FAカップから2日。アルテタは考えたに違いない。
よし、アプローチを変えようと。よし、逃げよう。と。
この方法が功を奏し逆転勝利をもぎ取った。
では今回はFAカップとどこが違うアプローチだったのか。これを解説していこう。
スターティングメンバー
「きっかけ」となったFAカップについて
まずはFAカップのレビューもご覧になってもらいたい。
簡単にまとめると、アーセナルはサウサンプトンのプレッシングに苦しめられて、圧縮され、思うように前進することができなかった。これで、ショートカウンターを喰らってしまっていた。
この試合を受け、アルテタはしっかりとアプローチを変えていく。
変えた守備のスタンス
アーセナルはFAカップでは、あまり前からプレッシングを行わずにミドルプレスをかけていた。これにより、サウサンプトンはSBが簡単に高い位置をとることが可能になっており、さらに、CFとSHが中央3レーンで比較的自由に動き回ることができていた。
これを押させるために、この試合でアーセナルが取ったスタンス。それは前からをプレッシングを行うことだ。
これが見事に嵌り、似たような形でチャンスを作り出し続ける。ではどのように設定されていたのだろうか。
まずこちらがハイプレス時の基本的な立ち位置となる。FAカップと違い、CBにもしっかりとプレッシャーを与えて行く。この時の決まりとして、CFとボールと逆サイドのSHがCBを捕まえる約束事があった。
また他のポジションのタスクはOMFがCH、トーマスが前に出てCHを捕まえ、ボールと同サイドのSHがSBを消す。
これで、CBに「中に入ったSHへの縦パス」を見せておく。アルテタはここを奪い所に設定した。
そしてSHへの縦パスを狙っているので、奪える確率が高くなる。ここでボールを奪えると、一本のパスで急所をつけるパスを供給することが可能になる。
この理由は明白で、CFが中から開くCBにプレスを行うからだ。だからボールを奪った瞬間に、CFはCBよりも内側にポジションをとることができ、背中でCBをブロックしながらボールを受けることが可能になる。
この方法でラカゼットやペペが抜け出しで、ゴールを脅かした。
さらに、サウサンプトンがCBの間にCHが降りる対応を行っても、しっかりと対応して行く。
このように、サウサンプトンはCHディアロが下がることが多かった。ここには確実にOMFスミスロウがついて行くことで、対応を行う。これを行うことで、奪い所が変わらず、混乱することがなかった。
このようにして、アーセナルは早めにボールを奪うことを狙うことでサウサンプトンを敵陣に閉じ込めた。これで、サウサンプトンの良さを出させる前に消し、さらに、ショートカウンターを打ち込むことでチャンスを創出し続けた。
プレス回避の答え
FAカップで苦しんだプレッシング。これにより、満足に攻撃を組み立てられなかったことは記憶している人は多いのではないだろうか。僕もその1人だ。だからこそ、この試合、どのようにこのプレスを剥がして行くのかに注目した。
『アルテタがその準備を怠る訳が無い』という信頼を下に。
そしてきちんとその答えを提出してくれたアルテタ。さすがだ。
ではアーセナルはどのようにプレスを回避していたのだろうか。
まず明確に変わったのがバックラインでの横パスが増えていたこと。そしてそれに伴い、CHが中央に残ることが多くなっていたことだ。
これを行えたのは、サウサンプトンが思ったほど前からプレスを行わなかったことも、少なからず関係している。だが、アルテタはバックラインでの横パスを増やすことを授けていた。
これを行うことで主に2つの方法で圧縮される前に、攻撃を仕掛けて行く。
まず1つ目がバックラインでSHとCFのプレスを呼び出すことで、中盤で数的優位を作り出す。これで、SBがワンタッチでCHへパスを送り、ここから一気にSBの背後へパスを送ることで、SHを走らせて早い攻撃を完結させる。
ここで肝となるのが中央へのパスだ。ここで数的優位を作れるので、これが打ち込める訳だが、なぜこの試合では行えたのか。
それは横パスを多く入れることで、圧縮されることを予め防いだこと、そしてCHの走る距離を少しでも長くしたことが関係している。さらに、ボールサイドCHの近くにOMFスミスロウが立つことで、CHを捕まえに行くのか迷わせることに成功していたからだ。
仮にCHへプレスに行くならOMFへ、トーマスとスミスロウを捕まえるのならば、逆CHジャカへ逃げることで、圧縮される前にボールを逃すことがきていた。
そしてもう1つがこちら。
このように1つ目のボールの動かし方により、サウサンプトンの2トップのプレスを止めれた場合。この状況に持ち込むことができれば、SBが高い位置を取れることが簡単になる。これで、SHが中に入ることで、ここでもSBが基本ワンタッチでSHへパスを送る。ここでも圧縮される前に、なるべく早くフリックを行う。ここでCFラカゼットが反応することで攻撃を仕掛けていた。
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場合によって使うロングパス
もちろん、この方法がうまくいかない場合もある。それは中のパスコースが潰された時、中の準備ができていない時だ。この場合はうまくロングパスを織り込むことで、プレスを回避。この時に狙うのが、確実にSBの背後だ。ここを狙うことで中盤に2ndボールを作り出す。サウサンプトンはプレスの関係で前にベクトルが向いているので、180度矢印を変えて、2ndボールを拾わなければならない選手が多くなる。この時間の差でアーセナルは優位に立って2ndボールを回収する。その回収したボールも、圧縮される前に、広い方へ展開する。実際にこの方法で3点目を奪っている。
再試にパスしたアルテタ
さすがはペップの下で育った監督。プレスの回避方法とその準備を怠ることなく、難敵とも捉えられるサウサンプトンにリベンジを果たした。明らかにFAカップの時と違うアプローチだった。この試合で横パスを織り交ぜる重要性と、ワンタッチのパスの効果。これを改めて再確認できた。
この方法を確認するため、皆さんももう一度見直してみてはどうだろうか。僕はもう一度見直してみうようと思う。
Premier League 20節
サウサンプトン vs アーセナル
セント・メリーズ・スタジアム
結果:1−3
【サウサンプトン】
3’ アームストロング
【アーセナル】
8’ ペペ
39’ サカ
73’ ラカゼット
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