはチアゴの対応
ではユナイテッドが困っていたことについて触れていこう。
それは失点シーンにあるように、チアゴの対応とそれに促されるその先の展開だ。
ではどのように、なぜチアゴに困っていたのだろうか。
このように、チアゴがバックラインに入ることにより、困っていたのがチアゴを捕まえるタスクのあったファンデベークだ。バックラインまで出てプレスを行うかに迷うため、彼が曖昧な立ち値になってしまうことが多くなっていた。
これで、角度を作られる+空間ができるので、IHにボールを前を向いてボールを持たれてしまうことが少なからずあった。
ライン間で前を向かれると、CHは不利な状況な上、段差を作ってしまうことになるので、プレスに出れない。これで、背後に立つCFフィルミーノに縦パスが入ることが多くなっていた。
そしてここからスルーパスを出されて、失点。2失点とも似たような形からのものだった。
ユナイテッドはチアゴのスペースの作り方と、周りの選手がそのスペースを効率よく使う方法に手を焼いていた印象だ。
帰ってきたユナイテッド
完全復活したユナイテッド。ファーガソンが勇退してから、『逆転』から無縁のチームという印象があった。しかも勝負弱い。だが、どうだろうか。今季は逆転する試合も増え、ビッグマッチにも勝てるようになっている。シーズン当初はどうなることかと思っていたが、シーズンが進むにつれて、自信と勝負強さがついて行った。完全復活まであと少し。リーグタイトルを奪還し、初めて恐れられていたユナイテッドが帰ってくる。長くPremier Leagueを観てきたものとして、どこか懐かしい感じがする。これからも彼らの試合にも注目していきたい。
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