【マッチレポート】J1 30節 横浜Fマリノス×京都サンガF.C.

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J 1 30節。共に連勝を目論むマリノス×サンガの一戦はサンガが競り勝ち3連勝を飾った。

 


早々に退場者が出て数的不利となったマリノスだったが、前半はお互いに攻め続けるオープンな展開に。しかしやはり数的優位に立ったサンガが先制点を奪った。川崎の見事なターンからのスルーパスは日本を背負っていくそれだった。432で守備ブロックを作り出していた中盤の脇を使いながら、見事中央を攻略してみせた。トゥーリオのDFラインをなぞるような抜け出しも、そこからGKポープを外すパスも、当たり前のようにそこに走り込んでいるエリアスも見事。まさにホットライン。これでエリアスは7戦7発、トゥーリオは7アシストと攻撃陣が爆中だ。

 


しかし先制点を奪われて10人になったマリノスは諦めない。諦めるわけがない。10人とは言えど攻撃力は健在で、ロペスとマテウスを中央でプレーさせながら、長いボールから背後に落として強引にコンビネーションプレーを多く作り出す。さらにサンガWGの外切りプレスを促しながら、SBを呼吸のポイントとして攻撃を構築していく。また432の中盤のブロックに入ることの多かったエウベルがドリブルで個人陣地挽回を強引に行いながらゴールへの道筋を切り開いていた。

 


その対応に苦戦したのがサンガ。下がるマテウスやエウベルに佐藤や福田を押し出すので、宮本や鈴木がスペースで晒されてしまった。

 


かなりの回数、背後へのパスを送り込まれて背走させられたサンガ。その結果、前半38分にCKから同点に追いつかれてしまった。

 


お互いに攻め続けた前半は1-1で折り返す。

 


しかし後半から優位に立ったのはサンガ。

 


彼らは丁寧に攻める事を選択し始めて、11vs10の数的優位性を存分に使い始める。

 


対するマリノスは432のブロックから441のブロックに変更。この意図として前半から行っていたエウベルとマテウスの強引なドリブルでの個人陣地挽回に託したと思われる。

 


しかしこれがサンガの攻撃を助長した。サンガはロペスの周辺のスペースをCBやDMFが安全に使っていくことができるように。これによってSBを押し出すことができるので、サイド攻撃がスムーズになっていく。さらに内側に絞るWGや列を上げるIHがチャンネルを取りに行くとマリノスCHがカバーに下がるので、どんどん押し込むことができる。

 


またハイプレスも修正を加えた。トゥーリオをエドゥアルドに覗くようにし、原は松原を意識。エリアスは自分の背後に立つCHを意識していく。福田と宮本のサイドは多くのスペースが残ることになるが、ここは彼らのカバーエリアの広さとスプリント能力を信じた。これによりCH↔︎IHの迎撃と孤立させたロペスへのロングボールを回収し続けた。

 


それでもマリノスはマリノス。下からの前進でリスクを取りながら攻撃を仕掛けていく。しかし攻撃に出た時に完結させなかったらカウンターに苦しむのは当然。

 


その結果が原のスーパーゴールを生み出した。手前のデコイを入れながら背後に抜け出すこのプレーは急所を突ける。そして一発で回答を出せる原の強さと上手さが詰まったらしいゴールだった。これで原も8ゴール目。

 


サンガのアタッカー陣が絶賛爆発中だ。

 


後半はプレスの修正と攻撃のテンポを若干遅らせながら、やるべき事をサボらず行い続けたサンガが多くのチャンスを作り出した。しかしそれでもポープのビッグセーブで凌ぎ続けて「蜂の一刺し」を狙ったマリノス。

 


徐々に10人となったツケが回ってきたマリノスは攻撃力が低下していったのは否めない。ポープじゃなければもっとゴールが入ってもおかしくなかったと思う。

 


終盤にエリアスや鈴木のビッグチャンスもあったが、試合を終わらせる事が出来なかったサンガ。それでもしっかり勝ち切り見事に3連勝。

 


少しの自重と組織と共に、フルスロットルで強いサンガが帰ってきた。

 


シーズンも佳境に差し掛かった。京都サンガF.C.は確実に注目すべきチームの1つだ。

 


Nobuya Akazawa|J1全部見るマン|

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