はじめに
今回はプレーヤー紹介や解説ではなく、岡崎選手がとうとうレスターを退団するということで、この記事を書かせてもらっている。
多くの感動と勇気を与えてくれた、ミラクルレスター。
サッカーに不可能はないということを教えてくれたレスター。
今回はそんなシーズンを振り返ってみよう。
レスターの奇跡
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奇跡の歯車1: 快速のエース ジェイミー ヴァーディー
7部からここまで這い上がってきたシンデレラボーイのヴァーディー。
苦労人ということもあってか、現在でもビッグ6相手にゴールを量産するジャイアントキラーでもある。そんな彼が一発のロングカウンターで仕留める。
彼の快速があり、献身的に裏のスペースを狙い続けることでレスターはフットボールの歴史に名を刻むことができた。
さらに、個人でもプレミアリーグの歴史に名を刻んだ。11試合連続ゴールという偉大な記録の保持者でもある。
7部から這い上がったヴァーディー。諦めなければ栄光はつかめるということを教えてくれた。多くの人々に勇気を与えた1人だろう。
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奇跡の歯車2:小さなハードワーカー:岡崎慎司
確実にこのシーズンのヴァーディーの相棒は岡崎慎司だった。献身的で強度のあるプレッシングでエースを支えた。一度だけでなく、二度、三度追いと何度も何度もボールを追いかけた。さらには中盤と前線のリンクマンの役割を果たす。
守備時、エースが最前線に残り、その後ろでヴァーディーにボールを届けるためにスペースを作り、サポートをし、体を張った。
試合開始からアクセル全快で飛ばすので、毎試合60分あたりでの交代が多かったが、岡崎慎司の交代時、ハードワークが認められ、いつも拍手の中でピッチを去っていた。
サポーター、チームメイト、クラブ関係者に認められ、そして愛された、岡崎慎司。
そんな彼もレスターのレジェンドとなり退団する。とても寂しいが、次のクラブでも頑張って欲しい。
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奇跡の歯車3:クロスマシン オルブライトン
このシーズン、レスターの右サイドのオルブライトンというプレーヤーはリーグで最多のクロスを供給した。そのための上下運動はまさに無尽蔵。自陣までプレスバックを行い、ボールを奪ったら、サイドを駆け上がる。そしてエースのお膳立てをする。
彼もこの上下運動とクロスでチームに貢献し、奇跡の優勝を手助けした。
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奇跡の歯車4:魔法使い リヤド マフレズ
ヴァーディーと並んでもう1人のエース、マフレズ。彼のドリブルと左足から繰り出される高精度のスルーパス。さらにはトップコーナーを射抜くシュート。
このシーズンのマフレズも止めることができなかった。このシーズンで一番印象に残っているのは、チェルシー戦でのゴール。堅守を誇っていた前回王者を手玉に取るドリブル。現レアルの正GKのクルトワも触れることのできないスーパーショット。
このシーズン、彼を止めることのできるプレーヤーがプレミアリーグにはいなかった。
17ゴール10アシストという結果を残して、奇跡の優勝に貢献。
左足とともに、彼のプレーでレスターに魔法をかけた。
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奇跡の歯車5:まさに水を運ぶ天才 ドリンクウォーター
このチームのボールの出所、まさに水を運ぶ役割を担っていた。ボールを奪い彼に預ける。そして彼から高精度のロングパス。それに反応しているのはもちろんヴァーディー。何度このシーンを見ただろうか。わかっていても止められない。これがまさにこのことだろう。
中盤の底で相棒のカンテとともに蓋をして、中央を固めた。彼もこのレスターでの活躍があり、このシーズンにイングランド代表に召集される。マンUのアカデミー、ハダースフィールド、カーディフ、ワトフォード、バーンズリーと渡り歩き、やっとたどり着いたレスターでの活躍。苦労人の彼にとっても、この優勝はキャリア最高のものだっただろう。
彼がいないと、カウンターの精度が極端に落ちていた。このチームにとって欠かせない重要なプレーヤーだった。
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奇跡の歯車6:12人目のプレーヤー ヌゴロ カンテ
今や世界最高のDMFといっても過言ではないだろう。そんな彼はレスターで急激に評価を高めた。小柄なカンテがプレミアリーグで戦えるのか。誰もがそう思ったに違いない。だがその評価を一気に覆した。
縦横無尽のスタミナでピッチを駆け巡り、ボールを奪い、相棒のドリンクウォーターにボールを預ける。どこにでも顔を出す小さな悪魔は2人いるのではないかと錯覚させるものだった。彼もレスターでの活躍があり、フランス代表に召集される。
そこからご存知のように、世界王者になり、その地域を確立した。
みんなに愛されるカンテ。そのシャイな笑顔からは想像できないプレーで相手からボールをクリーンに奪いまくった。
彼もこのチームに欠かせないプレーヤーだった。
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奇跡の歯車7:キャプテン ウェズ モーガンと相棒のフート
ミラクルレスターの不動のキャプテン、ウェズモーガン。そしてその相棒のフート。2人とも恵まれた巨体を生かし、空中戦を制圧した。
そして抜群のコンビネーションで中央に鍵をかけ、クロスを跳ね返しまくった。
またシュートも体を投げ出してブロック。まさに要塞。
さらには、その体格を生かし、大事な場面でセットプレーからゴールを決めた。
シーズンを戦うに連れて、どんどん良くなって成長を遂げていったことが優勝へ繋がったのだろう。
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奇跡の歯車8:両SBシンプソンとフクス
この2人もまさに苦労人。そんな中でレスターにやってきた。まさかここで優勝を経験できると思ってもいなかっただろう。
両者ともに、上下運動を繰り返し、この優勝に貢献。ウェズモーガンとフートとともに堅守を築いた。
そんな奇跡の優勝を経験したシンプソンも岡崎とともに退団。また1人、レジェンドがレスターを去っていく。最終節のチェルシー戦の後のサポーターからの拍手を見ると、グッとくるものがあった。ありがとう、シンプソン。
そして一番悲しんでいるのはフクスかもしれない。
岡崎とともに、入ってきたフクス。その同期であり、親友の岡崎も退団。シンジがいなくなる。誰と一緒にストレッチをすればいいんだ。というぐらいだから、相当仲が良かったのだろう。新たな相棒を見つけて、頑張ってくれ、フクス。
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奇跡の歯車9:親の七光りを超えたカスパー シュマイケル
いうまでもなく、彼の父はあのレジェンド、ピーターシュマイケル。
そんな親の才能を受け継ぎ、息子のカスパーもリーグ優勝をやってのけた。
しかも父と違い、弱小レスターというクラブで。そんなカスパーシュマイケルは父譲りのキック力で何度もエースの元にボールを届けた。
さらには最後の砦としてレスターのゴールマウスに君臨。何度チームを救うビッグデーブを見せたことか。親の七光りを超え、今はしっかりと自分の名でキャリアを歩んでいる。
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奇跡の歯車10:控えの選手とけが人の少なさ
このシーズン、ほとんどの試合で先発を固定して戦っていた。そんな中で、控えの選手は腐らずに、試合に出たらしっかりと仕事をこなす。まさにプロの鑑だった。
キング、ウジョア、様々な選手が試合に出ても結果を残す、まさに優勝チームのメンタリティだ。
さらには先発のメンバーに怪我が少なかったことも運が良かった。
これのおかげで毎試合同じ強度で戦うことができ、勝利を積み重ねた。
まさに運も味方にしたミラクルレスター。
もしかしたら優勝は必然だったのかもしれない。
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奇跡の歯車11:モチベーター ラニエリ
もちろん、緻密な守備戦術で堅守速攻の戦い方をレスターに植え付けた生粋の知将だが、それ以上にモチベーターとしての手腕が高かった。様々な方法で選手を鼓舞した。
『なんで得意じゃないことをやらないといけないんだい?』と流行のパスサッカーを捨て、ヴァーディーを走らせる、縦に早いサッカーを展開。
さらには『クリーンシートをしたら選手全員にピザを奢る!』や、2月の山場、『リバプール、マンC、アーセナルの三連戦で勝ち点9を持って帰れたら、1週間も休暇を上げる』という発言をしていた。実際にクリーンシートを達成したらピザを奢り、三連戦は2勝1敗だったが、『OK、勝ったようなものだ、来週また会おう!』と休暇を与えた。
一番面白いと思ったエピソードがこちら。
『デリディン、ディリドン、さあ起きろ!』とミスをすると、切り替えを促すためにこのような掛け声をかけていた。これを初めて聞いたときは笑ってしまった。だがこれのいかげで選手は和み、のびのびプレーができたのだろう。
まさにモチベーター。彼がいないと、奇跡は起きなかっただろう。
レスターの軌跡
この動画を見ていただければ、レスターのシーズンがわかるだろう。
ぜひご覧になってみてほしい。
まとめ
今回は本当に解説関係なく、ミラクルレスターについて書かせてもらった。この奇跡は1人でも欠けていたら起こらなかっただろう。諦めず、最後まで情熱を持ち戦い抜く。
諦めなければ、栄光を手にすることができる、諦めなければ、奇跡は起こる、ということを全世界に教えてくれ、勇気をくれたミラクルレスター。
そんな奇跡のチームに同じ日本人がいることを自分は誇りに思う。
これからの岡崎選手のさらなる活躍を心から祈りたい。
多くの感動をありがとう。
終わりに
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では次回もお楽しみに!バイバイ!