はじめに
ともにACLを戦い、未消化試合のこの試合。浦和レッズがホームに迎えたのは常勝軍団の鹿島アントラーズ。このチーム相手に引き分けに持ち込んだことはよかったのではないだろうか。しかし押し込む時間が多くても勝ちきれない。攻撃に迫力は出てきているが守ることができない。この守備の課題についてと鹿島アントラーズの攻撃についても少し触れていこう。
浦和レッズの守備の課題
まずはわかり易く、この試合の失点シーンを取り上げさせてもらおう。では早速こちらの失点シーンをご覧になっていただきたい。
サンプル動画
ライン間で簡単に受けられる事とCBのポジショニング。現在の浦和レッズの守備の課題ではないでしょうか?勝てそうで勝てない要因だと思います。#Jリーグ #浦和レッズ #レッズ #守備 #ライン間 #ポジショニング #サッカー pic.twitter.com/k5f2OPbqy0
— サッカー戦術分析 ~Football LAB~ (@jHgW2UrDVwTxdFs) August 2, 2019
これが守備の課題だ。ではなぜこのようなことが起こっているのかを解説していこう。
ライン間で簡単に受けられる理由
この理由はいくつかある。一つ目は高い位置からプレスをかけに行った場合。
このようにプレスを赤い位置からプレスをかけた時に、CFとSTが横並びになることが多く、中盤は3枚になる。さらにはそこで中央に寄るので空くのはその脇のスペース。ここを通されるので、簡単にライン間にボールを入れられてしまう。さらにはアントラーズの2トップの関係性もよく、必ず足元で受ける選手と裏を狙う選手がいる。これによりDFは後ろに引っ張られ、DFとMFの距離が遠くなる。これによりCFにボールが入った時にCBのプレスに行く距離が遠くなり、後手の対応になる。
このようにこれが一つ目のパターン。残っている後ろの4枚の能力が高いのでなんとか守りきっていたのでこの形からは失点がなかったが、このパターンで失点しても不思議ではないだろう。
二つ目のパターンは構えて守備をしている時。これは失点にも繋がってしまった。
まず課題なのがCH(STのこともあり)がここで中央の縦パスのコースを締めきれないこと。ここを簡単に通されてしまうとギャップを通された2枚の選手は一気に無力化されてしまう。これがまず課題だろう。ここをしっかりしめることができれば、DFラインも押し上げることができるので、コンパクトに保つことができる。
そしてもう一つの課題がCHのポジショニングを見てSTがポジションの修正をできてないこと。だから外側からの対応になり、中を向かれる可能性が高くなり、後手の対応になる。これらが簡単にライン間で前を向かれる理由だ
このように修正すればライン間にボールを入れられなくなるのではないだろうか。
CHが縦パスのコースを消すことでSTは幅をとる選手の牽制に行くことができる。さらには縦パスを消すと同時に横パスまたはバックパスをしている間に1~2mほどDFラインを上げることにより、SHniボールが放った場合もCBgaプレスに行くことができる。このようにすればうまく守れたのではないだろうか。
鹿島アントラーズのポジ取りの巧妙さ
少しここについても触れておきたい。
このように同じラインの選手が同じレーンにいないことで三角形を容易に形成することができ、それだけでバランスを取ることができる。こうすることのメリットとして、より効率よくライン間で前を向けることと、プレスを剥がせること。
このようなパターンが多く見られる。これにより距離感よく、さらにはバランスよく前進することができる。このポジショニングがしっかりしているからアントラーズは怪我人が多くても負けることが少ないのだろう。
CBのポジショニング
これにも問題があった。前半は特に中央のCBのマウリシオ。彼が簡単に釣り出され、剥がされてしまう、または無謀な飛び出しをして中央にスペースを作ってしまう。ここでボールを取ることができれば何も問題はないのだが、ボールが取れないのでハーフタイムで交代したのではないだろうか。さらにはマウリシオが開けたスペースのカバーもできていないのにも問題がある。このカバーの意識とポジショニングにより、失点をしている。
3CBが中央に寄りすぎることに問題がある。実際にこの状況だとCF1枚に対して3枚のCB。本当にこの人数をかける必要があるのだろうか。もし必要があるとすれば、WBが絞るべきだろう。だから、一番危険なハーフスペースが空いてしまう。ここを先に使われてCBは遅れて対応になってしまい、失点してしまった。後ろに5枚いることで各レーンを埋めれるというメリットを有効に使えていない。
このようにスライドすることで、中にも人数をかけることができ、さらにはCBがハーフスペースを埋めることができる。これでしっかりと守れるのではないだろうか。
このカバーリングの意識とCBのポジショニングの問題で守れていない。ここの修正も必要だろう。
まとめ
攻撃に迫力が出てきている浦和レッズ。あとは守備の改善が最優先ではないだろうか。沢山の守備の課題があるがここを少しでも修正することができれば順位を上げることができるのではないだろうか。メンバーは揃っている浦和レッズ。そろそろ柏木が戻ってくる。果たしてどうなるだろうか。ここの守備にも注目してもらいたい。
終わりに
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