サッカー戦術分析ブログ〜 Sixth Sense〜

Jリーグ・プレミアリーグ・セリエAを中心に解説をしていきます。

CL 1stレグ マンU vs PSG 〜マルキーニョスの役割とD.アウベスの存在〜

やっと戻ってきた。ヨーロッパの頂点を決める大会、UEFAチャンピオンズリーグ

ラウンド16からビッグクラブによるこのゲーム。

復活しつつあるレッドデビルズとビッグスター ネイマールと大エース カバーニを欠くフランスの絶対王者PSG。結果から言うと、PSGの完全勝利。

その勝利の中で目立っていたのは神童ムバッペでも、ドリブラー ディマリアでもなく、

DMFのマルキーニョスだった。

戦術家トゥヘルから言い渡されたであろうタスクを紐解いていく。

 

1.  マルキーニョスのタスク

 

まずはこの試合の先発に名を連ねた、2人のDMF、マルキーニョスヴェラッティ

そのうちの1人、マルキーニョスはもともとCB。なぜ今季、彼がDMFで起用されるかがもの凄く理解できる試合の1つだっただろう。

そんな彼に言い渡されたであろうメインタスクはマンUの攻撃の核、ポグバのマンマークだ。

いくつかのシーンを紹介する。

まずはマルキーニョスのタスクがポグバのマンマークと確信した場面から。

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黒①の選手がマルキーニョス。黄②の選手がポグバ。

この場面でボールホルダーはバックパスかキープしか出来ない状況に陥っている。

マルキーニョスは普通ならバックパスのパスコースを消しながら、挟み込むか、

バックパスのパスカットを狙うのが定石だろう。

しかし違った。次の局面では、こうなっている。

 

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ボールには目もくれず、すぐにポグバを確認している。黒②の選手がいるにも関わらずだ。そして、すぐに自分のポジションに戻る。

そして次の局面へ。

 

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黒①のマルキーニョスは黄②のポグバにも、ボールホルダーにもチャレンジに行けるポジションに修正している。

この局面で監督から言い渡されたマルキーニョスのタスクが予想できた。

 

そこから注力して見ていくと、、、

・自分のマーカーがいてもポグバを見ている場面。

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これも。f:id:football-analyst:20190215174543j:plain

これも同様だ。

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マークをする選手が近くにいてもポグバをしっかり見ている。

 

・クロスに対して、DFラインに吸収されることも厭わない場面

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DFラインにDMFが入ってしまうと、スペースが生まれてしまうがそれも気にせずにマンマークを決行。(スペースが生まれる場所は下の図を見て下さい。)

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・サイドに引っ張り出されても着いて行く場面

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もちろんこれも真ん中にスペースを空けてしまうが、この場合はサイドに追い込みポグバが縦(サイド)にサポートをしなければいけない状況を作っているので、しっかりとサイドまで着いて行くことが出来ている。

 

ではなぜこのような戦術を思い切ってマルキーニョスは敢行出来たかを説明する。

 

 

2. D.アウベスの存在

 

僕が考える中で、もう1人のこの試合のキーマン。今日のこの試合でサイドバックではなく、サイドハーフで起用された理由が試合を通してわかった。

サッカーIQの高いこの選手がいたから、マルキーニョスがこのタスクを実行出来たのだろう。だらだらと文字に起こすよりも視覚的に見てもらった方が早いだろう。

結論からいくと、このようなポジショニングになる。

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①の選手がサイドハーフのD.アウベス。②がDMFのマルキーニョス、③もDMFのヴェラッティ

中にD.アウベスが絞る事で、一番危険なエリアをカバー。こうする事で仮にマルキーニョスがDFラインに吸収されても、スペースを埋めることができる。

 

また、マルキーニョスがポグバのマークを捨てて、より危険なエリアをカバーしなければならない場面は必ず出てくる。

その時にD.アウベスが中に絞り、代わりにポグバをマークする。この関係性がないとマルキーニョスはこのタスクをこなせなかっただろう。

では具体例を見ていこう。

 

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①のマルキーニョスはボールホルダーにプレスを行う選手のカバーとその後ろの選手へのパスコースを消す役目を果たしているのでポグバのマークに行くことは不可能だ。

そこで先程述べたD.アウベス。彼がポグバのマークにしっかりと着いている。

他の局面。

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ここでは、マルキーニョスが1人浮いている選手のマーク。

そこで、中央の一番危険なエリアをD.アウベスが埋めている。

 

マルキーニョスがポグバのマークでDFラインに吸収されている局面。

 

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ここもD.アウベスがしっかり中に絞っているので、スペースを埋めることが出来ている。

 

スペースを埋めに行く局面。

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マルキーニョスがボールホルダーにプレッシングをしているので、スペースができる。

もちろんポグバはそのスペースを使おうとしている。

そこにカバーに入るのが、①の選手(DMFヴェラッティ)とD.アウベスだ。

 

こうする事(3DMFの形になる)で、危険なエリアのスペースを補完し合っていた。

だからマルキーニョスはポグバに思い切ってマンマークにいけたのだ。

 

さらにマルキーニョスはキックもかなりの精度を誇り、対人(デュエル)もかなりの勝率だ。この選手をCBからコンバートしDMFで起用し続ける理由が容易にわかる。

戦術家トゥヘルの手腕がいかに高いかも理解できる。

チームとしては、ネイマールカバーニがいなくても勝てた事でさらに自信を深めることだろう。恐るべし、PSG。恐るべしトゥヘル。

 

そして一方のマンUは、、、

監督が代わってまだ無敗だったがとうとう負けてしまった。

その理由がポグバを封じられたことだろう。

ボールを受けては捌き、時間とリズムを創る。はたまた、恵まれたフィジカルとテクニックでボールを前に運び、全体を押し上げる。さらにロングボールで局面を変えることができるこの世界王者のポグバを完全に抑え込まれた。そしてポグバは退場。次のアウェイでの試合は出場することが出来ない。

そしてチームとしては枠内シュート1本という完敗。良い所がなく、終わってしまったマンU。まだ1試合残っているが、望みは薄いだろう。

 

ここまで監督の引き出しの差が顕著に出る試合は珍しいだろう。

改めて監督からのタスクを完遂したマルキーニョスとD.アウベスの凄さを確認できた。

これから少しこの2人を気にかけて観て欲しい。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回はチームとしてではなく、選手に焦点を当ててみました。

個々人のタスクを探りながらサッカーを見るのも面白いかもしれませんね。

UEFAチャンピオンズリーグはビッグクラブばかりなので、どの試合も面白いです。

スカパー!やDAZNなどでぜひ観てみてください。

 

改めて最後までご朗読ありがとうございます。

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