【入れ替わりとスペース】Premier League 19節 アーセナル vs ニューカッスル

 

Premier League 19節

アーセナル vs ニューカッスル

エミレーツ・・スタジアム

結果:3−0

【得点者】

アーセナル

50’ 77' オーバメヤン

60’ サカ

 

ニューカッスル

なし

 

明らかに復調したアーセナル。今日の勝利でチェルシー戦から数えて公式戦6勝1分の負けなしだ。この復活劇には若い力がある。その中心にいるのがスミスロウだ。スペースを見つける眼とそこを使うフリーラン能力。そしてピタッと止まる1stタッチ。エジル復帰論の声を見事に掻き消した。

もちろん、今節のニューカッスル相手にもその能力を遺憾無く発揮した。既に連携の出来上がっているサカを中心に、ラカゼットやオーバメヤン、ティアニー、ジャカなどとの連携も向上していけば、さらなる脅威となるだろう。

ででは今回は待望のエースの2ゴールで勝利を収めたアーセナルのレビューを行っていこう。

最後まで目を通して頂けると幸いだ。

 

 

スターティングメンバー

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ニューカッスルの守備の狙い

まずはこの試合のニューカッスルの守備から触れていこう。

ニューカッスルのこの試合の守備は『外回りさせる』ことから入り、そして外で奪うこと、外から入ってくるパスを奪うことを狙っていた。

ではこれらを実行するために、ニューカッスルはどのように守備を行っていたのだろうか。

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この図のような配置でまずは守備に入ったニューカッスル。2トップはCBにはプレッシャーを与えず、基本的にCHを背後で消す立ち位置を取る。(ロングパスを蹴る瞬間には少し寄せる)

またニューカッスルはシェルヴィとロングスタッフの運動量とカバー能力を生かして、CHのカバーとOMFのケアを行える立ち位置を、細かいポジション修正を行いながら取っていた。

これらを実行に移したことで、外へのパスを選択させる。

もちろん、外でも各々のタスクがある。まずSH。SHはSBへのプレスのタスクがある。さらにその背後のSB。SBにはWGをマークするタスクがあった。これらのタスクを中心に、ボールの移動中にマーカーにプレッシャーを与えて行く。

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このように、サイドにボールが出た時点でSHとSBで場所を狭くして行く。ここ(赤のエリア)でボールを回収できれば、ニューカッスルからするとベストだ。だが、そう簡単にはいかないので、その次のプレーでも奪えるように設定。それがCHのスライドによる縦パスの封鎖だ。中に入ってくるパスを狙って奪うことで、ニューカッスルはボールを回収していた。そしてボールを奪えなくても、バックパスを選択させて攻撃を遅らせればOKという守備を行うことで、アーセナルの攻撃を食い止めようと試みていた。

 

前半はなんとか耐えたが、後半に崩壊してしまい、3ゴールの大敗を喫することになった。

 

カウンターに出れないニューカッスル

後に解説するが、アーセナルの入れ替わりにより、スペースを簡単に使われてしまうニューカッスル。これが崩壊の一途を辿る大きな要因となった。

そしてそれに追い討ちをかけるように、攻撃面でもうまく行くことはなかった。それがカウンターに全くもって出られなかったこと。その中での一縷の希望はアルミロンの単独ドリブル突破のみとなっていた。

ではなぜ、ニューカッスルはカウンターに出ることができなかったのか。

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このように押し込まれた場合のニューカッスルは、かなり低い守備ブロックになっていた。この時に右SHのアルミロンはSBティアニーを消しにかかるために、場合によってはバックラインに吸収されることもあった。これで、低いブロックでボールを奪ってカウンターに出たいのだが、低いブロックになっているため、ゴールまでの物理的な距離が遠いので、上手くそれが発動できない。さらに、『2トップが張りっぱなし』ということも起因している。ブロックが低い分、ロングパスを2トップまで届けられないことが多く、さらには収まりの良い2トップに収まったとしても、サポートの距離が遠いので、ボールを回収される可能性が非常に高い状態になっていた。

だからニューカッスルはアルミロンの単独突破によるカウンターが唯一の希望となっていた。

これでカウンターに出られないニューカッスルはメンタル的にも苦しくなり、後半に崩壊を喫した。

 

入れ替わりとスペースの関係

ではこの試合で圧勝を収めたアーセナルはどのように攻撃を仕掛け、ニューカッスルを押し込んで行ったのだろうか。

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外回りにさせられた時のアーセナルの立ち振る舞いは、OMFスミスロウとSHサカの入れ替わりによって解決していく。

上の図のように、SHに対してSBがマークしているので、一度サカが下がることでSBを釣り出してその背後にスペースを作り出す。そのスペースに流れるのが、OMFのスミスロウだ。スミスロウが流れると、入れ替わりでサカがハーフスペースに入り込む。

この入れ替わりを行うことで、OMFをマークしているCHシェルヴィがサイドまでついて行くか迷う。さらにSBも中までついて行くかの判断に迷うことになる。

だからアーセナルは簡単に縦パスを打ち込むことが可能になり、前進することができていた。

さらに、以下のような方法もある。

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このように、CHジャカが左に降りることで、3バックのような立ち位置を取る。これを行い、2トップのプレスを呼び込むことで、中央に空間を作り出す。

これを行うことにより、CHロングスタッフがジャカまで出るかに迷うこと、OMFスミスロウがCHシェルヴィをピン止めしていることで、中央のCHトーマスがボールを受けることができるようになっていた。

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そしてトーマスが空間でボールを受けれると、ここでもまたスミスロウとサカの入れ替わりにより、ニューカッスルを混乱させて行く。ここで主に動かすのが、CHとCBとSBだ。

これらの方法でアーセナルはニューカッスルを押し込むことで、被カウンターのリスクヘッジをして行った。

 

スペースの創出と管理ができるスミスロウ

アーセナルはスペースの創出とその管理の質が格段に上がったので、復調したのではないだろうか。その中心にいるのが、スミスロウだ。若いこの選手が、サイド流れ、バックライン付近に降り、フリーランでひっぱり、中央に残ったりすることで、スペースを創出して行く。この動きが今まではなかった。だからこそ、それを単独で行えるエジル復帰の声が上がっていたのではないだろうか。そしてそれを一掃したスミスロウ。まさに救世主。彼がこれからどこまで上り詰めて行くのか。とても楽しみだ。

 

 

 

 

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