Football Base 〜サッカー戦術分析〜

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【取り戻しつつある美しさ】Premier League17節 WBA vs アーセナル

 

Premier League17節

WBA vs アーセナル

ザ・ホーソンズ

結果:0−4

【WBA】

なし

【アーセナル】

23’ ティアニー

28’ サカ

60’ 64' ラカゼット

 

3連勝。暗く、深い迷宮をやっと抜け出した。迷宮の出口を見つけるきっかけとなったのは、やはりビッグロンドンダービーでの『勝利』だ。この『劇薬』は彼らに再び自信を与え、チームを蘇らせた。そしてそこには、迷宮を彷徨い歩いた、かつてのアーセナルの姿はなかった。この試合でも勝利に飢え、それに依存するようなパフォーマンスを披露し、4発快勝。では今回はこの試合のレビューを行っていこう。

最後までお付き合い頂けると幸いだ。

 

スターティングメンバー

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ブロック優先のWBAの守備

この試合、WBAはブロックを作ることでカウンターに一縷の望みをかけた。だからこそ、ブロックを形成することを最優先としていた。

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まず、ブロックを作る高さと形。形は4-4-2になり、高さはCFがハーフウェイライン付近まで吸収する。これを完成させるために、CFがCBに対して牽制をかけつつ、素早く前にボールを運ばせない、付けさせないように時間をかけさせる。さらに、この時にSHとSBに対してはそれぞれマンマークを行い、中盤では必ず人数を揃えるように仕組まれていた。こうすることで、ラカゼットに対して数的優位を保ちながらブロックを作ることができる。

これで、WBAは中央に入るボールを奪うこと、またはミスを誘うことでカウンターに一縷の望みを残した。

だが、これはアーセナルの攻撃に粉砕されてしまう。だからこそ、後半からオースティンを投入して、前からプレスをかけるようになる。このような展開になってしまったので、背後にスペースを残すことになって、カウンター気味の攻撃を仕掛けられて、4失点してまった。

仮に前半を無失点で折り返すことができていれば、大きく試合の形相は変わっていたはずだ。

 

取り戻しつつある美しさ

アーセナル。ロマン派のベンゲルが長く率いたこともあり、その美しさに惚れ込んだサポーターも多いのではないだろうか。

この試合では、その美しさを取り戻しつつあるように見えた。ブロックを作るWBAに対してしっかりと崩し切ることでゴールを奪っている。ではどのようにアーセナルは攻撃を仕掛けていたのだろうか。

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アーセナルが攻撃を仕掛けることができる1つ目のパターンは、「SHとCHを釣り出した」時だ。上の図のように、ある程度CBでボールを持てるアーセナル。この2枚で2トプを前に釣り出した状態で、CHにパスを送り込む。こうなると、コンパクトに保ちたいWBAはCHが前に出て牽制を行う。これと同時にSBに対してSHが前に出る。このCHとSBのパス交換でWBAのCHとSHを釣り出すことで、背後にスペースを作り出す。

そしてこのパス交換の間にCFラカゼットが縦パスを受けれるポジションをとることで、CBの視界に視界に入ってピン止め。さらにSHサカはプルアウェイの動きで背後を取り、クロス、またはカットインから攻撃を完結させていた。

これがまず1つ目の「SHとCHを釣り出した」時にできる攻撃方法。

 

もちろん、ブロックを作ることを最優先にしているWBA。だからこそ、彼らを釣り出すことができないことがほとんどだ。その場合は以下のように攻撃を仕掛けていた。

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このように、CH、SB、OMF、SHで四角形を作り出す。さらに、この4人に+1の形でCFラカゼットが加わる。この方法がまさにアーセナルらしい。だからこそ、2点目のサカのゴールのように、狭いスペースを1タッチで崩すことができる。

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そして足を止めずに、スペースに入る動きと出る動きを繰り返すことでペナ角をとることができ、クロスから攻撃を完結させることができていた。この1タッチのパス交換と人とボールの動きが、美しいアーセナルを彷彿とさせるものだった。この即興性と創造性に裏付けされたポジショニング。4-2-3-1に変更し、勝利し、自信を取り戻したからこそ、見られた攻撃だろう。

さらに、ブロックに踏み込めない時の対処方法も持ち合わせていた。

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このように、ブロックに踏み込まれたくないWBAはCHとSHがスライドすることで中央に人を集める。こうなると空いてくるのが逆サイドで幅を作り出すSBだ。ここへサイドチェンジのボールを送ることで、一気に展開を変える。そしてこのパスを高精度で出せるCHがアーセナルには存在する。

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これでSBがフリーになると、WBAのマークの受け渡しを強制することができる。本来SBに対してはSH、SHに対してはSBがマンマークを行うのだが、スライドをして中に絞っているSHはSBに対応にいくことが難しくなる。だから、WBAはSBに対してSBが、SHに対してSHが対応するよう、マークの受け渡しを行う。これで、SHが下がってサポートすることで、ペナ角のスペースを大きく開けることができる。さらに、このスペースのカバーをさせないように、CFがCBをピン止め、またCHはスライドしているので、カバーが間に合わない。これでSBが1vs1を制することで、カットインもしくはクロスから攻撃を完結させる。

これらのように、スペースに人が入ることボールが動くようになったので、アーセナルは生き返った。この試合も、美しく、面白い試合を演じていた。

 

こだわるクロス攻撃

アルテタ監督が攻撃の中心に添えているのが『クロス攻撃』だ。中央を崩すことが可能になったが、それでもこだわるのはクロス攻撃だ。クロスの絶対数に対して、その質が伴っていないことは話題になったが、ここだけは一定して変わらない。しかし、これはネガティブなことではなく、クロスのターゲットマンが増やしたことで、その質を補完した。かつてはオーバメヤンをフィニッシャーに添えることに固執したが、現在はオーバメヤンとラカゼットの2枚をフィニッシャーに設定した。だからこそ、ラカゼットは組み立て時の左右の動きが少なくなり、上下の動きが多くなった。これで遅れて入ることで、クロスに合わせることが可能に。この試合でも、この動きが生きて2ゴールを奪っている。

アルテタ監督がこだわるクロス攻撃を生かしているのは、確実に中央を突破できるようになったことだろう。そしてその中心にいるのは、若いスミスロウだ。彼がアーセナルの攻撃にクリエイティビティをもたらし、円滑油となり得た。この試合での勝利で3連勝。屈辱の昨年。果たしてそれを今年どれだけ果たすことができるのか。これからのアーセナルの試合にも注目だ。

 

 

 

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