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【これぞモウリーニョの真価】 Premier League 第9節 トッテナム vs マンチェスター・C

【Premier League 第9節】

トッテナム・ホットスパー vs マンチェスター・シティ

【結果】

2−0

【スタジアム】

Tottenham Hotspur Stadium

【得点者】

トッテナム:5’ ソンフンミン 65’ ロチェルソ

【主審】

Mike Dean

 

 

スターティングメンバー

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最優先で中央を消すトッテナムの守備

モウリーニョがデザインしたプランを選手たちは完璧に遂行した。そのプランはモウリーニョのらしさが存分に出た、堅守速攻の戦い方だった。

今季、低調なシティを相手とはいえ、彼ら相手にクリーンシートで終えたことはかなりの自信になるのではないだろうか。ではどのようにトッテナムは守備を行っていたのか。

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まずシティはSBのウォーカーが3バック化し、SBカンセロがDMF化するような形でビルドアップを行っていた。これに対してトッテナムはCFとOMFで3バックに牽制をかけつつ、DMFとSBを必ず消す立ち位置を取る。さらに、その先のIHに対してはSHが中に寄って、背後でコースを消し、CHもIHをすぐに捕まえれる立ち位置を取っていた。このようにすることで、幅を作り出すWGへのパスを出させるように仕向け、SBがそこへ狙って対応に行きやすく設定していた。

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そして狙ってWGにパスを出させると、そこへSBとSHが対応を行う。もちろん、SBが出たスペースを埋めるために、CHが縦スライドで場所を埋め、さらに呼応してOMF(時にCF)がCHが開けたスペースを縦スライドで埋めることで、中への侵入を許さない。これで、赤のエリアでボールを回収することができれば、一気にカウンターに出ることができ、もしくはバックパスを選択させることができ、『ボールを持たせる』ことに成功していた。

このようにして、焦らし、中に入ってくるボールを奪うことでトッテナムはクリーンシートで試合を終えることに成功した。

もちろん、局面で突破されることもあったが、チーム全体がかなりの集中力を保っていたため、それぞれがしっかりと対応することができていた。

 

モウリーニョはこの守備をしっかりと準備し、そして実行させることで、トッテナムの最大の強みでもある、カウンターを発動する準備を行い、そして効率よく、期待感のあるカウンターを仕掛けることで、2ゴールを奪い、見事に勝利を収めて見せた。

ではなぜ、トッテナムはカウンターを仕掛けることが可能になっていたのか。

 

シティの守備の狙い

まず、トッテナムのカウンター発動の条件・組み立てを解説する前に、シティの守備の狙いを紹介していこう。

この試合シティは主に2つの方法でボールを回収することを狙い、守備を行っていた。

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まず1つ目に、中央にボールを誘き寄せ、そこでボールを回収することでショートカウンターを発動する狙いを持った守備だ。

上の図のように、シティはWGが外切りでCBを牽制し、CFが2CHを見れる立ち位置を取る。さらにIHがCHをそれぞれ捕まえることで、CHへ縦パスを奪い切るようにデザインされていた。これが1つ目のシティの守備の狙いだ。

そしてもう1つがこちら。

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これも同様にWGがSBを切りながらCBに牽制をかけることで、GKの出し所を無くすか、ボールを持つCBに探す時間を与えないようにプレスをかける。

この時に中央へのパスを出させることができれば、先述したように、IHとCFでボールを回収する。もちろん、ここを狙われていることを理解しているトッテナムCB。リスクを回避するために、ロングパスを選択することも多くあった。このロングパスを蹴らせることがシティの2つ目の守備の狙いで、CFまたはOMFへのパスをCBとDMFで回収することで、再び攻撃に移行していた。

このようにして、シティは2つの守備でトッテナムにボールを握らせなかった。

 

それでも攻撃できたトッテナム

デザインされたカウンターについてはまた後ほど解説するが、トッテナムはロングボールを蹴らされたとしても、カウンターに移ることができていた。

その理由は、CFケインのボールの収まりの良さにある。彼がCBないしはDMFを背負ってボールをキープできると、決まってカウンターに出ることができていた。だからトッテナムは中央にパスを送ることもあったが、よりリスクの少ないCFへのロングパスを選択することが多いように見えた。さらに、ここでボールが収まればカウンターを発動することができる。まさに、第一政権時代のチェルシーのように、ドログバへのロングパスで一気に前進し、そしてそこから両WGのカウンターと酷似した、CFの個人能力を生かした戦術の1つだ。

だからこそ、手詰まり感がなく、トッテナムは攻撃に出ることができていた。

 

トッテナムがカウンターに出れる場合

ではトッテナムはどのようにしてカウンターに出ていたのか。これを解説していこう。

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結論から述べると、トッテナムはシティDMFの周辺で数的優位を作り、そこで時間を得ることができた時にカウンターを打てるようになっていた。

上の図のように、CB→SBとボールを繋いだ時に、シティはIHがSBに対応に出てくる。これと同時にトッテナムOMFがボールサイドに流れることで、シティIHを中央からどかすことができる。これでSBはOMFへの縦パス、またはCFへのミドルパスを打ち込むことで、青のエリアで前を向いてボールを持つことができる場面を見受けることができた。そして、このエリアで前を向くことで、一気にスピードを上げて攻撃を仕掛ける。多くの場合は広いエリアへボールを動かすことで、攻撃を仕掛けていたので、CFケインが下がることで、半ばCF化したSHが斜めにSBの背後を突くことができていた。

そしてこれでカウンター気味の攻撃を仕掛けて、手数少なく、シティのゴール前まで侵入することができていた。

トッテナムはこのようにCFとOMFでDMFの周辺を使うことで、カウンターの起点を作り出し、効率よく、攻撃に移行していた。

そして今季はこの質が異常なまでに高いので、特にケインとソンで多くのゴールを生み出せているのではないだろうか。

 

シティのカウンターへの修正

ではこのままシティはDMFの周辺を使われ続けていたのかというとそうではなく、少しの修正を加えていた。

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このように、DMFの周辺を使われてしまっていたシティはCHにIHが出るのではなく、OMFとCFを予め消す立ち位置を取るようになっていた。だからこそシティは3トップでCHを消すようになっていた。

これで一時はロングパスを封じることができたが、後にこのような問題が生まれる。

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このように特にケインへのロングパスはIHとのミスマッチで、収められることがある、またはトッテナムに優位な2ndボールを作られることがあった。ここでトッテナム優位の2ndボールを作られていたのは、IHが下がったことで間延びができていたからだ。

これでトッテナムは前進することができ、同様にカウンターに移ることができていた。

だからシティはここを使われてしまい、2点目を奪われてしまった。

そしてこの失点の直後から、この守備を改め、前からプレスを行うようになっていた。

 

まとめ(雑感)

立ち替わり入れ替わり、ポジションを変えながら攻撃を仕掛けるシティに対して、トッテナムはしっかりと守備を行うことで決定機という決定機を作らせず、さらにはらしさ前回のカウンターを発動することでこの試合を制して見せた。

モウリーニョの真価・真骨頂が帰ってきた感じのある試合で、どこか懐かしく、嬉しい感じがした。一方のシティは苦しいシーズンになっていることは間違いない。これからグアルディオラがどのようにチームを立て直していくのか。これも今季の楽しみな1つになっていることは間違いない。皆さんも、是非この試合を見返してみて欲しい。

 

終わりに

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