日本 vs パラグアイ 〜日本代表の攻撃について〜 

 

はじめに

いよいよ始まるアジア予選に備えてのテストマッチ。中島、堂安、南野、大迫と順当に呼ばれ、長友、吉田、原口、川島とベテラン勢、板倉、久保、安西と若手も選出。しっかりとバランスのとれたスカッドになっているのではないだろうか。テストマッチパラグアイ戦でしっかりと勝ちきり、アウェイで行われるミャンマー戦に良いイメージで入れることができそうだ。そこでこのパラグアイ戦で確立されたであろう、日本代表の攻撃について今回は紹介していこう。

 

日本代表の攻撃について

日本代表の攻撃は2つの攻撃が中心になるのではないだろうか。その攻撃が、『サイドの崩し』と『中央突破』。今回の2ゴールはサイドの崩しからだったが、要所で中央突破も見られた。今回はこの二つを解説していこう。

サイドの崩しについて

まずはサンプル動画を見て頂きたい。

 

では早速、詳細を詰めていこう。

SHの絞り

パラグアイ代表の守備がマンマークということも相まって、SHが絞ることでサイドのスペースが空くことが多かった。ではどこに、どのようにポジションを取るのか。

これは先制点を題材に考えていこう。

(黒⇨日本 白⇨パラグアイ

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このように「ハーフスペース」に絞り、ボールを受けることで中央にDFを集めることができる。ここでボールを受けれるのはSHがボールをしっかりとキープできるから。そしてハーフスペースまで絞り、ボールを受けることで、空いてくるのがSBの前のスペース。そこにSBが進出してサイドを突破。先制点はSHが2度ハーフスペースでボールを受け、完全にSBをフリーにした。

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両SHがハーフスペースに絞ることでDFの視線を集めることができるので、SBが完全にフリーになれる。これがサイドを崩す際に必要な一つ目の重要な作業。

CFの起点(大迫の存在)

これも重要な役割を担っている。これが大迫が日本代表にとって必要不可欠な選手である理由。ボールを受ける動き、起点を作れるのでチャンスが広がる。これは16分8秒からの攻撃を題材に考えてみる。

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まず、SHが絞ってボールを受けるところまでは同じ。ここからCFに一度ボールを入れることで、中央に視線を集めれるので、SHが進出するスペースと時間を作り出すことができる。

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CFがボールを受けることで背後のスペースを開ける。そこにSHが走り込むことで、SBが上がれるスペースを作ることができる。SHが走り込むスペースを作るのが上手いのがCFの大迫。ボールを中央で受け、そしてそこで奪われることが少ないので、DFの視線を変えることもできる。だから彼がいるといないとで、攻撃のバリエーションと幅が変わってくる。

DMFのサイドへの進出

ではこれについては2点目のシーンを題材にして解説をしていこう。

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SHがボールを受けに降りることで、SBが上がるスペースを作る。そうすることでできたスペースにDMFが進出することで、サイドで起点を作ることを目的としている。そうするとどのようなメリットがあるのか。

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サイドでDMFがスペースで進出することでSHをマンマークをしていたSBが対応にいく。そうするとSHがフリーになれる。さらに上がっていたSBが幅を作っているので、SBのマークをしていたSHがDMFの対応にいくか、SBの対応にいくかに迷うので、SHとSBの間にギャップが生まれる。そしてSHがハーフスペースに進出し、前向きな状態で、フリーでボールを受けることができる。これがDMFがサイドのスペースに進出するメリット。そしてここでフリーになったので様々な選択肢が生まれる。

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このようにシュートはもちろん、ラストパス、サイドを変えるパス、ドリブルで中へつっかけることも可能だ。この場面ではSBへのスルーパスで目線を変え、STのフィニッシュで攻撃を完結させた。これがDMFがサイドへ進出し、サイドを崩すパターンだ。

 

中央突破

これは完全に両SH、ST、CFの4人の関係で崩すパターン。速い攻撃を仕掛ける時にこの攻撃を仕掛けることが多い。そしてここにSBが関わることは少ない。ではこの攻撃の解説を12分55秒の攻撃を題材に解説していこう。

サンプル動画

 では詳細を詰めていこう。

三角形と四角形

まずはSHのプレスバックにより、ボールを奪い、CFがボールを受けるところから始まる。

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CFが時間を作ることで、SHが中に入り四角形を形成。こうすることで局面で4v2の状況を作り出すことができる。そして四角形を崩し、三角形を形成し、また四角形を形成。この繰り返しを行うことで簡単に前進することができる。

(13分02秒の局面 下の図)

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これがまず一つ目の三角形。SHは次の頂点になるためにポジションを移動。そして再び四角形を形成。(13分05秒の局面 下の図)

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このようにすることでDFは目線が目まぐるしく変わり、自分のマーク、ボール、スペース、味方を観ることがほぼ不可能になる。そして次の三角形を形成へ。

(13分06秒の局面 下の図)

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そしてこれでセカンドラインを突破し、シュートまで持っていく。この四角形⇨三角形⇨四角形⇨三角形の繰り返しを行うことで素早くラインを突破していく。この4人の関係が良いので、このような攻撃を仕掛けることができる。四角形と三角形の重要性をがわかり、そしてかなり強力な攻撃だということが再認識できる場面だった。

そしてこの攻撃は森保ジャパンで最も魅力的な攻撃ではないだろうか。

 

 

 

まとめ

この2つの攻撃が今後の軸になっていくのではないだろうか。遅攻時にはサイドを攻略(もちろん中央突破もあり)し、速攻を仕掛ける時はゴールへの最短距離をとる中央突破。そのための4人の関係性。この二つを武器とし、そしてこれを追求し徹底していくことができれば、強豪国にも対抗することはできるのではないだろうか。さらに久保や板倉、そしてアンダー世代のメンバー。この融合がさらなる化学変化を生み出すかもしれない。とても期待の持てるテストマッチだと個人的には感じた。いよいよ始まるアジア予選。しっかりと勝ち切り、本戦へ出場してもらいたい。頑張れ、日本!

 

終わりに

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