この男が誰だかご存知だろうか。
冬の移籍市場でイグアインの代わりにジェノアから獲得した新エース、ピョンテク。
今シーズンセリエA初挑戦にして、メガスター C・ロナウドに次ぐ得点ランキング2位の17得点を叩き出している。
スピードもなく、ドリブル、ポストプレーもお世辞にも上手いとは言えない彼がいかにしてゴールを量産しているのか。
レバンドフスキ2世とも称される彼について触れていこうと思う。
まず初めにさらっと選手の紹介から。
クシシュトフ ピョンテク
1995年 7月1日(23歳)
183cm 77kg ポーランド
ACミラン所属
得点パターン→基本的にペナルティーエリアの中でクロスに合わせる
彼が得点を量産している理由
それはクロスに合わせるまでの一連の流れの中でのポジショニング。
ではそのポジショニングについて解説していく。
1. DFの間
早速、このシーンを紹介していく。
黒①の選手がピョンテク。
彼は黄①と②の間にポジションをとる事で、DFより優位に立っている。
ではなぜ優位に立てるか。
黄①は黒①が背後にいるため、正確な位置を把握しきれない。また、入ってくるボールを弾かないといけないので、目線は黄色矢印の方向になる。
黄②は黒①が前にいるから、マークをつくことができるが、黄①と同様にボールを弾く必要があるので、黒①とボールを同時に見なければいけなくなる。
黒①が黄①の前に入るとどうなるかは容易に想像がつくだろう。
黄①は急に黒①が視界に入ってくるため、後手の対応になってしまう。
黄②は黒①に着いて行くと中央のスペースがガラ空きになってしまう。
そして黄①の前でボールを受けることが出来たら、ほぼ勝負ありだ。
これがDFの間にポジションをとることで優位に立てる理由だ。
ピョンテクはこのポジション取りが絶妙に上手い。
他のシーンも紹介しよう。
しっかりDFの間にポジションを取る。
そして黄①の前へ。
黄①の前でボールを受ける事で、シュートチャンスが生まれる。
またDFは。後手の対応になり、下手にボールを奪いにいくとPKを取られてしまう。
もちろんパスの質も高くなければ得点には繋がらないがこういった場面をピョンテクは数多く創り出す事で、その確率を能動的に上げている。
2. スペースメイキングと動き直し
ピョンテクはボールを受ける前のスペースを創り出すことにも長けている。
このスペース創り出す事で、ゴールを量産している。
またパスが来なかった時の動き直しもかなり上手だ。
解りやすく得点シーンから。
黒①(ピョンテク)はボールが動いている間に、スペースを創り出すために一度黄②の背後に動き出す。そうすることによって、黄②の視界から消えることが可能になる。(上で紹介した状況の応用)
そして次。
黄①の背後、黄②の前のスペースへ一気に加速しそこに抜け出す。
黄②は急にピョンテクが視界に入ってくるので、後手の対応になってしまう。
もちろん黄①も同様の対応になる。
だがこのシーンではボールは来なかった。
そして次。
もう一度ポジションを取り直し、スペースへ抜け出そうとする。
しかしここでもボールは出てこなかった。
さらに動き直し。
ここで初めてボールが出てくる。
その時のピョンテクのポジションは黄②の視界から消えている位置。
黄①と②は完全にボールウォッチャー。
そしてピョンテクはこれを見逃さず、黄②の前のスペースへ。
パスもかなり質が高かった。
DFの前でボールを触ることができるのでシュートへ持って行ける。
体勢はかなりシビアだったが、ゴールに結びつけた。
今流れのある選手だから入ったというのもあるだろうが、シュートを打つまでの一連の流れがあるからこそゴールできたのだろう。
この2つのことがしっかり身についているからこそ、守備が堅いセリエAで得点を量産できているのだろう。
それはゴールを量産しているC・ロナウドにも言えることだ。(レバンドフスキ、カバーニなども)
そしてこの男はまだ23という若さなのだ。
大先輩のレバンドフスキの領域までたどり着くのか、はたまたその領域を越えるのか。
どこまで上り詰めるのかが楽しみな選手の1人だ。
ぜひピョンテクというプレーヤーを覚えておいてほしい。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
前回に引き続き、個人に焦点を当ててみました。
セリエAは非常に戦術的(守備面で)です。
そんな中でセリエA初挑戦のこの若武者がなぜ得点を量産しているのかが気になり、
記事を書かせていただきました。
やはり得点を量産しているプレーヤーには必ず理由があります。
ロナウドやピョンテク、レバンドフスキにスアレス、カバーニ、ムバッペ。
そんな彼らがなぜゴールを大量に奪えるのかを考えながら見るのも面白いかもしれません。ぜひスカパー!やDAZNで観てみて下さい!
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プレーヤー解説もシリーズ化しようと思っています。
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