- J1 1節 サンフレッチェ広島 vs 鹿島アントラーズ
- スタジアム:エディオンスタジアム
- 過去5試合対戦成績:広島⇨1勝 鹿島⇨2勝 2分
- 試合結果結果:3-0
- 得点者
鹿島:なし
前置き
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では早速この試合のレビューを行っていきましょう!
最後までお付き合い宜しくお願いします!
はじめに
まずは開幕戦が行われてから随分と時間がたってしまった事をお詫びしたい。そして早期のコロナウイルスの沈静化を心から願い、再びサッカーを楽しめる世界に戻る事を待ち遠しく思っている。
まだ開幕戦しか行われていないJリーグ。その中でも注目すべき試合の1つ、サンフレッチェ広島vs鹿島アントラーズ。昨シーズン、上手く世代交代を進めながら、上位フィニッシュをする事ができたサンフレッチェ。昨シーズンも上々の出来だったのではないだろうか。
そして満を持して迎えた開幕戦。常勝軍団、鹿島アントラーズを一切寄せ付けずにホームで3-0と完勝。これ以上ない、良いスタートを切れた。
一方の鹿島アントラーズ。昨季は優勝目前で失速し、自らタイトルを手放してしまった。それもあってか、監督交代に踏み切り、新たな船長と共に、大海原へと航海に出た。
だが早々に嵐に見舞われる苦しい状況に陥ってしまう。ゴールが奪えず、ハイプレスも剥がされての失点も目立つ。攻撃に関しては新加入が多くおり、その連携の構築がまだ完成していない。このような状況で強敵サンフレッチェに挑んだが、結果は完敗。だが理想とするサッカーが見えているのが、唯一の希望だろう。
この試合の内容はお互いにハイプレスの掛け合いと剥がし合いでとても白熱したものになった。では今回はお互いがどのようにプレスをかけ、そしてどのようにプレスを剥がしていたのか。これを中心にこの試合について紐解いていこう。
スターティングメンバー
鹿島が優位に立てた場所と理由
アントラーズが優位に立てた場所を解説する前に、まずこの試合で触れたいのが、鹿島アントラーズのビルドアップの方法。監督が変わり、大きく変わった事の内の1つだろう。ではアントラーズはどのようにビルドアップを行っていたのか。
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アントラーズのビルドアップ
アントラーズはこのようにCH(主にレオシルバ)がバックラインに入ることで3バック化。このようにする事で、サンフレのプレスを呼び込むことを目的としていた。さらにはCHが降りたことで、SBを高い位置まで押し上げ、そしてSHを中にポジショニングさせる。
これがアントラーズのビルドアップの基本的な配置。
ではこの時のサンフレッチェのプレスの掛け方はどのようなものだったのか。
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サンフレッチェのハイプレス
アントラーズのこのようなビルドアップに対して、サンフレはどのようにプレッシングを行っていたのか。
このようにCFが降りるCHを、STが開くCBを、中央に残ったCHは主にCHの川辺が捕まえ、中央のスペースを埋めるためにCHがスライドを行う。またSBが引いて受ける動きをすると、WBがそこに出ていく。そして逆のWBはバックラインに入る事で後ろの人数を揃える。特に前半のゴールを奪うまでは、このようにして前から嵌めにかかり、ショートカウンターでゴールを奪う事を狙い、ゲームプランとして持っていた。
だがこのプレスがアントラーズの前進を助ける事となる。
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鹿島が優位に立てた場所
ここまで頭に入れてもらった時点で鹿島が優位に立てた場所について触れる事ができる。ではどこでどのようにして優位に立つ事ができたのか。
このようにバックラインでプレスを呼び込み、CHを1枚誘き出す。そうする事で中央に位置するCHの青山の脇のスペースに広大なスペースが生まれる。さらには高い位置を取っているSBが下がる事で、WBも引き出し、その背後にスペースを作り出す。こうする事でアントラーズはCHの脇のスペースを効果的に使っていく。
ではどのようにここを使ったのか。それがCFの土居が降りる方法。これで白のエリアで数的優位を作り出す事ができる。2トップが縦関係になっている事で、CBの荒木をCFのエヴェラウドがピン止めできるので、このような方法が可能になっていた。前半はじめのビッグチャンスもこのような形で生まれている。
これが大まかな一連の流れだ。
この方法と後に紹介するハイプレスで流れを掴んでいたアントラーズだが、20'のスローインのミスからの失点、そしてサンフレの対応により、じわじわと流れをサンフレに持っていかれる事となる。
広島の守備の修正
ではどのようにしてサンフレは剥がされてしまうハイプレスに再び蓋をしたのか。
まず問題はCHの脇のスペース、上の図でいくと赤のエリア。 ここに蓋をしなければ、いつまで経ってもハイプレスが完成せず、守備に穴が空いている状態になってしまう。
だからサンフレはこのように守備を修正した。
修正点は3つ。まず1つ目がCFのペレイラの位置。初めは降りるCHを捕まえに行く事が多かったのだが、プレスを剥がされるので、中央のCH三竿へのパスコースを消す立ち位置を取るようになる。こうする事で、CHの川辺が前に出ずに中央に残る事ができる。
このCHが中央に残る事が2つ目の修正点だ。ここにポジションを取る事で、CHの脇のスペースを消し、降りるCFの土居に対してマークを行うことができる。さらにCH青山もCHの三竿にプレスが必要ならば出れるようになる。これが2つ目の修正点だ。
そして3つ目。これが絞るSHに対してCBがマンマークを行う事。
サンフレは後半から明らかに「SHへの縦パス」を奪い所に設定していた。だからこそ、ここを潰すため、CBがマンマークを行い、ボールを奪った。
これらの修正の準備は先制点を奪った時点から始まっており、ハーフタイムでより具体的な指示があり、そして後半から明らかに「SHへの縦パス」を奪い所とした修正が見えた。
だからこそこの試合で何度もカウンターを打てる事ができたし、ボールを持たれてもストレスを感じず守備を行う事が出来ていたのではないだろうか。
広島が優位に立てた場所と理由
では次はサンフレがどこでどのようにして優位に立つ事ができていたのかを紹介していこう。
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鹿島のハイプレス
まずはアントラーズのハイプレスについて紹介していこう。これが監督交代で変わったもう1つの現象ではないだろうか。(ハイプレスの掛け方が変わったのか、対サンフレ用だったのか、まだこの試合しか観れていないのではっきりしてない)
このようにハイプレスをかける時(試合を通して終始ハイプレス)は3-3-1-3のような形になる。CFとSHで3バックを牽制、少し低い位置でCFの土居がCHのマークを行う。さらにそのカバーとしてCHの三竿がCHの川辺、青山を見つつ、視野にSTを入れておく。
そしてもう1人のCH、レオシウバが三竿のカバーポジションをとり、STのケアを行う。
SBはWBのマークを行い、CBはCFのマークを行う。これがこの試合のアントラーズのハイプレスをかける準備だ。
そしてこのようにしてボールを追い込んでいく。
このようにCBにパスが出るとボールサイドのSHがプレス。ここで気持ちWBを消しながらプレスをかける。また逆のSHは絞る事でCHへの牽制を行い、ボールサイドのSBはWBでボールを奪う準備を行う。ここが1つ目の奪い所。
2つ目がCHからの次のパス。この図だと青山からのパスだ。ここでCH三竿のポジショニングが重要になる。CFの土居がプレスをかけているのでCH青山のパスコースはCH川辺かSTの森島に限られる。ここで身体の向きとCF土居のプレスの掛け方を見て、CHの三竿はどっちにパスが出るかを予測してパスカットを狙う。
ここで特にやられたくないのが、CH川辺の所。もしもここで潰し切れなければ広い方に一気に展開され、カウンターを受けてしまう。だからこそ、ボールと逆サイドのSHが絞る事でCHへのプレスをかけれる準備を行っている。
このハイプレスで序盤で流れを引き寄せ、サンフレを押し込み、ミスを誘う、ショートカウンターを打ち、チャンスを作っていた。
だが、サンフレのプレスの回避方法が嵌り、アントラーズは敗戦を喫する。
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広島が優位に立てた場所
アントラーズのハイプレスに苦しんだ序盤。サンフレはどこに活路を見出し、そして優位に立ったのか。これが顕著に出たシーンが2ゴール目、ペレイラのゴールシーンだ。
ここでも空いてくるのがCHの脇のスペース。ここを効率良く使う事でサンフレは勝利を手にした。ではサンフレはどのようにここのスペースを使ったのか。
まず先程も解説したように、アントラーズのプレスに苦しんだサンフレ。だが、ここで唯一プレスがかからない場所がある。それがGKだ。だからボールを受けたCBはWBでもなく、CHでもなく、GKへのバックパスを選択。
GKへのバックパスを選択する事で、アントラーズ全体を数m押し上げる事ができる。
そして次のシーンで白のスペースを使う。
このようにGKからのロングパスでCHの脇を使う。このゴールシーンは森島のスーパートラップもあったが、それ以上に整理された良い攻撃だった。このようにして一気にカウンターに出る事で優位に立ち、チャンスを作り続けてゴールを奪った。
これが大まかな一連の流れだ。
プレスを呼び込み、スペースを作り、ロングボールで打開。整理し、能動的に使う「ロングパス」がこんなにも脅威になる事を顕著に表している、良いシーンだった。
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鹿島の課題は…
アントラーズはこのサンフレのプレスに剥がし方に対しての対応が見られず、試合を通して終始ハイプレスをかけ続けた。ここの修正力が現在のアントラーズの課題なのではないだろうか。
もっと詳細にいうと、ハイプレスを仕掛けた時のCHの脇のスペースのケア。そしてハイプレスをかけない時の守備戦術。この2つの欠如により、この試合で敗戦する事となった。
付け加えると、もしかしたらこのハイプレスは「対サンフレ用」のものだったので、違うチームと対戦する場合は変わってくるかもしれないが、もう少し、修正の動きがあっても良いと感じる試合内容だった。
まとめ
この試合の大きなトピックスとして「ハイプレスの掛け合い」と「CHの脇のスペースの使い方」だろう。お互いに前からし仕掛ける、とても動きのある試合で見応えがあった。そんな中、勝負を分けたのは、試合中、そしてハーフタイムでの修正だろう。もちろん、アントラーズの最初の決定機でゴールが決まっていれば試合の内容は違ったものになったかもしれないが、それでもこの試合でアントラーズが勝てたかどうか怪しいものだったのではないだろうか。それぐらい、この試合のサンフレの修正力と対応力は目を見張るものがあった。
いつリーグが再開するかはわからないが、この中断期間を利用して、よりチームを成熟できる。これだけ開幕戦で良い戦いをした両チーム。再開した時、どのようなチームに仕上がっているのか、とても楽しみだ。
終わりに
最後までお付き合い頂きありがとうございます!
ではこの場を借りまして、5つの事について紹介させて下さい。簡潔にまとめているので、この4つの事も覗いて頂けると幸いです!
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最後までご朗読ありがとうございます!
改めまして最後までお付き合い頂き、ありがとうございます!また次回の記事でお会い出来る事を楽しみにしています!
これからも『Football Base』を宜しくお願いします!