はじめに
前節、内容は良かったものの、CKからの失点で負けを喫してしまったセレッソ大阪。そして今節戦ったのがリーグで最もCKからゴールを奪っているコンサドーレ札幌。この試合もCKが多くあったが、前半の柿谷のゴールでしっかりと勝利し、上位をキープすることに成功。では今回はセレッソ大阪が狙った「ライン間」について紹介していこう。
セレッソがライン間を攻略するために行ったこと
セレッソ大阪が狙ったことはコンサドーレ札幌の「ライン間」。ここを狙うためにセレッソ大阪はどのような方法をとったのか。では早速その方法を解説していこう。
CHの距離
これは攻撃時、特に押し込んだ時に顕著に表れていた。そしてこれはいつもより距離が近かった。ではなぜ近かったのか。この試合の先制点であり決勝点のシーンを参考にその理由を紹介しよう。
まずみていただきたいのがこのサンプル動画。
セレッソのこの試合のライン間攻略法。CHの距離と、SBの関わり。とても理に適った攻略法。詳細は本日のブログで解説しています。ぜひ一度ご覧下さい!昼に更新予定です!#Jリーグ #セレッソ #セレッソ大阪 #コンサドーレ札幌 #コンサドーレ #ライン間 #サッカー pic.twitter.com/er6Oi0HcXx
— サッカー戦術分析 〜Sixth Sense〜 (@jHgW2UrDVwTxdFs) October 20, 2019
ではこれを参考に解説していこう。
(白⇨セレッソ 黒⇨札幌)
一つ目のメリットとしてCHが近いことでコンサドーレ札幌を全体的にボールサイドに寄せることができる。これの何が良いかというと、サイドハーフが浮いたポジションをとることができるから。これは札幌の守備戦術上、2列目で浮いたポジションをとることができる。だからこそこの試合のセレッソのCHの距離がいつもより近かった。そしてセレッソCHがボールを持つと、必ず札幌CHがプレスを行う。これを行わないと全体をボールサイドに寄せられている札幌はスライドのため、遅れる、かつ走行距離(無駄な走り)が増えてしまう。だからCHに時間を持たせないために札幌CHはプレスを行う。
セレッソの狙いはここにあった。CHを釣り出す事であくのは当然ライン間(赤丸)。ここを上がってきたSBを使う事で数的同数から局所的に数的優位を作り出し、SBがフリーでボールを持つことができる。5バックの札幌はWBがここでプレスに行くが幅をとっているSHが気になるので遅れての対応になる。
(セレッソのSHが気になる理由は前回のセレッソvsアントラーズで解説しているので気になる方はこちらもご覧になっていただきたい。)
Jリーグ セレッソ大阪 vs 鹿島アントラーズ 〜セレッソ大阪の工夫〜 - サッカー戦術分析ブログ〜 Football LAB〜
これで時間とスペースができたSBがライン間で上手くボールを受けることのできるCFに縦パスを入れることでここを攻略。そして最初の攻撃でゴールを奪った。このライン間の攻略をするために前節と違い、この試合はCHの距離感が近かった。
このもう一つの狙い
このもう一つの狙いとしてWBを敵陣に押し込むことを狙いとして持っていたのではないだろうか。4バックのチームが3バックのチームと試合するときにどうしても気になるのはWB。ここで起点を作られては後手の対応になってしまう。だからこそこの試合サイドを狭くし、局所で数的優位を作ることでWBを札幌自陣に押し込んだ。特に前半はこれがうまく行っていたのではないだろうか。
ミドルパス
上で解説したことは押し込んだ時のライン間の攻略方法。では次は攻撃を組み立てる時、所謂ビルドアップの時はどのような方法を使っていたのか。その方法が主に「ミドルパス」。これを多く使っていた。ではなぜこれを多く使い、有効だったのか。
まず紹介しなければならないのがコンサドーレ札幌の守備。札幌は基本的に4-4-2の形でハイプレスを仕掛けることが多く、2CBに対してCFとST、CHに対してはCHとSTがほぼマンマーク。だからこの試合はCHがDFラインに入らずにビルドアップを行なっていた。入らない理由としてDFラインに降りて、自陣ゴール近い所に相手の人数を増やすことはデメリットしかない。だからCHは降りずに一列前にポジションを取った。このような守備を札幌は行うので、空いているのはもちろん3列目に残ったCHの脇かつライン間。ここにCBもしくはGKからミドルパスを入れることで優位に立つ。(ミドルパスを入れるのは主にCF20番のメンデス)さらにsのこぼれ球を拾うためにSHが中に絞る。ここである程度優位にボールを拾えたのはSBに対してWBがプレスに行っているから。このような守備戦術だったので、ビルドアップ時のミドルパスが効果的だった。
もう一つの経路
そしてもう一つの経路。それがSHへの縦パス。これは前節と似ていて、SHが中に入り込むことでフリーになるというものだ。
このようにSHがファーストラインとセカンドラインのライン間でボールを受けることで、ある程度時間を持つことができる。その理由がCBはCFがいるのでプレスに行きにくく、WBはSBに付くとSHへ、SHへ付くとSBへパスを出されるので、ポジショニングと判断が難しいものとなる。だからこそここのパスも有効だった。札幌は終始、ボールの奪い所が定まっていないように感じた。
まとめ
何度か決定的なチャンスを作られることもあったが、さすがリーグ最少失点を誇るセレッソ大阪。耐えきり、勝利をもぎ取った。守備に目が行きがちなチームではあるが、攻撃の組み立てや、押し込んだ時の崩し方など、様々なところで工夫され、そして整理されているので、見ていて面白い。(もちろん守備も)コンサドーレ札幌の癖のある攻撃陣を0に抑えれたことはさらなる自信につながるのではないだろうか。残す試合もあと数試合。果たしてどこまで順位を上げることができるのか。とても楽しみだ。
終わりに
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