はじめに
ヨーロッパリーグ決勝でのビッグロンドンダービー。この試合のモチベーションが高いのは確実にアーセナルだっただろう。来季のCLに出場するためにこの決勝は何が何でも勝たなくてはならなかった。
だが結果は4-1でチェルシー の勝利。チェルシーはこの優勝でロンドンのライバルの希望を打ち砕いた。サッリ監督は初のビッグタイトル、アザールはレアルに移籍するので、チェルシーへ最高の置き土産となった。最高の形でシーズンを締めくくった。
チェルシーとアーセナル。同じロンドンに拠点を置く両チーム。赤と青のチームは、とても対照的なシーズンの幕切れだった。その両チームの勝負を分けたポイントを解説していこう。
チェルシー(4-3-3)
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チェルシーの戦い方
- 9番と14番の完全に抑えたこと
- CHを釣り出す攻撃
- 中央を固める守備
- ラインを越すパス
- ネガトラ(ネガティヴトランジション)の速さ
- オーバーローディング
アーセナル(3-4-1-2)
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アーセナルの戦い方
- 10番が5番をマーク
- 34番と11番からのパスでWBとCFを走らせる早い攻撃(カウンター)
- サイドを中心に攻める(ポジションの利点を活かす)
勝負を分けたポイント
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一つ目のポイント
33分07秒あたりからの攻撃でチェルシーは流れを引き寄せた。早速この動画をみて欲しい。重要な場面を二つまとめてみた。
流れを掴んだチェルシーの二つの攻撃の場面。
— サッカー解説と分析 ~違った視点からの観戦~ (@jHgW2UrDVwTxdFs) May 31, 2019
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このシーンでチェルシーは一気に流れを引き寄せた。
- CHを釣り出し縦パスを受けれるスペースを作る(一つ目の場面)
- 三角形を崩し、再結成し抜け出す(二つ目の動画)
これを使い効果的に使い攻め込む。アーセナルは守備時、5-2-1-2(4-3-1-2)の形になるので幅を取ってもそれ程ダメージを与えることができない。そこで狙ったのがCHを釣り出し、ライン間でボールを受けること。そうすると自然とDFラインも前に出て、WBが中に絞るので、SBやWGが抜け出すことができる。これが一つ目の場面でわかること。
そして二つ目の動画でわかることは、三角形を崩しながら攻めること。少しカウンター気味だが、アザールが中央をドリブルすることで、ここではCBを釣り出すことに成功。
そして後方で三角形を形成していたジョルジーニョがアザール、ジルーと三角形を再形成することで、フィニッシュまで持っていくことができている。
この二つを有効的に使い、攻めることでアーセナルを混乱に陥れた。
さらに狙いを『CHを釣り出すこと』に設定していたことも良かった点だろう。
この攻撃を中心に、オーバーローディングをして攻め込むことで先制点を奪うことができている。
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二つ目のポイント
この二つ目のポイントはアーセナルの65分の交代だ。失点をしてしまいゴールが必要だから、4-3-3に形を変えて攻め込むことをエメリ監督は選択をしたのだろう。
だがこれが仇となってしまった。アーセナルの狙いの一つ、『10番が5番をマークする』というこのタスクの実行が難しくなってしまい、チェルシーのテンポが良くなってしまった。ピッチ上の選手は攻め込むのか、それとも引いてカウンターという用意してきた戦術で戦うのか。この迷いが見て取れた。ここからアーセナルは間延びしてしまい、中盤に広大なスペースを与えてしまっていた。これもチェルシーのテンポが上がった一因だろう。
エジルのタスク
このタスクを実行していたのはエジル。彼が守備のタスクを担っていたので、この試合の存在感は限りなく0に近かった。普段ならある程度の自由をもらい、ボールを引き出し、受けて捌いてテンポを作る。そして相手を動かし決定機を生み出す。さらには普段なら攻守のリンクマンとしての役割を果たすが、今回のタスクでこれらのエジルの良さが消えていた。
アーセナルがチェルシー に勝った試合はラムジーがこのタスクを担っていた。BOX to BOX型のラムジーはより走れ、前に出ていくことができる。これでジョルジーニョのポジションを下げることで優位に立っていたが、エジルにはこれができなかった。
この10番をうまく使いこなせなすことができなかったアーセナル。メガスターの10番をうまく使いこなしたチェルシー。ここでも対照的な結果になってしまった。
もしもラムジーがいれば、、、はたまた先発でウィロックが出ていれば、、、
こう感じたアーセナルサポーターは多いはずだ。
まとめ
この二つがこの試合の大きなポイントだったと自分は考える。チェルシーは後半から明らかに攻撃の圧を強めていた。そういった類の指示をサッリ監督から受けたのだろう。
一方のアーセナルは35分〜押し込まれていたのも関わらず、ハーフタイムでの修正は特に見られなかった。この監督の手腕が勝負の結果に表れたのかもしれない。
このビッグゲームを制し、サッリ監督は初のメジャータイトルを獲得した。生粋の戦術家のサッリ監督。また一つ評価を上げたのではないだろうか。もしもこのままチェルシーの監督を続けることができたならば、リバプールとマンCに追いつく日もそう遠くないのかもしれない。また一つ、来季の楽しみが増えた。これだからサッカーはやめれない。皆さんもサッリ監督のサッカー、サッリボールをゼフご覧になって欲しい。
終わりに
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では次回もお楽しみに!バイバイ!