- 前置き
- スターティングメンバーとスタッツ
- シティを押し込むハイプレス
- シティのハイプレスの剥がし方
- マンUがブロックを作る時
- ロングカウンターで狙う場所は?
- WBを避けるWGとマフレズ投入の効果
- まとめ
- 終わりに
PL 29節 マンU vs マンC
マンチェスター・ダービー
スタジアム:オールドトラフォード
過去5試合対戦成績:マンU⇨2勝 マンC⇨3勝
試合結果結果:2-0
得点者
マンU:30‘ マルシャル 90+6’ マクトミネイ
マンC:なし
前置き
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前置きはこのぐらいにして、では早速、この試合について解説をしていきましょう!最後までお付き合い、宜しくお願いします!
スターティングメンバーとスタッツ
・スターティングメンバー
・チーム別スタッツ
(Goal.com参照)
シティを押し込むハイプレス
まず触れるべきはマンUのハイプレス。このハイプレスは前回対戦。ここでもこのハイプレスを使用し、そして勝利を手にした。もちろん赤い悪魔はホームスタジアムでもこのハイプレスを採用。これこそがマンUが勝てた大きな要因。ではどのようにハイプレスをかけていたのか。
まずはプレスをかける準備を紹介していこう。CBに対してはCFが、DMFに対してはOMFがマークを行う。さらにIHに対してはCHが牽制。形的には5-2-1-2のような形。こうする事で中央を経由させないようにする事に成功。
このように準備し、そして肝となるのがWBのポジショニング。WBはシティSBを開けるポジションを取りながら、GKエデルソンからWGスターリングへのロングパスを牽制する。こうする事でGKエデルソンにCBかSBにパスを出させる。
そしてこのようにしてボールを奪う、または蹴らせる事で回収を行う。WBがSBまででてプレスをかける事でマンCを押し込み、満足にビルドアップをさせない事を狙った。
この試合のWBの出て行くタイミングとそれを支える走力。これには脱帽。前回対戦の時よりもWBの出て行く質は上がっていたのではないだろうか。
このようにしてハイプレスを完成させる事でボールを奪い、ショートカウンターを仕掛けてマンCを苦しめ、勝利を手にした。
補足:B・フェルナンデスのプレス
ここで触れておきたいのは、B・フェルナンデスのプレスの掛け方。『DMFを捕まえる』事がタスクと先述した。だが皆さんもご存知の通り、マンCのGKエデルソンは脅威の高精度ミドルパス、ロングパスをスキルに持っている。だからこそ、B・フェルナンデスはGKにプレス行う場面も見受ける事ができた。憶測の域だが、これは「個人戦術」だろう。
このようにDMFのロドリを背後で消しながらGKにプレスをかける。ここでのプレスの駆け引きを行なっていた。
シティのハイプレスの剥がし方
黙っていられないのは昨季王者のマンC。シティはこのプレスに対しての対応として、左SBにジンチェンコを起用。彼をSBで起用した事により、このようなハイプレスの回避の仕方ができるようになる。
まず1つ目がこのような方法。CBが開く事でSBを中央に押し出す。これは元々『中の選手』であるジンチェンコだから、ここまであからさまに中央に入り、DMFロールを行う事ができる。また逆のSBは若干、絞る事で3バックの位置をとる。そしてSBが中に入ったので、IHが外に流れて幅を作る。こうしてバランスをとる事により、ボールを引き出す。
このように三角形を作り出す事でバランスが取れているのがわかる。そして青のエリアで数的優位を作る事ができる。このように動く事で、WBとCHを釣り出すことを狙いとして持っていた。
例えばCFジェームズが開いたCBにプレスに行くと、このようにボールを動かす。
CFがCBについて行くことで中央が開く。本来ならばここが開いてもOMFがDMFを捕まえているのでパスは出せない。だがSBが中に入ってきているのでDMF+SB vs OMFの形を作る事ができ、数的優位に立てる。だからこそここでボールを受けれ、CHを釣り出す事ができる。そして外に流れたIHを経由する事でCFへボールを届ける事ができる。
さらにもう1つ例を挙げておこう。
例えばCFのジェームズがGKにプレスをかけた場合。この場合は開いたCBにパスを送る事で、CBは2つの選択肢を持つ事ができる。ここでマンUCHとWBがIH、SBをそれぞれ捕まえに来ないのであれば、そこにつける。もしもプレスに来るのならば、次のようにボールを動かす。
このようにここで数的同数を作り出し、速い攻撃を仕掛ける。オフサイドのになった場面はこの応用のような形で突破していた。
さらにもう1つ。それがシンプルにDMFがズレて、IHが受けに降りるというもの。
DMFのロドリがずれて場所を開ける事により、IHのギュンドアンが降りてボールを受けるスペースを作り出す。こうする事により、CHが場所を捨ててまでプレスに出るかを迷わせる。
もしも出てくるのであれば、外に流す事でSBで時間ができるし、出てこないのであれば、IHギュンドアンで時間ができる。このようにしてハイプレスを掻い潜ることに何度か成功していた。
マンUがブロックを作る時
マンUは何度かハイプレスを突破される事があっても、基本的に前に出る事で優位に立ち、ゲームを進めるプランを実行。だがもちろん、ハイプレスだけで試合を乗り切ろうなどとは考えていないスールシャール監督。そこでマンUはどのような場合に下がり、ブロックを形成していたのか。
マンUは外回りのパスにさせるように守備を行い、そしてSBでボールを奪うように設定してしていた。そこで、1つの決まりとして、『中央にボールが入ったら下がろう』というものがあったように見えた。
上の図のようにDMFにボールをつけられると、OMFがプレス。このようにする事でバックパスを選択させる。バックパスを選択させると、全体が下がり、5-2-3のような形に変形。この時に下がったCFがIHを少し気にする形でブロックを形成する。
これはこの場面でも同様だ。
このようにする事で遅らせ、ブロックを形成する時間を作り出す。このようにしてブロックを形成し、前回対戦と同様、WB vs WG の局面に持っていくことでマンCの攻撃を食い止めた。
補足
ではなぜ、中央にボールが入ると下がることを選択したのか。
その理由として、中央にボールが入ると、2トップがひっくり返り、無力化されてしまう。だから中央に入れさせないようにして、それでも入れられる場合は下がるという選択になっていたのだろう。ここで下がることでCFも守備に参加することができ、人数を揃える事ができる。ここのプレスバックもしっかりと整理されていた。
(もちろん下がらない事もあったが、基本的にはこのような決まりで動いていた)
ロングカウンターで狙う場所は?
ブロックを形成する事でマンCを「呼び込んだ」ホームチーム。そしてボールを奪う事でロングカウンターを仕掛けてゴールに迫る。その時に狙ってボールを送り込んでいたスペースがこちら。
マンC、チェルシー、バルセロナ、リバプール、マリノス、などなど、SBが高い位置をとるチームはSBの背後を狙われ、カウンターでピンチを迎える事が多い。
(だがここでCBの能力が高いと食い止めれる。リバプールだとファンダイク、マリノスだとチアゴマルチンス)
このカウンターを封じるために、圧倒的な身体能力のある、ウォーカーとメンディーをグアルディオラ監督は好んで使うのではないだろうか。
マンUはここにボールを落とす事でシンプルに走り勝ち、カウンターを完結させる事で後ろが重くならず、再びハイプレスに出ることができた。
WBを避けるWGとマフレズ投入の効果
押し込むが、フィニッシュまで持っていけない。そんな時間が続き、焦るマンC。そこで投入したのがマフレズ。彼の投入で右サイドの攻撃が圧倒的に改善。ではなぜ一気に改善されたのか。
まず左サイド。WGのスターリングはWBのワンビサカに完全に封じ込まれていたので、そこを嫌い、中にポジションをとるようになる。こうする事で対峙するのはCBのリンデロフ。ここで勝負を仕掛ける。そこで大外はジンチェンコに代わって入ったメンディーが担う。これで左サイドから崩し、クロスからの攻撃を狙う。
そして右サイド。ここではWGのマフレズが幅を使い攻撃を仕掛ける。足元でうけてドリブル突破、またはIHに当てて、CBを釣り出し、背後を狙う動きができるので、右サイドが一気に活性化。
これでゴールへの糸口を伺ったが、マンUもすぐにバイリーの投入でWBをルークショーにする事で、マフレズの対策、さらにはマルシャルに変えてマクトミネイを投入する事で5-4-1のブロックに変更し、逃げ切り態勢に入られて、ゴールを最後まで奪う事ができなかった。
まとめ
シーズンダブルは実に10年ぶり。ファーガソン監督退任後、青い彗星の後塵を拝し続けた赤い悪魔。まだお世辞にもライバルクラブのレベルまで達したとは言えないが、それでもこの2つの勝利は大きな自信、そして威厳を取り戻すきっかけになるのではないだろうか。ボールを捨てて、戦術を完遂する、メンタリティーには前回対戦同様、どこかグッとくるものがあった。CL出場圏内まですぐそこに迫っている、マンU。B・フェルナンデス、イガロの加入で一気に内容が好転したこのチームが、シーズン終了時にどの位置にいるのか注目だ。
一方のマンC。前半立ち上がり、後半立ち上がりと効果的にボールを回せていたが、徐々に術中に嵌り、まさかのシーズンダブルを喰らう羽目に。オフサイドでアグエロのゴール取り消しという不運もあったが、それよりもマンUの「熱」に完全に圧倒されていた。来週にはCLでレアルをホームに迎える。ここで勝利をしっかりと収めるため、早急な「モチベーション」上昇が必要だろう。負けるべくして負けたという表現が正しい試合だったのではないだろうか。ここからの立ち直りに期待したい。
終わりに
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